city
「city」の意味
「city」は、大規模な人口集積地であり、商業や文化活動が盛んな地域を指す。通常、行政上の中心地であり、周辺地域と比較して高い人口密度を持つ。また、都市計画やインフラ整備が行われており、交通網が発展していることが特徴である。「city」の発音・読み方
「city」の発音は、IPA表記では/sɪti/であり、カタカナで表すと「シティ」となる。日本人が発音するカタカナ英語では、「シティ」と読む。「city」の定義を英語で解説
A city is a large human settlement characterized by a high population density, commercial and cultural activities, and usually serves as an administrative center. It is typically well-planned with developed infrastructure and transportation networks.「city」の類語
「city」の類語には、town(町)、metropolis(大都市)、urban area(都市圏)、municipality(市町村)、downtown(都心)などがある。これらの言葉は、それぞれニュアンスや規模が異なるため、状況に応じて使い分けることが重要である。「city」に関連する用語・表現
「city」に関連する用語や表現には、cityscape(都市景観)、city hall(市役所)、city limits(市境)、inner city(都市の中心部)、city dweller(都市住民)などがある。これらの言葉は、「city」を含む様々な状況や事象を表現する際に用いられる。「city」の例文
1. I live in a small city near the coast.(私は海岸近くの小さな都市に住んでいる。)2. The city is famous for its historical buildings.(その都市は歴史的建築物で有名である。)
3. The population of the city has been increasing rapidly.(その都市の人口は急速に増加している。)
4. The city has a well-developed public transportation system.(その都市は発展した公共交通システムがある。)
5. The city center is always bustling with people.(都市の中心部はいつも人で賑わっている。)
6. The city government is planning to build a new park.(市政府は新しい公園を建設する計画を立てている。)
7. The city's economy relies heavily on tourism.(その都市の経済は観光産業に大きく依存している。)
8. The city has a rich cultural heritage.(その都市は豊かな文化遺産がある。)
9. The city is experiencing a housing shortage.(その都市は住宅不足に悩まされている。)
10. The city is known for its vibrant nightlife.(その都市は活気ある夜の生活で知られている。)
シティー【city】
シティ
英語で市、都市、都会などの意味。初代モデルは1981年11月に登場し、トールボーイの愛称で親しまれた。背の高い2ドアハッチバック車で、車載できる超小型バイクのモトコンポ(50cc、同時発売)と組み合わせることで6輪ライフが楽しめるとアピールしたところが、2輪メーカーでもあるホンダらしいところだった。エンジンは新開発のコンバックスと呼ぶロングストローク・4気筒・SOHCの1231CCで、63psと67psのチューンがあった。価格は76万円と78万円(東京)の2タイプ。
82年8月、燃費を改善したE1モデル発売、82年9月にはターボ仕様を追加。ターボの最高出力は100ps/5500rpmに達して、タイヤをHRグレードに、フロントのディスクブレーキをベンチレーテッドに格上げした。ガラスサンルーフ、ボディソニック仕様なども設定。11月、Rタイプにハイルーフ車を設け、全高は通常型より100mm高い1570mmとした。
83年11月、ターボⅡを発売。高い過給圧、ウエストゲートバルブのコントロール、インタークーラーなどにより、1231ccから110ps/5500rpmを発生した。サスペンションの強化、トレッド拡大などのチューニングを行い、外観もダイナミックに一変。
84年8月、カブリオレ発売。開発には、イタリアのカロッツェリアであるピニンファリナ社が協力した。85年4月にマイナーチェンジを実施したあと、5月にはハイパーシフトと呼ぶ7速ミッションを新採用。4速MTの2~4速に作動する副変速機(ハイ、ロー)を新設したもので、これをタイプRに設定した。
86年10月、フルモデルチェンジ、2代目となった。注目は、初代でトールボーイをうたったクルマが、一転して低くワイドなシルエットになったことだった。クラウチングフォルムといった。エンジンは新開発の1カム・16バルブ・1237ccで、76psを発生した。ミッションは5速MTと新設計ホンダマチック4速フルオート。前輪駆動。最上位グレードのGGには油圧反力感知式のパワーステアリングを標準装備した。ボディタイプは旧型と同様、2ドアハッチバック。BB、EE、GGの3グレードがあった。
88年10月マイナーチェンジ。エンジンの主力が1296ccの82ps(電子制御キャブレーター)と100ps(電子制御燃料噴射)ユニットに移行。従来エンジンは廉価版仕様となった。内外装を新しくし、バケットタイプシートを一部車種に採用した。
89年2月と10月、90年3月、91年10月、92年2月に特別仕様車などを追加したが、本体は大きな変化もなく、96年10月で生産を終えた。
CITY
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/14 18:09 UTC 版)
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種類 | ショッピングセンター |
---|---|
所持会社 | 南海電気鉄道 |
使用開始国 | 日本 |
主要使用国 | 大阪府・徳島県 |
使用開始 | 1978年 |
関連ブランド | パークス pier プラットプラット ノバティ |
CITY(シティ)は、南海グループのショッピングセンターブランドである。
大阪府に直営2店がある。1978年、南海難波駅に併設された『なんばCITY』としてスタートした。
ロゴ・名称
長方形を3つ放射状に並べた「Y」の字を持つ青いロゴが特徴的である。
所在地名は「なんば」のように平仮名で表され、ロゴでは「CITY」の上または左に小さく添えられる。直営店では下または右に小さく「NANKAI」と添えられることもある(下に添える場合は間に横棒が入る)。
閉店時には資本関係の無かった『とくしまCITY』も閉店まで同じロゴを使っていた。ただし南海出資撤退後は「NANKAI」の文字はなかった。
施設一覧
現在
名称 | 所在地 | 最寄駅 | 開業 | 運営会社 | 資本系列 | 備考 |
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なんばCITY | 大阪府大阪市浪速区難波5-1-60 | 南海難波駅 | 1978年11月 | 南海電気鉄道 | 南海 | |
いずみおおつCITY | 大阪府泉大津市旭町18-3 | 南海泉大津駅 | 1994年9月30日 |
過去
名称 | 所在地 | 最寄駅 | 営業期間 | 運営会社 | 資本系列 | 備考 |
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とくしまCITY | 徳島県徳島市寺島本町東3-8 | JR徳島駅 | 1972年9月 - 2013年7月21日 | 徳島シティビルディング | 濱口商店 | 現地の濱口商店との共同出資により「南海ショッピングセンター」としてオープン。 1983年3月18日、「とくしまCITY」としてリニューアル。 資本としては一度南海100%出資となったが、 その後南海の経営撤退により濱口商店100%出資となっていた。 2013年7月に閉店し、1Fテナントの『徳バス観光サービス』は8月20日まで営業継続後、完全閉店した。 |
しんかなCITY | 大阪府堺市北区新金岡町5-1-1 | 地下鉄新金岡駅 | 1992年9月2日 - 2012年3月31日 | 南海電気鉄道 | 南海 | 跡地建物は、大和ハウスグループのショッピングセンター「フレスポしんかな」となっている。 |
