死の秘宝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 03:43 UTC 版)
「ハリー・ポッターシリーズの用語一覧」の記事における「死の秘宝」の解説
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%} 「死の秘宝」はこの項目へ転送されています。『ハリー・ポッター』シリーズの第7巻については「ハリー・ポッターと死の秘宝」をご覧ください。 作中の「吟遊詩人ビードルの物語」内の三人兄弟の物語に登場する、秘宝をすべて手に入れた者は死に打ち克つことができるとされる3つの道具。 シンボルマークは、正三角形に内接する円と、その2つを貫く鉛直な線分を組み合わせた図形。正三角形は「透明マント」を、円は「蘇りの石」を、線分は「ニワトコの杖」をそれぞれ表している。ダームストラング専門学校の壁には、グリンデルバルドが落書きとして彫ったマークが残っている。またゴドリックの谷にあるイグノタス・ペベレルの墓にもマークが彫られている。 ゼノフィリウス・ラブグッドは、このシンボルマークを身に着けた魔法使いは死の秘宝の伝説を信じている者であると語り、ゼノフィリウス自身も、秘宝の信奉者であるという意味を込めてマークを首から下げている。ただし、ゲラート・グリンデルバルドが権勢を誇ったときに、死の秘宝のシンボルマークを誇示したため、魔法界の一部では、このマークはグリンデルバルドの印と見なされている。 アルバス・ダンブルドアも、かつてシンボルマークを自身の署名として使っていた時期がある。しかし、秘宝の探求を止めると決めてからは、マークの使用も止めている。ダンブルドアが遺品としてハーマイオニー・グレンジャーに贈る「吟遊詩人ビードルの物語」の「三人兄弟の物語」の最初のページにもこのマークが印されているが、これはダンブルドアが印したものである。 作中ではダンブルドア、およびハリーが同時ではないが、三つすべてを所有する。ハリーは、ニワトコの杖の忠誠心を獲得した状態で(本体はヴォルデモートが所有)、残りのふたつの本体を所有することになる。 ニワトコの杖 「Elder Wand」は直訳では「Elder(長老の)Wand(杖)」とも読めるが、実際は「Elder tree(ニワトコの木)」からとっているので、日本語版では「ニワトコ(接骨木)」という訳語が当てられている。「死の杖」「宿命の杖」「不敗の杖」とも形容され、そのあまりに強力な威力ゆえ、魅力に取りつかれる魔法使いが続出し、殺人によって継承されてきたという伝説がある。本体はニワトコの木、杖芯はセストラルの尻尾の毛。この杖を用いて「死の呪い」(アバダ・ケダブラ)を放つことでホークラックスを破壊できる。 作中でオリバンダー老人が語るところによると、すべての杖は持ち主を選び、その持ち主に対し「忠誠心」を持つ(杖の忠誠心を得ていない魔法使いや魔女がその杖を使うと、唱える呪文の威力が弱くなる)。忠誠心は不変ではなく、勝ち取ること(殺害、武装解除、力尽くで奪取など)によって次の持ち主に移る。当然、ニワトコの杖の所有者は常に攻撃を恐れなければならない。 通常の杖は、(材質もよるが)持ち主が変わった場合、新しい持ち主に対する強い忠誠心を持つものの、以前の持ち主への忠誠心も完全には失わない。しかしニワトコの杖は、「新しい持ち主への忠誠心が非常に強く、以前の持ち主への忠誠心を完全になくす」という特徴があり、殺人によって継承されてきたという伝説はここから派生したものである。そのため、忠誠心を得ていないニワトコの杖を使っても通常の杖にも劣る力しか発揮しない。あくまで最強の「杖」であり、本人の魔法の知識や決闘の腕前自体は変わらない。殺人や決闘によって継承されてきた歴史からわかるとおり、ニワトコの杖を用いてなお敗北した魔法使いは数多い。 「吟遊詩人ビードルの物語」に出てくる三兄弟の長男アンチオク・ペベレルが製作した。歴史上でアンチオクの次のニワトコの杖の保持者は悪人エメリックという人物で、その後エメリックは極悪人エグバートという人物との激烈な決闘のすえ敗北し杖を失った。それから1世紀ほどニワトコの杖は確認されなかったが、ゴデロットという闇の魔術の学問の第一人者がニワトコの杖を保持していることが伺える。のちにゴデロットはヘレワードという息子に地下牢に閉じ込められて死亡した。ヘレワードのその後はあまり定かではないが、18世紀初頭にバーナバス・デベリルという魔法戦士がニワトコの杖を使ってデベリルが恐ろしい魔法戦士だという評判を打ち立てた。しかしロクシアスという魔法戦士がデベリルを殺し、ニワトコの杖を勝ち取った。ロクシアスのその後については、杖を奪ったと自称する魔法使いが多いため不明。アーカスやリビウスという魔法使い、ロクシアスの実の母までがロクシアスの杖を奪ったと言っている。 ニワトコの杖は長いあいだ行方不明だったが、近年になってブルガリアの杖作りグレゴロビッチが複製しようとして入手した。しかしのちに、グリンデルバルドがグレゴロビッチから杖を盗み出す。