小鉄の家族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 05:11 UTC 版)
「浦安鉄筋家族の登場人物」の記事における「小鉄の家族」の解説
大沢木 小鉄(おおさわぎ こてつ) 声 - 田中真弓 / 岩坪理江 / 三森すずこ 演 - いとう大樹 / 斎藤汰鷹 本作の主人公。大沢木家の次男。愛称「小鉄っちゃん(こてっちゃん)」。 坊主頭でとても元気だが、そして浦安一の馬鹿(菊池おさむなど一部を除く)でもある。初期はいじめっ子であり、犯罪まがいの過激な行動も多かったが、徐々に友達思いな一面も見せクラスのリーダー的ポジションに立っている。性格はよくも悪くもさっぱりで明るく、怒ることはあっても怨んだり憎んだりせず裏表のない性格。余程の変人や悪人でない限りは人見知りもしないので誰とでも友達になれる。同時に相手が大人であっても突っ込みに容赦はしない。 体育が唯一の成績“5”を取れるほどの得意教科。特にマラソンは、持ち前の持久力を発揮し大得意(ただし足の速さはかなり遅い。理由は後述)。図工と音楽は“2”でそれ以外はオール1、しかもテストの点数は常に5点以下。さらに、算数のテストで臨死体験を経験し(282発目など)、教科書を多く入れたランドセルを背負って、それほど重くないにもかかわらず倒れるほど(321発目)、勉強が大嫌いである。一度だけ算数のテストで21点を取ったが、その時は涙に奇跡と言われた。 当初は学年リレーに抜擢され、最下位から巻き返せるほどの俊足を誇っていたが、途中から小学2年生の平均を下回るほどの鈍足という設定に変わってしまった。のり子との競争で圧倒的な差を付けられ、汚名返上のために奈々子先生に指導を頼んだことも。その代わり驚異的なスタミナを手に入れ、一日数時間も走り続けたり、夏休みを全力で遊んだりするようになった。また後の話では「極度の思い込み」という設定も加わり、その思い込みだけで凄まじいパワーを発揮することがある。 1年中袖と襟に赤いラインの入った半袖のTシャツと半ズボン。ただしATC(秋田書店のコンビニ漫画)などではラインの色が緑などになっていることもある。アニメでもTシャツのラインの色が緑になっている。初期のころは胸の部分に太いラインの入ったタンクトップや白の無地のシャツなどを着ていた。風邪をひくことは滅多にないが、作中で一度だけ風邪をひいている。「子供は寒さに強く作られている」と考えている。最初のころはオーバーオールに長袖のいでたちでいることも多く、またセーターなどの服をたまに着ることもある。夏休みになると力尽きるまで遊び続けるが、宿題は一切しない。しかし膝に爆弾を抱えているなど、不安を感じさせる部分もある(後に、のり子のおでこを触った際に起きた「奇跡」で完治)。 あかねに初めて会った時に一目惚れして以来ずっと恋心を抱いているが、後述の通りあかねへの恋愛感情は以前に比べるとやや薄まってきている。また、彼女に不幸な出来事が起こっても大爆笑していたり、突飛な行動についていけず否定したりする。 のり子とは転校初日に馬鹿にしたことによって衝突しており、『無印』初期ののり子とはライバル的な存在であったが、『無印』中盤以降は共に悪ノリすることが増えていき、『元祖!』以降は二人だけで行動する場面が増えていきパートナー的な立ち位置となっている。また、のり子が数日学校を休んでいる間、毎朝彼女の安否を確認している。プロレスごっこをする仲であるが、のり子がツインテール以外の髪型になると、攻撃が弱くなり、締め技が甘くなる。 性格の欠点として、他人に対してのイタズラなどの問題行動を起こす際、ほとんど罪悪感を持っておらず、さらには謝罪しないことである。また理不尽な理由で暴力を振るうことも多かった。花丸木やフグオなどの一部の人物が小鉄のいじめやイタズラ行為などの被害にあっている。ただし、そういった行動は元祖以降は見られなくなっており、花丸木に対しては追いかけこそするものの、遊びたがっているだけのようであるが、当の花丸木には恐怖の対象として認識され、敬遠されている。 独特の性癖の持ち主であり、あかねの鼻から異物が出ているのを見て興奮したり、あかねが使ったマスクを執拗に手に入れようとしていた。一方であかねの裸を見て興奮したり、鈴木鈴のスカートを覗こうとするなど一般的な性欲も持っている。 おじいちゃん子であり、単純な性格から祖父の金鉄に言われたことをすぐに実行に移そうとする。