てんのうじCITY | 大阪府大阪市天王寺区悲田院町10-39 | JR天王寺駅 | 1995年9月14日 | 天王寺ターミナルビル | JR西日本 | 当初「てんのうじCITY」として計画されていたが、計画段階でCITYが外れ、JR西日本グループ主体(当時南海は第2株主)の「天王寺ミオ」としてオープン。 |
年表
- 1978年(昭和53年)11月 - 『なんばCITY』がオープン。当時、南海グループは流通業を手掛けたことがなくノウハウが乏しかったことから、西武流通グループ(当時)から全面的な支援を受けた。
- 1983年(昭和58年)3月18日 - 南海ショッピングセンターが『とくしまCITY』にリニューアルオープン。
- 1992年(平成4年)9月2日 - 『しんかなCITY』がオープン。
- 1994年(平成6年)9月30日 - 『いずみおおつCITY』がオープン。
- 1995年(平成7年)9月14日 - 『天王寺ミオ』(旧:てんのうじCITY)がオープン。
- 2004年(平成16年)
- 2005年(平成17年)4月1日 - CITY(『とくしまCITY』を除く)の運営が南海都市創造に吸収分割。
- 2008年(平成20年)10月 - 南海電気鉄道が天王寺ミオの運営会社(当時)天王寺ターミナルビルの株式をJR西日本に売却し、グループ離脱。
- 2010年(平成22年)10月1日 - 南海都市創造が南海電気鉄道に吸収合併。CITY(『とくしまCITY』を除く)の運営が南海電気鉄道へ。
- 2012年(平成24年)3月31日 - 『しんかなCITY』が閉店。
- 2013年(平成25年)
脚注
都市
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 |
都市(とし、英: city)とは、人口の集中した地域で、政治・経済・文化の中心になっている大きな "まち" [1]。多くの人口集団をもっており、家屋などの建造物が密集し、住民の生産がおもに第二次産業や第三次産業に依存して発達した集落[注釈 1][2]。
概要
都市を規定するのに、人口の数を基礎とすることは昔から行われてはいるが、そのやり方は国によって異なっており、必ずしも基準が決まっているわけではない[2]。
- 都市の測定と指標
都市をはかる指標はいくつもある。
たとえば都市の人口規模を表す指標だけでもいくつもあり、「自治体(行政的区分)の人口」、人口集中地区(DID)の人口、「都市圏の人口」など、さまざまな指標がつかわれる。
- (※)なお「都市の人口」といっても、先進国の大都市では職住分離が進んでいる場合が多く、中心自治体の範囲と都市機能に主に携わる人々の居住地の範囲が必ずしも一致していないことが多い(たとえば千代田区の昼間人口は約85万人なのに対し、夜間人口は約4万4000人しかいない)。
経済に関するさまざまな統計値も用いられる。
経済力が端的に現れると見られる中心業務地区(CBD)(や都心)の大きさ(面積)を指標にする場合も稀にある。
- 各国のさまざまな線引き
国によって「都市」とそうでない地域の線引き(定義)は様々である。人口の "絶対数" で線引きしている国も、人口密度で線引きしている国も ある。
「都市」とみなす最低基準人口はスウェーデン・デンマークでは200人規模であり[3]、アメリカでは2500人[4]、スイスでは1万人であり[4]、日本では5万人(時限立法で3万人の例あり)[5]。国連の統計では「都市人口規模」が1,000人~30,000人とさまざまである[5]。
また、アメリカでは「人口1万人以上5万人の地域は小都市統計地域」と定義し、「5万人以上の統計地域と一方が1.5万人以上の人口を有し、2つ合わせると5万人を超える連続する統計地域は大都市統計地域(MSA)」と定義している。カナダのCMAやイギリスのSMLAという概念も同様のものである[4]。
現在の日本では一般的には、「行政上の区画である "市" が都市」とされる[3]が、昭和の大合併で人口が集中する地域と農村的性質を持つ地域を併せ持ち、都市的な景観と不一致な土地利用[3]をする市が増えたため[5]、国は「都市的地域」を確定するための作業を実施し[3]、1960年の国勢調査から 「4,000人/㎢の人口密度で5,000人以上の人口集積を持つ地域」が「人口集中地区(DID)」として統計上、"都市" として扱われることになった[5]。 また、複数の市街地の連担(コナーベーション)が起き、自治体の枠を超えてそれが広がるにつれて、コナベーションした地域群の全体が "都市" や "都市圏" と呼ばれるような状況になっている。
- ギャラリー
都市人口の歴史
推定人口について
歴史・地理学者は、文献や遺跡の面積、それぞれの時代の生産性から都市人口を推定している。古代・中世の人口統計は残っている方がまれであり、その信頼性も低い。
以下1850年頃までに100万人以上の都市域人口を有していたと推定されている都市に関し、二人の学者のピーク時推定人口を列挙する。史料が乏しい場合の推定人口の誤差は大きく、しばしば桁すら変わってしまう。より詳しい推定値については歴史上の推定都市人口を参照。
都市名 | Chandler(1987) | Modelski(2003) | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
年代 | 推定人口 | 年代 | 推定人口 | ||
パータリプトラ (パトナ) | 紀元前361年 | 150,000 | 紀元前300年 | 400,000 | マウリヤ朝のチャンドラグプタの時代に、パータリプトラを訪れたギリシア人メガステネスの記録によれば、東西約14.4km、南北約2.7km、周囲約35kmの平行四辺形都市。城壁で囲み、城壁の周囲には幅180mの堀が巡らせてあった。 |
アレクサンドリア (アル=イスカンダリーヤ) | 紀元前60年 | 325,000 | 紀元前100年 | 1,000,000 | 30万人(紀元前60年, 自由民人口,『歴史叢書』); 最大推定 110万人 |
ローマ | 紀元100年 | 450,000 | 紀元100年 | 1,000,000 | 17.83 km2(アウグストゥスが定めたローマ市の領域) |
171-180年 | 600,000 | 200年 | 1,200,000 | 最大推定 200万人 | |
271-280年 | 500,000 | 300年 | 1,000,000 | 13.05 km2(270-273年, アウレリアヌス城壁内) | |
コンスタンティノポリス (イスタンブール) | 500-565年 | 600,000 | 600年 | 600,000 | 12 km2(447年, 城壁内) |
944年 | 330,000 | 1000年 | 600,000 | 16 km2(11世紀, 城壁内); 最大推定 100万人 | |
1600-1650年 | 700,000 | 11万戸(1552年); 最大推定 130万人 | |||
1675-1690年 | 750,000 | 88,185 戸(1794年); 最大推定 110万人 | |||
1850年 | 785,000 | 873,565(1885年, 城壁内) | |||
京兆府長安(西安) | 700-750年 | 800,000 | 700年 | 1,000,000 | 30 km2(隋唐城壁内); 362,921 戸(742年, 京兆府); 最大推定 200万人 |
マディーナト・アル=サラーム (バグダード) | 932年 | 1,100,000 | 900年 | 900,000 | 73.42 km2(932年, 推定都市域); 最大推定 300万人 |
1000年 | 125,000 | 1000年 | 1,200,000 | 公衆浴場 1,500(993年); 最大推定 150万人 | |
1100年 | 150,000 | 1100年 | 1,200,000 | 65 km2(1070年頃, 推定都市域) | |
1150-1258年 | 100,000 | 1200年 | 1,000,000 | 公衆浴場 2,000(1185年, イブン・ジュバイル) | |
アル=クルトゥバ(コルドバ) | 1000年 | 450,000 | 1000年 | 450,000 | モスク 471, 11.7 km2(1009年, 城壁内); 最大推定 100万人 |
ヤショダラプラ(アンコール) | 1000年 | 200,000 | 1000年 | 400,000 | 9 km2(950年頃, 城壁内); 105 km2(アンコール遺跡全域) |
1200年 | 150,000 | 11 km2(1200年頃, 城壁内); 最大推定 150万人 | |||
松都(開城) | 927-1100年 | 60,000 | 8,457(1000年頃, 職人人口); 最大推定 100万人 | ||
