用語・舞台
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「バイオハザード: ヴェンデッタ」の記事における「用語・舞台」の解説
A-ウィルス(Animality-Virus) アリアスがロス・イルミナドス教団残党の協力を経て作り上げたウイルス。プラーガに似た遺伝子構造を持ち、感染者(ゾンビ)は敵味方の区別ができる他、ラジコンを操作したり、表情を変化させるなど若干知能も残されている。「Animality」とは「獣性・動物性」という意味。 発症メカニズムを複数種のウイルスに分割しているのが特徴で、単体では発症しないメインのウイルスに活性機能を有するトリガーが組み合わさる事でゾンビ化を引き起こし、ワクチンの接種で発症を抑制する。ワクチンは発症の抑制だけでなく、感染者の攻撃対象から外させる敵味方識別装置としても機能する。 t-ウィルス等とは違い肉体的な損傷は少なく、更に完全発症した後でもワクチンを投与すれば治療する事が出来る。 強化型A-ウィルス アリアスがA-ウィルスにレベッカの研究データと試作ワクチンを投与したレベッカの血液を元に強化したA-ウィルス。臨床実験を兼ねてレベッカに投与されたが発症する前にアリアスが隠し持っていたワクチンを投与(吸引)したため効果は不明。毒性が強まった為に注射で投与しなければならないという欠点を持つ。 試作型ワクチン レベッカがアメリカ国内で頻発して起こっていたゾンビ事件の原因に対して作成した試作のワクチン。作成直後にマリアによって換気口を利用したバイオテロが起こりレベッカも感染したため自らに投与、事なきを得る。終盤において、レベッカがクリスらに託した彼女の血液からさらに精製されたワクチンが、ニューヨークのバイオテロ対応に向かうクリス、レオン、シルバーダガーらに投与されている。いずれもA-ウィルスの発症を抑える効果はあるものの、敵味方識別装置としての効果は持たない為、アリアスには不完全と評されている。 BSAA Bioterrorism Security Assessment Allianceの略。 バイオテロの情報収集・予防・制圧を行なっている組織。作中ではクリス・レッドフィールドを筆頭に少数精鋭の「シルバーダガー」の3名が登場。ニューヨークでのバイオテロ発生時は現地警察やSWATと共同で対応にあたったが、感染者による被害規模の大きさからシルバーダガーへのバックアップもままならず、支援は軽装甲車とバイクの1台ずつのみで終始クリスやシルバーダガー、レオンらが事態の収拾に当たっていた。 DSO Division of Security Operationsの略。 レオン・S・ケネディが所属する大統領直轄のエージェント組織。今作ではレオン以外の構成員はあまり登場しない。本編開始前の任務の経緯は映画本編と小説版によって異なっており、本編ではSWATとの爆破テロの協同捜査、小説版ではかつてディレック・C・シモンズが首謀者として引き起こしたトールオークスのバイオテロにおいて、テロ組織側に情報を流していたとされる上院議員スティーブン・エアーの捜査を行っていた。しかし、どちらの媒体においても情報漏洩によってレオンを除くDSOの職員多数と現地特殊部隊が壊滅、捜査は失敗してしまい、レオンが自暴自棄に陥るきっかけとなった。 洋館 メキシコ・ケレタロ州の山奥にある洋館。アリアスの拠点。アリアスは事前に罠を仕掛けており、クリスを除く突入部隊は全滅した。初代バイオハザードに登場した洋館と似た構造をしているが、ジョージ・トレヴァーによる設計であるかは不明。 シカゴの大学 レベッカが務めている大学。正式な大学名は不明。マリアが起こしたバイオテロによりレベッカを除くほぼ全ての職員はA-ウィルスを発症し、ゾンビ化。突入したBSAAによって射殺された。なお、生徒は長期休暇のために不在であったことが小説版にて判明している。 A-GUA(アグア)社 アリアスが設立した企業。 本社のある五大湖周辺を中心に全米へ飲料水を販売している。 ニューヨーク市 終盤の舞台となる都市。 アリアスの計画によりA-ウィルスを活性・発症させるトリガーが都市各所で散布され、都市全域で大規模バイオテロが発生する。
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用語・舞台