休日でも連続登校記録保持のため毎日学校に通っており、何かしらの理由で自身が学校に行けなくなった際には、身内が代行した事もあった。また、順子に連れていかれた図書館で手にしたキネズブックの記録を破ろうと様々な挑戦したがいずれも失敗し、さらにはキネズブックをボロボロにしてしまい、貸し出し禁止となってしまったことも。学校の図書室から借りた本も返すのを忘れた挙句、ボロボロにしてしまったことがある。 大のプロレス好きであり、好きなレスラーはスーパー・ストロング・マシーン。弟の裕太に様々なプロレス技からファッキンポーズまで伝授した。浦安市の地理に詳しく「浦安の裏道王」とも呼ばれる。市内にある公園などにも詳しく、目隠しをしても障害物に接触することなく走り回れる。地雷を踏んでも怪我1つしない。太りやすい体質でもあるが痩せやすい体質でもある。また、そのときは顔まで変わってしまう。フグオの家に一晩泊まっただけで太り顔もフグオそっくり(逆にフグオが泊まりに来たときは家族全員が太った)に、痩せるために仁の家に泊まった際は仁そっくりの顔に変化し星形のマークまでうっすらと出ていたため、のり子からは「カメレオン」呼ばわりされた。 愛読書は本作が掲載されている週刊少年チャンピオンで、『グラップラー刃牙』シリーズの大ファン。週刊少年チャンピオンの編集部に行って、バキシリーズの作者である板垣啓輔の住所を編集者に聞きたがるほどの大ファン。またこの雑誌に連載されているアクション漫画『京太郎』の大ファンでもある。 連載初期はTVゲームもプレイしていたこともあったが、最も得意なジャンルである格闘ゲームさえ大鉄以外にボロ負けしたりすることが多いなど、お世辞にも上手いとは言えなかった。現在では作風や小鉄自身の性格の変動や、小鉄軍団が完全にアウトドア派のグループである事も相まって、全くプレイしていない。 初期の小鉄は、大鉄がタバコを吸うと寄ってきてニオイをかいだりする。しかし、あかねに「タバコ臭い」と言われて(294発目)、タバコを吸っていた大鉄を非難したこともある。また、生後すぐ大鉄に手違いでタバコを吸わされたこともある。 初期の頃は大鉄の初期の髪型と同じだったが、転校してきたのり子と衝突した際に髪を引っこ抜かれ、その髪引っ張りへの対策のために金鉄に頼んで現在の丸刈りにした(「丸刈りになってから面白くなった」と作者がコメントしている)。作者は「小鉄は自分自身を映したもの」と語っている。乳児期の髪型は現在と同じである。 髪型が変わる前はいじめっ子である描写が強調される一方、窮地に陥るとすぐ泣く脆さが目立ち、その度に祖父・金鉄に泣きついて慰めてもらう姿が多く見られた。『元祖!』での大沢木小鉄 小3になると一年中海水パンツ一枚になる(前作の終盤でもその姿が見られる)。ただし体育の時間のみ体育着を着用。16巻でGパンを初めて履く。乳児のころからおむつを履くことを嫌い、常に裸でいることを好んでいてかなりの冒険好きであった。 他者へのいじめや暴力描写が少なくなり、優しい一面を見せるようになる(NYAが春巻宅の掃除当番になったときは「代わりに俺たちがやるよ」と言い買って出ようとした)など初期に比べてまともな性格になってきているが、勉強は全く出来ないといった根本的な部分はあまり変わらず。クラス内にとどまらず他学年、他校の子供たちとも分け隔てなく仲良く遊ぶ描写が多く、同世代の子供たちから人気は更に上昇した。更に前作(特に初期)では考えられなかったが意外と男前という設定も追加され、女子人気もノブに次ぐ高さになっており、バレンタインデーには大勢の女子からチョコレートを貰っているほどである。また下級生からは特に人気があり、それまで非常に物静かだったが元気ないたずらっ子に変貌した奈々子先生のクラスの1年生達にも兄のように慕われるようになり、奈々子先生以上もの高い人気と人望も勝ち取った。大鉄や仁ママ同様「見える人間」であり、幽霊の姿を視認できる。作中で小鉄が見たのは小学校に潜む悪霊であり、危うく道連れに殺されかけたが持ち前の耐久力と能天気さで乗り切り、逆に悪霊を驚かせてショックのあまりコナゴナにしてしまった(しかも小鉄は悪霊の正体に最後までまったく気づかなかった)。 『毎度!』での大沢木小鉄 海水パンツすらなくなり全裸になることも増えた。母親似であると言われており(75キンポ)、実際に大鉄の少年時代とは性格以外ほとんど似ていない。 謎のルール遊びやプロレス好き、悪戯好きは相変わらずで、良くも悪くも周囲を巻き込み引き付ける。