魔法動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:05 UTC 版)
「ハリー・ポッターシリーズの魔法生物一覧」の記事における「魔法動物」の解説
「動物 (Beast) 」は魔法省による魔法界の生物の3分類のうちのひとつ。ほかに「存在」と「霊魂」がある。動物とは、魔法社会の法律を理解できる知性を持たず、立法に関わる責任を担うことができない生物である。この1811年にグローガン・スタンプ魔法大臣によって定められた定義に達するまでに、「ヒトたる存在」と動物の線引きにはかなり苦労したとされる。最初に分類をしようとしたときには二足歩行であれば「ヒトたる存在」として分類し、会議場に召集をかけた結果、トロールが会議場を破壊し、鬼婆は獲物である子供を探し、妖精が飛び回るという、まったく収拾のつかない事態となった。 なお、最初に述べた定義ですべて解決したというわけでもない。たとえば、マグル(魔法族ではない人間)を動物に分類せよという過激論者もいる。 映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズに登場する魔法動物については「ファンタスティック・ビーストシリーズの魔法動物一覧」を参照 アクロマンチュラ(Acromantula) M.O.M.分類:XXXXXX(Xは最大5だがアクロマンチュラだけは6になっている。ただし新装版『幻の動物とその生息地』では5になっている) 原産地:ボルネオ島(最古の記録は1794年) 人なみの知能を持ち言語が話せる八つ目の巨大な蜘蛛。黒い毛が生えている。興奮したりすると鋏角を鳴らす。分泌する毒は非常に貴重かつ高価で、ホラス・スラグホーンは「半リットルで100ガリオンになるかもしれない」と語る。ジャングルに住む。ドーム型の巣を作り、一度に最高100個の卵を産む。卵はビーチボールほどで白く柔かく、6 - 8週間で孵化する。雄より雌のほうが大きい。ルビウス・ハグリッドによると、死んだ仲間を食べる習性があるらしい。 魔法使いが創り出したとされるが、訓練ができないため、非常に危険。実際に相対したロン・ウィーズリーは危険度を表すXを9個書き足す。 卵は魔法生物管理部の取引禁止品目Aクラスに指定されている。20世紀に実験飼育禁止令が出された。人の言葉を話せるようになった、数少ない魔法動物のひとつ。 アッシュワインダー(Ashwinder) M.O.M.分類:XXX 魔法火(魔法物質を加えた炎)を長時間ほったらかしで燃やし続けると創り出される、真っ赤に輝く目をした灰白色の細い蛇。世界じゅうに存在する。這ったところに灰だらけの跡が残る。たった1時間の命で、生まれ出でた家の暗い隔離された場所に鮮やかな赤い卵を産み付けた後、崩れて塵になる。卵は高熱を発するため、存在を確認した魔法使いはすぐに跡をつけ、しかるべき呪文で凍結させないと数分で火事を引き起こす。凍結した卵は「愛の妙薬」の原料として高い価値を持つほか、それ自体を食することで熱冷ましとしても使える。「肥らせ呪文」をかけると大惨事を引き起こす。 エルンペント(Erumpent) M.O.M分類:XXXX 生息地:アフリカ サイに似た大型の灰色の動物で、体重は1トンに達する。皮膚は厚くて硬く、大概の呪文をはねつける。鼻の上の大きな角と長い尾を持つ。その角は皮膚や金属などあらゆるものを貫くほどの硬度を持ち、また体内にはあらゆるものを破裂させる毒液を持つ。交尾の季節になると、オスどうしはメスを巡っての争いの際にその毒液で相手を破裂させる。 第7巻には「しわしわ角スノーカックの角」としてこれの角が登場する。 オーグリー(Augurey) M.O.M.分類:XX 原産地:イギリス、アイルランド 生息地:北ヨーロッパ 緑がかった黒色の、小さなハゲワシのような鳥。悲しげな目つきをしている。昆虫や妖精を食する。土砂降りの時のみ飛び、それ以外はイバラやとげで作った巣にいる。 低く震える鳴き声を発し、かつては人間の死の予兆を意味すると思われていたが、実際にはもうすぐ雨が降ることを予報しているだけであった。