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冥界 本作の舞台のひとつ。様々な種族が暮らす世界。協定が存在するため、住民は基本的に仲良し。また、天界や地獄よりも広い世界で、情報交換ができる交流地。 中でも冥界は三層の中継地であり、各界の交流地で、中心には閻魔大王が住む閻魔殿があり、その周辺は総じて「中央」と呼ばれ、「冥界の桃源郷」とも言われている。 天界 神や天使、亡者の暮らす世界。 地獄 亡者や鬼、獄卒達の暮らす世界
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用語・舞台
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「バイオハザード: ザ・ファイナル」の記事における「用語・舞台」の解説
アンブレラ社(Umbrella Corporation) ヨーロッパに拠点を置く、薬品の製造販売における国際的ガリバー企業にして、世界最大の多国籍民間企業。21世紀の初頭に全米最大の企業に成長し、米国においては90%以上の家庭が同社の製品を所持しているとされ、強大な政治的発言力、資金力を持つ。 創始者はアレクサンダー・ローランド・アイザックス博士とジェームズ・マーカス教授で、ジェームズ・マーカス教授が亡くなった後は、所有する会社全体の株式の約50%が娘のアリシア・マーカスに継承された。 社名である「アンブレラ(Umbrella)」とは「雨傘」を意味し、傘を「庇護の象徴」としてとらえており、「紅白の八角形の浅張り傘」を会社のエムブレムとしている。 表向きには「OUR BUSINESS IS LIFE ITSELF(私たちが扱うのは生命)」と謳い、治療薬から美容液などの幅広い薬品を製造販売するクリーンなイメージの企業として知られ、多くの社員もまたそれを信じていたが、それは仮初の姿である。 裏の顔として、多くの社員にも極秘として行われてきたのは、T-ウイルスを用いた低コストかつ、高利益な兵器である「生物兵器(有機生命体兵器)」の製造販売であり、道徳的社会規範を無視した非合法な人体実験を隠蔽しながら繰り返し、「核兵器」に代わる新しい軍拡競争を生み出す「製品」として、米国、ロシア、中国、日本などの世界中に売り出していた。 実写映画版バイオハザードシリーズの作中では、アンブレラに関する実験施設として、本作と『I』と『II』に登場した、ラクーンシティ地下に存在するT-ウイルスの研究施設「ハイブ」、『III』に登場した、砂漠と化したアメリカネバダ州の地下に存在し、アリスのクローンを製作してウイルスの治療方法を模索していた研究施設「アンブレラ北米支部」、『IV』に登場した日本の渋谷スクランブル交差点の地下に存在する「アンブレラ東京総本部」、及びロサンゼルスの海上に停泊していた船舶型の研究施設「アルカディア号」、『V』に登場した、ロシアのカムチャツカ半島の海溝に存在する、生物兵器のシミュレーション評価テスト、回帰テストを行う海中実験施設「アンブレラ・プライム」などが登場する。 原作ゲームシリーズ、及び実写映画版シリーズ共に「バイオハザード(Resident Evil)」という作品を代表する悪徳企業であるが、会社の生い立ちや、経営陣、会社の最終目的などの設定が両シリーズで大幅に異なっている。特に両シリーズの世界観において転機となる、ラクーンシティにおける「T-ウイルスの漏洩事件」によって市が壊滅し、市が合衆国政府のミサイル爆撃で滅んだ後は、原作ゲームシリーズでは、アンブレラが行ってきた数々の行いや、人体実験などが世間に公表されて組織が弱体化し、最終的には倒産してしまう。2004年に発売された『4』以降は、アンブレラ崩壊後の世界を描いており、アンブレラの意思を受け継いだ様々な組織や人物が暗躍したり、アンブレラが残したB.O.W.(生物兵器)がブラックマーケットに流れて、世界中の紛争地域で使われるようになった世界で物語が紡がれていく。そして後年のゲーム作品では、アンブレラ社自体は過去の回想などでしか登場しなくなったが、2017年に発売されたナンバリングタイトル『7』では、旧アンブレラの残したB.O.W.根絶を目的に対バイオテロ専門PMC(民間軍事会社)として再建された新生アンブレラ社が登場し、再び物語の表舞台に登場するようになった。 一方で実写映画版シリーズでは、市が合衆国政府のミサイル爆撃で滅んだ後も、空気感染を防ぐことが出来ずにT-ウイルスは世界中に拡散して、文明社会が崩壊する。その後アンブレラ社は、地球上に存在する唯一の企業として君臨し、アリスを始めとするキャラクター達と、アンブレラ社との生き残りをかけた戦いが一貫して繰り広げられている。 