荒岩家
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「クッキングパパの登場人物」の記事における「荒岩家」の解説
福岡県福岡市東区花椎(実在の地名は香椎。テレビアニメ版では福岡市中央区桜坂3丁目。テレビドラマ版では周辺にヤフードームや福岡タワーが見える海沿いであった)に住む一家。長男は大学進学に伴い沖縄県在住後、就職に伴い大阪市在住。作品開始当初はアパート住まいだったが、第27巻COOK.268で2軒隣の一軒家に引っ越した。132巻で一軒家を新築することになった。立花山の近くの、一味の父親が気に入った場所である。愛車は三菱・デリカスターワゴン→日産・セレナ。また連載初期で、日産・ダットサンバネットコーチを借りている。他にも一味の通勤用として原付のスクーターもある(ホンダ・イブスマイル→ホンダ・リード→まことからプレゼントされたヤマハ・VOX)。 荒岩一味 - あらいわ かずみ(声:玄田哲章〈少年時代:山口勝平〉 演:山口智充) 本作の主人公。 連載開始時から登場。初登場時31歳で130巻現在40代中盤。金丸産業営業二課課長(第96巻COOK.924以降)。 プロ級の料理の腕を持つサラリーマン。ありとあらゆるジャンル・国籍の料理(菓子や酒・飲み物も含めた)に対し、深い知識とそれを作る腕前を持ち、人々に様々な料理を振る舞う。時にレシピを教えたり、料理作成を陰ながら手助けしたりもする。 作るだけでなく食べる方も大好きで、かなりの大食漢。味に対してもこだわりを持つが、それは初めて食べる料理を自身で再現するために分析しつつ味わうという感じ。他人に料理を振る舞われた時は、批評を求められた時以外はほぼ「うむ! うまい!」と笑顔で食べ、批判や文句を口にすることは全くない。3人の家族と美味しいものを食べた時の人々の笑顔を何より愛する。プロの料理人を目指さなかったのも、虹子の笑顔を見るのが好きだったと語っている。 また虹子ほどではないが酒豪である。二日酔いになることはたまにあるが、酒乱になることは全くない。 第130巻現在における家族構成は、妻・虹子、長男・まこと、長女・みゆきの3名。また、ペットとして雑種犬のベイを飼っている。親族としては母・カツ代と義父・吉岡夫婦、7歳違いの妹・味知と義弟・根子田夫婦、その息子で甥の空吾と洋平がいる。他に久留米に祖父と祖母、味知夫婦の結婚式の回で北九州に従姉がいた事が語られている。 通称は「岩ちゃん」、虹子は「あなた」あるいは「かずさん(主に結婚前の回想シーンと結婚20周年のイタリア旅行の回)」、まこと・みゆきは「とうちゃん」、部下は「主任」→「係長」→「課長」(部下の一部とその家族(夢子、ユミなど)はさん付け)と役職名で呼ぶ。 一人称は普段は「オレ」、改まった席では「私」だが、初期はごくまれに「僕」であったことがある。 基本的に標準語で話す事が多いが、ドラマ版では博多弁を用いていた。99巻など中学時代や味知の幼少時のエピソードには博多弁で話す描写がある。 身長180cm、体重80kg(第1巻COOK.7時点)の堂々たる巨体の持ち主。体格相応に力が強く、町内会の相撲大会ではピンチヒッターながら大将を務めたり、社内の野球大会では特大のホームランを放ったりと、スポーツ方面でもそれを活かして活躍するが、反面走るのが非常に遅い。この一面はまことにも受け継がれており、小学校の徒競走の際、虹子に「まこと遅いもんね、誰かに似て…」と評されている。 トレードマークはカツ代譲りの巨大でしゃくれた下アゴ。それと併せて全体的な顔の印象は非常にいかつく、ヤクザすら一瞬怯ませるほど。