てんとう‐しじょう〔‐シヂヤウ〕【店頭市場】
店頭市場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 21:13 UTC 版)
店頭市場とは、取引所で扱わない証券の市場という意味である。日本では日本証券業協会(日証協)が1963年以来運営してきた店頭登録銘柄制度がこれにあたるが、2004年11月にジャスダック証券取引所への鞍替えに伴い消滅している。これには以下のような経緯による。 日本の店頭市場は証券会社間の相対取引が基本だが、店頭登録銘柄制度においては、1976年に発足した日本店頭証券(2001年にジャスダックに商号変更するとともに市場運営を日証協から受託)で、実質的に市場取引が行われていた。しかし法律的には市場取引が行われている場所として長く認知されなかっただけでなく、機能としては取引所の基準を満たさない企業のための補完的市場の位置を与えられ、企業が成長するとともに取引所に企業が移る関係にあった。1998年の証券取引法(現:金融商品取引法)改正では、店頭市場は店頭売買有価証券市場とされ、市場として取引所と対等の地位を与えられた。 しかし金融ビッグバン以降、マザーズやNASDAQ JAPANなど証券取引所が相次いで新興企業向け市場を立ち上げると、その補完的機能においても取引所とまともに競合するようになった。そこで日証協では2003年に店頭市場の活性化のため、2001年に「店頭市場」から改称した「ジャスダック(JASDAQ)市場」を証券取引所に転換する事を決定した。かくしてジャスダック市場は、2004年12月1日に日証協が母体となって設立した株式会社ジャスダック証券取引所へ改組され、それまで店頭銘柄とされていたものが(証券取引所に於ける)上場銘柄に変わった。この結果、日本では店頭市場・店頭銘柄は事実上消滅している。2010年には株式会社ジャスダック証券取引所が大阪証券取引所に吸収合併され、両社のヘラクレス市場・NEO・ジャスダック市場を(新)ジャスダック市場として統合・集約させている。 なお、アメリカ合衆国にはNASDAQが取引所と異なる店頭市場として設立されたが、現在では店頭取引本来の機能は喪失し、OTCブリティンボードに店頭取引は移行している。 また、台湾においては、タイペイエクスチェンジが設立されており、「台湾のナスダック」とも称される。
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