のり子やあかねを危険から身を挺して庇う、病欠の生徒を気遣う、鈴ちゃんとのやり取りで面倒見の良さを発揮するなど正義感や思いやりが強くなっている。ただし大抵はオチが付き、裏目に出て自身や相手が酷い目に合うのがほとんどである。 「夏休みパワー」や「思い込みパワー」には拍車がかかっており、ついにはタイムスリップをしてしまったほど(86キンポ・281キンポ)。 匂いフェチが進行しており、緑茶の袋や柔軟剤(ダウニー)のキャップを机の中でコレクションしている(251キンポ)。ダウニーが好きで女子相手でも匂いを嗅ぐ悪癖となっている一方、犬並みの嗅覚で探し物を探知する特技ももつ。佐渡勇子に言葉責めをねだったり、ツッコミをしないのり子(のり子のふりをしたノムさん)に不満を漏らすなどややM気質に。 あかねへの恋愛感情は以前に比べるとやや薄まってきているようで、田中が発行した学級新聞にあかねとノブの2ショット写真が掲載された際には、写真ではなく田中が描いた4コマ漫画の完成度の高さに興味を示していた。 のり子がツインテール以外の髪型になると、攻撃が弱くなる設定が追加された。 『あっぱれ!』での大沢木小鉄 ファンであったスーパー・ストロング・マシーンの引退にショックを受けており、たまたま通りかかったマスクを脱いだ状態のマシーンから感謝される(小鉄はマシーン本人とは気付いていない)。その後マシーンの依頼により、仲間たちとマシーン軍団を引き継いだ。 塚美愛と遊んでいる途中で、スカートの中を覗こうとしているなど、性欲が増してきている。 大沢木 大鉄(おおさわぎ だいてつ) 声 - なし / 松山鷹志 / 一条和矢、松山鷹志(19発目) 演 - 鏡憲二 / 佐藤二朗 小鉄の父。43歳。大沢木家の大黒柱。愛称「大鉄っつぁん」(だいてっつぁん)。 初期のころはちょっとしたことでもテーブルをひっくり返す、小鉄を毛嫌いし、裕太を可愛がる偏屈な愛情を見せる、のり子の父等同業のタクシーと衝突する等非常に気が荒く、家族物だったこともあり、主人公的存在だったが、連載方針が小鉄中心になるとヘビースモーカーで、何でも面倒くさがりで、かなりぐうたらな性格であらゆることを途中で投げ出す人物に変わって行く。初期のころは「くだらねー」が口癖であり、子供たちに影響することが多々あった。 初期では靴を脱ぐシーンもあったが、物語の途中から家の中でも猛暑でない限り土足で生活し始め、その結果極度の油足になり、歩いただけで床がはがれてしまったり、靴が足からはがれなくなったりしている。また足の裏は「核兵器級の悪臭」を放ち、匂いをかいだ人たちが集団で嘔吐するほどである。服装は季節などによって変わるが、基本的には緩めたネクタイ(初期はネクタイピンをしていた)をつけ、無地系のワイシャツにスラックスもしくはデニム系のズボンをはいている。初期は夏場に半ズボンをはいたり、長ズボンの裾を捲ったりしていた。また夏場は草履を履くこともあった。ハッチとスタスキーに無意識のうちに迷惑をかけており、2匹からは嫌われているが、大鉄本人はいじめているという自覚が無い。 性格は自己中心的で、煙草やそれらの類などの一部を除けばあらゆることに鈍感。また自分自身の性格をほんの少しも自覚しておらず、晴郎を罵倒するなど自分の性格を棚に上げているところもある。しかし、クリスマスで成り行きから泥棒のような風貌になった花丸木を不審者と勘違いして殴り倒したり、ストーカーに関する事件に腹を立てる等、正義感にあふれる姿に加え、大学入試に失敗して引きこもる晴郎を説教するという、父親らしい姿も見せていた。また、愚痴を言いつつも家族旅行には付き合うなど大鉄なりにではあるが家族への愛情を見せている。上記のような性格であるが優しい一面もあり、『毎度!』以降は後述の営業不振のベーやんに売上向上のため協力するなど、思いやりのある一面を見せている。初期では酒を好むシーンもあったが、飲んだ後は何らかのアクシデントに巻き込まれたりまた何かのアクシデントを起こしたりして家族に迷惑をかけることが多く、職業上の都合などからあまり見ることはなくなった。家事を手伝うことがほとんどなく、珍しく手伝いをした時には浦安市に異常気象が起こった。善意が必ず裏目に出るタイプ。また他者から感謝されることや好意を持たれることに慣れていないため、偶然対向車に道を譲って感謝されたときは感激のあまり号泣し、とあることがきっかけで妻・順子が灰皿を綺麗に整え自ら煙草に火をつけようとする等、日頃の感謝を示した際は恐怖感を露にした。 