ナスダック
ナスダックとは何か、わかりやすく解説
ナスダックとは、全米証券業協会が運営している株式市場の名称のこと。ナショナル・アセンション・オブ・セキュリティーズ・ディールズ・オートメイテッド・クォーテーション(National Association of Securities Dealers Automated Quotations)の頭文字をとってナスダック(NASDAQ)と呼ばれ、全米証券事業協会による自動価格見積もりという意味を持っている。市場の取引時間は現時時刻で9:30から16:00で、日本時刻の23:30から6:00(サマータイムの時は22:30から5:00)である。1971年以前は実物の紙が株式として使用されていたが、ナスダックの誕生によってコンピューターネットワークによる、電子株式取引が可能になった。電子株式取引によって取り扱う株の売買傾向を提示できるようになり、顧客は株売買の判断基準が増えた。種別は証券取引所だが、立会い所を持たずインターネット上で取引を完結することができる。ナスダックはベンチャー企業が集まる市場だが、インターネット関連企業が世界的にも台頭したことにより有名IT企業も参加している。
ナスダック総合指数、ナスダック100指数
ナスダックに上場している米国内外3000以上ある銘柄の時価総額に、時価総額加重平均型指数を基に算出した数値をナスダック総合指数と呼ぶ。また、金融銘柄を除外した時価総額上位100銘柄に限定し、時価総額加重平均型指数で算出した数値をナスダック100指数という。ナスダック総合指数はナスダックに上場している海外企業も指数に組み込まれるため、世界中の新興市場のベンチマークとして注目されている。ナスダック100指数の先物は、シカゴにあるマーカンタイル取引所にて取引されている。ナスダック100指数やS&P 500を注視することにより、世界を代表する企業の株価を把握することができる。1990年代前期からはインターネット関連企業の実需が高まり、知名度の高いIT企業銘柄が多くなったため、ナスダック100指数は有名IT企業銘柄の動向を知る判断材料としても重要な指標となった。ナスダック100指数を投資対象にすることも可能で、連動したETFも販売されている。国内から投資する時は為替レートの変動による影響を踏まえる必要があり、場合によっては手数料が割高になる。ナスダックはインターネット関連などのベンチャー企業が多いため、市場から消える企業が多いのも特徴である。そのため、ハイリスク・ハイリターンな銘柄が多い市場として認識されている。ナスダックへ上場している企業はアメリカが多く、他はイスラエルや中国などが次いで上場数を伸ばしている。
ナスダックの上場株式
国内からナスダックに上場している企業の株を購入する場合は、ナスダック株を取り扱っている国内の証券会社で口座を解説する必要がある。証券会社によっては、取り扱っている企業の株に違いがある。海外株は値幅制限が無い上に高騰や暴落があるので、国内の市場よりもシビアな取引が要求される。銘柄に関して企業のバックボーンなどを精査するのが難しいため、決算書などさまざまな観点から相場を読まなければならない。ナスダックの株式市場規模は世界第2位と巨大な市場なため、投資の選択肢が増えるというメリットがある。また、海外株は1株から購入することができるので小額の投資や有名企業の株を保有しやすく、ナスダック市場で人気の銘柄も手軽に持つことが可能である。更にアメリカは四半期に1回のペースで配当金を配るので、安定した企業の株を配当金目的で保有する選択肢もある。傾向が似ている国内市場のジャスダックは、株式会社東京証券取引所が運営している。ベンチャー企業向けの国内株式市場として創設されたジャスダックはナスダックを意識した市場のため、ベンチャー企業やインターネット関連の銘柄が多い。海外企業の影響を受けやすい銘柄が多いため、ジャスダック市場へ投資している場合はナスダック市場も注視することが多々ある。
ナスダック【NASDAQ】
ナスダック(NASDAQ:National Association of Securities Dealers Automated Quotation)
NASDAQ
読み方:ナスダック
別名:NASDAQ Stock Market,ナスダック証券取引所
NASDAQとは、米国ニューヨーク州にある全米証券業協会が管理・運営する店頭銘柄の株式市場のことである。National Association of Securities Dealers Automated Quotationsの頭文字をとってNASDAQと称されている。1971年に創設された。
NASDAQはベンチャー企業を中心に約5500社が情報しており、IT、半導体などのハイテク企業も数多くNASDAQに上場している。主な例としては、Microsoft、Intel、Cisco Systemsなどがある。
NASDAQの全ての上場企業の株価を、時価総額加重平均で算出した指数が、NASDAQ指数と呼ばれている。NASDAQ指数は、2000年3月10日に付けた5048ポイントが史上最高値である。
全米証券業協会は、大阪証券取引所と提携してNASDAQの日本版である「ナスダック・ジャパン(NASDAQ JAPAN)」を開設したが、2002年12月に提携を解消している。なお、日本においては同様のベンチャー向け株式市場としてジャスダック(JASDAQ)が開かれている。