T-ウイルスを軍事転用して利益を生み出すという目的を持ちながら、自社で開発したウイルスによって人類滅亡の危機に陥り、戦争で収益を上げるどころでは無くなってしまったにも関わらず、アンブレラ社は何故か生物兵器やT-ウイルスの実験開発を繰り返しており、それが実写映画版シリーズが抱える謎の一つとして存在していたが、本作では全てがアンブレラ社の最終目的である「浄化作戦」を完遂するための布石であったことが明らかにされている。 T-ウイルス(Tyrant Virus) アンブレラ社の科学者であるジェームズ・マーカス教授によって、「プロジェリア」にかかり死を待つばかりの娘のアリシアを救うために開発されたウイルス。名称の「T」とは暴君を表す英単語であるタイラント(Tyrant)に由来する。 死んだ細胞を活性化させ、損傷した細胞を即座に修復する効力を持ち、応用することで地球上に存在するあらゆる病気や老化現象ですらも治癒することが出来る革新的な発明として、世の中に知られるはずだったが、治験を行っていた南アフリカの ケープタウンで、病気の治療用に実験中のウイルスを投与された少年が、 テーブルマウンテンのロープウェーの中で、気管に食べ物を詰まらせて息を引き取った際に、人肉を食らうアンデッドへと変貌して、ロープウェーの乗客を惨殺するという事件が発生し、研究がストップする。 被験者の死後もウイルスは活発に作用し、被験者の体を乗っ取ってしまうウイルスの恐るべき副作用が発覚し、ジェームズ・マーカス教授は研究の打ち切りと破棄を宣言するが、アンブレラの共同出資者であるアレクサンダー・ローランド・アイザックス博士は、「人間のアンデッド化」に関する部分に興味を持ち、軍事転用し利益を得ることを考える。そのために邪魔なマーカス教授を手下のウェスカーを使って殺害する。その後T-ウイルスの研究は、愛娘の難病というジェームズと同じ境遇に悩んでいた映画二作目『II』に登場したチャールズ・アシュフォード博士に引き継がれて正式に完成する。小説版ではアシュフォード博士に引き継がれ完成する前は、単に「前駆細胞」と呼ばれていた。 アイザックス博士は後に「浄化作戦」を決行するための要の要素として、T-ウイルスを用いることを上級幹部が参加する役員会議で発表し、計画を実行に移して七十億人以上の人類をT-ウイルスによって殺害し、アンデッドにした。 原作ゲームシリーズ、実写映画版シリーズ共に「バイオハザード(Resident Evil)」という作品を代表するウイルスで、人間や動物をアンデッド化(ゾンビ化)させるウイルスとして作品名と共に抜群の知名度を誇っているが、出自や効能などの細かい設定が原作と映画で異なっている。 原作ゲームにおけるT-ウイルスは、初めから軍事利用の生物兵器としてアンブレラによって生み出されたが、実写映画版シリーズでは元は医療目的で誕生し、抱えていた重大な欠陥を軍事転用した形となっている。 また、両シリーズに登場するT-ウイルスには、通常のウイルスの他に、変異体(変種体)と呼ばれるものが存在し、いわゆるゾンビ映画の父ジョージ・A・ロメロが生み出したゾンビの特徴に忠実な通常のアンデッド(ゾンビ)だけでなく、知恵があったり、走れたりするなどの特異な性質を持ったアンデッドが各シリーズ作品に登場するが、こちらの設定も異なっている。 実写映画版シリーズの劇中では、『III』でアリスの血液によって変異をおこしたT-ウイルスによって凶暴性、敏捷性が増した「スーパー・アンデッド」が登場。『IV』や『V』、そして本作では、経年劣化によるT-ウイルスの変異で誕生した、特異な性質を持つ「マジニ・アンデッド」や「ジュアヴォ・アンデッド」などが登場している。 一方で原作ゲームシリーズのT-ウイルスには、「V-ACT」と呼ばれる変種体が存在し、一度倒されたゾンビの体内に宿すウイルスが「V-ACT」と呼ばれる変種体に変異することがあり、この状態になると休眠期間を経て体組織の再構築を行い、筋力とスピードが大幅に上昇した「クリムゾン・ヘッド」と呼ばれる個体に進化する。 「V-ACT」に変異しなくても、長期間T-ウイルスにさらされ続けた個体は「長い舌」と「鋭い鉤爪」を持った「リッカー」と呼ばれる個体に突然変異する。 風媒の(散布用)抗ウイルスワクチン(Airborne Antivirus) T-ウイルスを完全に死滅させる効力を持つ抗ウイルスワクチン。試験管から放出されて外気に触れると、風に乗って運ばれ、世界の隅々にまで行き渡る。 アンブレラ社の最高機密であり、存在を知っているのはアレクサンダー・R・アイザックス博士と浄化作戦の概要を把握しているアンブレラ上級幹部だけである。