この迷信から『ハリー・ポッターと呪いの子』では、逆転時計を使用したことでヴォルデモートが支配する世界に変わってしまった際に、ヴォルデモートの娘のデルフィーニが「オーグリー様」と呼ばれていた。 ビリーウィグ(Billywig) M.O.M分類:XXX 原産地:オーストラリア 鮮やかなサファイアブルーの昆虫。胴体の一番下にある針に刺されると、めまいがして空中に浮揚する。ビリーウィグの針を乾燥させたものは何種類かの魔法薬に使われ、フィフィ・フィズビーという菓子の材料になると考えられている。 キメラ(Chimera) M.O.M.分類:XXXXX 頭はライオン、胴体はヤギ、尾はドラゴン。凶暴で血に飢えているため、非常に危険。退治に成功したのは1例しかなく、その魔法使いは戦いのあとに疲労により天馬から落ちて死亡した。卵は魔法生物規制管理部の取引禁止品目Aクラスに指定されている。 グールお化け(Ghoul) M.O.M.分類:XX 出っ歯の人食い鬼に似た醜い生物。魔法使いの家の屋根裏や納屋などに住みつき、呻き声をあげたり、物を投げたりする。蜘蛛や蛾を食する。魔法使いの家がマグルの手に渡った場合、魔法省・魔法生物規制管理部のグール機動隊が出動し、家に住みついたグールお化けを除去する。 クラップ(Crup) M.O.M.分類:XX 原産地:イギリス南東部 ジャック・ラッセル・テリアに似ており、尾が二股になっている。あらゆるものを食す。魔法使いに忠実で、マグルには獰猛。魔法使いが創り出したとされる。 飼うには魔法生物規制管理部の許可がいる。許可をもらうには、マグル移住地域で管理する能力があることを証明しなければいけない。法律で、生後6 - 8週間になったら「切断呪文」で尾を取り除くことが義務となっている。 グリフィン(Griffin) M.O.M.分類:XXXX 原産地:ギリシャ 頭・前足が鷲、胴体と後ろ足がライオン。生肉を食する。宝物の警備のため、一部の魔法使いが飼育している。 ケンタウルス(Centaur) M.O.M.分類:XXXX 原産地:ギリシャ 生息地:ヨーロッパ各地 森に住み、言葉を話す。上半身は人間、下半身は馬。下半身の毛色は5、6種類ある。習性は謎に包まれているが10 - 50頭の群れを作り、プライドが高く「半獣」と呼ばれることを嫌い、自分たちを侮辱するものには制裁を加える。占い、天文学、洋弓、癒しに精通している。基本的に、魔法使いやマグルを信用していない。ユニコーンと同様、敬意を持って接するべき存在ゆえにM.O.M.分類はレベル4である。 禁じられた森に住むケンタウルスはアルバス・ダンブルドアに一目置いており、その葬儀の際には全員が参列し慰問の弓矢を放つ。 コカトリス(Cockatrice) M.O.M.分類:不明 ハーマイオニー・グレンジャーが読んだ本に載っている。 1792年の三大魔法学校対抗試合で大暴れし、当時の校長が全員負傷したらしい。 火蜥蜴 / サラマンダー(Salamander) M.O.M.分類:XXX 小型で白色のトカゲ。火の中に棲み、炎を餌とし、火を噴く。色は姿を現すときの火の温度によって変わる。自分が生まれた火が燃えてさえいれば死ぬことはない。きちんと定時に胡椒を与えれば、最高6時間火の外で生きることができる。 サラマンダーの血液は強力な回復薬に使われる。 尻尾爆発スクリュート(Blast-Ended Skrewt) M.O.M.分類:XXXX 名前の通り尻尾が爆発する。オスは針を持っており、メスは腹に吸盤がある。共食いをする。孵ったときは体長約15,6cmで殻を剥かれた奇形のロブスターのような姿をしており、胴体は青白くヌメヌメしていて、脚があちこちから出ている。顔や口の場所が判らず、腐った魚のような匂いがする。成長しきったときは体長約3mで蠍(さそり)のような姿をしており、背中に長い棘を丸め込んでいる。厚い甲殻は呪文を弾き返す。 ハグリッドが創り出す。おそらく、マンティコアとファイア・クラブの雑種。 第4巻『炎のゴブレット』でハグリッドが飼い方を見つけるため、魔法生物飼育学の生徒に任せる。成長しきったものが、三大魔法学校対抗試合の第三の課題の障害物として登場する。 水魔 河童(Kappa) M.O.M.分類:XXXX 生息地:日本 浅い池や川に棲む。全身がうろこに覆われ、頭頂のへこみに水が溜まっている。