色ではない色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/02 03:43 UTC 版)
玉虫(ヤマトタマムシ)の翅は、一見したところ緑色に見えるが光を当てる角度によって色彩が変化する。これは、タマムシの翅がもつ本来の色素の色が変化しているのではなくて、特定の波長の光同士が互いに強まったり、弱まったりすることで目に見える色が変化したものである(このような発色は構造色と呼ばれる)。したがって、玉虫色は赤や青のように特定の色彩をさすものではなくて、刻々と変化していく色調をすべて含んだ色でなくてはならない。 法隆寺所蔵の玉虫厨子のように、タマムシ科の甲虫の翅は色彩が美しい上に年月を経ても色が褪せないので、古くから調度品の装飾に使われていたが、その翅の色は先述のとおり簡単に再現できるものではなかった。それでも、緑と紫の絹糸をそれぞれ縦糸と横糸に使って見る角度によって違う色が浮かび上がるような工夫で再現に挑んだ記録もある(備考も参照)。
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