山陽特殊製鋼とは? わかりやすく解説

山陽特殊製鋼

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/29 05:18 UTC 版)

山陽特殊製鋼株式会社
Sanyo Special Steel Co., Ltd.
本社・工場正門
種類 株式会社
市場情報
東証1部 5481
1951年1月4日 - 1965年6月8日
(会社更生法適用申請)
東証プライム 5481
1985年11月6日 - 2025年4月23日
[1]
大証 5481
1939年9月 - 1945年8月9日
長崎への原爆投下を受けて市場休場)[2]
大証1部(廃止) 5481
1949年5月16日 - 1965年6月8日
(会社更生法適用申請)
大証1部(廃止) 5481
1980年11月1日 - 2009年6月30日
名証1部 5481
1965年6月8日上場廃止
(会社更生法適用申請)
広証 5481
1965年6月8日上場廃止
(会社更生法適用申請)
福証 5481
1965年6月8日上場廃止
(会社更生法適用申請)
新証 5481
1965年6月8日上場廃止
(会社更生法適用申請)
略称 サントク
本社所在地 日本
672-8677
兵庫県姫路市飾磨区中島3007番地
設立 1935年(昭和10年)1月11日
業種 鉄鋼
法人番号 6140001058935
事業内容 特殊鋼の製造・販売
代表者 代表取締役社長 宮本勝弘
資本金 538億円
(2024年3月31日現在)[3]
発行済株式総数 54,507,307株
(2024年3月31日現在)[3]
売上高 連結:3538億1000万円
単独:1781億9400万円
(2024年3月期)[3]
営業利益 連結:113億6600万円
単独:42億7400万円
(2024年3月期)[3]
経常利益 連結:121億1900万円
単独:89億6600万円
(2024年3月期)[3]
純利益 連結:91億2700万円
単独:58億9500万円
(2024年3月期)[3]
純資産 連結:2285億9700万円
単独:1865億1100万円
(2024年3月31日現在)[3]
総資産 連結:3987億600万円
単独:2687億4300万円
(2024年3月31日現在)[3]
従業員数 連結:6397人
単独:1623人
(2024年3月31日現在)[3]
決算期 3月31日
会計監査人 あずさ監査法人[3]
主要株主 日本製鉄 100%
(2025年4月25日現在)
外部リンク http://www.sanyo-steel.co.jp/
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山陽特殊製鋼株式会社(さんようとくしゅせいこう、: Sanyo Special Steel Co., Ltd.)は、兵庫県姫路市を拠点とする鉄鋼メーカー(特殊鋼メーカー)。日本製鉄グループの企業である。

概要

電気炉によって特殊鋼(合金鋼)を製造する、特殊鋼メーカーと呼ばれる鉄鋼メーカーである。中間製品である粗鋼の生産量(2006年度)は約104万トンで、日本国内では第17位の規模を持つ。製品の鋼種は、軸受に使用される軸受鋼や、機械部品に使用される機械構造用鋼、工具に使用される工具鋼、ながしなどのキッチンシステムに使われるステンレス鋼など。これらの鋼の棒鋼線材鋼管(シームレス鋼管)・鍛造品や、素形材・金属粉末などを製造する。特に、軸受鋼は日本国内シェアトップで3割強を占める[4]

1933年(昭和8年)創業。1959年(昭和34年)に現社名となるまでは「山陽製鋼」を名乗った。 1965年(昭和40年)3月6日、負債総額480億円を抱えて会社更生法の適用を申請。戦後最大の倒産として報道されるとともに粉飾決算も明るみになった[5]ものの、その後更生に成功している。1953年(昭和28年)に日本製鉄の前身である富士製鐵が資本参加して以降、旧・新日鉄の系列企業であり、2006年(平成18年)に新日鉄が山陽特殊製鋼株式の保有比率を高めたため、旧・新日鉄の関連会社となり、その後2019年にさらに過半数の持分が日本製鉄に取得され子会社となった。