へこみの水がなくなると、力を失う。人を水中に引きずりこみ、人の生き血を吸う。 名前が彫られたきゅうりを放り投げると、その名前の人には悪さをしなくなる。出会ったときは、お辞儀をさせたほうがよい(へこみから、水がこぼれるため)。 グリンデロー(Grindylow) M.O.M.分類:XX 生息地:イギリス、アイルランド 湖に棲む。薄緑色をしており、指は長く握力が強いが折れやすい。角があり、歯は緑。小魚を食す。攻撃的で指で締め付けてくる。 水中人が飼っている場合がある。 ケルピー(Kelpie) M.O.M.分類:XXXX 生息地:イギリス、アイルランド さまざまなかたちに変身する水魔。ガマの穂をたてがみに模した馬、あるいは海蛇の姿になることが多い。油断した者を背中に乗せて水中に引きずり込み、食い殺す。ただし、「縄かけ呪文」で手綱をかけると、大人しくなる。 ネス湖に生息するネッシーは、このケルピーのことである。 スニジェット(Snidget) M.O.M.分類:XXXX(絶滅危惧種であるため) 生息地:世界中 別名:ゴールデン・スニジェット 真ん丸な身体をした小型の鳥。長く鋭いくちばしと赤い目を持つ。飛行速度はきわめて速く、翼の関節の回転により方向転換も素早い。 11世紀のころから乱獲され、クィディッチでも捕まえると150点になるルールで使われた。そのため14世紀なかばまでのあいだに数が激減したため、捕獲とクィディッチへの使用が禁止され、クィディッチには、代わりにスニッチが用いられるようになった。なお、その禁を破ると厳罰に処せられる。 スフィンクス(Sphinx) M.O.M.分類:XXXX 頭は人、体はライオン。知能が高く、なぞなぞやパズルを好む。守っているものが危険に晒されると、危険になる。1000年以上貴重品や隠れ家を守るために使われてきた。 第4巻では、三大魔法学校対抗試合の第三の課題でハリー・ポッターになぞなぞを出す。 ディリコール(Diricawl) M.O.M.分類:XX 原産地:モーリシャス 丸い胴体の飛べない鳥。危険を感じると、姿を消して別の場所に移動する。 じつはドードーは、この鳥のことである。ところがマグルはディリコールが自由自在に姿を消せるとは知らなかったので、絶滅したと勘違いした。魔法省はこのことを把握しているようだが、この「勘違い」がマグルの生物に対する愛護意識を高めたと判断したため、絶滅していないことを伝えるのを不適切としてきた。 天馬(Winged Horse) M.O.M.分類:XX-XXXX 生息地:世界中 翼のある馬。4種類いる。マグルの目につかないよう、所有者は定期的に「目くらまし呪文」をかけることが義務づけられている。アブラクサン(Abraxan) パロミノ(月毛の馬)のような姿をしている。象ほどもある巨大な馬で、蹄はディナー用の大皿より大きい。毛は金色で、目は赤い。オリンペ・マクシームによれば、シングルモルト・ウィスキーしか飲まない。 第4巻で、ボーバトンの代表選手が乗る馬車をひく。 セストラル(Thestral) 黒毛。目は白く、外見は骨ばっていてドラゴンのような翼をしている。死を見たことのある人間にだけ姿が見える。希少種。ホグワーツにいるものは知能がかなり高く、馬車を引くのに利用されている。肉食でフクロウも襲うが、ホグワーツのセストラルは襲わないようハグリットにしつけられている。ハリーにして経験がないほどの高速で飛ぶことが可能。また死の秘宝のひとつであるニワトコの杖の芯には、セストラルの尾毛が使われている。 イーソナン(Aethonon) 栗毛。イギリス、アイルランドに多く生息。 グレニアン(Granian) 灰色。足が速い。 噛み付き妖精 / ドクシー(Doxy) M.O.M.分類:XXX 生息地:北ヨーロッパ、アメリカ 妖精としばしば混同される。体は黒い毛に覆われ腕と脚は各4本あり、羽はカブトムシのように光っており、牙は2列に並んでいて鋭く、毒がある。寒冷な気候を好む。一度に最高500個の卵を産み、地中に埋め、その後2 - 3週間で孵化する。 噛まれたら解毒剤を服用する必要がある。 ドラゴン(Dragon) M.O.M.分類:XXXXX ドラゴンはもっとも有名であり、隠すのが一番難しい魔法動物。