職業は個人タクシードライバーだが、乱暴な運転で事故を起こすことも多い一方、片輪走行できるなど運転だけは神懸かり的センスを持つ。タクシーのベース車はクリーム色のS50系スカイラインで、大掛かりな改造が施されている。デザインは連載が進むにつれて変わっており、初代は「大沢木」と書かれた行灯の上に土星型のランプがあり、二代目は行灯だけのデザインで、そして現在の三代目はピラーの上にランプがついたデザインである。実写ドラマ版ではミズリナグリーンのRS40系クラウンを使用している。 頭髪が薄いことをとても気にしているがよく事件に巻き込まれて抜けてしまう(頭髪が完全になくなると、小鉄達による嫌がらせの対象となるから)。また、髪型は最初は刈り上げただけの髪型だったが、65発目の「脳天」で脱毛が発覚して以降、脱毛部分を隠すため左(/)櫛型 の七三分けをするようになった。ただし、脱毛が発覚した後も一時期は髪形を七三にせず刈り上げた髪にしていた。また逆に七三分けするようになった後も櫛を入れていない髪形になっていた時もある。 連載初期は、一週間ほど禁煙出来ていたが、中盤からタバコの1カートンのパッケージごと吸うなどエスカレートしていき、現在は、一日460本吸うという超ヘビースモーカーぶりを見せる。好きな煙草の銘柄は話によって様々だが特にERキャストを好むことが多い。大沢木家の壁などは彼のタバコのヤニで変色してしまっているほど。また禁煙すると貧乏揺すりするだけで金鉄いわく関東大震災、もしくは阪神・淡路大震災級の地震を起こしたり、通常の時よりかなりの無気力な性格になる(14発目)。さらに、生後間もない小鉄を抱こうとしてタバコを吸わせてしまったこともある。巨人ファンで阪神ファンののり子の父とは犬猿の仲。また、小鉄ほどではないがプロレス好きで、好きなレスラーはミル・マスカラス。 『無印』と『毎度!』以降で描かれた小学生時代が異なっており、『無印』ではそのいい加減な性格やいじめっ子であったために友達が一人もおらず、遊び相手は近所の野良猫だけだった。元々鈍感だったため、最初のころは気にしておらず、むしろ自慢することが多かった。399発目の「休んでゴメン」でトイレの便座から抜けなくなった小鉄の代わりに学校に行って自分の子供時代を思い出し、フグオをいじめていた肥満体の同級生と重ね合わせてちょっかいを出した挙句泣かせたために小鉄のクラスメイトに非難され、その過程で友達がいないのは自分のせいだと理解し、号泣した。『毎度!』では面倒くさがりでぐうたらな性格は相変わらずだが、注意を受ける程度で周りに迷惑を掛ける事がほとんど無くはなくいじめっ子でもない。また、持参したするめをクラスメイトに配ったり、アベベを中心にクラスメイトが大鉄の世話を楽しみながらやっているシーンがあるため、無印版とは違い周囲に溶け込んでる。 作者の浜岡自身は花丸木や春巻と並んで最も気に入っているキャラクターの1人と言っており、性格の一部のモデルも作者の作品評で作者が「大鉄って、俺に似ている」というコメントをしている。[要出典]『元祖!』での大沢木大鉄 指を鳴らして火を起こす、家や街中に隠しタバコをストックするなど、タバコジャンキーぶりはエスカレート。また、同じくタバコ好きのタクシードライバー仲間3人のリーダーとして行動を共にするようになる。相変わらずの面倒くさがりのぐうたらだが、妻の順子には頭が上がらない様子で、蛍光灯のお使いにでかけるなどしている。順子の誕生日には、順子を風邪で寝込ませて自ら進んで家事を手伝う など、妻孝行な一面も見せた。人とすれちがっただけで着火してしまったり、物をひったくってしまうなど、特異体質が現われはじめ、鈍感さがエスカレートする。相変わらず適当な性格で運転は荒っぽいが、ラジコンの運転やタバコの扱いには人並外れた器用さを見せる(45固め)。特にタバコの煙では変装したり有る筈の無い壁を作るなどの超人技ができる。ハゲの他、中年太りが進行(179固め)。 一時的に花丸木とアクシデントでくっついてしまい、面倒くさくなってそのまま打ち解けるものの、それを見て仰天した桜に花丸木もろ共ぶっ飛ばされた(155固め)。『元祖!』から服装が統一され、真夏でも緩めたネクタイをつけたワイシャツを着るようになった(ただし連載初期など、一部を除く)。「賛成の反対」では頭を打って真面目な性格になったが映画館に行く際に彼の安全運転の遅さに怒った家族にぶっ飛ばされて、また頭を打ち元の性格に戻ってしまう。 