また、開発が難しいため量産できず、存在するのはハイブで眠るアレクサンダー・R・アイザックス博士が所持している一本のみで、全人類がアンデッド化した後に使用し、地上世界を浄化するために用いられる予定だった。 映画のクライマックスでは、アリスによって人類滅亡直前で使用され、一握りの人類を残して世界は浄化されたが、全世界に行き渡るのには時間を要するため、感染が無くなる日までアリスは戦い続けることを誓う。 映画版シリーズ初期作にも、T-ウイルスに対する抗ウイルスワクチンは登場していたが、そちらは感染して間もない時期に注射しないと効力はなく、アンデッド化した人間に対してはほとんど無力であった。また、『III』で今までのワクチンが効かない変異したT-ウイルスに感染したアンデッドである「スーパー・アンデッド」の登場を皮切りに、T-ウイルスは時間経過によって変異を続け、このワクチンは全く効果が無くなり、以降の『IV』と『V』では、効果がない為か、作中で話題に上がることすらなかった。 原作ゲームシリーズにおいては、T-ウイルスに対するワクチンが、『3』や『OB』に登場しているが映画版シリーズ初期のワクチンと同様に、感染から時間が経つと効果が得られない。 また、現実においてウイルスを兵器として用いる場合、味方への感染を防ぐために抗ウイルスワクチンの存在は必須であり、特効薬の存在しないウイルス兵器は、コントロールのできない兵器となり、価値は低くなる。 生物兵器/有機生命体兵器(Bioweapon/Bio Organic Weapon) 「生物兵器」の本来の定義(解釈)は、エボラウイルスや炭疽菌のような、極めて致死性の高いウイルス、細菌を「武器(兵器)」として人や動物に対して用いることであり、これを使用して戦うことを生物戦(Biological warfare)と呼び、ウイルスや細菌、生物兵器などによって引き起こされる被害のことを「生物災害」、英語で「バイオハザード(biohazard)」と呼ぶ。この「生物兵器」の使用は、人類の安全を脅かすために国際法(ジュネーヴ議定書)で禁止されている。 一方で原作ゲーム、及び実写映画版のバイオハザードシリーズでの「生物兵器」の解釈は、上記の意味合いに加え、軍用動物を兵器として人や動物に対して用いる動物兵器(生体兵器)の解釈を交え、発展させたものとなっている。 具体的には、アンブレラ社が、「T-ウイルス」に感染した人間や動物を、動物兵器(生体兵器)として運用する為に、手術や遺伝子操作を施し、感染を広めるための様々な特性を持ったクリーチャー(ミュータント)を生み出しているが、この感染を広めるために人為的に生み出されたクリーチャーのことを「生物兵器(Bioweapon)」と呼称している。 実写映画版バイオハザードシリーズ『I』~『V』に登場した、アンブレラによって人為的に生み出されたクリーチャーである「リッカー」、「ネメシス」、「スーパー・アンデッド」、「処刑マジニ(Axeman)」、「プラーガ・アンデッド」等や、本作に登場する「ポポカリム」、「ケルベロス」、「ブラッドショット」がこの「生物兵器」に該当する。ウイルスの発生によって偶発的に生まれた、通常の「アンデッド(ゾンビ)」や「ゾンビ犬」、カラスの「クロウ」等は、この「生物兵器」には該当しない。 実写映画版バイオハザードシリーズでは、アンブレラ社製の生物兵器しか登場しないが、原作ゲームシリーズでは、アンブレラ社以外にも様々な組織が、T-ウイルスを始めとした様々なウイルスや寄生生物を用いて「生物兵器」を生み出している。 また原作ゲームシリーズでは、クリーチャーのことを「生物兵器」と表記するほかに、「有機生命体兵器(Bio Organic Weapon)」という造語で表現しており、頭文字を取って「B.O.W.」と表記され、こちらの名称の方がゲーム内において一般的に呼称される。 浄化作戦(The Cleansing operation) 実写映画版シリーズにおけるアンブレラ社の最終目的。アンブレラの創始者の一人であるアレクサンダー・ローランド・アイザックス博士によって、ハイブでのT-ウイルス漏洩事件の17か月前に計画された。 旧約聖書の『創世記』(6章-9章)に登場する「ノアの箱舟」を参考にしており、地球温暖化、世界的な食糧供給量の低下、破滅を叫ぶ原理主義者の台頭によって世界は近い未来に滅びる運命にあると考えたアイザックス博士は、どの道、滅びる運命にある人類を「T-ウイルス」によって自らの手で計画的に殺害し、人類が全てアンデッドと化した後は、「T-ウィルス感染者を死滅させる風媒の抗ウイルスワクチン」によって地上世界を浄化し、「知性」「技術」「血筋」に優れた「選ばれた人間」のみが暮らせる楽園を地球上に創造する計画、通称「浄化作戦」を考案した。 