シティー‐オブ‐ロンドン【City of London】
読み方:してぃーおぶろんどん
⇒シティー
シティ・オブ・ロンドン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/17 09:27 UTC 版)
シティ・オブ・ロンドン(英: City of London)は、イングランドのロンドン中心部に位置する地区[注釈 1]である。周辺地域とコナベーションを形成し[3]、現代のメトロポリス・ロンドンの起源となる地域で、範囲は中世以降ほとんど変わっていない[注釈 2]。単にシティ(The City)、またはスクエア・マイル(Square Mile)とも呼ばれる[4][注釈 3]。シティの行政はシティ・オブ・ロンドン自治体(City of London Corporation)が執行している[注釈 4]。この自治体の首班はロンドン市長(Lord Mayor of London)である[注釈 5]。2000年に再設置された大ロンドン庁のロンドン市長(Mayor of London)と異なる。
注釈
- ^ 現在、「ロンドン」の名はシティ・オブ・ロンドンに留まらず、より広範な地域を指して用いられており、もとの区域はしばしば単に「シティ」として知られるようになった。この用法は16世紀の記録にまで遡ることができる。その記録には、「シティ(“The City”)は通商と金融のコミュニティの象徴でもある」と記載されている。この前後には、シティが口語的にスクエア・マイルとして知られていたことも著述されている[2]。現代における「ロンドン」は、シティ・オブ・ロンドンと同様にシティ・オブ・ウェストミンスターなど32の区を抱える、おおよそグレーター・ロンドンの範囲に相当する広範囲のコナベーション地域を指す単語となっている。
- ^ 約1マイル四方(厳密には1.12 sq mi (2.90 km2))
- ^ これらの語は金融街としての安定したシティの長い歴史とも相まって、しばしばイギリスの金融業界を指す。
- ^ これは英国内でも独特の制度であり、シティの区画境界を越えて権限や所有権を有する事項もあるなど、イギリスの地方自治制度としては一般的でない部分も少なからず含まれる。
- ^ シティ・オブ・ロンドンの市長は、任期が1年であり、毎年9月29日のミカエル祭に選挙が行われる。自治都市の伝統から、英国国王がシティー内に立ち入る際には市長の許可を必要とするほどの格式を誇るが、実際は名誉職にすぎない。シティの市庁舎はギルド・ホールと呼ばれる。
- ^ 他に、シティから東に4.0 km (2.5 mi)離れたカナリー・ワーフもロンドンの主要な金融地区である。
- ^ シティは国際的な原料カルテルの化石である。銅や錫などの国際相場もここで決められる(London Metal Exchange)[8]。
- ^ リング・オブ・スチールはIRAによる爆撃などテロリストの脅威への対抗策として開発された特に有名な方法である。
- ^ 2004年5月にBBCのニュース番組「Panorama」において、2001年の米同時多発テロに匹敵する規模のテロ攻撃に対するイギリスの警察や消防などの緊急時対応機関の準備体制を調査したところ、シティ東部のビショップスゲートで化学薬品による爆破事件が発生するとのシミュレート結果が出された。
- ^ 設置場所マップは https://wikimap.toolforge.org/?cat=City_of_London_Dragon_boundary_marks&subcats=true&subcatdepth=1 参照
- ^ コルチェスターやセント・アルバンズ、リンカーンなど
- ^ 12世紀末にヘンリー・フィッツ・エイルウェン(Henry fitz Ailwin)がシティの長となった。
- ^ 1348年のペスト流行でシティの人口は1/3に減った。
- ^ このとき新設された区は1978年に廃止された。
- ^ クリストファー・レンがシティ52教会の再建を指揮した。政府の都市計画は衛生面での実行が不十分であったが、美観を追及した建築規制だけは敷かれた。
- ^ いわゆる土地貴族がラッセル・スクウェアやレスター・スクウェアといった、ウェストミンスターを中心とする街区を開発した。
- ^ 19世紀初頭にドックが次々と建設され(West India Docks, East India Docks, etc.)、1801年にはロンドン証券取引所がシティ内のカペルコート(Capel Court)に移転した。
- ^ 3Wの一人はトーマス・ウィルソン(Thomas Wilson)。後にアーサー・ウェルズリーと姻戚関係となる。他の二人を英名で示す(Timothy Wiggin, George Wildes)。
- ^ ただし外国人・外国企業が対象。
- ^ シティ内のバービカンでは再開発が進んだ。
- ^ 現在の本社は、同じシティ内南東端、テムズ川沿いロンドン橋界隈のビリングスゲート (10 Lower Thames Street, Billingsgate)にある。ビリングスゲートは、大型魚市場や、1964年映画『メリー・ポピンズ』収録曲「古い鎖を断ち切って」(Sister Suffragette) (英語 - YouTube)で知られている地区。
- ^ テンプル地区界隈は、王立裁判所、インナー・テンプルとミドル・テンプルの2つの法曹院などがある法曹街になる。北側至近はキングスウェイで接続するカムデン区ホルボーン界隈になり、残り2つの法曹院や大英博物館、ロンドン大学本部などがある。
- ^ 「ニューズ・コーポレーション (1979-2013)#歴史」「インデペンデント#歴史」なども参照。
- ^ その多くはセント・ポール大聖堂の設計でも知られるサー・クリストファー・レンの作
- ^ ロンドン塔の位置は正確にはシティ内ではないが、シティの南東部に多くの観光客を呼び込む名所の一つとなっている。
- ^ シティ内にあるがリバティと呼ばれる独立した自治体の地位を有する。シティの西部、特にテンプル地区とチャンスリーレーン地区では法曹界が主体となっている。
- ^ ホワイトタワーとサザーク大聖堂は厳密にはシティの公式な境界の外にある。
出典
- ^ 2011 Census: Ethnic group, local authorities in England and Wales, Office for National Statistics (2012). See Classification of ethnicity in the United Kingdom for the full descriptions used in the 2011 Census.
