ヒトが感ずる臭気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 09:41 UTC 版)
シアン化水素は「無色で、アーモンド臭を持つ。」と説明する書物が多い。ただ、ここで言う「アーモンド臭」とは、ベンズアルデヒドの臭気を指す。これは収穫前のアーモンドの臭いであり、製菓に用いるアーモンドエッセンスの甘い香りとは異なる香りである。シアン化水素の「アーモンド臭」とは、どちらかと言えば、杏仁豆腐の香りに近いとも言われる。また嗅盲と言って、遺伝的にシアン化水素の臭いを感じないヒトが、1割程度はいると見積もられている。ただし、シアン化水素の「アーモンド臭」がベンズアルデヒドの臭気を指していながら、ベンズアルデヒドの臭気は感知できるヒトでも、シアン化水素の臭気は感知できない場合がある。 なお、シアン化水素の臭気が争点にされた事件の実例として、日本計算器峰山製作所懲戒解雇事件(1971年3月)が挙げられる。地裁判決文(京都裁判所)の中で「科学書中にはシアンガスの臭いは微臭であるとするものもある。もっとも、この点の科学的説明も純粋なものは特異臭を持つ、特有のにおいとする等、各著者によつて異なつていて明確でない上、実際上も、発生時における気圧、温度、純粋度等の諸条件によつてまた臭いの様態も異る」とされた。
※この「ヒトが感ずる臭気」の解説は、「シアン化水素」の解説の一部です。
「ヒトが感ずる臭気」を含む「シアン化水素」の記事については、「シアン化水素」の概要を参照ください。
- ヒトが感ずる臭気のページへのリンク