幼い子供をあやそうとうっかり顔を近づけると火がついたように大泣きする描写もあり、本人も田中の長男・元輝が生まれて間もなく田中宅を訪れた際、自身の顔を見て怖がらない元輝を見て「普通、1歳位の子供は俺の顔見ると泣きだすんだがなあ」と夢子に語っている。田中の次男・結輝は特に、一味を怖がる素振りはないが、第117巻で大阪出張中の田中の代わりに一味が節分の鬼に扮した場面ではその容姿に大泣きする場面がある。 性格は至って真面目、几帳面、かつ厳格。面倒見がよくお人好しな人情家でもあり、人望は厚く友人も多い。 仕事には厳しく、職場ではしょっちゅう自社ビルが震えるほどに怒鳴りもするが、日常生活においては至って温和であり、家族に対して本気で怒ったり、手を上げたりしたことはほぼ皆無。作中で確認できる唯一の例外は、自分との約束を破って一人で海釣りに行ったまことの頭を拳で軽く小突いたこと(第39巻COOK.392)。アニメ版では声を荒らげて叱り、尻を叩いている。しかしその際も怒りっ放しではなく、その直後に彼の釣り上げたチヌを指して、「このチヌは立派だ。でかしたぞ!」と、きちんとフォローをしている。怒鳴りの対象である田中に対しても、後で家に食事に招いたり、釣りに連れ出したりなどで労いや励ましを送る良き上司である。 会議の席上では堂々たる姿勢で臨むが、仕事が絡まない場面(結婚式のスピーチなど)で人前に立つのを苦手とするなど、基本的には目立つことを嫌うはにかみ屋である。また、気まずくなるとわざとらしく咳払いして誤魔化す癖がある。アニメ版ではカツ代に「晴がましい席で人前に立つと金縛りにあったかのように何も言えなくなってしまう」とまで言われ、小学、高校時代にそれで失敗した経験が語られた。当初は会社の人間には自分が料理をすることをひた隠しにし、料理を用意する度に「○○(別の人物)が作った」「買ってきた」「たまたま出来た」などと咳払いしながら誤魔化す事が定番となっていた。外部の人間にも隠せる時は隠す事が多かった。これに関しては、作者が自ら語っているように、作品発表当時の御時世の「なぜ男が料理するのか?」という雰囲気を反映している。 しかし物語が進むにつれて徐々に周囲に発覚していき、けいこに迫られた際に虹子の後押しを受けてようやく公開を了承。その後の係長昇進を契機に周知され、昇進祝いパーティーでは一味が振る舞ってきた料理を皆がそれぞれ作って持ち寄る形で、それまでの感謝の気持ちを受けた(第51巻COOK.504)。 料理を始めたきっかけは、6歳で父を亡くし多忙な母に代わって学業の合間に味知の面倒を見る日々を送っていた小学6年生の時、出来合いの総菜を嫌って泣く味知を慰めるため、思いつきで余った食材を使い適当に具沢山の卵焼きをこしらえた事から(第4巻COOK.37)。この時の彼女の笑顔に触発され、以降毎日のように台所に立つうち、次第に料理にのめり込み腕を日々磨いていった。それが実を結び、博多大学(福岡大学がモデル)に進学する頃には既にプロ級の腕を持つに至り、あちこちで腕を振るった結果、それが現在まで語られる同校の「伝説」と化した。 妻・虹子とは大学在学中、当時新聞部副部長であった酒本に頼まれて出席した、博多女子大新聞部との会合で出会った(第43巻COOK.431)。たまたまその時、博多女子大側の料理当番をしていた彼女に代わってカレーを作り、会合終了後に酔い潰れた彼女を部屋まで送り届けたのが縁で交際を始め、金丸産業入社後初の給料日にプロポーズし(第47巻COOK.467)、そのまま結婚。後にまこと・みゆきの二児を授かった(第21巻COOK.204)。 主任となって部下を率い仕事と家事に没頭する日々を送り、連載中に主任から係長に(第51巻COOK.504)、さらに営業二課課長に(第96巻)昇進している。 