アオコとは? わかりやすく解説

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あお‐こ〔あを‐〕【青粉】

読み方:あおこ

青海苔(あおのり)を粉末したもの

クロオコックス科の藍藻(らんそう)。単細胞寒天質中に群をなし、沼などに繁殖して藍青色を示す。

湖沼などに繁殖して緑色に濁らせる微小な藻類藍藻珪藻(けいそう)・クロレラなど。→水の華

青粉の画像

アオコ (青粉)

富栄養化した湖沼等で植物プランクトン異常発生し,水面緑色になる現象死滅青粉)したプランクトンによる腐敗臭発生分解過程酸素消費による酸欠により魚介類被害を及ぼすことがあります

アオコ (あおこ)


アオコ

富栄養化した湖沼や池で、夏期中心に藍藻類ミクロキスティスなど)が異常増殖して、水の表面緑色の粉をふいたような厚い層が形成されることがあり、これをアオコといいます。アオコが発生すると、腐敗による悪臭発生酸欠による斃死浄水場ろ過障害、かび臭などの異臭味の発生するほか、浄水処理でトリハロメタン生成促すこともありますまた、藍藻類中には有毒なものも知られています。

マナマコ

学名Apostichopus japonicus 英名:Japanese common sea cucumber
地方名アカコ、アオコ 
棘皮動物門ナマコ綱手目−マナマコ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか

※出典:長崎県水産部ホームページ
生態写真はこちら

特徴
日本各地で最も普通に見られるナマコである。太さは6〜8cm程度体色外洋性岩礁や礫帯などにすむものは褐色濃淡斑紋をもちアカコ内湾性の砂泥底にすむものは暗褐色黒色でアオコと呼ばれる。冬に活動し、夏は石の下などでじっとしている。産卵期は3〜9月で、南ほど早い。1尾は50300粒の卵を産む日本近海から毎年6000t程のナマコ水揚げされるが、そのほとんどがマナマコである。

分布:北海道九州南端 大きさ:30cm
漁法:  食べ方:このわた腸の塩辛)、このこ、にりこ(干しなまこ)

アオコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/08 15:26 UTC 版)

アオコ青粉)とは、富栄養化が進んだ湖沼等において藍藻シアノバクテリア)が大量に増殖し[1]、水面を覆い尽くすほどになった状態、およびその藻類を指す。粒子状の藻体がただよって水面に青緑色の粉をまいたように見えることから、「青粉(あおこ)」と呼ばれるようになったと考えられる。

アオコが大発生した津久井湖

概要

水の華の一形態で、藍藻だけではなく、緑藻ミドリムシによるものもアオコと呼ぶ場合もあるが、近年では藍藻主体である場合を指すことが多い。アオコに似た現象としては、ミドリムシの大増殖や浮草の浮遊、緑藻の繁殖などが挙げられ、専門家でも見間違う場合がある[1]

アオコには独特の臭いがあり[1]、発生場所や季節によって緑色の程度が異なる[1]。甚だしいものは、ペンキに喩えられるほど色が濃くなる。

かつて「アオコ」の呼称は、構成藻類の代表種 Microcystis aeruginosa の別名として使われた。この藍藻はガス胞を持ち、寒天質で覆われた群体を形成するため、アオコとして観測されやすい。

湖沼や環境、季節によって、観察される種は変化する。以下はよく見られる属名。

藍藻
  • ミクロキスティス属 Microcystis
  • アナベナ属 Anabaena
  • アナベノプシス属 Anabaenopsis
緑藻

被害

アオコが発生すると様々な不都合が生じる。

人間社会においては、湖沼自体の利用障害となる(例えばをはじめとする養魚、淡水漁業、近隣の生活環境、親水観光産業など)ほか、取水源として利用する水道水の異臭・異味の原因となったり、さらには人や家畜への健康被害も懸念される[1]。2007年に中国の太湖でアオコが大発生した際には、住民の飲用水確保が大きな問題となった[1]。また、湖沼周辺の生態系など自然環境を損なうおそれも高い。

