コーポレート‐ガバナンス【corporate governance】
コーポレートガバナンス(こーぽれーとがばなんす)
コーポレートガバナンス(corporate governance)は、企業統治と訳される。「経営者が企業を統治するのか、それとも、株主が企業を統治するのか」という問題が根底にある。
従来の日本の企業では、社長などの経営者が企業を統治してきた。株主は企業から株券を購入するだけで、あえて企業方針に口をはさむことはなかった。言いかえれば、株主は企業経営を、経営者にまかせていた。
ところが、近年になって、大きな経営不祥事が何件も明るみに出た。そして、「経営を企業にまかせきりではいけない」と思われるようになったのだ。たとえば、株主が企業経営の内部を、まめにチェックできれば、経営不祥事は防げるかもしれない。
また、社長などの重役は従業員重視の経営を行いがちだ。経営不祥事にまではいたらないとしても、社長が株主重視であるとは限らない。ワンマン社長など「会社は俺のもの」という姿勢をとる経営者もいる。
でも、企業に実際の出資をしているのは株主だ。そこで「もっと株主の方を向いた経営を」の意味で、コーポレートガバナンスが言われるようになった。
(2000.10.24掲載)
コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンス (企業統治) とは、企業経営を管理監督する仕組みを意味する。
株式会社では、会社の所有者である株主により選任された取締役が会社の経営を行う。会社の経営者は、株主に対して株主の利益の最大化を実現すべく会社を経営する責任を負っているが、経営者がその責任を適切に果たしているか管理監督をする仕組みが本来のコーポレートガバナンスであり、
具体的には、
1.株主総会、取締役会、監査役会等の組織構成
2.取締役会、監査役会等の組織の構成員の選任方法
3.取締役、監査役等に対する報酬の決定方法
4.経営状況の監査の仕組み
5.株主への情報開示の仕組み等の制度のあり方
をいう。
これまで日本では、会社は経営者あるいは従業員のものという意識が強く、企業統治のあり方に対する意識はあまり強くなかったが、最近では企業の相次ぐ不祥事や、買収がらみの騒動等を背景として、「企業は誰のものか?」「企業統治はどうあるべきか?」を問う声が高まっている。
コーポレートガバナンス
過去、長年にわたって日本の企業は、そこで働く社員のために存在するという意識が強く、とくにバブルが崩壊してからは、それが経営判断の誤りをチェックできない要因の1つと言われてきました。株主総会も「シャンシャン総会」と言って、株主の意見はあまり反映されないのが一般的で、それに対する批判の声も高まっています。これに対してアメリカ社会では、企業は株主のために存在するという意識が強く、企業経営者は経営面について、株主から厳しいチェックを受けることになります。コーポレートガバナンスは、企業経営のチェック体制を明確にすることで、経営者の独断による暴走を牽制する意味合いがあります。日本の企業でも、最近は社外取締役を招聘するなど、企業統治の概念を明確に打ち出す企業が増えてきました。
コーポレートガバナンス
コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンス(Corporate Governance)
用語集での参照項目:厚生年金基金連合会、企業年金連合会
コーポレートガバナンス
【英】corporate governance
コーポレートガバナンスとは、企業の経営を律する枠組みのことである。企業統治とも呼ばれる。
コーポレートガバナンスでは、株主などが経営者の不正を監視することで、企業の不祥事を未然に防ぐことができるとされている。
東京証券取引所では、コーポレートガバナンスを有効に機能することが、企業価値を継続的に高めていくことであるという考えから、上場会社に対して「コーポレートガバナンス報告書」の提出を義務付けている。なお、コーポレートガバナンス報告書は、資本構成や経営管理組織の形態、内部統制システムなどにより構成される。
参照リンク
上場会社コーポレート・ガバナンス原則 - (PDF)
コーポレート・ガバナンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/05 09:26 UTC 版)
コーポレート・ガバナンス(英語: corporate governance)は、企業経営を管理監督する仕組みのこと。株式会社の場合、会社の所有者である株主の利益を最大限に実現できているかどうかを管理監督するシステムのことである[1]。一般に多く使われるのは、企業の不正行為の防止と競争力・収益力の向上を総合的にとらえ、長期的な企業価値の増大に向けた企業経営の仕組み[2]。
注釈
- ^ 例えば西ドイツの製造業の場合、1980年代のデータによれば、負債比率がおおむね70%前後、自己資本比率は30%前後であった。菊澤 (2004: 55)。原出典:日本銀行『国際比較統計1992』。
- ^ 1996年には、ドイツ(統一後)の製造業における自己資本比率は50.4%、負債比率は49.6%である。菊澤 (2004: 61)。原出典:日本銀行『国際比較統計1999』。
- ^ 住友銀行のイトマンに対する不正融資(1990年)、富士銀行などでのニセ証書事件、日本興業銀行から尾上縫に対する巨額融資、東洋信用金庫の巨額ニセ預金証書発行事件(1991年)などが明らかになった。田村 (2002: 10)。