極度の高所恐怖症、飛行機恐怖症という弱点を持ち、遠方への出張の際はわざわざ朝早くの電車や新幹線を利用してまで、飛行機に乗るのを避けようとする(第1巻COOK.9)。またIT機器の扱いも非常に苦手で、携帯電話もつい最近まではメールすら打てなかったが、みゆきのために必死に習得(第84巻参照)し、みゆきからの初メールを大事にしている模様。現在は携帯どころかスマートフォンを持ち、パソコンすら自在に使いこなせるまでになっている。他にカラオケも苦手(初挑戦はみゆきに習った『となりのトトロ』主題歌)で、ファミコンを始めとするコンピュータゲームの類も、頭から否定するほどではないがあまり好きではないらしい(第4巻COOK.40)。 趣味は料理を始めとする家事全般、釣り、ギター、水泳。ギターは中学の時に、隣に住んでいたノブさんから古いギターを譲り受けて始めた(第34巻参照)。水泳は中学1年の時に自力で覚え、クラスマッチで優勝した経験もある。まことが水泳を始めてからは、毎年夏の終わりに親子で競争している(劇中話)。まことが小学生のころは一味のほうが速かったが、まことが中学1年生の時に初めて敗北し、息子の成長を喜んだ。 好物は初期(第20巻前後)だとキノコ類で、手製の弁当には必ず入れるほど。けいこほどではないが、タケノコも春が感じられるので好きらしい。嫌いな食べ物・苦手な食べ物のある描写は今のところ見られない。 母のカツ代共々、この手の料理人キャラとしては珍しい喫煙者であるが、日常的に吸っているヘビースモーカーではなく、現在では、あくまで稀に思い出したように時々嗜む程度の喫煙しかしていない。 モデルは前作「大字・字・ばさら駐在所」の登場人物である「源さん」で、実在の人物である。しかし、「大字・字・ばさら駐在所」第3巻巻末に掲載された実在の本人の写真を見る限りトレードマークの顎はしゃくれておらず、作者独自の脚色であることがわかる。 一味の変装 大学時代からの友人であるテレビ局のディレクター・酒本康喜に担当番組への出演と番組内での調理を頼まれることがある。料理をしている事自体基本的に隠しているのと元々はにかみ屋なので自分自身が正体をテレビで暴露されるのを嫌ったからだとはいえ、毎度毎度わけのわからない変装をさせられるため、彼自身はこの「出演依頼」を大変迷惑がっているが、酒本に拝み倒され、周りの人間(主に虹子)にのせられた挙句、結局無理やり出演させられている。酒本が押しかけて来ただけでテレビ出演だと分かるようにもなってしまった。 変装の内容及び登場巻・話数は以下の通り。デーモン岩(第3巻COOK.27、第10巻COOK.98、第110巻COOK.1069) 架空のロックシンガー。番組内での紹介に曰く、「博多のロックシンガー、料理の腕はプロ級」。 派手なヘアスタイルに革ジャン、サングラスと、普段の一味からは想像不可能なロッカー・スタイルに身を固めている。アニメ版では髪にメッシュまで入れられており、より一層派手な姿になっている。 担当する番組に出演予定の料理研究家に出演を急にキャンセルされ困り果てた酒本が、代役として呼び出した一味を部下のスタイリストに頼んで「本人とわからないようハデに」変装させた結果、誕生した姿。 あまりに意表を突いた変装内容であるためかこの変装の成功率はかなり高く、同僚や部下だけでなく初見では実の息子のまことですら見抜けなかった。田中に至っては、本人に面と向かって「まるでアホ」「主任をうんとガラ悪くした感じ」と酷評したほどであったが、虹子と夢子の両名にだけはさすがに一目で見破られていた。また、135巻では深夜に再放送されていたようで、頓田課長にもビデオを何度も見られて見破られた。アニメでは料理をしている事を隠していた時期ではあるが、まこととみゆきの他、東山常務にも見破られており、田中にも一時は怪しまれたほどである。