この計画は、アイザックス博士と志を同じくする「アンブレラの上級幹部」のみに知らされている計画であり、それ以外の社員には知らされていなかったため、計画を知らなかった『III』などに登場したクローンのアイザックス博士や他のアンブレラの役員たちは、世界が滅亡した後に、T-ウイルスの完全適合体である「アリス」を使って、T-ウイルスの治療法やアンデッドの飼いならし方法を見つけ出そうと躍起になっていた。 選ばれた人間の殆どが、ラクーンシティ地下の研究施設「ハイブ」に存在する低温生命維持装置の中で、冬眠して作戦の完遂を待ち続けた。 しかし、地上がアンデッドや生物兵器で溢れてもなお、生き残っている生存者グループが世界各地に存在し、予定よりも作戦が長引いてしまった為、アイザックス博士の腹心であり、計画の実働を担っていたウェスカーと、自身こそがオリジナルであると信じているクローンのアイザックス博士が陣頭指揮を執り、作戦の最終フェーズとして装甲車を用いた生存者の掃討を決行する。 掃討を円滑に進めるべく、ドクを始めとしたアンブレラ側の人間を諜報員(スパイ)として、生き残っている生存者のグループに送り込み、掃討開始時に内部混乱を起こす計画も立てたが、アリスの活躍によって、計画は頓挫し、アイザックス博士と上級幹部は地上が浄化される前に、箱舟である「ハイブ」中で全員死亡した。 本作はこの掃討作戦が行われる「48時間前」から物語が開始し、作戦が完遂して人類が完全に滅亡するまでのタイムリミットとして、何度も残り時間が描写される。 原作におけるアンブレラ社、及びその創始者であるオズウェル・E・スペンサー卿の最終的な目的も、「世界規模のバイオハザードを引き起こして、選ばれた人類のみが暮らすことができる世界を創造する」ことが目的であり、映画版の浄化作戦と似ているが、原作では散布するウイルス自体が生き残るべき人間を選別し、優れたDNAを持つ人間はウイルスによって更なる進化を遂げ、ウイルスに選ばれなかった人間はクリーチャー化して自然淘汰されるという計画だった。また、原作ではアンブレラの最後の残党であるアルバート・ウェスカーがスペンサーの計画を引き継いで、世界中にウイルスを散布する寸前まで計画が進んでいたが、主人公たちの活躍により計画は実行直前で食い止められたため、映画とは異なり世界規模のバイオハザード自体は発生していない。 ラクーンシティ(Raccoon City) 原作ゲームシリーズ及び、実写映画版シリーズの『I』と『II』、そして本作のメインの舞台となるアメリカの中西部に位置する架空の都市。市の名称の「ラクーン」とはアライグマの英名であるコモンラクーン(common raccoon)に由来する。 元々はアークレイ山地という山々に囲まれたアメリカの片田舎に過ぎなかったが、アンブレラ社の大規模な工場プラントや研究施設が設置され、市がアンブレラから多額の資金援助を受けたことによって急速に発展を遂げる。 所謂アンブレラの企業城下町として発展を遂げたラクーンシティは、多くのアンブレラ製品がラクーンの地で誕生していることを称えて「HOME OF UMBRELLA(アンブレラの故郷)」と呼ばれ、これは市の郊外に設置されている、市への入り口を示す看板に「WELCOME TO RACCOON CITY(ようこそラクーンシティへ)」という文言と共に書かれている。 この入口看板は、原作ゲーム『DC』や『ORC』に登場した看板と同じデザインが本作で使われているほか、映画版ではさらに「CITY LIMITS POP.(市人口)」の文言が付け足されている。この入口看板は本作のトレーラー映像や、劇中においてアリスや、アイザックス博士がラクーンシティに到着した際に、アンブレラに迎合して崩壊した町の象徴として印象的に描写されている。 『I』においてラクーンシティ地下の研究施設「ハイブ」からT-ウイルスが流出し、『II』で「ハイブ」を解放したことによりアンデッドの巣窟となったラクーンシティは、元合衆国政府のミサイル攻撃によって滅菌消毒され、一部の建物と大きなクレーターが残るのみとなった。 本作ではアリスが「ハイブ」に存在する抗ウイルスワクチンを入手するために、『II』以来ぶりにラクーンシティへ訪れて、市にぽっかり空いた大きなクレーターの底にある「ハイブ」を目指すことになる。 原作ゲームシリーズ及び、実写映画版シリーズ共に「バイオハザードシリーズ」を代表する架空の都市であるが、核爆弾による滅菌後のラクーンシティが舞台となるのは本作が初となる。