参照リンク
NASDAQ Stock Market - (英文)
NASDAQ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/16 05:37 UTC 版)
タイムズスクエアのNASDAQのビル | |
種類 | 証券取引所 |
---|---|
国 | アメリカ合衆国 |
所在地 | ニューヨーク市 |
設立 | 1971年2月4日 |
所有者 | Nasdaq, Inc. (インベストール 11.5%) |
通貨 | アメリカ合衆国ドル |
上場数 | 4,203 (2024年5月)[1] |
時価総額 | US$20.13 兆 (May 2023)[2] |
ウェブサイト | www |
NASDAQ(ナスダック、National Association of Securities Dealers Automated Quotations)は、1971年に全米証券業協会(National Association of Securities Dealers、略称:NASD)主催で世界初の電子株式取引所として設立された証券取引所である。世界最大の新興(グロース)企業向け株式市場であり、AppleやMicrosoftなどのハイテク企業やIT関連企業の割合が高い[3]。世界的にも時価総額でニューヨーク証券取引所(NYSE)と並ぶ規模を誇る[4]。
歴史
証券取引を開始した日時は1971年2月8日。世界初の電子株式市場として、世界中の注目を集めた。
その後自動取引システムを導入し、コンピューターシステムの証券取引市場であることを強調した。それにより多くの企業が集まり、取引高ランキングで世界第2位の巨大市場と化した。
2007年5月、スウェーデンの証券取引所運営会社OMXと経営統合で合意。同年末までに新会社「NASDAQ OMXグループ(現在のNasdaq, Inc.)」を発足させると発表した。
2016年、アデナ・フリードマンが次期最高経営責任者に指名、アメリカの大手証券取引所運営会社のCEOを女性が務めるのは初めて[5]。
注文板
注文板には3段階のレベルがある。市場参加者識別子(Market Participant Identifier)は金融機関の名称。
- Level 1 (Nasdaq Basic) - 最良買い気配値、最良売り気配値、その数量[6]
- Level 2 - 市場参加者識別子別のレベル1の情報
- Nasdaq TotalView - 全ての買い気配値、売り気配値、その数量、市場参加者識別子[7]
取引時間
取引時間はいずれも米東部標準時(EST)。
立会時間は、東部時間9:30 - 16:00(日本時間23:30 - 6:00、夏時間の場合は22:30 - 5:00)の「一場制」であり、日本のような「前場」・「後場」といった区分は無いが、お昼時は相場の参加者が少なくなるため、取引量が少なくなり、立会時間の午前中に出来高が多い傾向にある。
Tier
時価総額や流動性などに基づいて3段階のtier(階層)に会社を分類している[10]。
- Nasdaq Global Select Market (NASDAQ-GS) - 大型株
- Nasdaq Global Market (NASDAQ-GM) - 中型株
- Nasdaq Capital Market (NASDAQ-CM) - 小型株
それぞれに対して、Nasdaq Global Select Market Composite、Nasdaq Global Market Composite、Nasdaq Capital Market Compositeという株価指数がある。
株価指数
NASDAQ は多数の株価指数を作っている[11]。主要なものとして以下のものがある。
NASDAQに上場している日本企業および日系企業
日本で登記している企業(日本企業)および日本企業の子会社や持株会社(日系企業)のうち、NASDAQ に上場している企業の一覧。
- Kura Sushi USA, Inc.(NASDAQ: KRUS)くら寿司の現地法人(子会社)2019年8月上場[12]
- 株式会社メディロム(NASDAQ: MRM)2020年12月上場[13]
- 吉通貿易株式会社(NASDAQ: TKLF)2022年1月上場[14]
- HeartCore Enterprises, Inc.(NASDAQ: HTCR)ハートコア株式会社の持株会社。2022年2月上場[15]
- AERWINS Technologies Inc.(NASDAQ: AWIN)株式会社A.L.I. Technologies の米国法人。PONO Capital CorpとのSPAC上場。2023年2月上場。2024年1月A.L.I. Technologiesが破産。[16][17][18][19]
- 株式会社シーラテクノロジーズ(NASDAQ: SYT)2023年3月上場[20]
- 株式会社アーリーワークス(NASDAQ: ELWS)2023年7月上場[21][22]