また、みつぐがファンになっている。 自身は、第10巻COOK.98の時点でこの変装について「だんだん気に入ってきた」と述べていたが、第26巻COOK.255では「あのカッコウはもうごめんだぜ」と述べていることから、前記の台詞は彼なりの冗談であろうと推測される。 現在は会社の社員にはほぼ周知されている。その後、素顔でMHK「きょうのお料理」に出演することになり、司会の後藤田(後藤繁栄がモデル)と料理をしている。稀にテレビ関係なくデーモンに変装するシーンも近年では見られ、更には、上記のようにかつては容姿を酷評した田中が、暴走気味なノリを見せる場面もありながら「デーモンブラザーズ」と称して共演することもある。 コロッケ大王(第26巻COOK.255) 架空の人物。番組内での紹介に曰く「正体不明、おいしいコロッケあるところどこにでも現れる」 アラビア風の衣装に爪先の反り返った靴、顎ヒゲを蓄え頭にはターバンを巻き、だめおしとして額にコロッケのマークを貼り付けるという、極めてうさんくさい姿をしている。 花椎商店街にあるコロッケ専門店「久保商店」を紹介する番組を制作するため、その一環として一味の出演を決めた酒本が彼の配役として考案した姿。 一味は番組の台本を読んでこの変装の内容を知りデーモン岩以上の拒否反応を示したが、例によって周りに押し切られ、結局これを承諾した。 収録日は会社の勤務日であり、やむなく社の昼休みに出演した一味は、変装の付けヒゲを付けたままの姿で社に戻ってしまい、田中を始め部下・同僚にそのことで散々笑われる羽目になった。 荒岩虹子 - あらいわ にじこ(声:勝生真沙子 演:富田靖子) 一味の妻。旧姓は不明。連載開始時から登場。 第130巻現在、年齢は40代中盤。ニチフク新聞文化部副部長(第129巻COOK.1259以降)。 メガネを外すとほとんど何も見えないほどの極度の近視(本人曰く「両目とも0.01」)で、小学校高学年の頃から度の強い眼鏡をかけている(第4巻COOK.38においてメガネを壊してしまった際は、そのために会社で大騒動を巻き起こしている)。連載開始当初は瓶底メガネで瞳はメガネを外した時以外は見えなかったが、上述の壊した回から徐々にメガネ越しでも瞳が描かれるようになりにメガネ越しに瞳が描かれるようになった。メガネを外すと美人で、田中が一瞬一味の妻である事を忘れて惚れており(第9巻COOK.83)、アニメではメガネが壊れて裸眼で数日過ごした際には周囲の話題になったほどである。40を超えてからは自分の胸を差して「ぺったんこだから…」と呟き嘆くシーンもあるが、実際にはそんなこともなく、プロポーションはかなり良い。 大学時代はポニーテールであったが、結婚後しばらくしてひっつめ髪へと髪型を変えた。 学生時代卒業旅行に行ったあと、感動のあまり一味相手に語りつくした挙句声が出なくなり、耳鼻咽喉科に行って(医者の診断は「しゃべりすぎですね」だった)しばらく筆談で生活したこともあった。 ファッションについては家庭内ではそれなりにバリエーションがあるのだが、通勤・就業時はスーツの上下にチェックのブラウスというスタイルのみで通している。 運転免許は所有しているが普段は全く運転せず、仕事でも家庭でも他人任せであるが、いわゆるペーパードライバーではなく、まことの運転免許教習中の駐車練習のため、20年ぶりに会社の駐車場まで自家用車を運転し、駐車の際の模範運転を彼に見せていた。 4、5歳の頃に熊本県の山中の祖父母に預けられ野性的な生活を送っており、男性記者も怯むような辺境・秘境でも平気で取材に赴く行動力を持つ。また知的好奇心に富み、何にでも関心を持ち文化・芸術全般に造詣が深く、常にプロの記者としての目を持って物事を見る。