東京開封府(汴京) | 1100-1102年 | 442,000 | 1100年 | 1,000,000 | 60 km2(1127年, 城壁内); 最大推定 200万人 |
1232年 | 210,000 | 1200年 | 1,000,000 | 90万人虐殺(1232年, 金史) | |
メルヴ(マル) | 1150年 | 200,000 | 38 km2(1150年頃, 推定都市域); 最大推定 150万人 | ||
臨安府銭塘(杭州) | 1200年 | 255,000 | 1200年 | 1,000,000 | 302,800 戸 (1250年頃, 臨安府) |
1273-1350年 | 432,000 | 1300年 | 1,500,000 | 23 km2(1360年, 城壁内); 最大推定 250万人 | |
北京 (大都路大興, 順天府大興) | 1270-1300年 | 401,000 | 1,100,000 | 36 km2(1264-8年, 城壁内); 401,350(1270年, 大都路) | |
1575-1600年 | 706,000 | 1500-1600年 | 1,000,000 | 706,861(1579年, 順天府) | |
1800年 | 1,100,000 | 1800年 | 1,100,000 | 30 km2(1750年頃, 城壁内); 最大推定値 150万人 | |
1845-1850年 | 1,648,000 | ||||
アル=カーヒラ(カイロ) | 1348-1349年 | 494,000 | モスク 494, ペストで20万人死去(1348-9年, アブ・ルゴド) | ||
1500年 | 400,000 | ||||
応天府江寧(金陵, 南京) | 1400年 | 487,000 | 1400年 | 1,000,000 | 75 km2(1373年, 城壁内); 1,193,620(1394年, 応天府); 最大推定 140万人 |
ヴィジャヤナガル | 1500年 | 500,000 | 30 km2(16世紀, 7層の城壁内); 最大推定 130万人 | ||
平安京(京都) | 1624-1632年 | 410,000 | 410,098(1632年); 最大推定 130万人 | ||
エスファハーン | 1673-1675年 | 360,000 | 29,469 戸(1673年, 城壁内); 38,249 戸, 90 km2(1673年, 全都市域); 最大推定 110万人 | ||
アユタヤ | 1767年 | 180,000 | 1700年 | 1,000,000 | 16 km2(1720年, 推定都市域) |
江戸(東京) | 1721年 | 700,000 | 509,708(1721年, 町方支配場町人人口); 最大推定 100万人 | ||
1798-1804年 | 685,000 | 1800年 | 1,000,000 | 492,449(1798年, 町方支配場町人人口); 最大推定 130万人 | |
1854年 | 788,000 | 573,619(1854年, 町方支配場町人人口); 最大推定 120万人 | |||
ロンドン | 1800年 | 861,000 | 1800年 | 1,000,000 | 128,129(1801年, City of London); 959,310(1801年, Inner London) |
1850年 | 2,320,000 | 127,869(1851年, City of London); 2,363,341(1851年, Inner London) | |||
広州 | 1800年 | 800,000 | 1800年 | 1,000,000 | |
1825-1835年 | 900,000 | 499,298(1895年, 広州城壁内); 最大推定 150万人(仏山を含む) | |||
パリ | 1775年 | 600,000 | |||
1850年 | 1,314,000 | 1,053,262(1851年, 城壁内) |
アジア
漢書によると、紀元2年の人口調査で長安には80,800戸246,200人の人口がいたとされており、戸籍に残らなかった人口を含めて40万人程度の人口を抱えていたと推定されている。以降、中国では唐代の長安、北宋 - 金代の開封、南宋 - 元代の杭州(銭塘)、明代の南京、元代以降の北京などが、人口100万人を超える大都市であったと推定されている。日本においても、平城京や平安京・平泉・鎌倉などが10万人以上の人口を有していたと推定されている。
徳川家康が構想を練り造った江戸は、徳川幕府のもとで安定して比較的平和な状態が続いたおかげで、中世末期(日本においては近世とも呼ばれる)頃には人口100万人を超え、当時の世界においては北京やイスタンブール(当時はコンスタンティノープル)と並ぶ世界最大規模の都市となっていた。
近代以降、アジアにおける人口爆発は大都市の急成長を促す事になる。
もともと家康が構想した江戸は明治維新後に大久保らによって「東京」と改称され、東京市となり[注釈 2]、成長を続けて20世紀初頭には数百万人規模の都市になっていて、さらに人口は増えてゆき、1940年 (昭和15年) 時点では東京23区の人口は約680万人まで増えていたのだが、太平洋戦争末期頃(1944 - 1945年頃)に米軍により東京に対して100回を超える爆撃(東京大空襲)が行われ、ナパーム弾などの焼夷弾が投下された東京の町々は「焼け野原」になってしまい、東京市民は殺されたり避難(疎開)を余儀なくされたことが影響し、人口減少が続き、太平洋戦争直後の時点では東京23区の人口は半分以下の280万人まで減っていたとされる。 なお、当時は大阪も東京に匹敵する規模を持っており、特に関東大震災で東京市の人口が激減した後には一時的に大阪は東京を上回る状態になった。一方、太平洋戦争末期には大阪も大阪大空襲の犠牲となり「焼け野原」になってしまった。
第二次世界大戦の戦災で人口が減った東京は、戦後復興の中で再び成長した。現在では、東京は、「都市」として見た場合には約1000万人の規模であるが、「都市圏」のとして見た場合には神奈川・千葉・埼玉・茨城に住宅地が広がり、3,400万人とも言われる人口を抱える規模になっている。また、大阪市も京都市、神戸市と複数の核を合わせると都市圏人口1700万人の規模であり、続いて1.5%都市圏として人口1000万人弱を抱える名古屋が、さらに地方中枢都市として福岡・札幌が都市圏人口200万人以上、仙台が160万人の都市圏となっている。
20世紀後半には、工業化の進んだ国だけではなく、途上国でも都市人口が急増した。より良い雇用や教育の機会を求めて、地方から過密都市に多量の人口が流入したためである。中国・インド・パキスタンなどの大人口国家においては、名目で1千万人を超える巨大都市を初めとして、大都市が首都以外に幾つも生まれている。
都市部への一極集中などによって大都市が過密化してくると、地方、国内の拠点だけでなく海外との交流拠点も担うグローバル化が進行するため、地価は高騰し、中心部はより高次な開発が求められるようになる。その結果、中心部に北米の大都市を思わせるような超高層ビルが建ち並ぶ大都市が幾つも見られるようになってきた。経済成長が顕著な中国・東南アジア・インド・中東(後述)については、このタイプの都市が多く、近年は内陸部の拠点都市でもそのような都市形成が行われている。住宅開発も市街地拡大に沿って行われていき、主に自動車道に沿って、中層階級のための団地が延々と建設されていくが、一方で肥大化する都市形成にインフラや交通基盤の整備などが追いつかず、道路渋滞や通勤ラッシュが慢性化している他、その外れには、都心や団地に住めない貧困層が、不法にスラムを形成している例が多い。
ヨーロッパ
古代ヨーロッパにおいては、(古代ローマ帝国が、ライバル国のフェニキアとの戦いに勝ち地中海世界の覇権を握り、ヨーロッパではガリア(現在のフランスあたり)や、はるかイングランドの地あたりまでも征服することに成功した結果、ローマ帝国の首都の)ローマが200万人とも推定される巨大都市へと成長した。だがその後、商業の衰退や荘園化、相次ぐ異民族の進入や内乱による都市の破壊が進み、ヨーロッパの都市は軒並み衰退した[6]。
中世の都市人口は、最大でも40万から60万人規模(後ウマイヤ朝の首都コルドバや、東ローマ帝国の首都コンスタンティノポリスなど。いずれもイスラム圏や東方正教会の影響圏)であった。特に、西ヨーロッパでは10万人規模を超えた例はまれであった(百年戦争休戦期のパリが推定28万人, 最盛期のヴェネツィアが推定11万人)。
大航海時代到来後、ヨーロッパ各所に10万人規模を超える都市が出現する。
産業革命後、工業の集積でロンドンが巨大化。数百万人規模の都市となり、19世紀中葉において世界最大の都市となった。その後、各地で工業化が進むにつれ、人口100万人を越える大都市が複数生まれた。