- noco-noco Inc.(NASDAQ: NCNC)株式会社スリーダムアライアンスの子会社。2023年8月上場[23]
- Arm Holdings plc(NASDAQ: ARM)ソフトバンクグループ株式会社の子会社。2023年9月上場[24]
- 株式会社リード・リアルエステート(NASDAQ: LRE)2023年9月上場[25]
- TOYO Co., Ltd.(NASDAQ: TOYO)Abalance株式会社の連結子会社 Vietnam Sunergy Cell Company Limited の完全親会社のSPAC上場。2024年7月上場。[26][27]
- BloomZ Inc. (NASDAQ: BLMZ)サイバーステップ株式会社の子会社。2024年7月上場[28]
- SBCメディカルグループホールディングス(NASDAQ: SBC)。SBCメディカルグループ株式会社の親会社。Pono Capital TwoとのSPAC上場。2024年9月上場[29]
以下の会社が上場予定。
かつて上場していた会社
1983年10月6日より外国企業も SEC 登録が必要になったが[31]、下記はそれ以降に上場した企業[32]。
- サワコー・コーポレーション(SWKOY)1996年5月~2000年に上場。2001年に倒産。
- トレンドマイクロ(TMIC)1999年7月~2007年5月に上場。
- インターネットイニシアティブ(IIJI)1999年8月~2019年4月に上場。
- クレイフィッシュ(CRFH)2000年3月~2003年11月に上場。
- クロスウェイブコミュニケーションズ(CWCI)2000年8月に上場。2003年に倒産。
- FRONTEO(FTEO)2013年5月~2020年2月に上場。
- ペッパーフードサービス(KPFS)2018年9月~2019年7月に上場[33]。
- 株式会社Warrantee(WRNT)2023年7月上場[34][35]。2024年3月末の年次決算を公表しなかったため[36]、2024年8月上場廃止。
- ピクシーダストテクノロジーズ株式会社(PXDT)2023年8月~2024年11月に上場[37][38]
初期の NASDAQ は店頭取引市場(OTC)であり、店頭取引銘柄として日本企業も多数扱われていた[39]。歴史的経緯はOTCブリティンボードも参照。
関連する取引所
北欧諸国においてNasdaq Nordicを展開している。またかつての地方証券取引所のボストン証券取引所(現在のNasdaq BX)やフィラデルフィア証券取引所(現在のNasdaq PHLX)を買収してオプション取引所として運営している[40]。
日本でも2000年に大阪証券取引所と提携した「NASDAQ JAPAN」(ナスダック・ジャパン)市場を開設したが、24時間取引の是非やシステム上の問題なども絡み、2002年12月に提携を解消。後に「ニッポン・ニュー・マーケット ヘラクレス」に改めることとなった。
脚注
出典
- ^ “Stock Screener”. nasdaq.com. 4 May 2024閲覧。
- ^ “Market Statistics – Focus” (英語). focus.world-exchanges.org. World Federation of Exchanges (July 2023). July 17, 2023閲覧。
- ^ “ナスダック(NASDAQ)とは?ダウやS&P500との違いも解説”. OANDA FX/CFD Lab-education(オアンダ ラボ). 2022年11月1日閲覧。
- ^ “参考統計” (PDF). 野村資本市場研究所. 2022年11月1日閲覧。
- ^ “ナスダック、初の女性CEO誕生へ フリードマンCOO指名” (2016年11月15日). 2018年5月26日閲覧。
- ^ Nasdaq Basic | U.S. Market Data Solution
- ^ Nasdaq TotalView | Full Order Book Depth on Nasdaq
- ^ Pre-Market Trading | Premarket Stock Quotes - NASDAQ.com
- ^ After Hours Trading | Afterhours Stock Market Quotes - NASDAQ.com
- ^ Nasdaq Stock Market Tiers | Nasdaq
- ^ Fact Sheet - Index Research & Resources
- ^ “くら寿司USAが来週米国でIPOへ-社名似た企業にご用心”. ブルームバーグ(2019年7月26日作成). 2019年8月2日閲覧。
- ^ メディロム、2020年12月29日にNasdaq新規上場!|株式会社メディロムのプレスリリース
- ^ 米国NASDAQ上場と新規株式公開の募集価格のお知らせ - 吉通貿易
- ^ ハートコア株式会社の親会社HeartCore Enterprises, Inc.、Nasdaq新規上場のお知らせ
- ^ 米証券取引所NASDAQへの上場に関するお知らせ | A.L.I. Technologies