- ^ Mills, AD (2001). Dictionary of London Place Names. Oxford
- ^ Beckett, J V (2005). City status in the British Isles, 1830–2002. Historical urban studies. Aldershot: Ashgate. p. 12. ISBN 0-7546-5067-7
- ^ “City of London Resident Population Census 2001” (PDF). Corporation of London (2005年7月). 2011年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月10日閲覧。
- ^ “Key facts”. Cityoflondon.gov.uk. 2012年6月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年10月30日閲覧。
- ^ “Global Financial Centres 7”. Z/Yen (2010年). 2010年4月21日閲覧。
- ^ Dunton, Larkin (1896). The World and Its People. Silver, Burdett. p. 24
- ^ 地理用語研究会 編(2004):157ページ
- ^ “Research and statistics FAQ”. The City of London. 2011年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月23日閲覧。
- ^ ウィキメディア・コモンズには、シティ・オブ・ロンドンに関するカテゴリがあります。
- ^ “City of London Boundary Dragons”. www.seiryu.org.uk. 2020年4月23日閲覧。
- ^ 14世紀後半から15世紀初頭にかけてはリチャード・ウィッティントン(Richard Whittington)がしばしば長となったが、なんとカレーのそれも兼ねることがあった。
- ^ David Kynaston, City of London: The History, Random House, 2011, p.3.
- ^ Murray Newton Rothbard, An Austrian Perspective on the History of Economic Thought, vol.1, "Economic Thought Before Adam Smith", Ludwig von Mises Institute, 2006, p.227.
- ^ ウィキペディア・コモンズにグラフがある。右上の検索欄に斜体字をコピーアンドペーストすれば飛べる。File:Population of the City of London over time.png
- ^ Nahid Aslanbeigui, Guy Oakes, Arthur Cecil Pigou, Springer, 2015, p.120.
- ^ “Wework eyes Goldman Sachs Fleet street HQ for next site | Evening Standard”. Standard.co.uk 2021年3月31日閲覧。
- ^ 混乱やリスク回避へ対応急ぐ 英国のEU離脱、日系企業への影響は?金融機関は拠点をEU内へ。製造業もリスク回避の動き。 週刊東洋経済「第2特集 誤算に次ぐ誤算のブレグジット騒動」2019年3月23日号、藤原宏成(東洋経済記者)
- ^ 一つの使用例として、ロンドン警視庁の旗が挙げられる。
- ^ a b c “London Fire Brigade - City of London Profile”. London-fire.gov.uk. 2007年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年10月30日閲覧。
- ^ “Academy and free school funding agreements”. Department of Education, UK Government (2020年12月1日). 2023年3月閲覧。
- ^ Department for Education (2022年1月). “Schools, pupils, and their characteristics (Official Statistics)”. Schools, Pupils and their Characteristics. 2022年6月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月閲覧。
- ^ Skyscrapernews.com Milton Court
- ^ Leytonstonia Great Portland Estates aims for 100 Bishopsgate construction start in 2011
- ^ Skyscrapernews.com City of London Approves Heron Plaza
- 1 シティ・オブ・ロンドンとは
- 2 シティ・オブ・ロンドンの概要
- 3 地理
- 4 公共サービス
- 5 教育
- 6 参考文献
シティ・オブ・ロンドン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 20:29 UTC 版)
「イングランドの行政区画」の記事における「シティ・オブ・ロンドン」の解説
シティ・オブ・ロンドンは、周囲にあるロンドン・バラが有する一般的機能に加え、地域外の場所(ハムステッド・ヒースやキルバーン (Kilburn) にあるクイーンズパーク保養地など)を有することや、ヒースロー空港での獣医サービス、アスベスト廃棄といったサービスなど、シティ・オブ・ロンドンならではの特徴で他の地域行政体と比べると際立っている。
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