ヒトたる存在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:05 UTC 版)
「ハリー・ポッターシリーズの魔法生物一覧」の記事における「ヒトたる存在」の解説
俗に言う亜人。これへの分類を拒否したのはケンタウルス、水中人、霊魂(ゴースト)。可能性があるのはヴィーラ、巨人、小人、泣き妖怪、ニンフ、屋敷しもべ妖精(ここでは動物と分類する)。 狼人間 / 人狼(Werewolf) M.O.M.分類:XXXXX 原産地:北ヨーロッパ(推測) ふだんは人間だが、一か月に一度、満月のときに凶暴な狼の姿に変身する。そのときのみ、積極的に人を餌食にしようとするため、彼らは差別を受け、社会生活において非常に不利な状況下にいる。そのことを促したのがドローレス・アンブリッジが発案した「反人狼法」である。狼人間には粗野で暴力的な人間が多いとされるが、経済的に不利なため盗みなどに走り、それが定着したとも考えられる。リーマス・ルーピンなどの立派な人格者もわずかにいるが、狼人間のほとんどはフェンリール・グレイバックなどのように闇の陣営に付いている。 狼人間は二種類存在し、生まれつき狼人間の者と、狼人間に噛まれたことにより狼人間になったものがいる。治療法はないが、トリカブト系脱狼薬によって症状を軽減し、変身時も正気を保てるようになってきている。また噛まれて狼人間になった者の場合、その形質は子供には遺伝しない。 鬼婆(Hag) 子供を食す。 小鬼 / ゴブリン(Goblin) 血を好む傾向にあり、小さな身体に似合わず力も強い。優秀な宝の番人で、経済感覚が発達しており、それだけに守銭奴でもある。言語はゴブリディグック語。「ブラッドヴァッグ」が「つるはし」という意味の単語であるということが記されている。グリンゴッツ魔法銀行の職員を務めており、ふだんは物腰柔らかく魔法使いに接しているが、内心は経済的な利益のために接しているだけのようにも思える。また、丁寧な口調のなかにも慇懃無礼な要素が含まれていることもある。彼らは杖を持っているわけではないが、金属器などの道具を作る特別な魔法を知っており、グリフィンドールの剣などは彼らが作った。小鬼の作る武器は汚れを落とす必要もなく、小鬼製の銀はそれ自身を強化するもののみを吸収する。一部のゴブリンは、彼らの考え方で言うと物を「買い取った者」ではなく、物を「作った者」が真の所有者であり、売った物は与えたのではなく、貸したと考えているため、人間が「購入」後に承継するしきたりを敵視している。 吸血鬼(Vampire) 原産地:トランシルヴァニア、シュヴァルツヴァルト(推測)。 サングィニという吸血鬼が一度だけ登場する。ルーナは、ルーファス・スクリムジョールは吸血鬼だとハリーに語る。 吸魂鬼 / ディメンター(Dementor) 地上を歩く(実際には滑っているが、便宜上このように表現)生物のなかで、もっとも忌まわしきもののひとつといわれる。人間の心から発せられる幸福・歓喜などの感情を感知し、それを吸い取って自身の糧とする。眼のあるはずのところに口があり、そこから「吸魂鬼の接吻(ディメンターのキス)」と呼ばれているものを施す。口から魂を吸い取られた人間は死ぬわけではないが、抜け殻のようになり、記憶もなくなる。その影響力は凄まじく、吸魂鬼が周囲にいるだけで人間は活力を失う。とくに、ハリー・ポッターのように過去に悲惨な記憶を持つ者ほど、吸魂鬼の影響を受けやすく、吸魂鬼に幸福・歓喜の感情を吸い取られると、その悲惨な記憶がよみがえる。ハリーの場合はそのまま失神する。ただし、吸い取れるのは前述の感情のみで、それ以外の感情(妄執など)は吸い取れない。動物の感情も吸い取れないうえに、眼窩は存在するが目玉がないため目が見えず、動物もどきが動物に変身すると感情を吸い取れなくなる。 全身がマントに覆われているため、黒い人影のように見え、とても背が高い。頭巾をすっぽりとかぶっており顔を見た者はそうそういない。その理由は、見た者のほとんどが吸魂を施されているためである。ただし、このように見えるのは魔法が使える人間のみで、マグルやスクイブはその姿を見ることはできず、霧のように感じる。ただし、スクイブであるアラベラ・フィッグは、見えなくても吸魂鬼の仕業であると分かるだけの知識を持つと作者のローリングが説明[要出典]している。 吸魂鬼に向かって「守護霊の呪文(パトローナス・チャーム)」を使用すると追い払える。守護霊の呪文は非常に高度であり、習得するのが難しい。 ルーピンによると、鬱になったときはチョコレートを食べると気分が良くなる。 前述の能力から吸魂鬼は魔法界で非常に恐れられており、長らくアズカバンの看守を務めてきたが、第5巻初頭でハリーを罠にかけるためにドローレス・アンブリッジの命令でハリーを襲撃し、近くにいたダドリー・ダーズリーを昏倒させる。第5巻終盤でヴォルデモートに与し、アズカバンを棄てる。アルバス・ダンブルドアは当初からこのことを予見していたため、吸魂鬼をホグワーツに入れることに反対する。第6巻では吸魂鬼がイギリスじゅうに現れたため、イギリス全域が霧に覆われる。第7巻では死喰い人が吸魂鬼を呼び出し、完全に闇の勢力の一員となる。 吸魂鬼の設定は、ローリングがうつ病に罹患した時の心理状態をもとに考え出したとされる。映画『アズカバンの囚人』DVDのメイキングでは、「十代のころ、黒いフードを被った人影の夢を見た」と語っている。 「吸魂鬼」という訳語は、松岡佑子が吸血鬼をもとに考え出した造語である。日本語版では「吸魂鬼」の記述が多く用いられているが、ルビは「きゅうこんき」「ディメンター」双方あり、統一されていない。映画版の日本語吹き替えでは、「ディメンター」で統一されている。 映画版では吸魂鬼が姿を見せると周囲の気温が下がり、ガラスについた水滴や池などが凍りつき草花は枯れる。
※この「ヒトたる存在」の解説は、「ハリー・ポッターシリーズの魔法生物一覧」の解説の一部です。
「ヒトたる存在」を含む「ハリー・ポッターシリーズの魔法生物一覧」の記事については、「ハリー・ポッターシリーズの魔法生物一覧」の概要を参照ください。
- ヒトたる存在のページへのリンク