道の駅 道の駅の概要

道の駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/28 07:40 UTC 版)

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道の駅の一例。道の駅信州蔦木宿
道の駅の登録証の一例(道の駅みくに)

概要

道の駅の施設内の一例。地元の野菜直売をしている例。

高速道路には24時間自由に利用できる休憩所のサービスエリア (SA) やパーキングエリア (PA) が整備されてきたが、一般道ではそうした休憩所はほとんどなかった[2][3]。民間経営によるレストラン売店を併設したドライブインが休憩所の役目も担っていたものの、実質的にはドライブインの利用者しか使えず[4]、24時間自由に利用できるものでもなかった。

「道の駅」の制度が創設された背景には、一般道路にも誰もが24時間自由に利用できる休憩施設が長らく求められていたことや、その休憩施設をドライバーたちのためだけのものではなく、その地域の文化・名所・特産物などを活用したサービスを提供し、道路利用者や地域の人々の情報交流や、地域連携と活力ある地域づくりを促進し、その地域の活性化をはかることが狙いでもある[2]

道の駅は官民提携のプロジェクトで、省庁の壁を超え、各自治体と国土交通省が連携をとり、計画的に地域振興施設の整備促進と、一般道路の休憩施設整備を併せて行うことが目的となっている[3]。このため、自動車専用道路のSA・PAを「道の駅」として登録する場合は別途一般道からも連絡・利用できるようにしている[5]

1991年(平成3年)に実験的に山口県岐阜県栃木県に設けられたのを皮切りに、1993年(平成5年)4月に第一次分として全国103箇所の道の駅が登録された[4][6]。その後、主に地方の幹線道路(国道主要地方道)から整備が開始され、道の駅を通じて地域の農産物の販売は増加し、情報発信によって観光客が増えるなど、道の駅は各地で大きな反響を呼んだ[2]2000年(平成12年)には550カ所を突破してその後も道の駅は増え続け[2]、それまで東京など大都市周辺には道の駅は存在しなかったが、2007年(平成19年)4月、八王子市東京都初の道の駅(八王子滝山)が開設されたことにより、47都道府県すべてに道の駅が設置された[4]

道の駅の設置間隔については、高速道路のSA・PAのような明確な基準は設けられていないが、おおむね10キロメートル (km) 程度の間隔があるように計画されている。なお、間隔が10 km以下となる申請があった場合は、特徴の違いによる棲み分け、交通量の状況、地域の実情などを総合的に判断して決定する。

道の駅の案内標識の一例。

2014年(平成26年)4月1日には道路標識、区画線及び道路標示に関する命令が改正され、道の駅への案内標識が初めて正式に定められた[7]

北海道には、鉄道の廃止路線の駅跡に、道の駅が設置されることが多い。ステラ★ほんべつ道の駅あしょろ銀河ホール21道の駅あいおいなど9箇所ある。

道の駅ができたおかげで、北海道一周・四国一周・九州一周・日本一周など規模の大きい自動車旅行を行う旅行者でも、道の駅の駐車場に自動車を停めては車中泊で夜をすごし宿泊費をまるまる節約することや、宿に気兼ねせず日の出前に出発し先を急ぐということも可能になった。キャンピングカーで道の駅を利用し、地域地域の産物を楽しみつつ、数カ月におよぶような長期の自動車旅行を自由気ままに楽しむ人々もいる。

また設置が進む中で平時の目的以外にも、道の駅は新潟県中越地震東日本大震災熊本地震などで災害支援に役立ち、一時避難場所、緊急車両の中継基地等で活躍しており、その効果が実証されている[8][9]

施設

道の駅はトイレが24時間、無料で利用可能。
道の駅で足湯を併設している例

道の駅は、24時間利用可能な一定数の駐車スペーストイレ、24時間利用可能な電話、情報提供施設を備えた施設であることが登録の条件となっている[10][3]。また、多くの場合、道路や地域の情報を提供する案内所が置かれ、その他、その地域の自主的工夫のなされた施設が設置され、その地域の文化・名所・特産物などを活用した農産物直売所売店レストランなどのサービスが提供されている[11]。これまでに地域の特色を生かした個性ある道の駅が誕生しており、温泉宿泊施設公園博物館を併設したものなど多様である[2]。規模は高速道路のPAのように小規模なものもあれば、ハイウェイオアシス鉄道駅、温泉施設を併設した規模の大きな道の駅もあり、形態も様々である[4]。なお、わずかだが、冬期は積雪などのため閉鎖される道の駅がある[12]