- ^ 日本合成化学、不二越と総会屋の癒着(1990年)、4大証券会社、平和堂(1991年)、髙島屋(1996年)、味の素、旧第一勧業銀行、松坂屋、日立、東芝、三菱地所(1997年)、旭硝子、日本航空(1998年)などの総会屋への利益供与が発覚した。菊澤 (2004: 30-31)。
- ^ 日東あられ、マクロスの粉飾経理事件(1991年)、アイペックの粉飾経理事件(1992年)、二信組事件(1995年)、三田工業の粉飾経理(1998年)などが発覚した。菊澤 (2004: 31)。
出典
- ^ “コトバンク - 出典 株式公開支援専門会社(株)イーコンサルタント株式公開用語辞典について、株式会社ストライクM&A用語集について”. 2019年10月4日閲覧。
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コーポレートガバナンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 04:28 UTC 版)
「ズーム (楽器メーカー)」の記事における「コーポレートガバナンス」の解説
株主をはじめ顧客・ 従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みとして、日本のコーポレートガバナンス・コードを遵守している。 また、コーポレートガバナンス報告書を規定に従って定期的に提出している。 一方、株式会社ズームでは、CEO、CFO、CSMO(チーフ・セールス&マーケティング・オフィサー)、CTO(チーフ・テクニカル・オフィサー)、CRDO(チーフ・リサーチ&ディベロップメント・オフィサー)、CPO(チーフ・プロダクション・オフィサー)の6名の執行役員が業務執行を担い、3名の社外取締役を含む5名の取締役(取締役会の過半数が社外取締役)がコーポレートガバナンス・コードに準拠して監督を行う体制をとっている。
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コーポレート・ガバナンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 17:47 UTC 版)
「ウィリアム・クレイ・フォード・ジュニア」の記事における「コーポレート・ガバナンス」の解説
フォードは大型トラック事業管理の幹部職を辞めて取締役会の財務委員会の委員長に就任し、非常勤でコーポレートガバナンスの立場を担った。1998年9月に取締役会長に選ばれ、1999年1月1日に就任した。2001年10月30日、当時の最高経営責任者ジャック・ナッサー(英語版)の退任に伴い、フォードは最高経営責任者(CEO)も兼任した。この人事は企業利益や株主価値の最大化を重視していたナッサーに対し、フォードは人と伝統を大切にするという企業価値観の違いを反映した物である。2006年4月にはフォードの社長にして最高執行責任者ジム・パディーラが退任し、ビル・フォードがその役割を引き継いだ。 2006年9月5日、フォードは社長とCEOを退任することを発表し、後任には元ボーイング上級幹部のアラン・ムラーリを指名した。フォードは引き続き同社の代表取締役会長を務めている。 退任時、フォードはフォーブス誌のCEO年収筆頭番付で264位にランクされており、年収は1,000万ドルであった。
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コーポレート・ガバナンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/02 18:05 UTC 版)
「ロード・コーポレーション」の記事における「コーポレート・ガバナンス」の解説
現在の役員 ロード・コーポレーションの現在の12役員: リチャード・L・マクニール、マーク・ボリス、ジャック・デレオン、ジェラルド・M・エステス、ウィル・C・ヒンクストン、シャロン・A・ウィリアムズ、ジョゼフ・W・マロッタ、レーン・R・ミラー、ジョナサン・D・オーシュリ、テサ・L・オーシュリ、デヴィッド・サイポリン、ウィリアム・J・セラミ。
※この「コーポレート・ガバナンス」の解説は、「ロード・コーポレーション」の解説の一部です。
「コーポレート・ガバナンス」を含む「ロード・コーポレーション」の記事については、「ロード・コーポレーション」の概要を参照ください。
コーポレート・ガバナンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 15:20 UTC 版)
取締役会のもとに経営会議、経営改革委員会、予算委員会、コンプライアンス委員会が設置されており、それぞれ毎月1回の開催を原則としている。
※この「コーポレート・ガバナンス」の解説は、「丸久」の解説の一部です。
「コーポレート・ガバナンス」を含む「丸久」の記事については、「丸久」の概要を参照ください。
コーポレートガバナンス
出典:『Wiktionary』 (2021/08/06 11:59 UTC 版)
異表記・別形
名詞
コーポレートガバナンス
類義語
語義2
語源
英語 "corporate governance" の音写。
コーポレート・ガバナンス
「コーポレートガバナンス」の例文・使い方・用例・文例
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