環境ホルモン問題に対する懸念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 15:15 UTC 版)
「ポリ塩化ビニル」の記事における「環境ホルモン問題に対する懸念」の解説
20世紀末ごろ、いわゆる環境ホルモンへの関心が高まる中で、ポリ塩化ビニル中に含まれる可塑剤が食品中などに溶け出すことで人体に与える影響が懸念されるようになった。これまで可塑剤として広く用いられていたフタル酸エステルであるフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)は油脂を含んだ食品中へ溶け出す可能性があり、食品が直接触れる容器や包装への使用が制限されるようになった。また、玩具のうちソフトビニール人形などの「乳幼児が口に接触することをその本質とするおもちゃ」に対してもフタル酸エステルを含むポリ塩化ビニルの使用が制限され、代替材料として熱可塑性エラストマーが用いられるようになった。 食品製造時に用いられているポリ手袋も同様の理由から問題視された。2000年6月、厚生省(現・厚生労働省)は食品製造時のポリ塩化ビニル製手袋の使用を中止するよう通達を出した。なお2003年の環境省検討会において、フタル酸エステルには環境ホルモン様作用が確認されなかったことが報告された。
※この「環境ホルモン問題に対する懸念」の解説は、「ポリ塩化ビニル」の解説の一部です。
「環境ホルモン問題に対する懸念」を含む「ポリ塩化ビニル」の記事については、「ポリ塩化ビニル」の概要を参照ください。
- 環境ホルモン問題に対する懸念のページへのリンク