アルメニア 国際関係

アルメニア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/18 16:13 UTC 版)

国際関係

ナゴルノ・カラバフをめぐってアゼルバイジャンと対立している。トルコとも歴史認識をめぐって対立していたが、2009年10月10日スイスでトルコとの国交調印式が行われた。

地方行政区画

アルメニアは11の地方(marzer、単数はmarz)に分かれる。

  1. アラガツォトゥン地方 (Արագածոտնի մարզ)
  2. アララト地方 (Արարատի մարզ)
  3. アルマヴィル地方 (Արմավիրի մարզ)
  4. ゲガルクニク地方 (Գեղարքունիքի մարզ)
  5. コタイク地方 (Կոտայքի մարզ)
  6. ロリ地方 (Լոռու մարզ)
  7. シラク地方 (Շիրակի մարզ)
  8. シュニク地方 (Սյունիքի մարզ)
  9. タヴシュ地方 (Տավուշի մարզ)
  10. ヴァヨツ・ゾル地方 (Վայոց Ձորի մարզ)
  11. エレバン (Երևան)

地理

アルメニアの地図
アルメニアの地形図

アルメニア共和国は、黒海の南部、カスピ海の西部に位置するアルメニア高地の最東端にあり、面積はこの高地全体の一割に過ぎない。北側に小コーカサス山脈と西側にはアルメニア高地が広がる山国。平地はまれで、国土の90%において標高1,000 - 3,000メートルであり、3,000メートル級の山岳も珍しくない。最高地点はアラガツ山頂で標高4,090メートル、最低地点は北部のデペート川下流にあるベルタヴァン村近くの渓谷の標高380メートルである。

国内最大の平地は首都エレバンが位置するアララト盆地で肥沃。名前の通りアララト山(「ノアの方舟」で有名、高さ5,165メートル)を見上げる位置にあり、トルコとの国境を流れるアラス川(アラクス川、キュル川)の左岸に広がっている。アララト盆地の高度は800メートル以上。1万年前から人が居住していたことが考古学的発掘で知られている。

中央部にセヴァン湖(標高1,900メートル、深さは36 - 80メートル。高山の淡水湖で、ここで採れる魚は「イシュハン・ヅーク(魚の王子さま)」と呼ばれる)が存在する。森林は少なく、急流となった小規模な河川が多い。森林地帯は国土の15%で、可耕地は17%、牧草地は30%、乾燥不毛地は18%を占めている。

隣国のトルコイラン同様、地震が多い。1988年に発生したアルメニア地震では2万5,000人もの死者を出した。

鉱物資源に富み、鉄鉱石、ボーキサイト、亜鉛モリブデンが産出する。また、南部のシェニーク地方ではウラニウム鉱床も確認されている。石灰岩は全国に分布する。

気候

気候の特徴としては、日照時間が多いことが挙げられている。アララト盆地(首都エレバン)では年間2,711時間で、40℃を超える時もある。ケッペンの気候区分によると、低地はステップ気候(BS)、高地は亜寒帯湿潤気候(Df)である。低地は雨が少なく、高地は多い。高地特有の大陸性乾燥気候で、四季がある。年平均降水量は地域によって差があるが200 - 900ミリである。

首都エレバンの平均気温は11.4℃、年降水量は318ミリ。1月の平均気温は氷点下5.5℃、8月は25.5℃である。しかしながら高地に位置すること、冬季に前線が停滞することなどから天候は変化に富んでおり、エレバンに限定しても氷点下25℃から40℃まで気温が変化する。

主な都市

  • エレバン - アルメニアの首都であり、世界最古の都市のひとつでもある。北緯40度10分、東経44度31分に位置する。人口約106万人(2004年)。
  • クマイリ - 第2の都市で、人口は21万人。
  • ヴァナゾール - 人口17万人の第3の都市。

経済

IMFの統計によると、2013年のアルメニアのGDPは104億ドルである。1人あたりのGDPは3,173ドルで、南コーカサス3国の中ではもっとも低く、世界平均の約30%の水準に留まっている[2]

主要産業は、農業、工業、宝飾品加工業。都市人口率が65%と高く、農林水産業従事者は国民の8%に過ぎない。農業では綿、ぶどう、野菜の栽培が盛ん。穀物としては小麦と大麦を産する。

アルメニアは新生代、中生代の造山帯の中央に位置し、国内に多数の火山性塊状硫化物鉱床が点在する。このため、規模は小さいものの貴金属を産する。鉱物資源は金(2003年時点の採掘量は1.8トン)、銀(同4トン)、銅(同1.8万トン)である。

アルメニアはエネルギー資源を産出せず、地域紛争で近隣諸国から孤立していることから、国内電力需要の40%以上を老朽化したメツァモール原子力発電所に頼っている。メツァモール原子力発電所は1988年のアルメニア地震のあと、独立後の1995年まで6年半にわたって閉鎖されたが、その間、国内は深刻な電力不足に陥った。メツァモール原子力発電所で使用されているロシア型加圧水型原子炉440は格納容器を持たず、また既に設計寿命を終えているため、2012年から2016年完成をめどにロシア型加圧水型原子炉1000が建設される予定である。




