ふんしょく‐けっさん【粉飾決算】
粉飾決算
商法や証券取引法などで禁じられた行為ですが、景気が低迷し、企業業績の悪化が増えてくると、粉飾決算を行う企業が増えてきます。粉飾決算が横行し、水増しされた利益が発表されると、適正な株価形成などに支障を来たすことになります。また、倒産寸前にもかかわらず、決算の粉飾で企業内容が健全であるかのようにみせかけられると、その決算を信じて株式を購入した株主や、取引先企業などにも悪影響が及ぶことになります。1990年代に入ってから相次いで発覚した証券スキャンダルなどでも、取引先企業の損失を海外などの関連会社に付け替える「飛ばし」が横行しましたが、これも企業の損失をごまかすための粉飾決算と言えます。
粉飾決算
粉飾決算
粉飾決算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 18:02 UTC 版)
ベルべの事業停止以前から信用調査会社である帝国データバンクと東京商工リサーチは、ベルベが長年にわたり粉飾決算を行っていた疑いをかけており、経理も石川元社長が会計事務所の従業員も取り込んで帳簿や決算書の粉飾を行っていた。さらに石川元社長は、緻密な事業計画や収支計画を立てていなかった。 運転資金が枯渇したベルべは、複数の金融機関に新店舗向けの融資を依頼し、運転資金に充てる事にした。手口は、金融機関ごとの異なる粉飾した決算書を提出し、当該銀行がメインバンクであるように偽装して資金を調達した他、多重リースも行っていた。ある取引金融機関は、「関係先ごとに複数の決算書を提出していたようだ。問題のある融資先との認識もなく見破れなかった」とコメントしている。金融機関からの融資が困難となったベルべは、2021年5月に石川元社長の友人から出資金の名目で資金を借り入れたが、その出資金も返済困難となる状況に陥った。 粉飾決算によりベルべは資金繰りに行き詰まり、2021年10月28日に石川元社長が東京都の弁護士事務所を訪問して民事再生法申請を相談し、その際に不正会計を行っていたことを告白した。その際弁護士は、粉飾されていない真正の決算書や各店舗の収支がわかる資料の提供を求めた。同年11月1日に再度打ち合わせを行う事になったが、前述の通り石川元社長が行方をくらましたため、弁護士と幹部社員で今後の方針が検討されることになった。帝国データバンクによれば、事業停止直後から取引金融機関から代理人弁護士に対して、借入金に関する問い合わせがあったという。経理を把握していたのは石川元社長のみであり、財務内容の把握は困難であったため、民事再生法の申請を断念した。 前述の通りベルべは幹部社員が社長に就任し、破産を申請するに至った。ベルべが提出した破産申立書によれば、借入金は金融機関、企業、個人の合計で約30に及ぶ他、銀行口座に関しても98口座が確認されている。
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粉飾決算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 00:50 UTC 版)
「グレイステクノロジー」の記事における「粉飾決算」の解説
松村の死去から7か月後の2021年11月9日に、不適切な会計処理が行われていたのではないかという指摘が外部からあった。 これを受けてグレイステクノロジーは同日に特別調査委員会を設置して調査を開始したと同時に、同年11月15日に予定していた2022年3月期第2四半期決算発表を延期する事を発表した。同年11月15日に提出期限となっていた2022年3月期第2四半期四半期報告書の提出期限を2022年1月17日までに延長する承認を受けた。 特別調査委員会は2021年12月26日に最初の調査結果を発表。グレイステクノロジーは2016年3月期より、松村元会長やA元取締役主導の下で架空売上を計上し、その架空取引に係る売掛金を当社役職員の自己資金を用いて仮装入金等していたこと、売上の前倒計上をしていたこと、利益操作目的で架空外注費を計上していたこと、架空売上を計上し、その架空取引に係る売掛金を当社役職員の自己資金を用いて仮装入金等していたことにより利益操作目的で架空外注費を計上していたことが明らかとなった。これにより、2016年3月期から2021年3月期までの売上の55%が架空売り上げであったことが明らかとなったと同時に、他のリース案件に関しても会計処理の適切性が疑われる取引が行われていたことが明らかとなった。これは、会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人の監査をすり抜けるという悪質なものであった。粉飾決算の発覚により、株価は急落していった。 東京証券取引所は2022年1月14日に、延長承認を受けた2022年3月期第2四半期報告書の提出が同年1月17日までに提出不可能となったことから、グレイステクノロジー株式を監理銘柄(確認中)に指定したと同時に、同年1月27日までに四半期レビュー報告書を添付した2022年3月期第2四半期報告書を提出しなければ上場廃止にすることを発表。同年1月27日までに四半期レビュー報告書を添付した2022年3月期第2四半期報告書の提出が不可能となったため、グレイステクノロジーは同年2月28日に上場廃止となった。なお、同年4月4日に施行される東京証券取引所新市場では、グレイステクノロジーは東京証券取引所プライム市場を選択していた。 グレイステクノロジーは2022年1月27日に、特別調査委員会による調査書を受領。