シミュレーション 訓練としてのシミュレーション

シミュレーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/03 06:10 UTC 版)

訓練としてのシミュレーション

大型車のシミュレータで訓練中の兵士

シミュレーションは一般市民や兵士の訓練に使われることが多い。これは、実際の装置や兵器を訓練に使用するのがコスト的に高価すぎたり、単に非常に危険であるという理由からである。この場合、安全な仮想環境で意味の有る訓練が行われる。特に、実際なら生命に関わるような失敗をしても許される点は重要である。

訓練におけるシミュレーションは3つに分類される。

  • 「ライブ」シミュレーション - 実地でシミュレートされた装備を身につけた人間が訓練を行う。
  • 「仮想」シミュレーション - 仮想環境でシミュレートされた装備を身につけた人間が訓練を行う。
  • 「構築型」シミュレーション - 仮想環境でシミュレートされた装備を身につけたシミュレートされた人間が訓練を行う。これは、ウォーゲームと呼ばれるものが進化したものである。

フライトシミュレータ

フライトシミュレータは、地上で操縦士航空機の操縦訓練に用いる。再現の度合いにより異なるが一定の訓練時間が飛行時間として認められる。実際の航空機よりも低価格ながらエンジンが停止した状態での着陸、離陸直後のトラブルなど、実地では困難な訓練が可能である。

ドライブシミュレータ

ドライブシミュレータは実際の自動車の特性を仮想環境内で再現する。外的要因や条件を再現し、さまざまな車両運転状況が体感可能である。

船舶シミュレータ

船舶シミュレータは、船員の訓練に用いる。特に大型の船舶をシミュレートするものが多く、操船訓練を行なう操船シミュレーター、エンジンプラントの運転訓練を行なうエンジントラブルシミュレーター、荷役訓練を行なう荷役シミュレーターなどがある。

プラントシミュレータ

化学プラントのプラントシミュレータは、物理モデルに基づいて化学プラントの動的な挙動を模擬するものである.さまざまな条件下で挙動を再現し、主にプラントを運転するオペレータの運転操作訓練に用いる.

教育におけるシミュレーション

教育におけるシミュレーションも訓練の一種と考えられ、特定の主題に沿って行われる。ビデオを鑑賞し、問題の解決策を話し合い、ロールプレイを行うなどの手法がある。企業によるビジネス教育の一環としてもシミュレーションが採用されつつある。リスクのない仮想環境でビジネス戦略の実験をしたり、ケーススタディーの学習における拡張手段として用いられる。

軍事教練におけるシミュレーション

兵士が行軍や歩兵戦闘などをシミュレーションするもの。Operation Flashpoint: Cold War CrisisArmA: Armed Assaultから発展したVBS1・VBS2が米豪等の軍で採用されている。

班単位での射撃訓練が可能な大型シミュレータも登場しており、陸上自衛隊では10名が同時に利用できる「普通科部隊戦闘射撃訓練シミュレーター(GICCS)」を導入している[17]

宇宙開発とシミュレーション

プールを用いたシミュレーション

宇宙開発の船外活動のシミュレーションとしては、ひとつはプールを使う方法がある。NASAなどで採用されている。水の浮力によって、宇宙空間の無重力状態に、若干似た状態を作りだすことができ(※)船外作業の体験・訓練を行うことができる(※完全には同じではないが、宇宙飛行士は、自分の身体が浮いてしまっている状況での作業の困難さを体験することができる)。ロボットアームの動き、作業手順などのシミュレーションは、コンピュータを用いたものも用いられ、実際の操作レバーと、コンピュータ画面内に作りだされた映像で模倣・確認しつつ訓練を行うものである。

医療・救急用シミュレータ

心肺蘇生法習得のためのダミー人形を用いたシミュレーション

医療シミュレータは、医療に従事する者への治療法/診断法/概念/意思決定についての教育の目的で、近年開発が盛んになってきている。医療シミュレータによる訓練は、単純な血液採取から腹腔鏡手術まで各種存在する。また、新型医療機器の開発においてもシミュレーションは重要である。医療シミュレータでもコンピュータが重要な役割を担っている。実物大の人形を用いたシミュレータでは、人形への薬物投与などによって適切な反応を示すようにプログラムされている。視覚をコンピュータグラフィックスで擬似する場合、触覚は訓練者の動作に反応するようプログラムされたフィードバック機器で再現する。この場合、現実性を増すために実際の患者のCTMRIのデータを用いることが多い。より簡便なシミュレーションとして、ウェブブラウザで操作できるものもあるが、触覚は再現されず、キーボードとマウスで操作することになる[1]


  1. ^ 広辞苑第6版
  2. ^ simulationの意味 - 英和辞典 Weblio辞書
  3. ^ 語頭の2音を音位転換させてしまい、「シュレーション」という誤表記・誤発音も犯す人も多い 検索条件 全文: シュミレーションJ-STAGE
  4. ^ a b c ブリタニカ百科事典「シミュレーション」
  5. ^ 歴史的には、シミュレーションという用語はいくつかの分野で独自に使われていた[要出典]。しかし、20世紀になって、一般システム理論サイバネティックスの研究により、コンピュータの各種利用をシミュレーションという用語で表すようになり、用語としての意味が統一されていった[要出典]
  6. ^ 英語版のSimulationの記事がこれを「状態遷移表」としている。等価性としては多分それでもいいと思うが普通は、万能チューリングマシンの議論では、状態遷移表は万能機械を記述する遷移表とし、対象機械の記述はテープの初期状態として与える。
  7. ^ a b c 原岡 充「Radio Mobile を使った中山間地域の電波伝搬シミュレーション」、『CQ ham radio』2009年1月号、CQ出版社東京都豊島区、2009年1月、 pp. 84-89。
  8. ^ NASA デジタル地形データダウンロード・サイト (FTP) - NxxEyyy.hgt.zip の xx は北緯、yyy は東経。注意:アクセスが集中していると接続拒否される。
  9. ^ Radio Mobile ダウンロード・サイト
  10. ^ NS3 NSNAM Home Page
  11. ^ QualNet Home Page
  12. ^ 構造計画研究所QualNet Home Page
  13. ^ OPNET Modeler Home Page
  14. ^ 情報工房OPNET Modeler Home Page
  15. ^ JCSS History
  16. ^ JCSS User’s Manual7.0 Final (OPNET 2.6.4)
  17. ^ 普通科部隊戦闘射撃訓練シミュレーター - 陸上自衛隊
  18. ^ http://distrimobs.fisicadellacitta.it





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