雌が雄より大きいが、訓練を受けた魔法使い以外は近づいてはいけない。ドラゴンの皮、血液、心臓、肝臓、角は強力な魔法特性を持ち、卵は取引禁止品目Aクラスに指定されている。純血種は以下の通り。オーストラリア・ニュージーランド・オパールアイ種(Antipodean Opaleye) 原産地:ニュージーランド(オーストラリア) ニュージーランド原産だが、生まれた土地に生息地が少なくなるとオーストラリアに移住する。山岳よりも渓谷に生息する。体重2-3トン。玉虫色に光る鱗と、きらきら光る多彩色の瞳孔のない目が特徴。非常に鮮やかな紅蓮の炎を吐くが、空腹時以外はめったに殺生はしない。卵は薄いグレー。 チャイニーズ・ファイアボール種 / 中国火の玉種(Chinese Fireball) 唯一の東洋種。獅子龍とも呼ばれる。深紅の鱗、獅子鼻で、顔の周りに黄金色の房毛があり、目が極端に飛び出している。体重2 - 4トン。卵は鮮やかな茜色で黄金色の斑点がある。殻は中国魔法に使われる。2頭までならほかのドラゴンが自分の縄張りに生息するのを認めることがある。ほとんどの哺乳類を食べるが、とくに豚と人を好む。 ウェールズ・グリーン普通種(Common Welsh Green) 原産地:イギリス ヒツジを好む。挑発しない限り努めて人を避けている。しかし、このドラゴンが日光浴をしているマグルで混み合った浜辺を急襲した事件があった。しかし休暇中の魔法使いの勇敢な行動により死者は出なかった。その家族が事件直後、最大規模の忘却呪文を入るフラクームの住民にかけたため、危ういところで大惨事を免れた。この魔法使いの家族は、のちに勲一等マーリン勲章を受けた。このドラゴンの吠え声はすぐそれだとわかり、驚くほど音楽的である。卵は茶褐色で、緑の斑点がある。 ヘブリデス・ブラック種(Hebridean Brack) 原産地:イギリス 一頭に付き250平方キロメートルもの領域を必要とする。おもにシカを餌にしているが、大型犬や家畜までさらっていくことがある。ヘブリデス諸島に住み着いているマクファスティー一家が代々土着種のドラゴンの管理をしている。ざらざらした鱗ときらきら光る紫色の目を持つ。 ハンガリー・ホーンテール種(Hungarian Horntail) 原産地:ハンガリー ドラゴンのなかでもっとも危険だと言われている。黒い鱗でトカゲのような姿。長い尾からは鋭いとげが突き出している。卵はセメント色。ヤギやヒツジを餌とするが、チャンスがあれば人も食べる。第4巻では第1の課題でハリーが戦う。 ノルウェー・リッジバック種(Norwegian Ridgeback) 原産地:ノルウェー 多くの点でホーンテイル種に似ている。しかし、尾のとげの代わりに漆黒の隆起部が背中にある。同種のドラゴンに対して桁外れに攻撃的であり、もっとも希少な種類になっている。陸上のほとんどの大型哺乳類を食べるが、ドラゴンとしては珍しく水中に生息する生物も食べる。卵は黒。第1巻『賢者の石』でハグリッドが少しだけ飼うノーバートもこの種類。牙には毒がある。 ペルー・バイパースーツ種(Peruvian Vipertooth) 原産地:ペルー ドラゴンのなかでもっとも小柄だが、もっとも飛ぶのが早い。銅色の体になめらかな鱗を持ち、背中に黒い隆起線がある。牙には猛毒がある。ヤギとヒツジを好むがことさら人を好むため、驚くべき勢いでこのドラゴンが増えていた19世紀末、その数を減らすために国際魔法使い連盟が始末屋を送り込まざるを得なかった。 ルーマニア・ロングホーン種(Romanian Longhorn) 原産地:ルーマニア 深緑色の鱗と金色にきらめく長い角を持ち、その角で獲物を突き刺して串焼きにする。角の粉末は魔法薬の材料として珍重されている。角の取引が原因で数が激減しているため、集中的な繁殖計画の対象となっている。ロングホーンの角は取引可能品目Bクラスに指定されている。 スウェーデン・ショート−スナウト種(Swedish Short-Snout) 原産地:スウェーデン シルバー・ブルーの鱗。皮はとても丈夫で、保護手袋や楯の製造に引っ張りだこである。鼻から出る炎は鮮やかなブルーで、木材や骨を瞬時に灰にする。