また一時期は喫煙本数を減らそうとする順子の努力や行きつけのタバコ屋とコンビニの閉店などにより12箱(240本)に減ったこともあったが結局逆戻りして喫煙本数2カートン分(箱の数にすると20箱、本数にすると400本吸っている)に逆戻りしてしまい、結局順子の努力は水の泡になってしまった。 大沢木家は、基本的にこの自堕落な大鉄を唯一の稼ぎ手とする大家族であるにも関わらず(しかも莫大なタバコ代や自動車修理費がのしかかっている)、貧乏描写はほとんどなく、特に同業で核家族の西川家とは対照的である。もっとも家にクーラーはなく、順子が日々倹約に励むなど標準的な庶民描写となっている。 『毎度!』での大沢木大鉄 べーやんの売上が芳しくないと聞くと一念発起して売上向上に協力するなど、他人を思いやる一面を見せた。 『あっぱれ!』での大沢木大鉄 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によりベーやんが休業しているときに、晴郎の助言を元に店長の麻岡にテイクアウトを提案したり、「TBS」とともにデリバリーを買って出るなど、ベーやんへの愛着を見せている。 大沢木 順子(おおさわぎ じゅんこ) 声 - なし / 天野由梨 / 東條加那子 演 - 東ななえ / 水野美紀 大鉄の妻で、小鉄達の母。41歳。専業主婦で性格は作中ではまともな方だが、金鉄のために買った布団の重さに気をとられて車道を歩いてしまったこともある。春巻の代わりに授業をした時にはクラスの生徒から尊敬された(199発目)。料理上手で子煩悩、小鉄の友達の母親達とも仲がよく、誰に対しても優しく天真爛漫であるため、小鉄の仲間たちを始め多くの人物から慕われている。しかし、小鉄・大鉄のバカ行為を止めさせたり裕太を危機から救ったりする時には潜在的なパワーが発揮され、常識を越した行動をしてしまう。その時、無意識のうちにプロレス技を使ってしまったことすらある。主な仕事は大鉄や小鉄、晴郎を叱ること。たまに無免許運転をしてしまうが、上手に運転できる。缶けりが強い。また、小鉄の仲間たちを始めとする登場人物たちからはかなりの美人と評されており、作中でも41歳にしては若く描かれており、息子たちも基本的に母親似である。また、健康器具を使ってダイエットに勤しんでいるが、友人の佐茂飯からは年齢を感じさせない体型を羨ましがられている。『毎度!』以降、人妻でありながら異性からモテる描写が描かれるようになり、友部からストーキングされていたり、『あっぱれ!』の168ミャオでは男4人から同時に愛の告白を受けている。のり子たちには「順子さん」と呼ばれている。 髪の毛の色は黒のベタで塗られているが、カラーでは茶色いことが多かった。『元祖!』での大沢木順子 近所の奥さんとの付き合いが増えた。大鉄による臭害や金銭的圧迫に悩まされつつも、煙の匂いをかいだだけで銘柄を言い当てるなど、タバコ慣れしてきている。常識人ではあるが、型破りな行動をすることもしばしば増えてきている。肥満体の晴郎のみならずハッチ、スタスキーを大鉄のタクシーに載せて家族旅行を決行するなど前作以上に家族愛の深さを思わせる描写が多くなったが、裕太への溺愛ぶりや、のり子が小鉄に惚れていると思い込んでいる(これに関しては女の勘が当たっているようだが)等、親バカな描写も多くなった。また、他の保護者達から徹底的なクレームを受ける春巻を庇い、春巻の指導役に買って出たこともある(あかねの母曰く「順子さんってダメ男に弱い」)。大福星子に真向勝負を仕掛け圧勝するなど、格闘能力も大幅にアップしている。 『毎度!』での大沢木順子 『元祖!』では、小学校時代は運動音痴で、運動会の障害物競争でよく失敗しては周囲から笑われていたことに加え、『毎度!』では美術の才能がからっきしであることが判明(63キンポ)。裕太のために雪だるまを作ったものの、原型がわからないほどのグロテスクな雪だるまを作ったために、夢に出てきてしまうほどのトラウマを裕太に植え付けてしまった。 『あっぱれ!』での大沢木順子 大鉄を抱き枕にして就寝した際、満面の笑みを浮かべている。美人であることがさらに強調されるようになっている。 大沢木 金鉄(おおさわぎ きんてつ) 声 - なし / 坂東尚樹 / 一条和矢 演 - 直樹フェスティバル / 坂田利夫 大鉄の父で、小鉄達の祖父。76歳。