1945年、ダンブルドアがグリンデルバルトとの決闘で勝利し、杖を入手。それ以降、ダンブルドアは人々をニワトコの杖から守るために杖の素性を隠しつつ、所持しつづけた。 第6巻終盤でドラコ・マルフォイがダンブルドアの杖を武装解除し、杖の正体を知らないまま忠誠心を得る。その後、ダンブルドアはセブルス・スネイプに殺害され、ニワトコの杖はダンブルドアとともに埋葬される。 第7巻後半でハリー・ポッターが、マルフォイ邸で繰り広げられる死喰い人との戦闘において、ドラコの杖(オリバンダー製)を奪い取る。このとき、杖の忠誠心がドラコからハリーに移動するが、同時にニワトコの杖の忠誠心もハリーに移動する。これにより、ニワトコの杖の真の所有者はハリーとなる。 一方で、ヴォルデモートはニワトコの杖の行方を追い、ダンブルドアの墓を暴いて杖の本体を入手する。しかし杖の真の所有者はハリーだったため威力が低く、ヴォルデモートはその原因を「ダンブルドアを殺害したスネイプが杖の忠誠心を得たから」だと推測し、スネイプを殺害する。しかし実際には、この時点でニワトコの杖の忠誠心を得ていたのは先述どおりハリーであり、最終的にハリーはヴォルデモートに勝利し、忠誠心とともに杖の本体も手に入れる。その後ハリーは、戦いの中で破壊された自分自身の杖をニワトコの杖の「レパロ」で直し、ニワトコの杖は元あったダンブルドアの墓に戻される。 映画『死の秘宝 PART2』では、忠誠心を得ていないヴォルデモートが強力な魔法を使った結果、その威力に耐えきれず亀裂が走る。戦いのあとは、杖の力を欲しなかったハリーの手で真っ二つに折られ、ホグワーツ校舎の石橋から崖下に投げ捨てられる。 蘇りの石 この石を使うと、死者と会い、会話をすることが可能となる。ただし「三人兄弟の物語」にもあるように、本当の意味で一緒になることはできない。 石は最初の所有者であるカドマス・ペベレルから子孫に受け継がれ、マールヴォロ・ゴーントの手に渡る。ゴーントの屋敷で発見されるまでの間に石は指輪にはめ込まれ、その指輪には秘宝のシンボルマークが彫られた。そしてマールヴォロの息子モーフィン・ゴーントに受け継がれるが、ヴォルデモートがこれを奪取、分霊箱に加工して呪いをかけた。 その後、ヴォルデモートの分霊箱を探索していたダンブルドアが、グリフィンドールの剣でこれを破壊するまえに、家族に会いたいと指輪をはめ、指輪にかけられた呪いを受ける。スネイプの処置により一命は取り留めるものの、右腕は黒く焼け焦げたように萎び、余命も1年程度と宣告される。 のちにダンブルドアは破壊した指輪から蘇りの石を取り出し、それを金のスニッチに収め、みずからの形見としてハリーに残す。第7巻終盤、ハリーはスニッチのなかから石を取り出すことに成功し、ジェームズ・ポッターやリリー・ポッターやシリウス・ブラックやリーマス・ルーピンと再会を果たし、石はハリーの手からこぼれ落ちて地面に転がる。ヴォルデモートの死後、ハリーは校長室でダンブルドアの肖像画に話しかけた際、「スニッチに隠されていた物(蘇りの石)は森で落としたが、正確な場所は知らず、探しに行くつもりもない」と語り、それを聞いたダンブルドアの肖像画は「それでよいとも」と満足げに答える。 透明マント このマントを身にまとった者の姿は完全に透明となり、他人が姿を確認することができなくなる。 かつて死の秘宝を探索していたダンブルドアは、イグノタス・ペベレルの子孫であるジェームズの持つマントが透明マントであると知り、これに興味を持って借り受けた。しかしその後ジェームズが死亡し、以来、息子であるハリーが成長するまでダンブルドアの手で保管されることになる。ハリーがホグワーツで1年目のクリスマスを迎えたとき、ダンブルドアはハリーに透明マントを贈り、以降ハリーはこのマントを随所で使用する。 透明マントは、ハリーのマント(死の秘宝)のほかにも登場する。バーテミウス・クラウチ・ジュニアが1枚、アラスター・ムーディが2枚の透明マントを持っているが、これらはすべて模造されたものと考えられる。模造の透明マントはデミガイズの毛で織ったり普通のマントに目くらまし術をかけることで製作できるが、時間が経つと効果が薄れ、魔法が当たると効果が失われる場合がある。マントなしでも完全に姿を消せることから、死の秘宝であるという点を除けばダンブルドアやグリンデルバルドも透明マントに関してはほとんど興味を示さなかった。ヴォルデモートも同様の理由から、透明マントには興味を示さなかっただろうとダンブルドアが推測する。 ハリーの透明マントに関しては効果が永久に持続し、また呪文の影響を受けないとされる。 なお、吸魂鬼は目で見ているわけではないので効果がないと、第3巻でダンブルドアがくぎを刺す。第7巻でも、透明マントを被ったハリーを攻撃する。
※この「死の秘宝」の解説は、「ハリー・ポッターシリーズの用語一覧」の解説の一部です。
「死の秘宝」を含む「ハリー・ポッターシリーズの用語一覧」の記事については、「ハリー・ポッターシリーズの用語一覧」の概要を参照ください。
「死の秘宝」の例文・使い方・用例・文例
- 死の秘宝のページへのリンク