ほかのドラゴンに比べて、人を殺したという報告は少ない。 ウクライナ・アイアンベリー種(Ukrainian Ironbelly) 原産地:ウクライナ ドラゴンのなかでもっとも大型。体重は6トンにも達すると言われる。きわめて危険。住居の上に着陸するとその住居を押しつぶす。鱗はメタル・グレイで目は暗赤色、爪は長く凶暴である。1799年に一頭のアイアンベリーが黒海で誰も乗っていなかった小型帆船をさらって以来、ウクライナの魔法当局が絶えずアイアンベリーを監視している。 トロール(Troll) M.O.M.分類:XXXX 原産地:スカンディナヴィア 生息地:イギリス、アイルランド、その他北ヨーロッパ 身長最大4m。体重最大1t。しばしば棍棒を持っている。力は強いが、知能はO.W.L等の試験で最低のT(トロール並)と揶揄されるくらい恐ろしく低い。暴力的で行動が予測不可能。「ブーブー」と唸って会話するが、簡単な言語が話せるものもいる。知能が高いと、守衛になることもある。川トロール 皮膚は紫色。短い角がある者や毛深い者もいる。橋の下に潜む。あらゆるものを食す。 森トロール 皮膚は薄い緑色。緑か褐色のざんばら髪が生えている者もいる。 山トロール 最も大きい。皮膚は薄い灰色。はげている。 ナール(Knarl) M.O.M.分類:XXX 原産地:北ヨーロッパ、アメリカ ハリネズミに酷似した生物で、見分けがつかない。家の庭にハリネズミ用の餌を置いた際、暴れて庭の植物や装飾品を破壊すれば、それはナールである。 ニーズル(Kneazle) M.O.M.分類:XXX 原産地:イギリス 猫に似た小型の生物。毛は斑点・斑入り・ぶちなどさまざま。大きな耳と、ライオンに似た尾を持つ。悪い人物や不審な人物を見分ける能力がある。 多胎であり、1回の妊娠で最高8匹を生む。普通の猫との異種交配も可能。飼育には許可証が要る。現在では、世界中に輸出もされている。 ハーマイオニーの猫、クルックシャンクスはニーズルの血を引いている。 ニフラー(Niffler) M.O.M.分類:XXX 生息地:イギリス ふわふわしていて黒く、鼻は長い。光るものを好み、それを探すために鼻で地面を掘る。巣は最深地下6mにあり、一度に6 - 8匹の子を産む。腹には見た目のわりに大量のものが入る袋がある(不可逆探知拡大呪文によく似ている)。 宝を探すのによく用いられ、小鬼も使っている。室内で飼うと家具などを破壊される可能性がある。このため、嫌がらせに使われることもしばしばある。 庭小人 / ノーム(Gnome) M.O.M.分類:XX 生息地:北ヨーロッパ、アメリカ 庭の害獣。身長30cm。頭は大きく、歯は鋭く、足はごつごつしている。頭は悪い。 駆除するには足を持ち、目が回るまで振り回し塀の外に投げるか、ジャービーを使って追い払う。油断すると鋭い歯でかまれる。 バジリスク(Basilisk) M.O.M.分類:XXXXX 鶏の卵をヒキガエルの腹の下に置いて孵化させると産み出される、非常に凶暴な大蛇。「腐ったハーポ」によって発見された。 ハーマイオニーが図書室で見つける本では、「毒蛇の王」と呼ばれている。実験飼育禁止令の対象で、バジリスクを産み出すことも飼育することも禁止されている。ただし、魔法省がチェックに来たときだけヒキガエルの腹の下から卵を取り出せばよいため、隠すのは簡単である。 食料があれば非常に長生きする。すべての哺乳類、鳥類とほとんどの爬虫類を食す。また蜘蛛にとっては宿命の天敵であり、蜘蛛が逃げ出すのはバジリスクが来る前触れと言われている。 牙の毒は非常に危険であるが、最も危険な攻撃方法は一睨みであり、まともに目をあわせた者は即死すると言われる。パーセルマウスでもない限り、ほとんどの魔法使いだけでなく、闇の魔法使いにとっても危険である。 第2巻『秘密の部屋』に登場するバジリスクについては「#サラザール・スリザリンのバジリスク」を参照 パフスケイン(Puffskein) M.O.M.分類:XX 球形で、毛は柔らかいクリーム色、舌は細長くピンク色。満足すると「フンフン」という低い音をだす。従順で抱きしめられても放り投げられても文句を言わず、世話が簡単。あらゆるものを食すが、とくに寝ている魔法使いの鼻に舌を伸ばして鼻糞を食べるのが好き。 