それによると、売上の前倒し計上や架空売り上げの計上が多数発見されたことが明らかとなり、2021年3月期の単独売上高18億円のうち、半分以上の約9億9000万円が架空売り上げであったことが明らかとなった。売上の前倒し計上は上場前である2016年3月期から行われており、経営陣も認識していたという。松村は東京証券取引所マザーズ市場上場直後から予算の達成を強く意識するようになった結果、予算達成への貢献をさらに強く求めるようになっていき、社員に対するパワーハラスメントも横行するようになった。2018年8月から2021年8月までの間に、63人がグレイステクノロジーを退職していった。前倒し計上でも目標達成が困難となったことから、架空売上の計上に手を染めるようになり、顧客の署名や押印などを偽造した上で、役員などがストックオプション(新株予約権)の行使で得た株式の売却で得た資金を顧客名義でグレイステクノロジーに入金する偽装もしていた事も明らかとなった。2016年4月期から2021年3月期までの架空売上の総額は、23億4700万円に達していた。これにより、グレイステクノロジーの経営は松村によるワンマン経営と粉飾決算による自転車操業であったことが明らかとなったばかりか、投資家や株式市場への信用低下を招く結果となった。 グレイステクノロジーは2022年2月18日に、役員責任調査委員会を設置した。調査の結果によっては、役員や元役員に対する損害賠償請求を行うとしている。 グレイステクノロジーは、訂正処理を行った2021年3月期までの有価証券報告書と2022年3月期第1四半期報告書までの四半期報告書の訂正報告書並びに2022年3月期第2四半期報告書を提出する予定であるが、2022年2月14日現在、訂正処理を行った2021年3月期までの有価証券報告書と2022年3月期第1四半期報告書までの四半期報告書の訂正報告書並びに2022年3月期第2四半期報告書と2022年3月期第3四半期報告書を提出できる見通しは立っていない。証券取引等監視委員会は2022年2月22日、金融商品取引法違反の容疑で、グレイステクノロジーに対して課徴金2400万円の納付と有価証券報告書などの訂正報告書の提出をさせるよう金融庁に勧告を行った。 上場廃止後も事業を継続するとしているが、経営再建は容易ではないという向きもある。
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粉飾決算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/24 02:48 UTC 版)
有価証券報告書に記載されている2009年3月期売上高は118億円としていたが、実際は2億円程度であったことが2010年5月中旬に判明。実に98パーセントの粉飾である。実際に商品は殆ど売れておらず、倉庫に在庫が積まれていたという。 粉飾の手口は出資ファンドからの出資金を簿外に移した後で製品の売上金として計上する、つまりは海外から受注があったように見せ掛けて売上高を水増ししたり、架空の仕入先に代金を振り込み、架空の売却先からの受注があったように装い入金させるなどの手口で架空の売上を計上。 上場審査時の粉飾決算が明らかになったのは初。また、新規上場から上場廃止までの7ヶ月という期間は、従来の最短記録であったモリモト(東証二部、2008年、民事再生法申請)の10ヶ月を下回る過去最短であった。 破産手続開始後に破産管財人が行った調査において、2004年3月期から実際には赤字であったにもかかわらず、売上を水増ししたり黒字と偽るなどの粉飾決算を行っていたことが明らかとなった他、元社長のAが自宅を2010年5月に粉飾決算に協力した企業に売却していた事も明らかとなった。破産手続開始1ヶ月前である2010年4月19日にマネジメントリスクプロダクション契約(役員賠償責任保険契約)を締結していたAIU保険会社は、同年8月26日に破産者の告知義務違反(粉飾の未告知)を理由に契約を解除した。 2012年2月29日に、さいたま地方裁判所において、金融商品取引法違反(有価証券届出書の虚偽記載)におけるA元社長とC元営業担当取締役に対する第一審判決が言い渡され、A元社長に懲役5年、C元営業担当取締役に懲役4年の実刑判決が言い渡された。A元社長は東京高等裁判所へ控訴したが、同年4月17日に控訴を取り下げ、2人の判決が確定した。 その後も破産手続は進み、2014年9月24日に東京地方裁判所から破産手続結了決定を受けたと同時に法人格が消滅した。A元社長とC元営業担当取締役も、法人格消滅後に刑期満了を迎えた。
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粉飾決算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 02:27 UTC 版)
2020年4月2日、ラッキンコーヒーは2019年第2四半期から第4四半期にかけて、22億元(約339億円)の売上を水増ししていたことを発表した。同社は内部調査を開始し、5月12日までに銭治亜CEOと劉剣COOを解任した。 2020年5月19日、ラッキンコーヒーは、ナスダックから上場廃止の通告を受けたことを明らかにした。 2020年6月、ナスダックでの上場廃止。 2022年4月12日、ラッキンコーヒーは債務再編を完了し米国連邦倒産法第15章を終了。これにより破産、破産手続きの対象から外れた。
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