正しく新聞記者の鑑のような人物であり、深井文化部長を始め、同僚・部下の信頼も厚いバリバリのキャリアウーマンである。 その反面、家事は何をやらせても一切だめで、そのひどさたるや両親には完全にサジを投げられ、カツ代には「気持ちいいくらい何ひとつできんね」と大笑いされる(第103巻COOK.998)ほどであった。しかし一味が自分が料理をする事を隠していた頃は、一味の料理の数々は虹子が作ったという事になっていた為(あるいは周囲が勝手にそう思い込む為)、周囲の人間には料理の達人と思われていた。本人も多少焦りつつもそれを受け入れていたが、アニメ版ではあまりにも平然と嘘を吐く一味に困惑の表情を見せるシーンもあった。料理以外の家事も当初は全て一味に任せきりだったが、みゆきを授かった頃からは徐々にそれが改善され、現在ではごく普通に家事をこなせるまでになっている。ただそれ以前から、苦手ながらも料理に関してはちょっとした思い付きや偶然などで、美味しいものを作り上げることがたまにあり、その際のセンスのよさは一味にも感心されている。また、料理の腕前の酷さは、一味と知り合うきっかけにもなった学生時代のエピソードでも描かれ、カレー調理を任された時にジャガイモの皮を剥かずそのままカットし、友人たちから呆れられ、偶然居合わせた一味が隠し味を用いるなどして作り直したが、その際も、一味はあくまでも虹子が作ったもののように、参加者に振る舞っていた。 夫と子供以外の親族は両親が健在。上述の祖父母は祖母が早くに亡くなり、祖父も127巻COOK.1235で死去。 夫と子供たちへの愛情は誰にも負けず、明るい性格から誰からも愛されている。連載当初は一味から電話が来ると、その直前までキビキビ仕事をしていても急に甘ったるい雰囲気になって周囲をズッコケさせ、会話後は受話器に何度もキスをしていた(一味の方は、電話口で半ば呆れていた)。 煙草は吸わないが無類の酒好きであり異常に強い。田中とサシで酒を飲みまくった際、彼女だけがまだまだ飲めるような顔をしており、酔い潰れ気味の田中に対して「意外に弱いのね」と述べ、一味に「お前が強いの」と突っ込まれるほどの作中きっての大酒豪である。初期は泥酔して帰宅することも多かったがその後改善。妊娠すると逆に酒の匂いで気分が悪くなり、作中で一味はそれでみゆきの妊娠を知った(まことの時も同様のことがあったため)。 趣味に関して作中では特に語られてはいないが、子供の頃からスポーツ万能。特にテニスは、高校時代はテニス部キャプテンも務めた腕の持ち主であり、長いブランクにも拘らず未だにその腕は衰えておらず、金丸産業のテニス大会ではそれを活かして大活躍した(第29巻COOK.285)。釣りも一味やまこと同様に好きなようで、取材で男女群島へ出かけた際にはイシダイを釣り上げている(第1巻COOK.5)。 好物は松茸とウニ。一味の料理を食べることが何よりも楽しみである(一味がヨーロッパ出張で長期不在になったり、みゆき出産のために入院する際には、彼の料理がしばらく食べられないのが残念、と嘆いていた)。 好き嫌いは全くと言って良いほどないが、唯一レバーだけは苦手。みゆきを身ごもっている際に、においに敏感になる時期であるだけに余計に苦手になってしまったが、一味がバーで出た料理を再現した「レバーのパテ」によって克服した(第18巻COOK.173)。また乳糖不耐症で、牛乳はプリンなどに調理しないと摂れない。 明るいムードメーカーのように描かれていることが多いが、少し生真面目すぎて悩むときはとことん悩み(特に記者として、社会人として今の日本文化や世相を憂う時が多い)、他のことに手がつかなくなる(上の空になる)のが珠に瑕。産後うつの経験もあり、幼少時のまことを2階から突き落とそうとした心情に陥ったこともある(第54巻COOK.532)。 