遮光によるもの
水面をアオコが覆うと、水草などの水生植物は光合成ができず死滅する[1]。水草の森は、魚類の産卵や稚魚の成育場所として重要であり、その消滅は生態系の破綻を招くおそれがある。
酸欠によるもの
夜間の呼吸作用により溶存酸素が消費され、魚類などの動物が酸素欠乏により死滅する。湖沼は河川に比べて酸素の供給効率が低く、新鮮水による洗い流し効果も無いため、酸欠を招きやすい。また、アオコの死骸が湖底で腐敗すると、硫化水素などの還元性物質が発生し、やはり酸素を消耗する。
毒素によるもの
藍藻には非リボソームペプチドであるミクロシスチン (Microcystin-LR、略:MC-LR)などの毒素を生産する個体群が含まれており[2]赤潮と同様に魚類のエラを閉塞させ窒息させるほか、毒素によりカモなどの鳥類(アイガモ)の肝臓組織に蓄積し斃死を引き起こす[3]ことがある。また、アメリカオーストラリアなど放牧が盛んな国では、飲用した家畜の斃死被害が多発している[1]。ヒトに対しても、1996年にブラジルで、肝不全による死者50名を出す事件が報告されている[4]ほか、発癌性(肝臓ガン)も指摘されている。

対策

浄水場での高度処理など各種の対策が研究・実用化されているが、アオコそのものを減少・消滅させるためには、湖沼の富栄養化を解消(特にリン濃度を低下)するなど根本的な対策が必要となる。すなわち下水処理における脱リン・脱窒素の高度処理の導入、流域農地での肥料使用量の適正化などである。

一方、対症療法的にアオコを増殖抑制或いは除去する技術の例(技術開発中を含む)として、

  1. 汲み上げ濾過(湖沼水を汲み上げ、アオコを漉し取って水を戻し、アオコは脱水、処分する)
  2. 深層曝気(アオコが植物であることを利用し、光の届かない湖底へ送り込んで不活化する。腐敗を抑えるため、曝気して行う)
  3. 硫酸銅などの殺藻剤の利用
  4. バクテリアを利用
  5. 炭素繊維[5]と鉄を使った除去装置。2011年に館林・つつじが岡公園で実証実験[6][7]
  6. 超音波によりアオコを破壊[8][9][10][11] 、2013年には実証試験が八郎湖で行われた[12][13]
  7. 超高圧水中衝撃波[14]

など様々あるが、低コストで実用的な手法は得られていない。

脚注

  1. ^ a b c d e f g h アオコってなに?”. 京都大学生態学研究センター. 2023年7月11日閲覧。
  2. ^ 白井誠:アオコの毒性に関する研究 『マイコトキシン』 1996年 1996巻 42号 p.3-5, doi:10.2520/myco1975.1996.3
  3. ^ 中村剛也, 渡邊琴文, 石川可奈子 ほか、琵琶湖磯漁港のアイガモ斃死試料中の藍藻毒素microcystin-LRの蓄積 『日本鳥学会誌』 2013年 62巻 2号 p.153-165, doi:10.3838/jjo.62.153
  4. ^ ブラジルで透析患者50人が死亡 (マイクロシスチンに汚染された水を使用) 愛知県衛生研究所
  5. ^ 蒲生孝治、「カーボン西陣織による陸水域の自然再生」 『京都女子大学現代社会研究』 京都女子大学現代社会学部 紀要論文 2009年 第12号, hdl:11173/437
  6. ^ 「館林・つつじが岡公園 アオコ除去実験 成果着々 炭素と鉄で透明な池に」上毛新聞 2011年10月22日、社会18面
  7. ^ 館林・つつじが岡公園 池の透明度4倍に 炭素繊維と鉄で浄化 Archived 2014年12月24日, at the Wayback Machine. 上毛新聞ニュース 2012年1月14日
  8. ^ 湖沼・ダム湖水質改善に関する技術開発 西日本技術開発株式会社
  9. ^ 超音波を用いた水の華(アオコ)の制御 (PDF)
  10. ^ アルジーハンター, アオコキラー イービストレード株式会社
  11. ^ 超音波藻類処理 ウィンテックス株式会社
  12. ^ 八郎湖のアオコ悪臭防止へ実証試験 県が今夏、2河川で 47NEWS 2013年3月21日
  13. ^ アオコ抑制装置設置等業務委託プロポーザルの審査結果について Archived 2015年6月22日, at the Wayback Machine. 秋田県 環境管理課八郎湖環境対策室
  14. ^ 鈴木実, 安西竜也:超高圧水中衝撃波によるアオコの死滅処理(水中衝撃波の発生法及び微生物への影響) 『日本機械学会論文集B編』 Vol.79 (2013) No.801 p.799-803, doi:10.1299/kikaib.79.799

関連項目

外部リンク


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