ただし、原作ゲーム『OB』で、崩壊後のラクーンシティが少しだけ描写されたことがあり、本作同様、一部の建物と大きなクレーターが残る様子が描写されている。 また、小説版ではアリスが滅菌による残留放射性物質を危惧する描写があるが、10年の月日が流れていることに加え、もう間もなく抗ウイルス剤によって死ぬ運命にあることから大した問題ではないと考えている。 ワシントンD.C.(Washington, D.C.) 実在の都市にしてアメリカ合衆国の首都。全米中からアンデッドに追われて逃げてきた人々がホワイトハウスに集まっている。 前作で人類に宣戦布告を仕掛けたレッドクイーンが、文明社会最後の砦であるホワイトハウスに集まった生存者達を根絶やしにするべく、アンデッドと生物兵器の軍団をホワイトハウスに仕向けた。 これに対抗するために、ホワイトハウスで大統領の代わりを務めるアルバート・ウェスカーが陣頭指揮を執り、バイオテロ対策部隊「BSAA」を始めとした武装部隊をホワイトハウス周辺に展開させて、アンデッド軍団と戦わせたほか、ロシアにある実験施設「アンブレラ・プライム」に囚われていたアリスを、人類最後の切り札として使用するべく、自身が派遣した救出部隊に救出させて、彼女を戦いに参加させたところで前作は幕を閉じた。しかし本作の冒頭で、ホワイトハウスでの戦いはウェスカーの裏切りにより、人類側の敗北で幕を閉じたことが語られた。 文明社会最後の砦であるホワイトハウスが陥落したことで、残る人類は世界中の各都市に集まる4472人のみとなり、アンブレラの悲願である「浄化作戦」は最終フェーズに突入し、残る4472人を全員始末するまでの時間である「48時間」のカウントダウンを開始した。 唯一ワシントンD.C.の戦いを生き延びたアリスは、D.C.攻撃の黒幕とされていたレッドクイーンと再会し、アンブレラの凶行を止めて欲しいと依頼される。 BSAA(Bioterrorism Security Assessment Alliance) バイオテロの情報収集・予防・制圧を行なっている組織で、原作ゲームでは『5』以降の作品でおなじみとなっている組織である。 本作において、映画序盤のワシントンD.C.でアリスが生物兵器の「ポポカリム」と交戦した際に、アリスが乗り込んだ自動車(ハマー)の「ボンネット」と「フロントドア」と「リアバンパー」に略語である「BSAA」の文字と、正式名称である「Bioterrorism Security Assessment Alliance」の文字がセットで書かれているのが確認できる。 またレッドクイーンとアリスが会話をしていた部屋にはBSAA北米支部の旗が掲げられており、ここに駐屯していたと思われるBSAAのナイフなどの装備をアリスが拝借している。 原作ゲームシリーズとは異なる展開を見せる実写映画版シリーズの世界においても、ウイルスや生物兵器の脅威に立ち向かうために組織され、アンデッドと生物兵器が群がるホワイトハウスを守護するべく派遣されたのだろうが、本作の荒廃したワシントンD.C.でアリス以外の生存者が見当たらないところを見るに、先の戦いで全滅し、車やクレイモア等の装備だけが残されたものと考えられる。 アリス計画(PROJECT ALICE/PROGRAM ALICE) T-ウイルスと完全な適合を見せた主人公「アリス」を用いたさまざまな計画の総称。及びアンブレラ側の人間がアリスを呼びかける際に使われる固有名詞でもある。『II』でアイザックス博士によって始動した。 初出の『II』では「PROGRAM ALICE」と呼称されていたが、『III』以降は「PROJECT ALICE」の呼称で統一された。 『I』でT-ウイルスに汚染されたハイブを生き残ったアリスとマットの2名がアンブレラによってT-ウイルス研究の実験材料にされた。このうち、ハイブでT-ウイルスに感染しながらもアンデッド化とは異なる変異を起こしていたマットは、「ネメシス計画(NEMESIS PROGRAM)」と呼ばれる計画の素体となった。こちらは素体であるマットがクリーチャー「ネメシス」と化し、これ以上の進化を見込めないことから失敗に終わったが、ハイブを感染なしで脱出したアリスは、T-ウイルス研究の実験材料にされた後も、肉体的な変異を遂げないまま、T-ウイルスと適合し、驚異的な能力を発現させたことから、大量のアリスのクローンが製造され、以降の作品で様々な実験に使われてきたほか、オリジナルとされるアリスと共に共闘してアンブレラに戦いを挑んだこともあった。 