現代では、ヨーロッパの人口停滞を背景に、都市の急成長は見られなくなった。主に、各国の首都が大都市となっている他には、大都市は少ない。首都以外での大都市の例としては、バルセロナ、バーミンガム、ミラノ、ハンブルク、ミュンヘンなど、国民国家誕生以前の地方国家の首都だった都市や、産業革命で鉱工業都市となった都市がある。
機能的でフレンドリーな方法で都市を創造する努力がなされてきた。典型的な例は、16世紀に設立されたポーランドのザモシチ市である。ザモシチ は、ルブリン市から約80kmの高地に建設された。当時、通りや建物の特別なレイアウトのおかげで完璧な都市であった。
中心市街地が歴史的価値を持っている都市では、都市開発に制限が設けられている(市街地自体が世界遺産に登録されている都市も多い)おかげで、アジアや北アメリカのように殺伐とした摩天楼が林立してしまうような事態は免れた。第二次世界大戦の空襲で完全に破壊されたドイツの金融都市・フランクフルトや、中心市街地付近の廃墟をビル街として再開発したロンドン(ドックランズ)や、ベルリン(ポツダム広場)、ヨーロッパの玄関口に位置するロッテルダムなどは例外である。
アフリカ
アフリカでは、紀元前からエジプトにおいて都市が発達している。特に、ヘリオポリス近隣は都市が少しずつ場所を変えて成長し、フスタート、カイロへと発展する。学者によってはプトレマイオス朝時代のアレキサンドリアは100万人を超える人口を抱えていたと推定している。 また、フェニキア人が植民都市としたカルタゴも全盛期には50万人規模の人口があったと推定されており、ローマ時代も北アフリカの重要な都市として栄えていた。
7世紀以降、イスラム教の伝播により、各地に祭礼と交易の拠点が築かれ、アフリカ北部で都市が発達した。サハラ砂漠を越えるキャラバンなど交易の網は広がり、次第にサハラ以南においても都市が発達した。
大航海時代以降、ヨーロッパ諸国による奴隷貿易や商品貿易の拠点として、西アフリカのギニア湾沿岸に港湾都市が建設された。以降、植民地の統括中心地として各地に都市が作られた。
第二次世界大戦後、アフリカの年を経て独立した国々が、自らの都市として整備を開始したが、間もなく各地で内戦が勃発。長引く戦乱により、経済活動が停滞して発展を阻害されている。一方、各国の首都などには、地方から飢饉や内戦を逃れたり、教育や雇用の機会を求めて人口が流入し、無秩序な拡大の一途をたどっている。収容し切れない人口は、都市周辺にスラムを形成している。
中東
中東は、人類が初めて都市を作った場所の一つであり、初めて戦争を行った場所の一つである(ハモウカルを参照)。以来、多くの王国や帝国が生まれ、東西交易の拠点として商業都市が繁栄していた。ウル、ウルク、バビロン、スーサ、ニネヴェ、ダマスカス、エルサレム、ペルセポリス、セレウキアと対岸のクテシフォンなどがその典型である。その多くは、川の流れの変化や政治的拠点の喪失などにより衰退した。
イスラム教の拡大により11世紀頃には、世界でも最先端の技術と文化が生み出される繁栄の拠点となった。百万都市バグダード、イスラム教の聖地メッカ、バスラ、アデン、イスファハン、または、ヨーロッパ側のイスタンブール、アフリカ側のカイロなども、イスラム文化の中心地として繁栄した。
大航海時代以降、陸上貿易が衰えて、商業拠点としての優位性を失った都市は、次第に発展が頭打ちとなり、19世紀にはヨーロッパの都市発展を前に、相対的な没落を経験する。その一方で、ベイルートが欧米との玄関口となる港湾都市として発達。1975年のレバノン内戦勃発まで中東で重要な経済・貿易拠点となった。
第二次世界大戦以降、特に、石油危機の後はオイルマネーの流入により経済的に躍進を遂げ、アラビア湾岸には莫大な資金で維持される豊かな都市が現れた。これらの都市の富裕ぶりに人口が集中して、砂漠の中に大都市が存在している。
アングロアメリカ
アングロアメリカでは、ミシシッピ文化の時代に各地で大規模な祭祀センターが築かれ、カホキアは最盛期に人口が1万人に達したと考えられている。しかし、ヨーロッパ人と接触したころにはすでに人々の分散が進んでいた。
17世紀ごろから西欧諸国による植民地化が始まると、大西洋岸に新たな都市が誕生していった。当初、大西洋岸に限られていた都市は、19世紀後半には中西部から太平洋岸にまで存在するようになり、その中の幾つかは、20世紀初頭に大都市となった。
アングロアメリカの都市は、世界に先駆けてモータリゼーションを経験した事から、自動車保有を前提にした都市計画が実施されると共に、連邦制国家であるために、各地で生み出された富や技術がさほど中央に伝播せずに蓄積し、商業、工業などの産業を成熟させたため拠点都市が幾つも形成されることになった。また、さほど自治体やカウンティの合併も行われていない。このため、中心となる都市の人口だけを見て、他国の都市と比較する事はほとんど意味を成さず、都市地理学などでは都市圏のレベルで都市規模を分析することが多い。分析の指標としては都市圏で分析したMSA(Metropolitan statistic area),広域都市圏で分析したCSA(Combined statistic area)などがある。以下の数値はCSA及びMSA、2020年)での例示である[7][8]。
主たる例示として、サンフランシスコ市が挙げられる。サンフランシスコの人口は87万人であるが、東岸のオークランドを含めたMSAでは475万、サンノゼなどの近郊都市も含めたサンフランシスコ都市圏のCSAは971万人にも上る。また、ワシントンD.C.(市域69万人、MSA639万人、ボルティモアを含めたCSAで997万人)、ボストン(市域68万人、MSAで494万人、プロヴィデンスなどを含めたCSAで847万人)、アトランタ(市域50万人、MSAで609万人、CSAで693万人)、シアトル(市域74万人、MSAで402万人、CSAで495万人)、マイアミ(市域44万人、MSAで614万人、CSAで687万人)などが代表的である。他にはミネアポリス及びセントポールのTwin City(双子都市)(市域:ミネアポリス43万人、セントポール31万人、MSAで369万人、CSAで408万人)、デンバー(市域72万人、MSAで296万人、CSAで362万人)などがある。アメリカ以外ではカナダのトロント(都市圏550万人)などが代表であり、高層建造物が林立する大規模なCBD(中心業務地区)が見られ、地域中心都市、あるいはグローバル都市として顕著な拠点性を持つ。
デトロイト(市域64万人、CSAで542万人)、ボルティモア(市域59万人、CSAはワシントンD.C.を含め997万人)クリーブランド(市域37万人、CSAはアクロンなどを含め363万人)、セントルイス(市域30万人、CSAで292万人)、ピッツバーグ(市域30万人、CSAで266万人)、シンシナティ(市域31万人、CSAで232万人)、リッチモンド(市域23万人、MSAで131万人、CSA算出なし)、バーミングハム(市域20万人、CSAで135万人)などのような歴史の古い拠点、産業都市は、中心市街地の空洞化、インナーシティのスラム化、再開発に伴う建物の高次化・地価高騰などによって住民が郊外に移住したことにより、都市圏が拡大された例もある。他にハートフォード、ソルトレイクシティ、デイトン、グランドラピッズなどは、市域人口は20万人未満だが、MSAでも100万人を超えている。極端な例では、オールバニ(市域9.9万人、CSAで119万人)、グリーンビル(市域7.1万人、CSAで149万人)、ハリスバーグ(市域5.0万人、CSAで130万人)なども存在する。
反面、1970年以降になって急速に発展した西海岸やサンベルトなどの都市は人口増加のため広域合併などによって市域を拡大したため、市域人口に反してMSAやCSAが比較的少数であるケースも見られる。フロリダ州のジャクソンビル市は都市人口は約95万人で、州内で一番多いが、広域合併によって市域を拡大したためにCSAで測ると173万人に過ぎず、市域人口31万人のオーランドのCSA(422万人)より小規模である。他の例ではエルパソ、オースティン、サンアントニオ、サンディエゴ、サンノゼ、シャーロット、フェニックス、ポートランド、ナッシュビル、ツーソン、アルバカーキ、フレズノなどの例が挙げられる。また、西海岸・サンベルト諸都市以外では、インディアナポリスやコロンバスなどの例があるが、これらの都市は社会的な人口増加が顕著であり、古くからの大都市圏を席捲するようになってきている。
一方で、MSAやCSAだけで、確実に都市規模を算出できるわけではない。一つ目の問題は、カリフォルニアやテキサス、フロリダなどの流入人口増加が顕著な地域において、CBDも形成されないような衛星都市、回廊都市に対し、人口の値が大都市並みに算出されることがある。このような例としては、カリフォルニア州サンバーナーディーノ及びリバーサイド(ロサンゼルス東部に位置する内陸都市。MSAでは周辺の都市を含め、460万人(全米13位)の規模に上るが、CBDが殆ど形成されていない(人口10万人ほどの小規模MSA程度)。なお、CSAではロサンゼルス広域大都市圏に含む)、テキサス州マッカレン(メキシコ湾岸の都市。メキシコ国境にあり、主要道が通っているため、人口流入が著しくMSA換算では87万人に上るが、ロードサイドしか発展していない)、フロリダ州タンパ近郊のケープコーラル(MSA76万人)などが挙げられる。これらの都市は、ブーンバーブと呼ばれているものが多い。