- ^ AERWINS Technologies Inc., an air mobility platform company, announces signing of a definitive agreement for going public via a business combination with Pono Capital Corp., a NASDAQ listed company, to become a public company. | Nasdaq
- ^ AERWINS Technologies Inc.とPONO Capital Corp. De-SPAC契約による企業合併完了のお知らせ|株式会社A.L.I. Technologiesのプレスリリース
- ^ “(株)A.L.I.Technologies | TSR速報 | 倒産・注目企業情報 | 東京商工リサーチ”. 株式会社東京商工リサーチ. 12 February 2024閲覧。
- ^ “【シーラテクノロジーズ】米国ナスダック市場への上場に関するお知らせ - 株式会社シーラテクノロジーズ”. 株式会社シーラテクノロジーズ. 9 August 2023閲覧。
- ^ “新規株式公開の価格決定について”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 9 August 2023閲覧。
- ^ Earlyworks Co., Ltd. Announces Closing of Initial Public Offering | Earlyworks Co., Ltd.
- ^ “noco-noco 、企業結合を完了 ナスダックでの取引開始を発表 | 株式会社スリーダムアライアンス”. 3dom.co.jp. 2 September 2023閲覧。
- ^ “アーム株、上場初日に大幅高-ソフトバンクG孫氏の戦略勝ちか”. Bloomberg.com. 15 September 2023閲覧。
- ^ 米国ナスダック市場への上場に関するお知らせ - 株式会社リード・リアルエステート (PDF)
- ^ 当社子会社 TOYO Co が米国証券取引委員会に提出した「Form F-4」の効力発生に関するお知らせ - Abalance株式会社 (PDF)
- ^ 当社子会社 TOYO Co の米国ナスダック上場に関するお知らせ - Abalance株式会社 (PDF)
- ^ 子会社(BloomZ Inc.)の NASDAQ Capital Market 上場のお知らせ - サイバーステップ株式会社 (PDF)
- ^ “米国NASDAQ上場承認取得および取引開始のお知らせ | SBC Medical Group Holdings” (jp). sbc-holdings.com. 13 October 2024閲覧。
- ^ Thunder Bridge Capital Partners Ⅳ, Inc.との統合によるNASDAQ上場子会社への移行について |コインチェック株式会社
- ^ 49th Annual Report of the Securites and Exchange Commision (PDF) の13ページ目の Foreign Securites
- ^ 米国証券市場ガイド 第3回:日本企業によるNasdaq上場(その2) - Quantum Accounting Inc.
- ^ 米国証券取引所法に基づくSEC登録廃止及び継続開示義務の終了のためのForm 15Fの米国証券取引委員会への自主的な提出に関するお知らせ (PDF)
- ^ 株式会社Warrantee、⽶国Nasdaq市場への新規上場に関するお知らせ (PDF)
- ^ 社員9人で米ナスダック上場 日本のベンチャーWarranteeが進める“無料保険”とは何か(1/3 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン
- ^ “WRNT 6-K & SEC Filings - Yahoo Finance”. October 27, 2024閲覧。
- ^ “ピクシーダストテクノロジーズ株式会社<br>IPOにおける公募価格の決定と米国Nasdaq市場への上場のお知らせ”. Pixie Dust Technologies, Inc.. 9 August 2023閲覧。
- ^ “当社ADR のNASDAQ Capital Market 市場からの非上場化、米国SEC からの登録解除の予定に関するお知らせ”. Pixie Dust Technologies, Inc.. 26 October 2024閲覧。
- ^ 米国証券市場ガイド 第2回:日本企業によるNasdaq上場(その1) - Quantum Accounting Inc.
- ^ 大崎貞和 (2020年10月20日). “米国における新しい株式取引所の開設”. NRI. 2023年9月12日閲覧。
関連項目
- OTCブリティンボード - NASDAQシステムを利用している店頭取引市場
- バーナード・L・マドフ - 元NASDAQ社長にして、史上最大の金融詐欺事件の犯人
外部リンク
固有名詞の分類
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