大量のクローンの、オリジナルとされる主人公のアリスの「出生」と、ハイブでのバイオハザードが発生する以前は「何をしていたのか」についての秘密が語られていないことが、実写映画版シリーズの謎の一つであったが、本作ではそれが明かされ、主人公の「アリス」もまた、計画によって生み出されたクローンの一体に過ぎなかったことが判明する。 クローン(CLONE) オリジナルとなる生物と同一の遺伝子情報を持つ個体の集団。アンブレラ社は以前からT-ウイルス研究と同時にクローン研究にも力を入れており、現在では非常に高いクローニング技術を有している。 主な用途は生物兵器の量産化目的であるが、好きな記憶を植え付け、オリジナルと見分けがつかないほど精巧な人間のクローンを製造できる技術を有していることから、映画の『III』では、アンデッドの飼いならしに有効な効果を持つアリスの血液を得るために、アイザックス博士がアリスのクローンを大量に製作した。 『V』に登場したバイオハザードのシミュレーション施設「アンブレラ・プライム」では、生物兵器の餌食となる人間をクローニング技術で量産していたほか、かつてアンブレラに従事していたワン、レイン、カルロス等の従業員もクローン化し、施設の警備に使用していた。 本作においても、アンブレラの創業者であるアレクサンダー・R・アイザックス博士が、自身のクローンを製作して忠実な僕として使役している他、主人公のアリス自身も「アンブレラ・プライム」等で量産されていたアリスのクローンと全く変わらない存在であることが判明するなど、「クローン」は、実写映画版バイオハザードシリーズにおける重要なファクターとなっている。 なお、原作ゲームシリーズにおいてもアンブレラ社は高いクローニング技術を有しているが、「記憶の植え付け」のような現代科学では実現不可能な技術は有しておらず、殆どがB.O.W.(生物兵器)の量産目的で使用されているのみである。人間のクローンも製作されているが、B.O.W.「タイラント」のような、ウイルスに完全適合できる素体が数少ないために、ウイルスに完全適合するアンブレラの幹部が、会社内での地位と引き換えに、自身のクローンをB.O.W.の製造用として提供しているのみであり、実写映画版程フィーチャーされた設定ではない。 ハイブ(The Hive) T-ウイルスの実験開発、研究を行っているラクーンシティ地下深くに存在するアンブレラ社の研究施設。名称のハイブとは、蜂の巣を意味する英語であるビーハイブ(Bee Hive)に由来し、その名の通り、「蜂の巣」を彷彿とさせる形状の施設である。 総従業員数は約500名で、ハイブを管理するAI「レッドクイーン」によって徹底的に情報の秘匿とウイルスの流出防止対策が施されている。 ハイブへの入構経路は2カ所あり、ラクーンシティ中心部に存在する3基のシャフトが組み合わさった高速エレベーター「エレベーター・カム」からハイブに向かうルートと、ラクーンシティ郊外に設置された入り口から地下鉄道を用いて侵入する経路である。 前者のルートは映画『II』と本作で登場し、『II』では、ティモシー・ケイン少佐とサミュエル・アイザックス博士の命令で入り口が解放されたが、これによってハイブ内のアンデッドと生物兵器がラクーンシティ全域に流出してしまった。本作では、アリスがアイザックス博士から風媒の抗ウイルスワクチンを奪った後に、ハイブからの脱出に高速エレベーターを利用している。 後者のルートは「鏡の館(LOOKING GLASS HOUSE)」、正式名称「バンクス・ドラクロワ邸(BANKS DELACROIX ESTATE)」と呼ばれるアンブレラ社が所有する古い洋館が、入り口の偽装工作として設置されており、主人公のアリスは映画の『I』でこの洋館の警備を担当していた。 かつてアリスと共に洋館の警備を担当していたスペンスが、T-ウイルスが高値で売れることを知ったことによって、人為的にバイオハザードが引き起こされることになる。アリスは映画の一作目『I』でこの施設に閉じ込められ、アンデッドや生物兵器、そして人工知能「レッドクイーン」と死闘を繰り広げた。 ハイブはレッドクイーンによって徹底的に封じ込められたが、『II』でケイン少佐とアイザックス博士によってハイブは解放され、結果としてラクーンシティが滅んだだけではなく、急速にウイルスは世界中をめぐり、文明社会が崩壊した。本作では、世界をウイルスの脅威から救うことが出来る抗ウイルス剤が、ハイブに存在することが判明し、アリスは再びハイブへと赴くことになる。 