もう一つの問題は、MSA及びCSAは、あくまで拠点、中心都市をベースにした統計上の算出のため、大都市の衛星、近郊都市(特に中心地に跨がった他州の都市など)における都市規模を測れないことである。このような例では、ニューヨーク大都市圏近郊の衛星都市、ニューアーク、ジャージーシティやロサンゼルス近郊の衛星都市、アナハイムなどがある。
ラテンアメリカ
ラテンアメリカでは、古来より祭礼の中心地として、メキシコ及びグアテマラやアンデスとしてテオティワカンやテノチティトラン、クスコなどの都市が盛えた。
大航海時代にスペインとポルトガルが侵略したため、これらの都市は破壊され、跡地はメキシコシティなどキリスト教を中心とする植民都市となった。また、大西洋沿岸部に、ヨーロッパとの金やエメラルドの交易窓口としてカリブ海沿岸やブラジル、アルゼンチンなどに港湾都市(カルタヘナ、ブエノスアイレス、リオデジャネイロ、レシフェなど)が建設され、19世紀後半から20世紀前半にかけて、農作物の集散地と欧州への輸出拠点として、これらの都市は繁栄した。太平洋沿岸に築かれたリマなどの都市からはパナマ地峡を経てヨーロッパへ金や銀が運ばれた。
20世紀後半も、工業化により都市の成長は続き、サンパウロ、メキシコシティ、ブエノスアイレスなどの千万人規模の都市が複数ある。また、2億人近くの人口を抱えるブラジルではクリチバやレシフェなど各州の中心都市も近代化が進んでいる。その一方で、アジアやアフリカと同様に、これらの都市も人口流入とスラムの形成が深刻である。
また、ラテンアメリカの大都市は、植民地時代の名残の残る歴史的な旧市街と、富裕層が集まる近代的な新市街に分かれている場合が多く、階級社会を象徴している。
オセアニア
オセアニアでは、19世紀あたりからアングロ・サクソン人の支配が始まり、それに従って各地に拠点となる都市が開発された。だが、大陸の大半を占める内陸部は居住に適さない砂漠であるため、人口はわずか2000万人に過ぎず、そのうちの多くがシドニー、メルボルンなどの拠点都市に居住している。また、一般に知られるシドニーやメルボルンの人口規模はいわば都市圏での換算であり、シドニー市の市域人口はわずか5万人に過ぎない(ブリスベンは市域を合併したために唯一都市圏人口と合致する)。一方、オーストラリアを除けば、後大規模な都市を形成しているのはニュージーランドのオークランドぐらいで、太平洋上の島嶼国は観光業主体や産業が不毛である上、平地が少なく都市形成には不適であるために、大都市の形成は行われていない。
近年の大都市
[誰?]「いわゆる「大都市」といった場合には、名目(人口と面積)ではなく、実質(中心市街地の機能や密度)が過度に集中している都市であり[要出典]」、「一般に「過密都市」と呼ばれる都市を指す[要出典]」。
日本国内では、総務省が、大阪市・横浜市・神戸市・名古屋市・札幌市・福岡市・仙台市など政令指定都市を指して大都市と称している[注釈 3]が、一般的には、これに特別区である東京都の23区も加わる。なお、札幌市・静岡市・浜松市・京都市など、合併で面積が広がった結果として周辺部に過疎地域を抱える大都市も有る。城や港などから端を発して、それが巨大化したのが特徴的である。
順位 | 都市 | 人口 | |
---|---|---|---|
1 | 東京都区部 | 38,140,000 | |
2 | デリー | 26,454,000 | |
3 | 上海 | 24,484,000 | |
4 | ムンバイ | 21,357,000 | |
5 | サンパウロ | 21,297,000 | |
6 | 北京 | 21,240,000 | |
7 | メキシコシティ | 21,157,000 | |
8 | 大阪市 | 20,337,000 | |
9 | カイロ | 19,128,000 | |
10 | ニューヨーク | 18,604,000 | |
出典:国際連合 [3] |
- メガシティ
大都市の中でも、都市圏人口で1000万人を超える巨大都市を特にメガシティという。国際連合の統計によると、2009年現在、世界中に21の人口1000万人を超えるメガシティが存在しているとしている。世界最大のメガシティは人口3500万人を超える東京圏である。
- 具体例
- 日本の例:東京都区部・大阪市・横浜市・神戸市・名古屋市・札幌市・仙台市・広島市・福岡市など政令指定都市20市
- アジアの例:ソウル・釜山・北京・上海・香港・台北・バンコク・マニラ・シンガポール・ジャカルタ・ムンバイ・デリーなど。
- アジア以外の例:ロサンゼルス・シカゴ・ニューヨーク・メキシコシティ・サンパウロ・シドニー・メルボルン・ロンドン・マドリード・パリ・トロント・アムステルダム・モスクワ・カイロ・イスタンブール・ブエノスアイレスなど。
都市共通の機能
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都市にはライフライン・食料の供給と水・電力・通信などの手段が、都市における住民の生活を維持し、その他の都市とのつながりを確保する手段として必要とされる。都市には、電力供給の手段と上下水道の設備・道路・鉄道駅や港・空港などのインフラストラクチャーも、その人口に応じて必要とされる。また、汚水やゴミの処理などの静脈物流も必須である。更に、大量消費の時代に入ってからは、ゴミ・廃棄物の問題が顕在化して大都市においても深刻な問題となっている。
都市の発展により、都市の周辺の農村部においても、農地の宅地化や工場・商業施設などの進出など、都市としての性格を持つようになる。この現象を都市化という。この内、無計画な都市化をスプロール現象という。
- 政治・行政機能
- (市役所・市議会・消防署)
- 市役所・都道府県庁・州政府・国家機関といった行政機関や裁判所が含まれ、警察署や消防署などが立地する。警察や消防の管轄範囲は、エリア(複数の都市)に跨がる物もある。水道局・下水道局・ゴミ処理施設などライフラインを支える物。日本においては、1990年代以降、郊外に大規模な庁舎を建設して移転する事例が見られる。
- 商業機能
- (百貨店・商店街・ホテル・ファストフード店・レストラン)
- 日本においては、都心にあった百貨店や商店街は、郊外のロードサイドショップや大型ショッピングセンターに押され気味であり、消費者の動向は郊外に移動している。都心の映画館も、徐々に姿を消しつつある。
- 交通・通信機能
- (鉄道・バス・地下鉄・空港・港)
- 都心への車の乗入れを制えるニューアーバニズムなどの動きが、ヨーロッパの都市において始まっていて、BRT(高速バスシステム)や路面電車(次世代型路面電車)がその低公害性やバリアフリーの面から再評価されている。
- 教育・文化・娯楽機能
- (学校・大学・図書館・博物館・公園・スポーツ施設・ホール・ライブハウス)
- 都市の継続的な発展のために、その後進を育て育成していく教育機関が都市には必要とされる。早くから郊外への移転が進んでいるが、その反省から近年では都心回帰も進んでいる。
- 医療・福祉機能
- (病院・母子保健センター・老人ホーム)
- 住民の高齢化に伴い、医療機関や社会福祉施設の充実が、都市の生き残りのために重要な問題になってきている。高齢者専用のアパートやグループホームも、郊外を中心に最近は増えつつある。高齢者に供する分譲地から造られた高齢者のための都市をシニアタウンと言う。アメリカ合衆国で代表的なシニアタウンには、サンシティ (アリゾナ州)がある。
都市成立の例
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平野
日本の東京、大阪 、名古屋、札幌、仙台、新潟、岡山、福岡、熊本、宮崎、久留米、佐賀
盆地
- 盆地は山に囲まれているが、土地が比較的広いので、土地を有効活用できる。
- 例:フェニックス、カトマンズ、ソフィア、マドリード、台北。日本の京都、奈良、甲府、平泉、山口、旭川、盛岡、山形、福島、会津若松、八王子、甲府、長野、松本、飯田、高山、秩父、沼田、津山、飯塚、田川、阿蘇、人吉、都城。
谷口
湾
- 湾は海と陸との交易上の拠点となり、港町が発達し易い。
- 例:ニューヨーク、シドニー、リオデジャネイロ、サンクトペテルブルク、ジェノヴァ、サンフランシスコ。日本の東京 横浜、大阪 神戸、名古屋、室蘭、福岡、広島、清水、鹿児島、別府、長崎。
海峡
- 海上交通において、重要な拠点となる。海峡の双方に都市が形成される事が多い。
