玉虫色とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 色彩 > > 玉虫色の意味・解説 

たまむし‐いろ【玉虫色】

読み方:たまむしいろ

タマムシの翅(はね)のように、光線のぐあいで緑色紫色などに変わって見え染め色、または織り色

見方立場によっていろいろに解釈できるあいまいな表現などたとえていう語。「—の答弁


玉虫色

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/25 02:57 UTC 版)

ヤマトタマムシ

玉虫色(たまむしいろ)とは、光の干渉によって起こる金緑から金紫の色調変化をする染色や織色をさす。

また見る角度によって異なる色合いに見えることから、見方によってどのようにも解釈できるあいまいな(都合の良い)表現として、「玉虫色の〜」という[1]

色ではない色

玉虫(ヤマトタマムシ)の翅は、一見したところ緑色に見えるが光を当てる角度によって色彩が変化する。これは、タマムシの翅がもつ本来の色素の色が変化しているのではなくて、特定の波長の光同士が互いに強まったり、弱まったりすることで目に見える色が変化したものである(このような発色は構造色と呼ばれる)。

法隆寺所蔵の玉虫厨子のように、タマムシ科の甲虫の翅は色彩が美しい上に年月を経ても色が褪せないので、古くは調度品の装飾に使われていた。その翅の色は簡単に再現できるものではないが、緑と紫の絹糸をそれぞれ縦糸と横糸に使って、見る角度によって違う色が浮かび上がるような工夫で再現に挑んだ記録もある(備考も参照)。

文章表現上の使い方

見方や解釈によってどのようにもとれることを表現して、「玉虫色の答申案」、「玉虫色の決着」などという。主として政治や外交に関する新聞用語として使われることが多い。

備考

玉虫にちなむ「虫襖」色

玉虫色とは別に「ヤマトタマムシ」の翅色からちなんだ色として、「虫襖(虫青)」という色が存在する[2]。暗い青みの緑色を指すもので、「虫」はタマムシを指す[2](糸が重色に見えたことからとも[2])。従って、玉虫の色名という意味では、「虫襖」も玉虫色である。平安文学には、玉虫にちなむ色名は見られず[2]、『貞丈雑記』、『吾妻鏡』等の書物に記述が見られることから、中世以降に登場した色と見られている(染・織の色に動物名が用いられた頃も中世からとされる)[2]。英名を「グリーン・ダック(家鴨の緑)」[2]

  • 玉虫色の記述例として、永禄(1558年 - 70年)後半頃に成立した『猿の草子』に、「玉虫色に桃の花」という表現が見られる。

脚注

  1. ^ 新明解国語辞典、第4版第10刷、p.793、1992年3月20日、三省堂
  2. ^ a b c d e f 長崎盛輝著 『日本の傳統色 その色名と色調』 京都書院アーツコレクション5 pp.218 - 219

関連項目


玉虫色

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 10:59 UTC 版)

名詞

たまむしいろ玉虫色

  1. たまむしのごとく、具合様々な変化する色調染め色織り色
  2. 襲の色名青黒二藍または薄色、経は、緯はみのある織り色
  3. 比喩なる見方立場による解釈仕方ちがいにより、良いほうにも悪いほうにもどちらともとれる曖昧表現

発音(?)

た↗まむしいろ

「玉虫色」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



玉虫色と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「玉虫色」の関連用語

玉虫色のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



玉虫色のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの玉虫色 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの玉虫色 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS