モントリオール‐ぎていしょ【モントリオール議定書】
モントリオール議定書
85年3月22日に採択された、オゾン層の保護を目的とする国際協力のための基本的枠組みを設定する「オゾン層の保護のためのウィーン条約」の下で、87年9月16日に、オゾン層を破壊するおそれのある物質を特定し、当該物質の生産、消費及び貿易を規制して人の健康及び環境を保護するため採択された議定書。オゾン層破壊物質として臭化メチル、HCFC等が指定されている。臭化メチルについては、検疫用途などを除き全廃することが決定されているが、なお、技術的・経済的に適切な代替手段がなく、臭化メチルを使用できなくなることにより、著しい損害がある場合には、全廃後であっても、締約国がモントリオール議定書締約国会合に申請書を提出し、締約国会合の審査機関の審査を経て認められれば、「不可欠用途」としての使用ができる。モントリオール議定書
1987年にカナダのモントリオールで開催された国際連合環境計画会議で採択された、オゾン層を破壊するフロンを規制する内容の議定書をいう。エアコンや冷蔵庫の冷媒などに広く用いられているフロン(CFCなど)の消費量が世界的に増加し、大気中に放出される。フロンは大気中に放出されると対流圏内ではほとんど分解されず、成層圏に達してオゾン層を破壊してしまう。その結果、オゾンホールから有害紫外線が地表に多量に入り込み、皮膚がんや白内障の発生率が増加するなどの影響をもたらすことから国際的に規制されたものである。議定書はその後改正され、CFCについては何年末までに生産および消費を全廃することが決まった。
参照 フロン等規制法モントリオール議定書
モントリオール議定書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/25 08:29 UTC 版)
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オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書 | |
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通称・略称 | オゾン層破壊物質議定書、モントリオール議定書 |
署名 | 1987年9月16日 |
署名場所 | モントリオール |
発効 | 1989年1月1日 |
寄託者 | 国際連合事務総長 |
文献情報 | 昭和63年12月27日官報号外第179号条約第9号 |
言語 | アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語 |
主な内容 | オゾン層を破壊するおそれのある物質を指定し、当該物質の生産、消費および貿易を規制して人の健康および環境を保護する。 |
関連条約 | オゾン層の保護のためのウィーン条約 |
条文リンク | オゾン層破壊物質議定書 (PDF) - 外務省 |
モントリオール議定書(モントリオールぎていしょ、英: Montreal Protocol on Substances that Deplete the Ozone Layer)は、ウィーン条約(オゾン層の保護のためのウィーン条約)に基づき、オゾン層を破壊するおそれのある物質を指定し、これらの物質の製造、消費および貿易を規制することを目的とし、1987年にカナダで採択された議定書。
正式名は「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」[1]。事務局はケニアのナイロビにある国連環境計画(UNEP)。
概要
1987年に採択。1989年に発効[2]。毎年、議定書の締約国会議が開かれ、1990年(ロンドン改正)、1992年(コペンハーゲン改正)、1997年(モントリオール改正)、1999年(北京改正)、2016年(キガリ改正)と段階的に規制強化が図られている。
この議定書により、特定フロン、ハロン、四塩化炭素などは、先進国では1996年までに全廃(開発途上国は2015年まで)、同議定書のキガリ改定によりその他の代替フロンも先進国は、2020年までに全廃(開発途上国は原則的に2030年まで)することが求められた。
日本では1988年に、「オゾン層保護法」を制定し、フロン類の生産および輸入の規制を行っている。
日本もキガリ改正には、2018年12月18日に批准し、65番目の批准国となる。同改正は2019年1月1日より発効している[3]。
規制対象物質
- クロロフルオロカーボン (CFC)
- ハロン
- 四塩化炭素
- 1,1,1-トリクロロエタン
- ハイドロクロロフルオロカーボン (HCFC)
- ハイドロブロモフルオロカーボン
- 臭化メチル
- ブロモクロロメタン
- ハイドロフルオロカーボン(HFC)、通称代替フロン
キガリ改正
2019年1月1日、議定書のキガリ改正が発効された。キガリ改正の下で、各国は今後30年間で代替フロンとも呼ばれるハイドロフルオロカーボン(HFC)の使用を80%以上削減することを約束した。2018年12月27日までに、65カ国がキガリ改正を批准した。日本も2018年12月18日に批准。 代替フロンの段階的廃止は、よりエネルギー効率の高い冷却装置を再設計することで実現可能である。主に先進国で製造された代替フロンは、CFCおよびHCFCに代わるものである。代替フロンはオゾン層に害を及ぼさない。代替フロンはCFCやHCFCのように塩素を含まないからである。しかし、代替フロンは温室効果ガスであり、地球温暖化係数(GWP)が高く、CFCやHCFCと同程度である。
7年間の交渉の後、2016年10月にルワンダ共和国の首都キガリで開催された第28回モントリオール議定書会議で、キガリ改正は代替フロンをモントリオール議定書に基づく規制対象として締約国により採択された。中国、ブラジル、南アフリカを含む発展途上国のグループは、2045年までに、代替フロンの使用量を2020年から2022年にかけての平均値の80%削減することを義務付けられている。インドと他のいくつかの発展途上国 - イラン、イラク、パキスタン、そしてサウジアラビアとクウェートのようないくつかの石油経済に依存する国 - は、2024年から26年の代替フロンのそれらの平均値の85%を2047年までに削減する。
2017年11月17日には、キガリ改正の発効が可能となる批准国20か国を超え、2019年1月1日に同改正が発効することが決まる。
議定書の効果
2023年1月9日、国際連合の専門家委員会が提出した報告書によれば、モントリオール議定書によりオゾン層の破壊物質は1989年と比較して99%減少。オゾン層は世界のほとんどの地域で2040年、北極では2045年、南極でも2066年には、1980年のレベルまで回復することが報告された[4]。
脚注
- ^ “モントリオール議定書”. 環境省. 2024年5月25日閲覧。
- ^ 1988年(昭和63年)12月27日外務省告示第659号「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の効力発生に関する件」
- ^ 2018年(平成30年)12月21日外務省告示第398号「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の効力発生に関する件」
- ^ “オゾン層、数十年後には完全回復の見通し 国連報告書”. CNN (2023年1月10日). 2023年1月17日閲覧。
関連項目
外部リンク
モントリオール議定書
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「オゾンホール」の記事における「モントリオール議定書」の解説
1987年のモントリオール議定書(Montreal Protocol)により、オゾン層破壊物質の削減・廃止への道筋が定められた。この議定書では、5種類のフロンについて1998年までに半減すること、3種類のハロン(フッ化炭素類)を1992年以降に増加させないことが定められている。 2022年現在、この議定書の締約国は、198か国及びEUである。日本では1988年に、「オゾン層保護法」が制定され、1989年7月より、フロン等の生産規制が始まっている。
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