モンテカルロシミュレーションとは? わかりやすく解説

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モンテカルロ‐シミュレーション【Monte Carlo Simulation】

読み方:もんてかるろしみゅれーしょん

モンテカルロ法


モンテカルロ・シミュレーション(Monte-Carlo Simulation)


モンテカルロシミュレーション Monte Carlo simulation


モンテカルロ・シミュレーション

読み方もんてかるろ しみゅれーしょん
【英】: monte carlo simulation

自然的経済的現象予測を行うにあたり当該現象モデル作り、そのなかの変数あり得べき値を与えて結果導き出す手法シミュレーションという。モンテカルロ・シミュレーションは、モデルのなかに、実数値が確率的に分布する変数含まれているときに用いられるシミュレーション手法であってその特徴は、乱数ピックアップするという、サイコロを振る賭博{とばく}と同様の試行繰り返すことによって確率的事象シミュレートするという点にある。その具体的な手法以下のとおりである。
ある現象モデル式のなかの一つ変数の値が図 a のように確率分布しているとする。これは図 b のような累積曲線書き直される。この縦軸は 0 から 100 までの百分比である。乱数のなかからアト・ランダムに 2 桁の数ピックアップし、この数を百分比読み換え、図 a の上でこれに対応する変数値ピックアップする
モデル式のなかに確率分布する変数いくつもある場合、各変数について同様のことを行ってそれぞれ一つ実数値をアト・ランダムピックアップすることによって、各変数の値の一組セット得られ、それに対応する一つモデル現象結果値が得られる。このプロセス大数の法則成り立つだけの多数繰り返して行えばピックアップされた各変数値出現頻度は図 a に相応する分布をしているはずであり、それらの組み合わせとして得られモデル現象結果値の分布は、最もあり得べき確率分布となっているはずである。
石油探鉱事業リスク分析開発事業フィージビリティ・スタディにあたって必ず問題となる埋蔵量規模予測は、モンテカルロ・シミュレーション適用好例とされる埋蔵量計算要素である油層面積層厚孔隙率こうげきりつ}、油飽和率などの値はいずれも、予測段階では確率分布するものとして推定される。ただしその確率分布曲線的確に分からないのが普通である。この場合上限値下限値とは推定できるが、その範囲内で特定の分布型を考え根拠ない場合は、両限値の間で平等分布するものと想定し上限値下限値とのほかに最頻値最確値)を推定できる場合両眼値のところで頻度ゼロとなり、最頻値上に頂点があって面積が1となるような三角形頻度分布想定するなどで代用することによって、近似的な埋蔵量分布曲線を得る工夫提唱されている。最近では、原始埋蔵量規模分布のみでなく、油田開発経済計算までのモデル・プログラムも作られ油田開発リスク分析全体にモンテカルロ・シミュレーションが利用されるようになっている。 

図 モンテカルロ・シミュレーション

モンテカルロ法

(モンテカルロシミュレーション から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/10 06:36 UTC 版)

モンテカルロ法 モンテカルロほう: Monte Carlo methodMC)とはシミュレーション数値計算乱数を用いて行う手法の総称。元々は、中性子が物質中を動き回る様子を探るためにスタニスワフ・ウラムが考案しジョン・フォン・ノイマンにより命名された手法。カジノで有名な国家モナコ公国の4つの地区(カルティ)の1つであるモンテカルロから名付けられた。ランダム法とも呼ばれる。

計算理論

計算理論の分野において、モンテカルロ法とは誤答する確率の上界が与えられる乱択アルゴリズム(ランダム・アルゴリズム)と定義される[1]。一例として素数判定問題におけるミラー-ラビン素数判定法がある。このアルゴリズムは与えられた数値が素数の場合は確実に Yes と答えるが、合成数の場合は非常に少ない確率ではあるが No と答えるべきところを Yes と答える場合がある。一般にモンテカルロ法は独立な乱択を用いて繰り返し、実行時間を犠牲にすれば誤答する確率をいくらでも小さくすることができる。またモンテカルロ法の中でも任意の入力に対して最大時間計算量の上界が入力サイズの多項式で与えられるものを効率的モンテカルロ法という[2]

なお、これとは対照的に理論上必ずしも終了するとは限らないが、もし答えが得られれば必ず正しい乱択アルゴリズムをラスベガス法と呼ぶ。

計算複雑性理論では、確率的チューリング機械によるモデル化によってモンテカルロ法を用いて解決できる問題のクラスをいくつか定義している。代表的なところでは RPBPPPP などがある。これらのクラスと PNP との関連性を解明していくことによって、モンテカルロ法のようにランダム性を含むアルゴリズムによって解ける問題の範囲が拡大しているのか(P ≠ BPP なのか)、それとも単に決定的アルゴリズムで解ける問題の多項式時間の次数を減らしているだけなのか(P=BPP なのか)は計算複雑性理論における主要課題の1つである。現在、NPPPRPNPであることはわかっているが BPPNPとの関係はわかっていない。

準モンテカルロ法

一様乱数ではなく、超一様分布列英語版を使用する方法を準モンテカルロ法英語版という[3]。たとえばモンテカルロ数値積分法で、乱数の代わりに準乱数を用いれば収束の加速が期待できる。ただし、分布の一様性の高い数列としての準乱数は、モンテカルロ数値積分には適切であっても、それ以外の用途に用いた場合には、本来の答えと異なる結果を生じる可能性がある。

以下は超一様分布列の例である。

数値積分

モンテカルロ法を円周率πの値の近似に適用した例。30,000点をランダムに置いたとき、πの推定量は実際の値から0.07%以下の誤差の範囲内にあった。

数値解析の分野においてはモンテカルロ法はよく確率を近似的に求める手法として使われる。n 回シミュレーションを行い、ある事象が m 回起これば、その事象の起こる確率は当然ながら m/n で近似される。試行回数が少なければ近似は荒く、試行回数が多ければよい近似となる。

また、この確率を利用すれば、積分(面積)の近似解を求めることが可能となる。領域 R の面積 S は、領域 R を含む面積 T の領域内でランダムに点を打ち、領域 R の中に入る確率 p をモンテカルロ法で求めれば、S = pT で近似される。

n 重積分

出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。2015年10月

関連項目


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