荒岩まこと(荒岩誠) - あらいわ まこと(声:高山みなみ 演:花岡拓未) 一味と虹子の長男。4月25日生まれのB型。 1巻では「荒岩誠」表記であるが、その後は「荒岩まこと」表記。運転免許証では「荒岩まこと」である。作者が欄外に書くコメント、表紙裏の作者のコメントの文章でも「まこと」である。 連載開始当初は小学2年生だったが、両親の愛情を受けてまっすぐに成長。「勉強したい学科がある」と沖縄県の琉国大学に進学し、第140巻で卒業。専攻学科は最後まで明かされなかった。大学卒業後は大阪市の農人橋交差点近くにある大規模ビルに入るイベント会社「花浪企画」に就職。しかし、さなえとのデートで訪れた京都市のイタリア料理店「イル ゴットーネ」の料理に衝撃を受け、オーナーシェフの笹山に直談判。花浪企画を退職し、厨房に入る事を目標にホールスタッフとして就職する(COOK.1501)。アニメ版では最後まで小学生のままである(アニメ終盤のエピソードでは原作では中学生になっているものもある)。 一人称は幼少期は常に「ボク」であったが、中学3年くらいから「オレ」が大部分である。 言葉遣いは標準語で、話し方もおとなしい方だが、一味に向かって「○○にしような」や「だぜ!」など、たまに生意気とも取れる物言いをすることもある。九州弁はほとんど使わないが、東京に行ってさなえと会うとつい出てしまう。沖縄方言が出ることもある。 料理上手で何事にも頼りになる父・一味を尊敬しており、小学生の頃から一味と共に台所に立つことも多かった。元々の料理センスも悪くない上に持ち前の器用さで上達も早く、現在ではかなりの腕前である。それでも父の料理を憧れ・目標と考えているようで、「とうちゃんの料理にはかなわない」「やっぱりとうちゃんの料理は最高だ」等、度々口にしている(第55巻COOK.543の一味とのタコ料理勝負では勝ったが、あくまで最初からまこと贔屓であったみゆきの判定であり、まこと本人は内心では父の方が上だと思っていた)。 大学生活時代は寮に住んでいて、先輩達から料理番を任されていた。またひょんなことから沖縄の居酒屋「まかい」で調理担当のアルバイトとして雇われ、日々腕を振るっていた。就職後の家は大阪市の難波の千日前道具屋筋商店街で中華鍋など生活用品一式を大量に購入して持って帰れるところにあるワンルームマンションで一人暮らし、家の近くにスーパー玉出がある。 性格は真面目、積極的で、人見知りもせず常に前向きで明るい。他人には親切で、世話好き。年の離れた妹・みゆきとは非常に仲が良く、風呂に入れたり、食事やおやつを作ったりと、共働きの両親に代わってよく面倒を見ている。一緒にサイクリングに出かけたり、ゲームで対戦したりと、2人で遊ぶ事も多い。また親思いであり、就職してから母の日に難波の髙島屋でプレゼントを買って贈ったり、父の日にはわざわざ福岡に帰ってオムレツを作っている。 アニメではまこと視点の展開も多く、子供の視点から物語を追うもう一人の主人公のような位置付けとなっており、ナレーションや次回予告も担当している。当初は純真な子供として描かれていたが、みゆきが誕生してからは兄としての自覚が芽生えた為か精神的な成長が見られ、みつぐや田中の奇行に手厳しいツッコミを入れる場面も見受けられるようにあった(声のトーンも放送が続くにつれて若干低くなっている)。また、田中を「田中兄ちゃん」と呼んで原作以上に慕っており、田中が味知と結婚すると思いこんだり、自分のアパートの二階に引っ越して来ると聞いた時には大喜びしていたほどで、田中が手痛い失恋をした際には相手側の女性を批難する事もあった。 学業成績はごく普通。一味似のがっちり型の体格のため力は強いが、父親と同じく足は遅い。背丈は母・虹子を追い抜いた。