本社および製造拠点の工場は、兵庫県姫路市にある。支社東京都江東区深川ギャザリア)、支店を大阪市・名古屋市・広島市の3都市にそれぞれ構える。

社内のスポーツ

全日本実業団対抗駅伝競走大会への出場経験のある陸上競技部(山陽特殊製鋼陸上競技部)があり、かつては渡邊和也も所属していた。
また、過去には準硬式野球部があり、1960年の国体で優勝した。準硬式野球部が硬式野球部に改組され、準硬式野球部のコーチだった広岡富夫(元広島東洋カープ広岡達朗の実兄)が監督を務めた。日本生命富士鉄広畑など強豪チームがひしめく地域にありながらも、都市対抗野球に3度出場し、1962年には創部2年目にして益田昭雄投手を擁して準々決勝に進出している。
また、大根晃(元大阪タイガース)などのプロ野球経験者が所属していた事もあった。

沿革

主な関連企業

  • 陽鋼物産株式会社 - 鋼材や原料・資材などを扱う商社。1974年設立。完全子会社。
  • サントク精研株式会社 - 磨棒鋼の加工を行う。2000年設立。山陽特殊製鋼が55%、日鉄物産が45%出資。
  • サントクコンピュータサービス株式会社 - ユーザー系システムインテグレーター。1990年設立。完全子会社。
  • SKJ Metal Industries Co., Ltd. - タイを拠点に特殊鋼製品の加工・販売を行う。1990年設立。
  • P.T. SANYO SPECIAL STEEL INDONESIA - インドネシアを拠点に製品の加工・販売を行う。1995年設立。
  • Advanced Green Components, LLC - アメリカを拠点に製品の加工を行う。2002年設立。
  • 寧波山陽特殊鋼製品有限公司 - 中国を拠点に製品の加工・販売を行う。2001年設立。
  • Ovako Group AB - スウェーデンを拠点に鋼材事業を行う。2019年買収。

不祥事

コンプライアンス違反など

  • 同社は2000年以降12年間、姫路市内の産業廃棄物最終処分場に、工場から生じた鉄屑電気炉で使用する耐火煉瓦型枠など)を累計で1,473トンを不法投棄していたことが、2012年になって発覚した。同社は同年3月末に市から指摘を受けたにもかかわらず、その後も投棄を継続していた模様で、兵庫県警察も実態解明に向け、同社本社を家宅捜索するなど捜査を開始している[9][10]

関連項目

脚注

出典

  1. ^ a b 日本製鉄株式会社による当社株式に係る株式売渡請求を行うことの決定、当該株式売渡請求に係る承認及び当社株式の上場廃止に関するお知らせ 山陽特殊製鋼 2025年3月28日
  2. ^ 【第13回】第二次世界大戦前後の証券市場(前編)”. 東証マネ部!. 日本取引所グループ (2021年7月10日). 2025年6月29日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j 2024年3月期有価証券報告書山陽特殊製鋼
  4. ^ 日刊鉄鋼新聞
  5. ^ 世相風俗観察会『現代世相風俗史年表:1945-2008』河出書房新社、2009年3月、132頁。ISBN 9784309225043 
  6. ^ “山陽特殊製鋼にTOB 705億円、競争力強化-日鉄”. 時事通信. (2025年1月31日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2025013101119&g=eco 2025年2月25日閲覧。 
  7. ^ 当社株式に対する日本製鉄(株)による 公開買付けによる 完全子会社化・非公開化” (PDF). 山陽特殊製鋼株式会社 (2025年1月31日). 2025年2月25日閲覧。
  8. ^ 当社親会社である日本製鉄株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果に関するお知らせ” (PDF). 山陽特殊製鋼株式会社 (2025年3月19日). 2025年3月21日閲覧。
  9. ^ 12年間で規定外の鉄くず1473トン投棄 山陽特殊製鋼 産経新聞 2012年9月6日
  10. ^ お知らせ 山陽特殊製鋼ニュースリリース 2012年9月10日
  11. ^ “パイプ片手に「だいたいやねぇー」評論家・竹村健一さん死去”. 産経ニュース. 産業経済新聞社. (2019年7月11日). https://www.sankei.com/article/20190711-TXGQXIVFRFMHZPYCWCB23UEM2Q/ 2019年7月22日閲覧。 

外部リンク





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