知的な性格で小鉄にことわざなどを教えるが、小鉄が言われたことをすぐに「文字通り」に実行に移そうとするため順子に止められる。よく家族のために頑張る。ハッチの散歩をよく行う。孫が大好きで、晴郎が幼少のころ、彼のために住民運動を起こして市に歩道橋を作らせてしまったこともある。 特技は小鉄に変装すること。ローリングストーンズが大好きで、初期のころは、その曲を再生しながらヘッドフォンを耳に当てている姿が見られた。また、『元祖!』で晴郎からフラッシュメモリータイプの音楽プレイヤーを渡されていたが、その時は「ヘッドフォンを耳に当てる」行為を忘れていた。腰痛持ちの高齢だが、誤ってタンクローリーを家まで持ってしまうほどの体力もある。友人はかなり多く老人会の会合にもよく出かけているが、ここでも無茶をしてしまう。妻(大鉄の母)には先立たれており、亡き妻の遺影はタンスの上に位牌共々掲げられている。基本的に息子とは対照的に常識豊かな人物だが、時おり大暴走することがある。それでも順子は義父として徹底的に立てており、夫に対してのようにキレることはない。年金受給者であるかどうかは定かではないが、高価な骨董品をポンと買うことがあり、財政力は謎である。好きなプロレスラーはザ・デストロイヤー。『元祖!』での大沢木金鉄 腰痛持ちの高齢でありながら、とっさにとんでもない運動神経を発揮するようになる(112固め他)。花丸木を「らむ君」と呼んでいることが明らかになるが、第三者から見ても明らかにいじめなのに花丸木が小鉄たちと遊んでいると思い込んでおり、そのため21巻掲載の「忘れ物」の回で「小鉄の友人か?」と発言している(その台詞と一緒に花丸木と小鉄、仁、のり子の3人組が出てくる回想があるがどう見ても明らかにいじめである。ただし、小鉄達の方はいじめているつもりがない場合が多いのも留意する必要がある)。 大沢木 晴郎(おおさわぎ はるお) 声 - なし / 一条和矢 演 - 草野博紀 / 本多力 大沢木家の長男。19歳。肥満体型で眼鏡 をかけている洋画・アニメオタクの浪人生だが、受験勉強やアルバイトは全くしていない。最初のころは予備校に通っていたが、話が進むたびに通わなくなっていった。将来の人生設計も「建築士になってカリオストトロの城を作る」「映画監督になってセーラープーンの実写版を製作する」などと言った具合に、どれも破綻しきった物ばかり。 洋画だけでなくアニメなども好み、本編中では様々なアニメキャラクターのコスプレをしておりハリウッドスター似の友人たちと共に「西部劇を守る会」を結成して仲間からデュークと呼ばれている(浦安のイーストウッド、大佐とも)。洋画やアニメの他にも、「鉄道」や「切手」など様々な分野でもオタクとは小鉄の弁。祖父の金鉄に甘やかされてお菓子などの甘いものをたくさん食べさせられたことが原因で肥満体になった。非常に太りやすい体質で、家を破壊するほど太ったりしたこともある(352発目)。また、太ったときには高木ブーそっくりの顔立ちにもなる。痩せてニコラス・ケイジそっくりになったこともある(355発目)。自転車には乗れないが三輪車と一輪車には乗れる。部屋の中はゴミやアニメ系の物の山であるが、中には米軍基地から盗んできたという本物の地雷などもある(256発目)。これら“宝物”は時折母・順子や祖父・金鉄の手によって無断でゴミとして処分されることが多い。好きなプロレスラーは初代タイガーマスク。 手先が器用で趣味は改造。その器用さであかねの弟のおさむにエアバッグつきのベビーカーをプレゼントしたり、あかねに補助輪つき安全自転車を送ったことも。心優しい性格であり弟思い、妹思い(宮崎危機の攻撃から桜を守ったり、捕まった小鉄を取り返そうとする描写もそれぞれある)でもあるが、当の二人からは軽蔑されている節がある。付き合っている彼女はインターネット上で知り合った宮崎危機(しかし晴郎は初対面で危機の本性を知って以来、彼女を嫌っている)。「- なり」、「- だっちゃ」など数多くのアニメキャラの口癖を持ち、他にも「ござる」などの口癖を用いることもある。しかし動揺した時などは一人称が「俺」になり口調もまともなものになったことがある。金鉄曰く「中学までは頭が良かった」とのことでのり子が算数を教わった時はそのわかりやすさに驚いていた。アニメと同じことを現実にやって失敗することもしばしば。作者は「扱いづらい」「晴郎主演作はどれも酷い」とコメントしており、一度はスタスキー共々ボツキャラになりかけたこともある。ドラマ版ではYoutuberとして、自身の実験・改造動画を配信しているシーンが存在する。 