大学生のまことが描かれたイラストでは背丈は一味とそう変わらない。一味が沖縄に行ったときには、まことのTシャツの大きさが合っていた。 顔立ちが整った好青年である上に性格的にも女心を擽るためか、本人が全く意識せずとも惚れられてしまう非常にモテるタイプであり、現在の彼女であるさなえは勿論、あゆみやえつ子にもかなり熱烈な想いを寄せられている。初対面の女性にも好印象を持たれることが多く、虹子とのデート(117巻COOK.1139)前の待ち合わせ時で女性から誘われ(所謂逆ナンパ)たり、その直後に向かった先のカフェの女性店長にも褒められて店員の目がハートになっており、違う店で偶然鉢合わせした末田にも「イケメン」と言われている。 スポーツ方面では一味の影響からか水泳が得意で、水泳教室にも小学校から通い、中学・高校でも水泳部に入っていた。中学3年で県大会に進出し、5位という成績を残した。また、それでは別に、中学生まで少年サッカーチーム(ポジションはフォワード)と子供会の相撲に参加していた。 趣味は料理、釣り、ギター。 本人は基本的に一途であり、小学3年の頃から学校のマドンナ・吉永さなえと互いに好きあって、現在も継続中(さなえが初恋であるため失恋を知らず、本人もそれを認めている)。高校生の時に大濠公園でキスをしようとしてさなえに拒絶され、ケンカ状態になるものの、みつぐやえつ子の助言で仲直りしている(第92巻参照)。大学入学後にはさなえとキスをしているような描写が見られるため、仲は順調に進展しているようである。えつ子からも好かれており、中学3年時に告白されたが、その時点でえつ子はまことを諦めていた。しかし海水浴に行った際、えつ子がナンパされそうになったとき「オレの連れなんで」といって男を追っ払ったまことにときめいてしまう描写があり、えつ子側はまだ恋慕を割り切ることができていない。 好物はエビフライ、肉団子、ピカタ、辛子明太子、ハム、チーズ。父・一味と同様に好き嫌いはないようで、何でもよく食べる(本人曰く「とうちゃんの料理がおいしいから」とのこと)。また酒は結構強いほうで、よく飲酒する。 一味の教育の影響か、他人に比べて流行りものには晩生。携帯電話を初めて入手したのは第92巻時点と、同級生のみつぐ・ヒロユキ・オサムなどに比べて非常に遅かった。自宅にゲーム機があるのを確認出来るのも中学時代に自分のお年玉で買った時(第48巻COOK.470)が最初である。 愛車は沖縄で購入したヤマハ・ジョグアプリオ→カツ代・吉岡に買ってもらったホンダ・モンキー。 荒岩みゆき - あらいわ みゆき(声:高山みなみ 演:櫻井詩月) 一味と虹子の長女。美しい雪の日に生まれたことから命名された。 第17巻で虹子の妊娠が判明、しかし高齢出産であることから帝王切開による出産で誕生した(第21巻COOK.204)。第140巻現在は中学1年生で、小学6年生のとき他の女の子に比べ遅かったが初潮を迎えた(第114巻COOK.1102)。 母に似て賑やかでワイルドな性格。感動すると「うきゃー」と叫ぶ(虹子も若いころは叫んでいた)。テレビゲームや女の子向けの遊びは好まず、ヒーローもののテレビ番組や相撲を好むという、多分にボーイッシュな部分がある。しかし女の子としての魅力がないわけではなく、作中何人かの男の子に異性として意識され、想いを寄せられていることが伺えるシーンがある。 鈍足な父や兄とは違って俊足を誇り、ソフトボール大会に出場した際は、それを活かして大活躍した。またウインタースポーツは商店街の面々やまことと一緒にスキーに行っていたこともあり得意。スノーボードも得意である。第140巻では中学生になり、バドミントン部と美術部に入部する。 