- 例:コペンハーゲンとマルメ(エーレスンド海峡)、イスタンブール、ジブラルタル、デトロイトとウィンザー、バンクーバーとビクトリア。日本の神戸と淡路島と鳴門(明石海峡と鳴門海峡)、下関と北九州(関門海峡)、青森と函館(津軽海峡)
運河
河口
- 水陸交通の接点として重要な地位を占める。河口や、川の合流点、潮汐限界点などに立地する。日本では殆ど見られなくなったが、川が大規模な海外においては舟運が多いため、依然として多い。
- 例:ロンドン、ブレーメン、ケルン、ロッテルダム、ニューオーリンズ、リスボン、ベレン、ブエノスアイレス、モンテビデオ、ル・アーヴル、上海、天津、済南。日本の酒田、新庄、新潟、水戸、銚子、鰍沢、新宮、福山、宿毛、柳川、玉名、延岡、宮崎。
湖岸
滝線
- 滝の近くや、河川交通の終着点に当たる。急流の落差を利用した水力発電が行われ、工業都市が発展する。特に、アメリカ合衆国東部から南東部のアパラチア山脈東麓に広がるピードモント台地東縁には、滝線都市が多く見られる。
- 例:フィラデルフィア、ボルチモア、ワシントンD.C.、リッチモンド、ローリー、オーガスタ、モンゴメリー、ヘルシンキ
山麓
渡津
陸繋島
地下資源
国境
- 国際的な関係が深いために発展する場合と、移民などの行き来が多いために発展する場合がある。
- 例:サンディエゴとティフアナ、エルパソとシウダー・フアレス、ラレドとヌエボラレド(以上アメリカ合衆国・メキシコ)、デトロイトとウィンザー(アメリカ合衆国・カナダ)、バーゼル(スイス・フランス・ドイツ)
城下町
- 主に中世に築かれた、士族や領主の城を媒体として発達した都市。日本やドイツ等に多く見られる。
- 日本の例:弘前、盛岡、奥州、一関、仙台、会津若松、佐倉、川越、江戸、小田原、松本、静岡、名古屋、犬山、清州、小牧、岡崎、豊橋、西尾、岐阜、金沢、福井、彦根、姫路、和歌山、岡山、福山、広島、萩、高知、北九州(小倉)、朝倉、中津、大分、佐伯、熊本、八代、延岡、都城、鹿児島
- 日本国外の例:ミュンヘン、カールスルーエ、フライブルク、ハイデルベルク、エディンバラ、トレド、北京
宿場町
港町
- 港を媒体にして発達した都市。水産都市として漁港が発展するケースも多い。
- 日本の例:苫小牧、小樽、函館、青森、秋田、酒田、新潟、横浜、沼津、清水、半田、津、敦賀、舞鶴、神戸、高松、尾道、呉、福岡、北九州、佐世保、長崎、別府、宮崎、鹿児島
- 水産都市の例:釧路、八戸、石巻、塩竈、小名浜(いわき市)、境港、浜田、松浦、壱岐など
- 日本国外の例:マルセイユ、リオデジャネイロ、バルセロナ、ジェノヴァ、ヴェネツィア、ムンバイ、シアトル、ベルゲン、仁川、高雄
古代政庁の町
- 古代の官衙・政庁から発達した都市。観光都市となっている所が多い。なかでも、首都が置かれた事のある都市は古都とも呼ばれる。
- 日本の例:京都、奈良、大津、鎌倉、長岡京、平泉、首里
- 日本国外の例:アテネ(ただし、ギリシャの首都である)、ローマ(ただし、こちらも現在イタリアの首都である)、慶州、西安、トレド、コルドバ、イスタンブール(コンスタンティノポリス)、アレクサンドリア、クスコ
機能別分類
複数の機能を集積することは都市の本質的な特徴であり、一つの都市は複数の分類に属することが多い。例えば、東京23区、京都市は、国際都市であり、観光都市であり、学術都市でもある。
世界都市
世界都市は、主に経済的・政治的・文化的な活動において、グローバルな観点による重要性や影響力の高い都市のことである。グローバル都市とも言う。
- 世界都市の例
- 例:ニューヨーク・ロンドン・東京・パリ・香港・シカゴ・台北・ロサンゼルス・シンガポール・シドニー・ソウル・ブリュッセル・サンフランシスコ・ワシントンD.C.・トロント・北京・ベルリン・マドリード・ウィーン・ボストン・フランクフルト・上海など。
宗教都市
- 宗教都市とは、聖地やそれにちなむ教会堂やモスクなどの宗教施設を中心として発達した都市。なかでも世界宗教の聖地にあたる場合は、世界各地からの信者たちが巡礼で訪れる。(日本では「門前町」「寺内町」などと呼ぶことがある。)
- 都市の経済が、巡礼者の滞在費(宿泊費・飲食費・土産物代など)で回っていることも多い。
- 例:エルサレム、メッカ、バチカン、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、ルルド、ケルン、ソルトレイクシティ
- 日本の例:(日本の場合もまず宗教的な出来事にちなむ神社や寺院ができ、それがやがて都市に発展しており、具体例としては)鹿嶋、日光、成田、諏訪、一宮、津島、豊川、富士宮、身延、長野、伊勢、永平寺、大阪、京都、天理、高野山、琴平、金光、出雲、太宰府、宗像、英彦山、宇佐、高千穂、宮崎、霧島、普天間
行政都市
国家の中央政府(国会・最高裁判所・中央省庁)や地方政府(道政府・州政府・県庁などの広域自治体)が置かれている都市。特に、国家の中央政府が置かれている都市を首都といい、州政府の置かれている都市を州都、道政府の置かれている都市を道都ともいう。
中央政府や地方政府から政策などに関する発表(日本国政府においては内閣官房が発表する)が行われるので、自然と放送局や新聞社などの報道機関が立地し情報の発信地ともなる。更に、官衙(行政庁)への届出などのために企業が立ち並び、いつしか「経済の中枢」となる都市も少なくない。(東京特別区やソウルなど)
こうなった後の首都を持つ国の一部は、政治の中枢と経済の中枢を分離するため、遷都(首都機能移転)によって新たな都市が誕生する例もある(ブラジリアやキャンベラなど)。しかし、遷都には多くの問題(経済的問題や世論の反発など)を妊むため、計画が破綻する例もある。日本では、首都機能移転計画が宙に浮いたままであり、大韓民国においても首都移転計画を憲法裁判所が却下した、など。
- 日本の例:歴代日本の首都、前橋、浦和(現さいたま)、静岡、山口、大宰府(律令時代)、平泉(平安時代)、鎌倉、那覇
- 日本国外の例:ワシントンD.C.、ブリュッセル、デン・ハーグ、ベルリン、ボン、サクラメント、オースティン、ケベックシティ、北京、ニューデリー、イスラマバード、キャンベラ、オタワ、ベルン、ブラジリア、プレトリア、ウェリントン、ラバト
地方都市
その地方における中枢機関(特に、道政府。日本の場合にはその地方を総轄する国の出先機関。)が置かれている都市。州都に見られるタイプである。括弧内は、その都市が中心になっている地方。
- 日本の例:東京都区部(関東)、大阪(近畿)、名古屋(東海)、札幌(北海道)、仙台(東北)、新潟(北陸)、広島(中国)、高松(四国)、福岡(九州)、那覇(沖縄)
- 日本国外の例:バルセロナ(カタルーニャ)、リヨン(ローヌ=アルプ)、ミュンヘン(バイエルン州)、トゥールーズ(ミディ=ピレネー)、ハノーファー(ニーダーザクセン)、ペルージャ(ウンブリア)、パース(西オーストラリア州)、済南(山東)、広州(広東)、成都(四川)
- 拠点都市・地方中枢拠点都市
商業都市
古くから交易が活発な都市。古くから大口の物資の運搬方法が船である事から、大河の辺や潮流の穏やかな、海に面した場所が多い。商業都市の近くに観光地ができやすい。
- 日本の例:函館、仙台、郡山、東京、横浜、高岡、静岡、金沢、大阪、名古屋、京都、堺、神戸、広島、米子、福岡、熊本、鹿児島、那覇
- 日本国外の例:高雄、サンクトペテルブルク、ニューヨーク、パリ、ハンブルク、上海、香港、ムンバイ、トロント、サンフランシスコ、イスタンブール、アムステルダム、ミラノ
工業都市
特定の工業が集積した都市。都市の経済が第二次産業で成り立つ。古くからある工業都市は、原料や完成品の運搬のために港湾設備を備えた所が多い。最近は、工業生産品がPCパーツのように小型である場合には、空港があれば、臨空都市としても産業振興が図れるという新たなケースもある。
なお、産業の裾野が広い企業(自動車産業など)の本社や主力工場が立地する都市は、その企業に関連する下請けのための工場も林立するため、俗に企業城下町と呼ばれる。代表的な例はトヨタ自動車の創業家豊田氏にちなんで市名を変更した愛知県豊田市。(旧名・挙母(ころも)が難読である、という理由も有って名称変更した)
- 日本の例:苫小牧、室蘭、北上、いわき、日立、鹿嶋、神栖、太田、伊勢崎、市原、川崎、富士、浜松、磐田、豊田、岡崎、名古屋、刈谷、安城、小牧、四日市、守口、倉敷、福山、広島、周南(徳山・新南陽)、宇部、下関、坂出、四国中央(川之江・伊予三島)、新居浜、北九州、宮若、苅田、久留米、大牟田、佐世保、長崎、八代、水俣、中津、大分、延岡
- 日本国外の例:高雄、蔚山、浦項、広州、大連、青島、天津、チェンナイ、シュトゥットガルト、ヴォルフスブルク、トリノ、シアトル、ロッテルダム、ミルウォーキー、デトロイト、イェーテボリ
産業都市
経済が第一次産業(農業・水産業・林業)で成り立つ都市。自然環境に恵まれた場所に位置する。天候不順の時には経済的打撃を激しく受ける。また、その一帯には集散地が形成され、主に加工(製粉など)を目的とした都市が発展しやすい。また、前橋市、八王子市、厚木市、岡谷市など、かつては農作物集散地として機能し、現在はその要素が廃れているケースも多い。