子供たちにはペットとして何世代にもわたって人気が高い。ピグミーパフ(Pygmy Puff) M.O.M.分類:XX ミニチュアのパフスケイン。ピンクと紫の2種類がいる。フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーが繁殖させ、ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ店で売る。繁殖が追いつかないほど売れる。ジニー・ウィーズリーのジョークでは、ロンにはこの生物の刺青があるとされる。 火蟹(Fire Crab) M.O.M.分類:XXX 原産地:フィジー リクガメに似ているが足は蟹足(媒体によっては第一肢は鋏)であり、甲羅には宝石がちりばめられている。攻撃を受けた際には、尻から火を噴く。ペットとして輸出されているが、飼育には許可証が要る。 ピクシー妖精(Pixie) M.O.M.分類:XXX(テキストには多数書き足されているが、ロンは「ロックハートならね」とする) 身長最大20cm。群青色。悪戯好き。羽はないが飛んでいる。ぼんやりとしている人間を、高いところに置き去りにすることがある。非常に甲高い声で仲間と会話する。胎生。 ヒッポグリフ(Hippogriff) M.O.M.分類:XXX 原産地:ヨーロッパ 頭・前足・羽は大鷲で、胴体・後ろ脚・尻尾は馬の半鳥半馬の生き物。前脚の鉤爪は15、6cmほど。毛並みは嵐の空のような灰色、赤銅色、赤ゴマの入った褐色、栗毛、漆黒などとりどり。誇り高く、侮辱したりすると怒り攻撃する。地中の虫や鳥、小型哺乳類も食す。大きな卵を一つだけ産み、これが24時間以内に孵化する。1週間で飛べるようになるが、長旅するには数か月かかる。 近づいて触るには、2、3秒ほど目を合わせ、お辞儀したあと、ヒッポグリフがお辞儀をするまで待たなければいけない。ハグリッドは「バックビーク」という名のヒッポグリフを飼っている。 所有者には、マグルの目に付かないよう「目くらまし呪文」を毎日かけることが義務付けられている。ホグワーツの女子生徒のあいだでは、ハリーの胸にはこの生物の刺青があるという噂がある。 おいでおいで妖精 / ヒンキーパンク(Hinky Punk) 鬼火のようにかすかで、はかなげな一本足の生き物。一見無害だが、旅人を迷わせて沼地に誘う。目の前を跳び、手招きで連られて来たものを沼地に引き込む。 妖精 / フェアリー(Fairy) M.O.M.分類:XX 身長3 - 13cmの小さな人間のような生物。背中には羽を生やしている(種類により羽の色は異なる)。森林や林間の空き地に生息する。天敵はオーグリーで、襲われた際には弱い魔力で阻止する。喧嘩っ早く、うぬぼれが強い性格。人間の言葉は理解できるが、話すことはできない。仲間とは羽音でコミュニケーションをとる。 卵生で、一度に50個の卵を葉に産み付ける。孵化から6 - 10日でさなぎ、1か月で成体となる。 不死鳥 / フェニックス(Phoenix) M.O.M.分類:XXXX(飼育が困難なため) 生息地:エジプト、インド、中国 白鳥ほどの大きさの鳥。体は真紅、尾は金色で長く、鉤爪を持つ。巣は山頂に作る。衰えると、肉体を炎と化して灰のなかから雛として生まれ変わる。瞬間移動のようなこともできる。草食。 雛は老鳥と同じくらい醜い。驚くほどの重い荷を運び、涙は強力な癒しとなる。歌は魔力を持ち、善人には勇気を与え、悪人には恐怖を与える。ペットとしてはとても忠実。死の呪文「アバダ・ケダブラ」を受けても、燃えてその灰の中からまた生まれ変わる。 プリンピー(Plimpy) M.O.M.分類:XXX 生息地:深い湖 球形の魚で、斑点と水掻きのついた2本の足を持つ。その足で湖底を歩き、水カタツムリなどの餌を捕獲する。泳いでいる最中に足や衣服をかじることがあるが、とくに危険なことはない。ただしマーミープルには有害と見なされ、プリンピーの足をくくる。ガルピング・プリンピーとの関連は不明。 レタス食い虫 / フロバーワーム(Flobberworm) M.O.M.分類:X 成長すると25cmほどになる虫。体は褐色で太く、前後の区別が付かず、両端から粘液を出す。