トリブチルスズとは? わかりやすく解説

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トリブチルスズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/01 23:25 UTC 版)

トリブチルスズ
識別情報
CAS登録番号 688-73-3 
PubChem 5948
ChemSpider 5734 
UNII 4XDX163P3D 
EC番号 211-704-4
MeSH Tributyltin
ChEBI
バイルシュタイン 3587329
Gmelin参照 4258
特性
化学式 SnC12H28
モル質量 291.06 g mol−1
外観 液体
密度 1.082 g cm−3
沸点

80℃ (at 50 Pa)

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

トリブチルスズ (tributyltin または tributylstannane) とは、有機スズ化合物の一種。トリ-n-ブチルスズ もしくは 水素化トリブチルスズ(すいそかトリブチルスズ、tributyltin hydride)とも呼ばれ、TBT と略称される。有機合成においてラジカル的還元剤として用いられる。

かつては酸化物である酸化トリブチルスズ、(n-C4H9)3Sn-O-Sn(n-C4H9)3 とともにフジツボ海藻の付着を防ぐ目的で船底や魚網の塗料に加えられていたが、貝のオス化など海洋生物に悪影響を与えることが判明した。現在、これらの化合物はロッテルダム条約の適用内と考えられていて[2]国際海事機関 (IMO) により使用が禁止されている[3]

有機合成

有機ハロゲン化合物のハロゲンを水素に置き換える還元剤として用いられる[4]。反応は以下に示す通りラジカル的に進行する。

トリブチルスズをAIBN など適切なラジカル開始剤とともに用いることで、水素がラジカルとして引き抜かれてトリブチルスズラジカル、(n-C4H9)3Sn• が生じる。このスズラジカルはハロゲン化アルキルなどのハロゲン原子をラジカルとして引き抜き、発生したアルキルラジカルが新しいトリブチルスズから水素ラジカルを引き抜いてスズラジカルを再び発生させ、そうして反応が連鎖的に続く。生成物はハロゲン化アルキルのハロゲン原子が水素に置き換わった還元体 (R-H) とハロゲン化トリブチルスズ、(n-C4H9)3Sn-X である。





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