- 日本の例
- 日本国外の例(漁業):ポートランド (メイン州)、ハリファックス、ケープタウン、セントジョンズ、レイキャビク
- 日本国外の例(農業・牧畜業):フレズノ、カンザスシティ、オマハ、ミネアポリス、フォートワース、リッチモンド、アトランタ、シカゴ、バッファロー、ウィニペグ、カルガリー
軍事都市
基地や兵站などの軍事機関が立地している都市。陸軍、空軍主体の場合は広大な平地に、海軍主体の場合は軍艦の停泊に適した港湾に面して位置する事が多い。
- 日本の例:旭川、むつ、三沢、横須賀、相模原、福生、舞鶴、広島(第二次大戦まで)、熊本、呉、春日、久留米、玖珠、佐世保、大村、新富、都城、鹿屋、名護、嘉手納
- 日本国外の例:キール、ウラジオストク、サンディエゴ、ノーフォーク、ヴィスビュー、オデッサ、ポーツマス、トゥーロン(以上海軍)、コロラドスプリングス(空軍)
学術都市
研究都市、学術都市や学術研究都市・学研都市は、大学を初めとした高等教育機関や研究所が集まる都市。ハイテクパークなど。大学の新設や移転と共に付属する研究所が林立し、更に発展して、先端産業の工場が立地する事もある。海外では、名門大学が本拠を置く大学都市 (College town) (大学町または大学街)が存在する。このほかに学園都市、研究学園都市、文教都市といった都市がある。
- 日本の例:札幌ニュータウン、弘前市、仙台市(学都仙台)、筑波研究学園都市(つくば)、国立市、多摩市、金沢市(学都)、松本市、名古屋市、長久手市、日進市、京都市、関西文化学術研究都市、神戸研究学園都市、播磨科学公園都市、東広島市、北九州市若松区、宮崎学園都市など
- 日本国外の例:新竹、モントリオール、バークリー、シリコンバレー(サンノゼ)、リサーチ・トライアングル(ローリー/ダーラム/チャペルヒル)、アナーバー、シャンペーン/アーバナ、ボストン/ケンブリッジ、プリンストン、オックスフォード、ケンブリッジ、ゲッティンゲン、ハイデルベルク、ミュンヘン、ストックホルム、ウプサラ、ルンド
資源都市
地下資源を産出するか、産出地に生産要素(労働力・資材・機械・技術など)を供給する都市。資源を運搬する鉄道・船舶や労働者、資源を利用する重工業が集まる。産出量が落ちて衰えるなどの問題を抱える事が多い。
- 日本の例:佐世保、飯塚、田川、直方、大牟田、荒尾、夕張、歌志内、芦別、赤平、いわき、高萩、宇部、松浦、長崎(以上炭鉱)、新津(秋葉)(石油)、釜石(鉄鉱)、鹿角、足尾(以上銅鉱)、大田(銀鉱)、菱刈(金鉱)、秩父、美祢、田川、津久見(以上石灰石)、茂原(天然ガス・ヨウ素)
- 日本国外の例:ポートハーコート、アブダビ、リヤド、バクー、パレンバン、マラカイボ、カルガリー、ヒューストン(以上石油)、ダルース(メサビ鉄山で産出される鉄鉱石の積出港)、スクラントン(石炭)、サクラメント、ヨハネスブルグ(以上金鉱)、アントファガスタ(チュキカマタ銅山で産出される銅鉱の積出港)、キンバリー(ダイヤモンド)、パース(西オーストラリア州内で産出される金・鉄鉱石・ニッケル・アルミナ・ダイヤモンド等各種資源の積出港)
観光都市
主に観光業で経済が成り立っている都市。観光資源を特に多く擁している都市。
保養都市
保養地のある都市。温泉や高原の保養施設が多く立地する都市や、避暑地・避寒地がここに属する。観光都市に含まれることもある。
田園都市
海底都市
海底都市(かいていとし)とは、海底に建設される都市。現在ではまだ構想の段階で実用化には至っていない。
その他の都市
自由都市、帝国自由都市(神聖ローマ帝国内)、双子都市、中枢中核都市、衛星都市、自治都市、内陸都市など。
都市問題
都市は人口が密集するため、様々な社会問題が発生するリスクを伴う。こうした都市特有の社会問題を「都市問題」と呼ぶこともある。一般的に人口が多ければ多いほど発生しやすく、また、先進国よりも法整備や財政拠出が十分でない途上国で顕著な傾向がある。都市問題としての課題に次のようなものがある。
環境問題
都市廃棄物、ごみ、大気汚染、水質汚濁
資源問題
発電、停電
労働問題
不況、ホームレス、外国人労働者、スラム、所得格差
災害問題
地震、台風、ウイルス、ヒートアイランド現象
防犯問題
犯罪、麻薬、テロ、都市型犯罪、郊外型犯罪、火災、交通事故
心理問題
疎外、孤独、ドメスティックバイオレンス、精神疾患
インフラ問題
水、交通渋滞、2024年問題
都市構造問題
人口爆発、景観悪化、地価高騰、郊外化、ドーナツ化現象、スプロール現象、インナーシティ、ジェントリフィケーション
都市の自然
それぞれの地域は、それぞれに固有の在来の生物群集を持っているが、ヒトは自分の周辺にそれらとやや異なった生物群を引き連れることが多い。例えば積極的に育成するものに家畜や作物があり、それらを育成するために作る環境にはまた多数の生物が付随して出現する。そのためそこには外来種が多く出現する。さらに、そこから家のみが集中する都市においては、作物や家畜に関わる部分が少なくなった分だけ、さらに自然な生物群集の成立する環境とかけ離れた条件となっている。従ってそこに生活する生物は多くない。しかしながら全く存在しないわけではなく、それなりに独自の生物群集が存在する。このような観点から、都市を一つの自然環境と見なした場合、都市生態系ということもある。
これは一つにはそのような環境にも耐えられる生物が残ることで成立する。踏まれても枯れないオオバコや、アスファルトのひび割れからでも花を咲かせるスミレなどは都市の道ばたにも出現する。また、公園などの形で残された緑地にはそれなりに様々な生物が住んでいる。
逆に、人間の作り出した環境条件が好適であるために増えるものもある。例えばヒトの住居は往々にして乾燥した垂直の壁や庇的構造を提供し、ツバメは現在ではほとんど人間の作った構造で巣を作る。青木純一が都市でササラダニを採集したところ、コンクリートの上に生えるコケから珍種が発見された。これは後に海岸近くの岩の上などに生息するものであることがわかったという。他に、保温性が高いためにより暖地の生物が都市で繁殖する例もある。ゴキブリなどもこの例であろう。
都市を形容する俗称
特定の都市を指し、接尾語として「○都」「○○の都」「○京」の様に命名している事がある(歴史上の「都」と同意義ではない)。古くは、国府や守護大名の所在都市に、「府」「陽(洛陽つまりその国の都)[要出典]」を付けた名称もあった。甲府や防府など、現在の都市名に引き継がれているものや町おこし・地域ブランドづくりのために地域の歴史や産業にちなんで名付けられたものもある。
「○京」
- 西京:山口。応仁の乱以降、大内氏が戦乱を逃れた貴族や文人を迎え、文化的に繁栄したため、「西の京」と呼ばれた事に由来する。山口市を指すより、歴史・観光上の美称の色が濃い。
- 中京:名古屋の別名として使われる事がある。
「○都」
- みやこ(都):普通名詞としては「首都」と同義。
- 古都:日本の都であった場所(奈良県明日香村など)、または往時の地方の中心都市として一般に認識されている京都市、奈良市、大阪市など。また古都保存法からの見地もある[9]。
方角関連
- 東都:東京の別称。国外では洛陽。
- 南都:京都の南方にある都として奈良を指す。「南都北嶺」。
- 北都:札幌、秋田、平泉、新潟、(奈良に対して)京都などの企業名に用いられているが、いずれも都市自体の呼称としては一般的ではない。
- 西都:西都市。国外では長安。
都市機能
- 帝都:天皇、皇帝の住まう都。大日本帝国において、終戦までは東京を指す言葉として使われたが、今は殆ど見られない。日本国外では長安、ウィーンなどにも使われる。
- 商都:これも本来一般名詞である。交易が盛んな都市として使われることが多く、大阪や横浜などに使われる。大阪は天下の台所とも呼ばれることもある。
- 軍都:相模原、横須賀、呉、佐世保、旭川、三沢
- 港都:函館、小樽、横浜、新潟、神戸、高松、門司、博多、長崎
- 開港された時の港が多い。港湾都市とも。
- 神都:伊勢神宮があることから、伊勢市の別称。国外では、武周朝の洛陽。
- 仏都:善光寺があることから、長野市の別称。
- 学都:京都、仙台、岡山、金沢、松本
- 県都:県庁所在地一般について用いられる。
工業関連
- 工都:日立、東海、四日市、尼崎、新居浜、北九州、大分、延岡
- 各企業の企業城下町として機能していることが多い。
- 陶都:瀬戸、常滑、信楽、備前、唐津、伊万里、多治見、土岐、瑞浪
- 鉱都:佐世保(かつての炭鉱都市)、足尾
- 炭都:田川(筑豊最大の炭鉱都市であった)、夕張
- 織都/機(はた)の都:桐生市
- 蚕都:上田
- 刀都:堺、関
- 鋼都:安来
- 車都:太田、横浜、豊田、名古屋、浜松、池田、広島、鈴鹿、デトロイト、トリノ、ミラノ、ヴォルフスブルク、ミュンヘン、シュツットガルト
自然関連
文化関連
その他
「○府」
「○陽」
「○の都」
- 音楽の都/楽都:仙台、浜松、ウィーン、ワルシャワ、サンクトペテルブルク