どんな野菜でも食し、好物はレタス。 粘液は魔法薬を濃くするのに使われる。 ボウトラックル(Bowtruckle) M.O.M.分類:XX 生息地:イギリス南部、ドイツ南部、スカンジナビアの一部 体長最大20cm。木の守番で、だいたいは杖品質の木に住んでいる。長く鋭い指を持ち、見た目は樹皮と小枝から出来ているので発見するのは困難(ナナフシによく似た擬態方法である)。性格はおとなしい。昆虫を食す。妖精の卵が好物(「妖精」といっても、ドクシー妖精も含まれる)。自分の住む木に危険が及ぶと危害を加えようとする者に対して指で、とくに目を攻撃する。ボウトラックルが住む木を切りとる場合はワラジムシを供えると、その間なだめられる。手に入るなら妖精の卵も有効。 まね妖怪 / ボガート(Boggart) M.O.M.分類:XXX 近くにいる人間の一番怖いものに化ける妖怪。本当の姿は誰も知らない。暗く狭いところを好む。「リディクラス」で退けられる。 ハリーは守護霊の呪文の練習で、吸魂鬼の代わりに何度も使う。 マートラップ(Murtlap) M.O.M.分類:XXX 生息地:イギリスの海岸地域 ネズミのような生物。背中にはイソギンチャクのようなものを生やしており、これをピクルスにして食べると、呪いやジンクスに対する抵抗力が現れる。ただし食べ過ぎると、副作用で耳から紫の毛が生える。甲殻類を餌とするが、自分を踏みつけた者の足も食べる。裏ごししたエキスは癒しの効果があり、ドローレス・アンブリッジの罰則によって傷ついたハリーの手も幾分楽にする。 水中人 / マーピープル(Merpeople) M.O.M.分類:XXXX 生息地:世界中 別名:セイレン(Seiren)、セルキー(Selkie)、メロウ(Merrow) 文字どおりおもに水中で暮らし(地上での活動も可)、湖などの底に家を建てて住んでいる。言語はマーミッシュ語(地上で人間が聞くと叫び声に聞こえる)。音楽を好む。水魔を飼いならしているものもいる。 人間ではアルバス・ダンブルドア、バーテミウス・クラウチ・シニアがマーミッシュ語を話せる。ホグワーツの湖に住んでいる水中人はダンブルドアと知り合いで、その葬儀の際には湖面で慰問の音楽を演奏する。ユニコーンやケンタウルスと同様、敬意を持って接するべき存在ゆえにM.O.M.分類はレベル4である。 マンティコア(Manticore) M.O.M.分類:XXXXX 生息地:ギリシャ 頭は人間、胴体はライオン、尾はサソリのかたちをした生物。非常に危険な生物だが、生息数は希少。獲物を食べる時に小声で嘆きの歌を口ずさむ。皮は丈夫で、ほとんどの呪文が効かない。刺されると即死する。 一角獣 / ユニコーン(Unicorn) M.O.M.分類:XXXX 生息地:北ヨーロッパ 森に棲む馬。毛は白色で頑丈、蹄は金色で、角がある。角、血液、鬣は強力な魔法特性を持つ。その血液は、「生きながらの死」とすら言われる恐ろしい代価を持つものの、死を目前に控えた者さえも蘇らすことができ、衰弱したヴォルデモートを辛うじて生かすときにも使われる。生まれたときは毛は金色だが、2歳ほどで毛は銀色に変わり、4歳ほどで角が生え、7歳ほどで毛は白色になる。幼い時を除き、魔法使いより魔女を好む。素早く、捕らえにくい。 角や血液・たてがみは色々な魔法に使われ、毛は杖の芯に使われる。 なお、M.O.M.分類がレベル4であるのは危険な生物だからではなく、敬意を持って接するべき存在とされているため。ケンタウルスや水中人も同様。 赤帽鬼 / レッドキャップ(Red Cap) M.O.M.分類:XXX 生息地:北ヨーロッパ 古戦場など、ヒトの血が流れたところに棲む、小人のような生物。夜にマグルが一人で外にいると、棍棒で殺そうと襲ってくる。 レプラコーン / クローリコーン(Leprechaun) M.O.M.分類:XXX 生息地:アイルランド 身長最大20cm。森林に棲む。体は緑色で、木の葉で簡単な衣服を作る。2、3時間で消失する偽物の黄金を創れる。木の葉を食す。悪戯好き。胎生。 クィディッチのアイルランド・ナショナルチームのマスコット。レイブンクロー寮の寮監、フリットウィックは、レプラコーンの血を引いている。 