本作では、映画『I』でハイブの最下層と説明されていたレッドクイーン室&レーザートラップルームの手前の部屋に置かれている端末に、パスコードを入力することで隠された下層に降りられることが判明する。そこには『I』の時に訪れることはなかった、アンブレラの上級幹部が眠る低温生命維持装置が大量に保管される部屋などが存在し、アリス達は「ハイブ」が文字通りの蜂の巣であり、多くのはちのこたち(人間)が冷凍保存され眠り続けていることや、アンブレラ社の真の目的である浄化作戦を把握することになる。 また実写映画版オリジナル要素でありながら、『I』で観客に強烈なインパクトを与え、原作ゲームにも逆輸入された「レーザートラップルーム」も再び登場し、ここでアイザックス博士との最終決戦が行われる。 DVD&Blu-ray特典映像のアンダーソン監督による解説によると、「レーザートラップルーム」を再建するにあたって、「ハイブ」がラクーンシティのミサイル爆撃によって損傷し、「レーザートラップルーム」を施設内の埃や、ゴミが風によって流れる「吹き抜け」になっているという設定を考え、レーザーが照射されるガラスを「埃まみれ」にすることで、レーザーが照射されるたびに、壁に埃が焼かれた跡が残るようにし、視覚的に面白い映像になったと語っている。 また、2002年に公開された『I』の部屋を再現した際のトラブルとして、2002年当時の主流だった「壁掛けの固定電話」と、「アスペクト比4:3のPC用ディスプレイ」がすぐに用意できないことが判明し、慌てて3Dプリンターを用いて製作したことが語られている。 装甲車/輸送車(Armored vehicles/Transporter) 開発経緯 アンブレラ社が、アンデッドや生物兵器に汚染された地上世界を移動するために用いている大量の重火器と装甲を取り付けた歩兵戦闘車両。 世界規模のアウトブレイクによって世界人口のほとんどが死滅した後、少数の生き残った人間を最後の一人まで絶滅させるためアンブレラは各地の生存者がいる地域に向けて部隊を派遣しており、本車はその作戦のための専用開発である。通常より大型で高車が高いの装甲車を主要戦力に使用している。 武装 武装はM61バルカン2基、ロケットランチャー、AMOS連装自動迫撃砲1門である。これらの兵装を高度なベトロニクスで管制し、FCS、画像認識装置、自動照準装置を駆使し、コントロールスティックやタッチパネル、操作盤によって操作する。屋根に大型のアンテナが設置されており強力な無線が使える。 防御力 装甲は寮車のM61バルカンに側面から連続で撃たれても、耐えたことから20mm口径弾までは優に耐える装甲になっている。車内には自動消火装置が設置されている。履帯や車両底部に異物が入らないよう徹底的に防御されている。対NBS空調装置が積まれ汚染のひどい地域でも活動できる。 操縦性 装甲車の運転は車外監視システム、動力系制御装置、GPS、赤外線監視装置、地形走査センサーを駆使し、タッチパネル液晶ディスプレイ1枚構成のモニターを見ながらエレクトロニカ・コントローラーで昼夜問わず操縦できる。操縦自体が高度に自動化されており操縦が非常に簡単な他、自律運転を行う事も可能である。 配備 劇中では三機登場する。 運用 本作ではアンブレラ社が捕獲した生存者の捕虜を餌として装甲車に括り付け、生存者にマラソンをさせる形をとってアンデッドを先導し、生存者グループが隠れる各都市に向かわせている。アンデッドを先導することにより、アンデッドが移動できない高所の建物に逃げ隠れている生存者たちを、捕虜や重火器を使ってあぶり出し、先導してきた大量のアンデッドに襲わせるという戦い方を行っている。 劇中では、アリスが抗ウイルス剤の存在を知っているのに気付いたクローンのアイザックス博士が彼女に口を割らせるべく、手錠とロープで繋いだ状態で後部扉から外に出し、後ろから追ってくるアンデッドにいつ噛まれてもおかしくない状況下で「知っていることを話すまで走らせ続ける」という「拷問」も兼ねて行われた。 ポストアポカリプス物のゾンビ映画ではおなじみの要素であり、著名な作品では「ウォーキング・デッド」やゾンビ映画の父ジョージ・A・ロメロ監督の作品「ゾンビ」のリメイク作品である「ドーン・オブ・ザ・デッド」等にも似たようなゾンビ対策を施した装甲車が登場している。 『IV』や『V』では、アンブレラが空を移動するために用いていたアンブレラ仕様のオスプレイ(V-22)や、『V』に登場した武器の輸出用に使用していたアンブレラ仕様の潜水艦などが登場していたが、地上を移動する乗り物は本作が初となる。
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