容姿のモデルは担当の編集者“伊藤”さん。[要出典]『元祖!』での大沢木晴郎 扱いが浪人生から無職になった。ただし地区の防犯パトロールやケーキ屋の短期アルバイトとしてサンタクロースを引き受けている。また肥満の状態も悪化。2時間の食べ放題で異常なほど太って帰宅したり、走っただけで別人のようにやせ細るなど(225固め)、異常体質がエスカレートしている。あまりにも太りすぎたため二階に上がることもできず、一時小鉄と部屋を入れ替えた(218固め)。宮崎危機に好かれ付きまとわれているが、あまりに粗暴な危機を嫌い逃げ回り、さらには弓矢を放ち落とし穴をしかけるなど反撃にも転じている。クリスマスの日、サンタに扮した危機が勝手に自分の宝物(フィギュア)を子供たちに渡そうとした時は、不意打ちながらもパンチ一発でKOするなど力強さを見せている(『毎度!』においては、危機に襲われそうになった桜を庇う一面も見せている)。 『毎度!』での大沢木晴郎 大きな設定は変わっていないが、肥満を前面に押し出した扱いは少なく、むしろそれほど大食ではないことがうかがえる描写がある(71キンポ)。ダメながらも心の優しい面がフィーチャーされて描かれており、小鉄からは軽蔑される描写は少なくなりむしろその仲間たちからも慕われているようになっている。特にノムさんとの相性が良く、再三危機一髪の場面を救ったり、彼女とのやり取りの関係で晴郎主演の作品も増えた。東日本大震災があったためか晴郎のシャツには「DON'T GIVE UP TOHOKU」の文字がある。 『あっぱれ!』での大沢木晴郎 特に設定変更は見られなかったが、突然糖質制限ダイエットに取り組んだ結果、別人のように痩せ細ってしまった(86ミャオ)。 大沢木 桜(おおさわぎ さくら) 声 - なし / 岡村明美 / 橘田いずみ 演 - 聞間彩 / 岸井ゆきの 大沢木家の長女。おっちょこちょいで天然ボケ。裕太の面倒を見たり、のり子と遊んであげたりなど基本的には心優しいが、かなり短気な部分もあり、特に小鉄に対しては厳しい所がある。ハエが大嫌いで、屁の威力もかなりのもの。 連載開始時は中学2年生(ドラマ版では高校2年生)で、付き合っている彼氏は花丸木。本編ではよく花丸木と一緒にデートしているが小鉄たちに見つかりそのまま災難に巻き込まれることも多い。初期は小鉄を殴り飛ばすなどの対処していたが、現在は精々軽く注意する程度である。初期のころは髪にヘアバンドをかけていて、一時期、髪を短めにしていたことがあったが、現在は元に戻っている。 象を後ろ蹴りで倒してしまうほど強く、元・一流プロレスラーである国会議員に立ち向かうほど肝が据わっており、その腕っぷしの強さは母親譲り。順子の家事を手伝う一面もあり、裕太にパンケーキと作ってあげたり、順子から夕食を任されるなど料理上手なところも母親譲りである。のり子と仲良くなったのは大沢木家では彼女が最初。通っている中学の制服のデザインも最初期のころはセーラー服だったが、後半になってくるとブレザーに変わっていたりする。彼女が変人と見なされるのは花丸木と付き合っているという部分が多い。彼女と花丸木との話がパターン化したことからその手の話が少なくなり、出番が一時期かなり減った。 顔は母親似で作中でも可愛いと評されている。今では大鉄を非難、軽蔑する面があるが、幼少期は大鉄の適当な行動を逆に好んでいた。しかも本人も花丸木の世話を友人の弥生に押し付けることが多いため彼女から「ホント適当な性格」と言われるなど、大鉄の性格がかなり遺伝していると言える。小鉄の仲間たちには一貫して優しく、慕われている。『元祖!』での大沢木桜 彼氏である花丸木の脱衣に手際よく対応できるようになっているが、花丸木に対してキレて暴行することも増えた。 『毎度!』での大沢木桜 花丸木が彼氏というより友達の関係に近くなり、二人だけの話も激減している(花丸木は友人の弥生との話が増加されている)。また、今時の女子高生のようなキャラ設定になっており、常にスマホを片手に持って過ごし、大鉄は「俺にゴミを見るような目をしてくる」と言ったり、弟の裕太には「スマホばかりでつまらない」と言われてしまっているなど、当初の激情型の性格から冷めた性格に大幅に変化しているが、のり子にお下がりで服をあげるなど優しい性格は変わらない。上記のように父の大鉄を軽蔑しているように見えるが、父の日にプレゼントを渡すなど素直になれてない面を見せている。