ヴィーラ(Veela) 髪はシルバー・ブロンドで、肌は月のように輝く。非常に美しく、何もしなくても男を誘惑することができる。怒ったときに見せる真の姿は半鳥人のような姿で、炎を投げつける。 クィディッチのブルガリア・ナショナルチームのマスコット。人間との交配も可能で、フラー・デラクールの祖母はヴィーラである。 巨人(Giant) 体長は10mを超える生物。肉食。前世紀に仲間どうしの殺し合いによりほとんどが滅んだ。残った者たちはヴォルデモートに与し、闇祓いにより滅ぼされたとされるが、実際にはわずかな数がヨーロッパ某所に群れを作って生息している。人間との交配も可能で、ルビウス・ハグリッドの母は巨人である。またボーバトンの校長、オリンペ・マクシームも巨人の血を引いている。しかし、ハグリッドやマダム・マクシームのような「半巨人」は凶暴と言われ、一部の心ない人間の差別の対象にもなっている。 小人(Dwarf) 第2巻でギルデロイ・ロックハートがバレンタインにキューピッドの格好をさせて、生徒全員にカードを配らせる。 泣き妖怪 / バンシー(Banshee) 顔は緑色で骸骨のようで、髪は長い。大きな嘆きの声をだす。 屋敷しもべ妖精(House-elf) 小さく醜い人型の魔法生物。茶色い顔、テニスボールくらいの大きな目、顔が割れて見えるほどに大きな口、コウモリのような長い耳、細く短い手足に長い指が特徴。声は甲高い。独自の魔法を操り、その魔力は一流の魔法使いよりも強力らしいが、敵対的に使うことはまれ。また、杖を使わない。 特定の魔法使いを自身の「主人」とし、その主人や家族に生涯仕え、日常の家事や雑用などの労働奉仕を行なう。これは屋敷しもべ妖精にとって「本能行動」に当たる。妖精自身にとって不本意な命令であっても、主人の命令には必ず従わなければならない。また、屋敷しもべ妖精は隷従の証として、衣服の代わりに枕カバーやキッチンタオルなどの布を身に付けている。主人から衣服を与えられることは、妖精にとって「解雇」を意味する。魔法使いとのあいだで、いつからこうした交流が始まったのかは不明。 屋敷しもべ妖精の生活拠点は、大きな館や城など、大金を持つ魔法使いが住む比較的大きな建物が多い。そうでない場所での行動も可能だが、積極的に敷地外に出ることはないもようである。そのため、屋敷しもべ妖精を従えていることは魔法界では一種のステイタスと見なされている。なおホグワーツ魔法魔術学校では100人以上の屋敷しもべ妖精を雇っていて、その数はおそらくイギリス最多である。おもに日中は厨房、夜は城内で働いている。 一般に屋敷しもべ妖精のあいだでは、主人に忠実で無休無償で奉仕することが名誉であり、自由になることや労働代償を求めることは不名誉とされる。これを知ったハーマイオニー・グレンジャーは、第4巻でS.P.E.W.(Society for Promotion of Elfish Welfare、屋敷しもべ妖精福祉振興協会)を設立、屋敷しもべ妖精の「解放」を目指し活動するが、屋敷しもべ妖精の大多数は隷従を名誉と認識しているため、それを止めさせようとするハーマイオニーはドビーを除く大多数の屋敷しもべ妖精に反発を受け嫌われる。さらにはグリフィンドール寮全体もそのとばっちりを受け、屋敷しもべ妖精たちがグリフィンドール塔の清掃を拒否したため、ドビーがひとりで塔の掃除をするはめになる。映画版では「解放」活動は描かれていない。 屋敷しもべ妖精のモチーフは、ブラウニーやレプラコーン、伝承上のホブゴブリンなど、特定の家に住み着いて奉仕する妖精であると@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}思われる[誰によって?]。 三頭犬 / ケルベロス(Three-headed dog) 文字どおり3つ首の巨大な犬。第1巻で、ハグリッドが飼っている。 死神犬 / グリム(Grim) 墓場に取りつく黒く巨大な亡霊犬で、死の前兆とされている。シリウス・ブラックが動物もどきとして変身した姿は、たびたびこれに誤認される。ビリウス・ウィーズリーは、これを見た24時間後に死んだ。
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