- 華の都/花の都:京都、東京、パリ、フィレンツェ。
- 霧の都:ロンドン
- 永遠の都:ローマ
- 芸術の都:パリ、フィレンツェ、ウィーン
- ファッションの都:パリ、ロンドン、ミラノ、ニューヨーク
- 千年の都:京都
- 食の都:酒田、庄内、鳥取
- 黄金の都/平和の都:平泉
- 水の都/水都:大阪、平泉、郡上、広島、新潟、松江、大垣、西条、徳島、柳川、熊本、延岡、ヴェネツィア、ブルッヘ(ブルージュ)、ストックホルム、サンクトペテルブルク、蘇州
- 古の都:古都と同義。奈良、飛鳥、京都。
西条(地下水が豊富で「うちぬき」と呼ばれる自噴井が多数存在)、大垣(水都タクシー、デリカスイト等所在企業名にも使用)
音訳
また、海外の都市を漢字で音訳する場合、都市名の音の頭文字を漢字に置き換えて、それに「都」「府」「港」を付ける事がある。ただし、これは、古風な表現で現在においては殆ど用いられない。なお、現在での漢字表記を、括弧内に記す。
- 紐育:ニューヨーク
- 巴里:パリ
- 倫敦:ロンドン
- 羅馬:ローマ
- 伯林:ベルリン
- 雅典:アテネ
- 維納:ウィーン(維也納)
- 寿府:ジュネーヴ(日内瓦)
- 桑港:サンフランシスコ(三藩、旧金山)
- 羅府:ロサンゼルス(洛杉磯)
- 沙都、沙港:シアトル
- 波府:ボストン(波斯頓)
- 華府:ワシントンD.C.(華盛頓)
- 費府:フィラデルフィア
- 星港:シンガポール(新嘉坡)
- 曼谷:バンコク
「○○の東京」
「○○の大阪」
「○○のパリ」
「○○のヴェネツィア」
「○○のフィレンツェ」
「○○のアテネ」
「○○のナポリ」
「○○の真珠」
行政
日本の行政制度
- 施行時特例市 - 27市 ※は中核市への移行を検討、目指している市
日本国外の都市行政制度
大都市や小都市や村落など、規模を問わず、基礎自治体を同じ名称で呼ぶ国はヨーロッパに多く見られる。
この代表的な国家には、フランスやイタリアなどがある。これらの国家では、パリやミラノのような大都市でも、カンヌのような小都市でも、カマンベールのような村落でも、全て「commune(仏:コミューン)」や「comune(伊:コムーネ)」と呼ばれる。イタリアでは、市役所(・村役場)のウェブサイトのURIにおいて“comune”の後に都市名(・村落名)が付く自治体が多い。
首都以外の特別市
一般に、首都は「特別市」として、一市単独で州・道を構成する所も多い。しかし、首都以外でも、過密になり大都市となっている市もある。その中にも、「特別市」として、一市単独で州・道を形成する所もある。以下に、その例を挙げる。
その他
- 都市の類義語と反対語
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
類似概念と反対概念についても説明しておく。
- 類義語
都市の類義語としては、都会や都などがある。
ただし「都市」と呼んだ場合には、規模の大小を問わないのに対して「都会」・「都(みやこ)」というと、規模が都市の中でも特に大きな都市を指す場合が多い。[注釈 8]
- 反対語、対義語
- 都市 ⇔ 村落(学術的用語)
- 市 ⇔ 村(略語)
- 都会 ⇔ 田舎(俗語)
- 都 ⇔ 鄙(俗語の訓読み)
- 都心 ⇔ 辺鄙(広がりの視点を伴う俗語)
- 都 ⇔ 市(漢字の原意からは、都は行政都市:元首がおり人口多い首都。市は商業都市:語源は足を止め天秤で計る場・市場。)
脚注
注釈
- ^ この「集落」とは、通俗的な意味での「集落」ではなく、より学術的な意味合いでの「集落」である。つまり住宅の集まっている地域全般を指すための用語であり、数十万人や数百万人が住んでいても「集落」である。
- ^ 第二次大戦前なので「東京市」
- ^ 総務省発行の「地方財政白書」では、平成20年度版まで政令指定都市の意味で「大都市」を用いている(用語の説明 平成20年度版地方財政白書)が、21年度版以降は「政令指定都市」に変更している(用語の説明 平成21年度版地方財政白書)。
- ^ 金華山に由来する。「陽」は北半球において日当たりがよい山の南側、あるいは川の北側を意味する。岐阜のもともとの市街地は金華山の南西を中心に広がっている。
- ^ 洛陽にそのままちなむ。平安京の左京(東側)の称であり、右京(西側)を長安と称したのと対比したが、右京が衰退して京都の市街地の中心が左京となったことにともない京都全体を「洛陽」と呼ぶようになった、ともされる。
- ^ 本来は将来自治体人口が100万人以上となる都市が指定されており、市町村合併支援プランの運用上では特例中に市町村合併を行った70万人以上(都市圏人口100万人以上)の都市が指定されている。
- ^ ブレーメン(ブレーメン州)と並んで、ハンザ同盟以来の自由都市としての地位を現在まで保持している。
- ^ 「都会」や「都(みやこ)」は「田舎」・「鄙(ひな)」の対義語。したがって、やはり「都市」とは語感が異なっている。同義語ではない。
出典
- ^ 『精選版 日本国語大辞典』【都市】
- ^ a b c 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』【都市】
- ^ a b c d 永野(2009),p.18
- ^ a b c 林(2012),p.4-6
- ^ a b c d 戸所(2000),p.48-49
- ^ 林玲子『世界歴史人口推計の評価と都市人口を用いた推計方法に関する研究 第五章 考察 4.ヨーロッパ人口について』(原著2007年6月27日)。書誌ID 000009362321 。2014年11月14日閲覧。
- ^ QuickFacts. U.S. Census Bureau. 2020年.
- ^ OMB Bulletin No. 20-01, Revised Delineations of Metropolitan Statistical Areas, Micropolitan Statistical Areas, and Combined Statistical Areas, and Guidance on Uses of Delineations of These Areas. Office of Management and Budget. 2020年3月6日.
- ^ 古都保存法における古都の定義
- ^ “アイスホッケーの新時代-氷都苫小牧の現状と課題-(5)”. 苫小牧民報 (2007年). 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月27日閲覧。
- ^ “212新聞 胆振 苫小牧(人口・171795) 白鳥アリーナ 氷都の誇り国際リンク”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1997年11月1日)
- ^ 、2010、「氷都くしろの名を全国に」、『広報くしろ』(1月号)、釧路市役所総合政策部市民協働推進課 p. 14
- ^ 高田誠 (2018年12月20日). “氷都の宝が…釧路落胆”. 朝日新聞 2022年1月27日閲覧。
- ^ [1]
- ^ [2]
参考文献
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 |
- 永野征男(2009)『都市地理学研究ノート』冨山房インターナショナル
- 戸所隆(2000)『地域政策学入門』古今書院
- 林上(2012)『現代都市地理学』原書房
- 羽仁五郎『都市の論理 歴史的条件─現代の闘争』
- 増田四郎『都市』
- Tertius Chandler, "Four Thousand Years of Urban Growth: An Historical Census", Lewiston, NY: The Edwin Mellen Press, 1987. ISBN 0889462070
- George Modelski, World Cities: –3000 to 2000, Washington DC: FAROS 2000, 2003. ISBN 0967623014
- コストフ『都市の歴史』東洋書林, 2021, ISBN 978-4887218284
関連項目
外部リンク
city
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 07:16 UTC 版)
「アルバータ州の地方行政区」の記事における「city」の解説
人口1万人以上を要件とし、市に相当する。2012年の時点で17存在する。
※この「city」の解説は、「アルバータ州の地方行政区」の解説の一部です。
「city」を含む「アルバータ州の地方行政区」の記事については、「アルバータ州の地方行政区」の概要を参照ください。
「city」の例文・使い方・用例・文例
- 『electricity(電気)』は『electric(電気の)』の派生語である
- cityのページへのリンク