基本的にズボンを着用し、保育園の卒園式(第63巻COOK.613)や小学校の入学式(第63巻COOK.615)、音楽祭(第107巻COOK.1034)などを除いてスカートをはいたことがない。髪型はショートカットで、男の子に間違われたこともある(第75巻COOK.730)。 兄のまこととは10歳もの年齢差があるが、兄妹仲はとても良い。ほとんど標準語の兄と違いところどころに九州弁がみられる。 わらび保育園に生後半年のころから預けられ6歳まで通った。保育園の頃は泥遊びと絵が大好きで、特に人の顔を描いてプレゼントすることを喜びとしていた。小学校の授業では、図工のスケッチが終わらず夢中でスケッチを続けて、次の国語に授業に突入したこと(第64巻COOK.626)や道草をして給食の時間に学校へ到着した(第72巻COOK.707)ことなどがある。 アニメ版では最後まで無邪気な赤子、幼児として描かれている。赤子らしい無邪気さと純真無垢さがほとんどのエピソードでクローズアップされており、場を和ませたり登場人物の心を解きほぐす事が多く、主役のエピソードも多数描かれたりと、家族の温かさを象徴する存在としての役割が強調されていた。また、髪型は原作と違ってタマネギのように逆立つ形になっており、ボーイッシュさはほぼ無くスカートを日常的に履くなど、原作とは外見、キャラクター性共に大きく変更されている。 好物はタマネギで、牛丼では牛肉よりもこちらを好んで食べるほど(第36巻COOK.359)。母・虹子と同じくレバーが苦手で、一味の「レバーのパテ」すら敬遠してしまったが、田中と花田の考案した「トリレバーグ」だけは喜んで食べていた(第42巻COOK.420)。また、田中がハロウィンのパーティで使ったカボチャのマスクで脅かしたため、一時期カボチャが食べられなかった(第65巻COOK.636)。 また一味やまこととは違い、料理は虹子譲りなのかあまり上手くはないことが多かった(一部例外もあり、「白身魚のシャカシャカ焼き」などは皆に好評だった)が、独創的な発想から料理を作る事が多い。95巻ではもんじゃ焼きに缶コーヒーや甘栗、ゴーヤ、洋ナシ、無花果、アロエジャムなどを混ぜたりもしたが、96巻では大学入試を控えたまことに「キンカングミ」を作り、最近では魚料理やまことの得意だったという大根の入ったカレーを作るなど(第135巻)腕前は上達している。138巻では、腰を痛めたカツ代に代わり、アドバイスを受けながら、ゆべしを作っている。 ベイ(声:冬馬由美) 荒岩家の忠実な飼い犬。小型の雑種だが賢い。第30巻COOK.294で初登場。 田中がベイサイドプレイス博多埠頭で見つけてきたことから名づけた。当初は肉まんをくれた田中に付きまとっていたのだが、アパート暮らしの田中は飼えず、いくら追い払っても離れなかった為にやむを得ず蹴とばした(アニメでは犬の真似をして吠えて追い払った)ことで田中と離れた。直後に一味が「家族で犬を飼おう」と考えている事を知った田中は、この犬を荒岩家で飼ってもらうおうと探すも見つからず途方に暮れていたが、たまたままことが自宅に連れて帰っていた為、そのまま荒岩家の一員となった。田中も一応飼い主ということになっている。 アニメでは田中に追い払われた後は、まことが連れ帰るまでもなく自ら荒岩家にやってきた。原作と違ってこの時点では荒岩家はまだアパートに住んでいた為に飼えず、吉岡家に引き取られる形となった。一応、荒岩家が一軒家に引っ越す際には引き取る事になっていたが、次第に吉岡も愛着が湧き、いつしか吉岡家の一員として定着していた。しかし平屋への引越しの時にみゆきが前のアパートに帰りたがってぐずるのを見兼ねた吉岡が譲り、改めて荒岩家で飼われることになる。
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