かんきょう‐ホルモン〔クワンキヤウ‐〕【環境ホルモン】
環境ホルモン(かんきょうほるもん)
ポリ塩化ビフェノール、ダイオキシン、ビスフェノールAなど約70種類が知られている。生物の体内でホルモンの働きを乱し、生殖器の奇形や性行動異常を引き起こする。
カモメのメスにペニスがあったり、あるいは魚がメス化するなどの例が報告されている。人体への影響では男子精子の減少などが知られている。
身近に知られているものにビスフェノールAがある。これは女性ホルモンと似た働きをする環境ホルモンである。プラスティック食器に使われる「ポリカーボネート」に含まれ、熱によって溶け出す。この食器が学校給食用に多く使われていたことで問題になったことがある。
また東京都が、2000年3月3日、カップめんのポリエスチレン容器30種類に熱湯を入れて15分間放置するという実験を行ったところ、すべての容器からスチレンダイマーやスチレントリマーなどの環境ホルモンが検出された。この際の平均溶出濃度は22.7ppbだった。
環境ホルモンの発生メカニズムはあまり解明されていない。また摂取量が1pptというごく微量で影響があるとされるが、検出や毒性評価も難しいということである。このため環境ホルモン発生の疑いがあっても、製品の多くは製造禁止には至っていない。
(2000.06.22更新)
環境ホルモン(外因性内分泌攪乱化学物質)
ホルモン類似作用をもち,人及び生物の生殖と発育という基本的な生物の生存条件に影響を与える可能性が懸念されている化学物質。平成8年1月に米国で出版された「奪われし未来」という本にも取り上げられており、その序文においてゴア米国副大統領が、かなりの数のホルモン類似の人工化学物質がデリケートな生物のホルモンシステムに影響を与えている可能性を指摘し、これらの化学物質がどの程度の影響を与え、また、このようなホルモン類似の作用を持つ化学物質がどれほど存在するか、我々や子供たちがどれだけこのような物質に暴露されているか研究努力を拡大しなければならないと指摘しました。
環境庁では、平成10年5月に、現時点での外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)問題についての基本的な考え方や、今後進めていくべき具体的な対応方針をまとめた「環境ホルモン戦略計画SPEED'98」を発表しました。環境庁ではこれに基づき各種の調査・研究を進め、行政的な措置のあり方について検討しています。 環境ホルモンといわれている物質には,主に以下のようなものが該当するとして研究が進められています。
○アジピン酸ジエチルヘキシル○アトラジン○アミトロール○アラクロール○アルキルフェノール○アルジカルブ○エスフェンパレレート○エンドスルファン○オクタクロロスチレン○カルバリル○クロルデン類○ケポン○ケルセン○2.4-ジクロロフェノール○2.4-ジクロロフェノキシ酢酸○ジネブ○1.2-ジブロモ-3-クロロプロパン○シペルメトリン○ジラム○スチレンの2及び3量体○ダイオキシン類(ジベンゾフラン類、コプラナーPCB含む)○多環芳香族炭化水素類○DDT類○トキサフェン○2.4.5-T○トリフェニルスズ化合物○トリブチルスズ化合物○トリフルラリン○ドリン類○ニトロトルエン類○ニトロフェン○パラチオン○ビスフェノールA○ビンクロゾリン○フェンバレレート○フタル酸エステル類○n-ブチルベンゼン○ヘキサクロロシクロヘキサン類○ヘキサクロロベンゼン○ベノミル○ペルメトリン○ベンゾフェノンペンタクロロフェノール○ポリ臭化ビフェニル○マイレックス○マラチオン○マンゼブ○マンネブ○メソミル○メチラム○メトキシクロル○メトリブジン○PCB○シマジン○フタル酸ジエチルヘキシル
環境ホルモン
環境ホルモン
化学物質のうち、体内に取り込まれると女性ホルモンに似た作用をし、その生物あるいはその子孫の生殖機能に深刻な障害を与えるおそれのある物質をいう。
環境中に放出され、まるでホルモンのように作用するので環境ホルモンと呼ばれる。ホルモンに似た働きだけでなく、逆にホルモンの働きを阻害するものもある。食器などに使われるポリカーボネート樹脂の原料であるビスフェノールA、プラスチックの可塑剤として用いられるフタル酸エステル類、PCB、ダイオキシン類、有機塩素系殺虫剤など100種類以上の物質が疑われている。
環境ホルモン
環境ホルモン
ホルモン撹乱物質(環境ホルモン)
内分泌攪乱物質
(環境ホルモン から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/08 01:34 UTC 版)
内分泌攪乱物質(ないぶんぴつかくらんぶっしつ、英語: endocrine disruptor)とは、環境中に存在する化学物質のうち、生体にホルモン作用をおこしたり、逆にホルモン作用を阻害するもの。2003年(平成15年)5月の日本国政府見解では、「内分泌系に影響を及ぼすことにより、生体に障害や有害な影響を引き起こす外因性の化学物質」と定義されている。
- ^ 環境ホルモン学会「会則」
- ^ シーア・コルボーンら著 『奪われし未来』 長尾力訳、増補改訂版、翔泳社、2001年。ISBN 4881359851
- ^ 「逆U字効果」、vom Saal, F. S. et al. (1997). Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 2056. 全文(英語) など
- ^ ポリカーボネート・ニュース
- ^ 環境省(環境ホルモン問題関係)
- ^ 中西準子「環境ホルモン空騒ぎ」新潮45 1998年12月号
- ^ 西川洋三著 『環境ホルモン-人心を「撹乱」した物質』 日本評論社、2003年。ASIN 453504824X
- ^ 「ビスフェノールAについてのQ&A」 厚生労働省食品安全部基準審査課 2008年7月8日
- ^ 国立研部長がずさん報告書 厚労省から3千万円補助金(北海道新聞)
- ^ 「リスクプロファイルシート(ゼアラノレン)」農林水産省消費・安全局消費・安全政策課 2008年5月12日
- ^ Yamamoto S, Sobue T, Kobayashi M et al. "Soy, isoflavones, and breast cancer risk in Japan" J Natl Cancer Inst, 18;95(12), 2003 Jun, P906-13.
- 1 内分泌攪乱物質とは
- 2 内分泌攪乱物質の概要
- 3 環境ホルモン以外の内分泌攪乱物質
環境ホルモン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 02:52 UTC 版)
発泡スチロールの主原料はポリスチレンだが、微量含まれているスチレンダイマーとスチレントリマーが、日本で1998年に、環境庁(現環境省)によりSPEED'98(環境省関連ページ)で内分泌攪乱物質(俗に「環境ホルモン」とも)の疑いのある物質として上げられた。そのため、従来は最終処分場にて埋め立て処理されていた発泡スチロールが、環境汚染の一因と疑われた。業界団体からの反発を受け、環境省は2000年11月にこのリストからスチレンダイマーとスチレントリマーを取り消した。
※この「環境ホルモン」の解説は、「発泡スチロール」の解説の一部です。
「環境ホルモン」を含む「発泡スチロール」の記事については、「発泡スチロール」の概要を参照ください。
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