  1. ^ アルメニア基礎データ=外務省” (英語) (2014年10月). 2019年2月16日閲覧。
  2. ^ a b c d e World Economic Outlook Database, October 2014” (英語). IMF (2014年10月). 2014年11月9日閲覧。
  3. ^ Central Intelligence Agency (2014). The CIA World Factbook 2015. Skyhorse Publishing. p. 5241. ISBN 978-1-62914-903-5. https://books.google.com/books?id=xutfBgAAQBAJ&pg=PT5241 
  4. ^ The UN classification of world regions Archived 25 June 2002 at the Wayback Machine. places Armenia in Western Asia; the CIA World Factbook Armenia”. The World Factbook. CIA. 2010年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年9月2日閲覧。 Armenia”. National Geographic. 2007年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月16日閲覧。, . , (Italian) Calendario Atlante De Agostini (111 ed.). Novara: Istituto Geografico De Agostini. (2015). p. sub voce. ISBN 9788851124908  and Oxford Reference Online Oxford Reference. Oxford Reference Online. (2004). doi:10.1093/acref/9780199546091.001.0001. ISBN 9780199546091. https://archive.org/details/worldencyclopedi00oxfo.  also place Armenia in Asia.
  5. ^ The Oxford Encyclopedia of Economic History. Oxford University Press. (2003). p. 156. ISBN 978-0-19-510507-0. https://archive.org/details/oxfordencycloped0000unse/page/156 
  6. ^ (Garsoïan, Nina (1997). R.G. Hovannisian. ed. Armenian People from Ancient to Modern Times. 1. Palgrave Macmillan. p. 81 )
  7. ^ Stringer, Martin D. (2005). A Sociological History of Christian Worship. Cambridge: Cambridge University Press. p. 92. ISBN 978-0-521-81955-8. https://archive.org/details/sociologicalhist00stri 
  8. ^ Smaller nations that have claimed a prior official adoption of Christianity include Osroene, the Silures, and San Marino. See Timeline of official adoptions of Christianity.
  9. ^ Grousset, René (1947). Histoire de l'Arménie (1984 ed.). Payot. p. 122 . Estimated dates vary from 284 to 314. Garsoïan (op.cit. p. 82), following the research of Ananian, favours the latter.
  10. ^ “アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフ地域めぐる停戦で合意”. CNN.co.jp. CNN. (2020年11月10日). https://www.cnn.co.jp/world/35162198.html 2020年11月17日閲覧。 
  11. ^ Human Development Report”. United Nations Development Programme (UNDP) (2019年). 2020年7月27日閲覧。
  12. ^ The republic has separation of church and state
  13. ^ 伝説ではこのハイ族の族長アルメナケが一族を率い、自らをと名乗り、一族をアルメニア族と名乗った事が、アルメニアの起源とされている
  14. ^ 造山運動に伴う火山活動でできた石が豊富であり、石の国=カラスタンとも呼ばれる(中島偉晴、メラニア・バグダサリアン編著 『アルメニアを知るための65章』 明石書店 2009年 20ページ)
  15. ^ Armenica.org:Chronology
  16. ^ そのため、エルサレム聖墳墓教会の塗油台の壷は特別に2個おく事が認められている。他は、ローマコンスタンティノポリスアレクサンドリアアンティオキア、エルサレムの五大総主教座(ローマはカトリック教会、残りは東方正教会)、及び、コプト教会のアレクサンドリア総主教座が各1個。合計8個
  17. ^ その中の一部は11世紀にトルコ南東部のキリキアに移住しキリキア・アルメニア王国を建国、14世紀末まで独立を保った
  18. ^ 9月21日、「アルメニアの独立」は、国民投票で承認された。
  19. ^ 吉村貴之「アルメニア / 『第二共和国』の政治 - 安定か停滞か」『アジ研ワールド・トレンド』第8巻第4号(通巻第79号)、アジア経済研究所広報部、2002年4月、 30頁、 ISSN 13413406NAID 40005089033
  20. ^ アルメニア選挙、改革派が圧勝 対ロ関係維持が焦点”. 2019年3月19日閲覧。
  21. ^ アルメニア基礎データ”. 2019年2月16日閲覧。
  22. ^ Anaïs Coignac (2014年1月28日). “男だけが消えた 旧ソ連の小さな国”. ニューズウィーク. http://www.newsweekjapan.jp/picture/126657.php 2014年7月31日閲覧。 
  23. ^ メラニア・バグダサリヤン「教育問題」/ 中島偉晴、メラニア・バグダサリアン編著 『アルメニアを知るための65章』 明石書店 2009年
  24. ^ 中島偉晴、メラニア・バグダサリアン編著 『アルメニアを知るための65章』 明石書店 2009年 20–21ページ
  25. ^ 家屋などの倒壊により約2万5千人が死亡、被災地支援に向かった軍用輸送機Ил-76が墜落、兵士69人を含む78名全員死亡。





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