2004年10月に発生した新潟県中越地震を契機に防災拠点機能が追加されている。主な機能としては、断水時でも使用可能なトイレ、非常食・飲料水の備蓄、停電時の非常用電源の確保等がある[13]

道の駅は、道路管理者の国(地方整備局)や都道府県が基本的な施設である駐車場やトイレを整備し、市町村、またはそれに代わり得る公的な団体(ほとんどは第三セクター)が地域側施設を設置する形が取られる。実際の運営は民間企業が受託する場合もある[14]海の駅と重複登録している施設もある。




  1. ^ 「道の駅」の第50回登録について 〜今回9駅が登録され、全国で1,154駅となります〜 (PDF)”. 国土交通省道路局 (2019年3月19日). 2019年3月19日閲覧。
  2. ^ a b c d e 浅井建爾 2001, pp. 148-149.
  3. ^ a b c ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 196.
  4. ^ a b c d 浅井建爾 2015, p. 168.
  5. ^ 例えば旭川紋別自動車道しらたき」、能登有料道路高松」、播但連絡道路フレッシュあさご」、山陰自動車道青谷羽合道路)「はわい」など
  6. ^ ロム・インターナショナル(編) 2005, pp. 196–197.
  7. ^ 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部改正について”. 国土交通省道路局 (2014年4月1日). 2014年4月4日閲覧。
  8. ^ 熊野稔「東日本大震災における「道の駅」の被災と震災対応」日本建築学会シンポジウム論文集「東日本大震災からの教訓、これからの新しい国つくり」、2012年3月、479 - 482頁。
  9. ^ 熊野稔「東日本大震災における東北「道の駅」調査から20年目を迎えた「道の駅」の防災化への方向性について」地域開発2013年4月号 防災拠点として注目される「道の駅」 特集 日本地域開発センター、2013年4月1日、52 - 58頁。
  10. ^ 「道の駅」登録・案内要綱”. 国土交通省. 2015年2月20日閲覧。
  11. ^ ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 197.
  12. ^ 東北の道の駅 02019みんまや”. 東北地方整備局. 2015年2月21日閲覧。
  13. ^ 「道の駅」の災害時における活用について”. 道路行政セミナー2009.3. 2015年2月20日閲覧。
  14. ^ 事業内容:道の駅・サービスエリアダイナック(2017年12月21日閲覧)
  15. ^ “重点「道の駅」の選定について 〜地方創生の核となる「道の駅」を重点的に応援します〜” (プレスリリース), 国土交通省, (2015年1月30日), http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000472.html 
  16. ^ 関・酒本、29頁。
  17. ^ 関・酒本、31頁。
  18. ^ 関・酒本、30頁。
  19. ^ 「国は少子化の現実受け入れよ」「道の駅」命名者が考える地域振興とは(上)(2015年12月6日時点のアーカイブ
  20. ^ 徳野貞雄「「道の駅」は、農業・農村の活性化に本当に寄与しているのか? (PDF) 」舞タウン 2010年7月号
  21. ^ 道の駅「まほろば道の駅ランド」! (PDF)”. 国土交通省近畿地方整備局 奈良国道事務所. 2015年12月19日閲覧。
  22. ^ a b 「道の駅」の真実をどれだけ知っていますか”. 東洋経済ONLINE (2015年11月11日). 2015年12月19日閲覧。
  23. ^ 道の駅 スタンプラリー情報 - 全国各地での開催期間、実施要綱を掲載
  24. ^ スタンプラリー 道の駅 公式ホームページ”. 全国「道の駅」連絡会. 2018年8月25日閲覧。
  25. ^ 道の駅、海越え世界へ JICAがノウハウ輸出『日本経済新聞』夕刊2018年2月5日(社会面)
  26. ^ Roads & Highways - Guidelines for Roadside Stations”. 2012年11月20日閲覧。




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