りえき‐そうはん〔‐サウハン〕【利益相反】
読み方:りえきそうはん
利益相反
【読み方】:リエキソウハン
会社が取締役の債務を連帯保証する場合や、取締役が自己又は第三者のために会社と取引をする場合など、取締役と会社との利害が相反する取引を、「利益相反取引」という。
利益相反取引においては、取締役が自らの地位を利用して自己又は第三者の利益を図ろうとし、結果、会社が損害を受けるおそれがあることから、会社の利益を侵害することを防止するため、利益相反取引を行う場合は、取締役は、取締役会や株主総会等において当該取引を行うことについて承認を受けなければならない(会社法第356条・第365条・第595条)。
M&Aの場合においては、MBOの際にこの問題が典型的に表面化する。すなわち売り手企業の経営陣としては株主に対してより高く売却する機会を提供する義務を負っている一方で、買い手としての立場もあるため安く買収したいというインセンティブもはたらくため、本質的に利益相反を起こしている。
さらに経営陣は会社の内情を一般投資家よりも詳しく知りえる立場にあるため、情報格差がある。このような背景があるため、MBOに当たっては取引の公正性の確保が何よりも重要である。
利益相反
利益相反
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/29 03:14 UTC 版)
利益相反(りえきそうはん)とは、信任を得て職務を行う地位にある人物(政治家、企業経営者、弁護士、医療関係者、研究者など)が立場上追求すべき利益・目的(利害関心)と、その人物が他にも有している立場や個人としての利益(利害関心)とが、競合ないしは相反している状態をいう。
- ^ a b c 遺伝子組み換え作物関連論文の40%に利益相反、仏研究 AFP、2016年12月17日
- ^ a b 松尾弘『民法の体系 第6版』慶應義塾大学出版会、234頁。ISBN 978-4766422771。
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- ^ カナダのトルドー首相、バハマの豪勢な休暇を倫理委が調査 AFP、2017年1月17日
- ^ 政治倫理をめぐる各国の動向―アメリカ、英国及びカナダの改革―齋藤憲司
利益相反
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 21:48 UTC 版)
利益相反は銀行の様々な部分で生じる可能性があり、評論家によると、相場操縦を潜在的に起こしかねない。米国の証券取引委員会(SEC)やイギリスの金融行動監視機構(FCA)のように投資銀行業務を規制する当局は、投資銀行業務ともう一方の株式リサーチおよびトレーディング間での情報やり取りを阻むよう、銀行側に「チャイニーズウォール」を設けることを要求している。しかしながら、批評家たちはそのような隔壁が必ずしも実際に存在するわけではないと述べている。コーポレートファイナンス専門で助言を提供する独立系顧問会社は、バルジブラケットの銀行とは異なり、自分達の助言は相反しないと主張している。 利益相反は、長らくこの業界の一部となっている投資銀行の株式リサーチ部門に関連してしばしば発生する。一般的な手法は、株式アナリストにとって収益性の高い投資銀行業務につながる関係を築くため会社のカバレッジ(いわゆる格付け)を開始することである。 1990年代、多くの株式研究者が投資銀行業務のためにポジティブな株式格付けを取引したと伝えられている。あるいは、株価が好意的に評価されなかった場合に、企業は投資銀行業務を競合他社に乗り換えると脅す可能性もある。このような行為を違法とする法律が可決され、規制当局からの圧力および一連の訴訟、和解、告発の増大が、インターネット・バブル後の2001年株式市場の崩壊に続いて、このビジネスを大幅に抑制した。 『The Greed Merchants』の著者フィリップ・オーガー(Philip Augar)はインタビューで次のように語っている。「あなた方(投資銀行)は発行側顧客と投資顧客の利益を同時に満たすことはできないのです。それは引受業務やセールスに限ったことではありません。投資銀行はこれらの証券の外側でも利益を生み出すべく自己勘定売買のオペレーションを行っています。」 投資銀行の多くはまたリテール証券会社を所有している。 1990年代に、一部のリテール証券会社は、自らの定めたリスク・プロファイルを満たさなかった消費者証券を売却した。 この行動は、公募中に株式高評価の公共認識を維持するため、投資銀行業務または余剰株式の売却すらもたらした可能性がある。 投資銀行は自身の口座で取引することに重点を置いているため、何らかの形で前倒し取引することへの誘惑が常にある。ブローカーが以前に顧客から送信された注文を約定する前に自分の口座で注文を実行し、従ってこれらの注文によって引き起こされる価格変動から利益を得るのは違法行為である。 ニューヨークタイムズ紙のウォール街ビジネスコラムニスト、ジョー・ノセラ(Joe Nocera)が入手したeToys.comのIPOに関する10年にわたる訴訟の封印文書では、ゴールドマン・サックスと他の投資銀行家によって管理されたIPOが、ゴールドマンが意図的に過小評価したIPOを買い上げることで大きな利益をあげた自分達の機関顧客からのキックバックを要求する仕組みだったと主張している。同訴訟の宣誓供述書には、将来の大人気銘柄に参加するのに必要なことだと理解していたため、顧客は喜んでこれらのキックバック要求を遵守したと書かれている。ロイター紙のウォール街記者フェリックス・サーモン(Felix Salmon)は、この件に関する以前のより融和的な声明を撤回し、この宣誓供述書は株式公開する企業とその最初の消費者株主の両方がこの慣行によって詐取されていることを示すものと信じられるとして、それがIPO金融業界全体に広がっている可能性もあると述べた。この事案は進行中であり、その主張は未証明のままである。
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