作者曰く、フグオと同様彼女の再生が今後の課題。 『あっぱれ!』での大沢木桜 小鉄の仲間たちの急な押しかけに対しても夕食を振舞うなど、優しさは相変わらず。また、順子と同じくのり子が小鉄に惚れていると思い込んでいる。 51ミャオにて花丸木とのひさしぶりの再会で顔を赤らめていたが、102ミャオでは名前で呼んであらず複雑な関係になっていた。後に花丸木との恋人関係が復活しており、当初の激情型の性格が戻りつつある。 大沢木 裕太(おおさわぎ ゆうた) 声 - なし / 大谷育江 / 楠田亜衣奈 演 - キノスケ 大沢木家の三男。母親似で可愛らしい幼児。のり子や同じ幼児からは「ゆーたん」と呼ばれている。天才幼児で、得意技はDDT。大沢木家の子供の中では一番まともだが、同時に強靭な肉体と強大な腕力の持ち主でもあるため、将来が危ぶまれていることには変わりはない。初期は周りの幼児たちを率いていた。末弟と云う事もあり、家族みんなから愛されており、小鉄の友人たちからも可愛がられている 。 同じ保育園に通う橋友信也の息子・まさひろとは大の仲良しで、お互いに「まさくん」「裕ーたん」と呼び合っている。青田くんを気に入っている。 初期のころは0歳という設定だったが、途中から成長して保育園に通っており、3歳児位の描写となっている。兄である小鉄の1兆倍頭がいいらしく、手を骨折した順子を整形外科に引っ張っていったこともある。髪の毛の色は茶髪でカラーでない時はスクリーントーンは貼られていない。『元祖!』での大沢木裕太 保育園児になり行動力が増えただけでなく大掛かりなプロレス技を覚えた。大鉄を「とーちゃん」と呼び、順子を「ママ」と呼ぶ(ただし「パパ」と呼ぶこともある)ほか晴郎のことは「晴兄ちゃん」と呼び、兄弟の中で最も慕っている。賢さも前作より上がっている。晴郎から(強制的に)演技指導を受けておりその演技力は高く、また声優としての素養も引き出された。毎回繰り広げられる家族のドタバタ劇や家族の言動に対して基本的には笑顔でいるが実は演技であり、心の中では家族の言動を深く分析している。 ハッチ 声 - 岩坪理江 大沢木家の飼い犬。小さいころに小鉄が拾ってきた。昔は白一色の犬(カラー版では白でないことも)だったが、小鉄にペンキを塗られ、顔の一部が黒くなった。大鉄に餌を踏みつけられるなど無意識のうちにいじめられているが、スタスキーと共謀して仕返しに及んだこともある。 散歩係は金鉄だったが、散歩の時間が朝夕40秒ずつで一時的に太ってしまったため解任された。小鉄や大鉄が起こした騒動やトラブルをフォローしようとする等かなり賢いが、裏目に出てしまうことが多いのが玉にキズ。 スタスキー 声 - 大谷育江 大沢木家が飼っているペットのチンパンジー。大鉄に餌のバナナを食われるなど無意識のうちにいじめられており、ハッチと共謀して大鉄に仕返しを仕掛けたり、意気投合した闇崎マキ(後述)に大鉄への日頃の恨みを打ち明け、彼女と共謀して仕返しに及んだ。小鉄が風邪を引いた際、晴郎によって小鉄に似せた人形に入り、学校をパニックに陥れたことも。一時期ボツキャラになってしまい、大沢木家から姿をくらませていたが無事復帰。 青田くん(あおたくん) 大鉄がゴミ捨て場から裕太のプレゼントのため拾ってきたかなり不気味な人形。 一度は順子に捨てられたが、仁とフグオの二人が拾って裕太にプレゼントし、現在に至る。人形なのになぜか成長する(赤ちゃんの青田君に髪の毛が生えて、重くなっている)が、自我が宿っているかは不明。また、大沢木家の背景にモブとして登場しているが、コマが変わるたびに移動しているため、不気味さが増している。裕太はとても大切にしているが、順子はかなり怖がっており、この人形の目を見ると些細なことでもパニックになり思考が停止してしまう。 モデルは作者の家にある同型の人形。[要出典]『元祖!』での青田君 19巻に掲載の「ママー、おやつー」の回では、身長が裕太と同じくらいになり髪が生えるようになり、また服装も裕太が通っている幼稚園の制服に酷似した服になっていたが、それ以降からは初期のデザインに戻っている。 ドゥーさん 桜が友達に貰ってきた人形。裕太に大事にされている。偶然、青田くんにギロチンドロップをするが、その後倒れたタンスの上でひびが入るほどのギロチンドロップを青田くんからくらった(偶然かどうかは不明)。
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