作風と評価とは? わかりやすく解説

作風と評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/28 05:17 UTC 版)

ジョセフ・ホルブルック」の記事における「作風と評価」の解説

ホルブルックは、同世代の他のイギリス人作曲家 ――フランク・ブリッジハヴァーガル・ブライアンら―― とともに音楽史においてその功績独創性不当に評価されたままの作曲家一人である。その大作志向から、創り出され作品が「興行師には出費を、聞き手には忍耐をひどく要求した」ためだとする説もある一方でいくつかの管弦楽曲は、アルトゥール・ニキシュハンス・リヒターヘンリー・ウッドトマス・ビーチャムといった往時主要な指揮者上演するなど、20世紀初においてはそれなりの評価受けており、ホルブルック擁護者中には作曲家グランヴィル・バントックのほか、新ドイツ楽派支持者アーネスト・ニューマンスクリャービン支持者イーグルフィールド=ハルといった当時有力な音楽評論家がいた。つまるところホルブルック音楽史から忘れ去られたのは、フランク・ブリッジイギリス楽壇非主流となったのとはまさに逆の理由によって、つまり、第一次世界大戦後ドイツ盛期ロマン派音楽伝統かなぐり捨てることが出来なかったために、ちょうど同時代リヒャルト・シュトラウス同じく時代遅れ保守的であると看做されたことによっている。 同世代のたいていの作曲家調性拡張破壊放棄に向かう中、ベルリオーズリヒャルト・シュトラウス影響明らかな後期ロマン派音楽様式踏まえた管弦楽曲数多く残した。元々そのような素養があったところにワグネリアンフレデリック・コーダー指導受けたことにより、その傾向強まったものと思われる多く作品では、自由だ手堅い楽曲構成華麗多様な音色への好み洗練された精緻な管弦楽法豊かな詩情想像力幻想的な内容頻繁な半音階技法という特徴見受けられる一方で、暗い情念支配や、短調への傾斜民族音楽影響され通俗性、劇的情熱的に高揚する表現重厚濃密な楽想の展開、ブラヴーラな超絶技巧要求という点で、いくつかの作品マーラーラフマニノフ似た作風を示すこともある。 現在は、いくつかの器楽曲録音通じて復活遂げつつあるものの、オペラについては依然として再評価進んでいない。

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永田萠」の記事における「作風と評価」の解説

永田本人認めている様にいわさきちひろ影響受けているが、いわさき人間の子供を題材にした水彩画知られているのに対して永田は、カラーインク鮮やかな色彩活かした妖精や花を中心とした独特の作風である。 1987年ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞するなど、絵本作家として高い評価得ている。 絵本のほかにも多く商業イラスト(和服デザイン等)を手がけている。2000年淡路花博ジャパンフローラ2000においては、公式ポスターと、マスコットキャラクター「ユメハッチ」のデザインを手がけた。 郵政省発行ふみの日キャンペーン切手イラストを、1982年1983年、1984年1988年1990年1991年担当。他にも多くイラストが、郵政省発行記念切手デザインとして採用されている。1990年には郵便局イメージキャラクターデザインを手がけている。 また、エッセイストとして活躍めざましい意外に好角家であり、大相撲春場所ゲスト解説者として、NHK招かれことがある。 夫は、永田自身大ファンである絵本作家HATAO。年に1冊のペース夫婦合作絵本作成しているが、意見折り合わせながらの制作となるので、年に1冊が限界だとエッセイ書いている。夫の伯母ジャーナリスト増田れい子祖父母犬田卯住井すゑである。 なお、人気の高さゆえか、商店シャッター保育園送迎バス等には、永田の絵の模写を描く者が多い[要出典]。

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フェデリコ・モンポウ」の記事における「作風と評価」の解説

モンポウ小品作家としてとりわけ名高く、「繊細」「内省的」「静謐」と評される、短い即興的な作品作曲したフランス近代音楽とりわけ印象主義音楽影響され作風を採り、最低限抑え込まれ楽曲の展開、非常に小さな形式枠組みとした表現近代的な和声法といった音楽語法見られるオスティナート音型や鐘の模倣ある種魔術的瞑想的な響き対すモンポウ好みについて、音楽評論家のライオネル・ソルターは、「十字架のヨハネにも似た中略)しじまの声」と呼んだ作品には小節線のないものも多くエリック・サティ書法表面上の類似見られる個別楽曲小品である一方で小品集連作的な曲集へと成長し最後の曲集が成立するまで長期間を経ることが間々あった。またひとつの曲集でも、着想から発表までにしばしば時間費やしたモンポウの《子供の情景Scènes d'enfants)》は、フランス音楽評論家エミール・ヴュイエルモーズをして、「クロード・ドビュッシー後継者」と言わしめ、歌曲集《夢のたたかい》の第1曲「君の上には花ばかり」を初め聞いた作曲家フランシス・プーランクは、感動のあまり3度続けて演奏求めたという。

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杉浦幸雄」の記事における「作風と評価」の解説

女性主題とした漫画一貫して手掛けたが、「目指してきたのは常に、女性礼賛女性崇拝女性賛歌漫画」と自認していた。裸体あくまでも即物的」でユーモラスなものとして描写し陵辱的な描写徹底的に避けていた。一方その女性観にはやや冷徹な部分あったらしく、生前呉智英に、「僕は女に惚れたことは何回あります、しかし、恋愛をしたことはありません」と語っている。 杉浦以前ギャグ漫画見るから滑稽な人物滑稽演じるさまを描いたものが主流だったが、杉浦美男美女犯す失態恥じらい通じてユーモア描写したことで新奇みなされた。佐藤忠男は「それ以前美人画ふうの漫画がなかったわけではなく(略)その絵に漫画的なアイデア乏しかったので(略)挿絵として扱われた」「杉浦幸雄は、あくまで漫画として笑って読めるアイデア中に美男美女描き出した」と杉浦漫画先進性指摘している。 さまざまな要素複雑に混在したひとコマ人物描写を得意とした。佐藤忠男は「エロチシズムだけ、あるいは諷刺だけではそうとうな後輩出てきているが、笑いと、エロチシズムと、ペーソスと、絵の背後に生活のリアリティ濃密にうきあがらせる風俗描写正確さ滋味においては杉浦幸雄一枚ものは真似手がない」、呉智英一コマ連作淑女見本』について「女の美しさ、女の可愛さ、そして、女のいやらしさ、女の愚かさ相反するような両面混在ワンショット見事に活写している」とそれぞれ評している。 似顔絵名手ではあったが、街場、とりわけ酒場での観察基づいた作品手掛ける際は、知人を傷つけたと受け取られないように「だれにも似ないように描く」ことを心がけていた。 一連の美人描写小島功大きな影響与えたが、杉浦自身は「(私は)小島氏のように上品にかきません」と謙遜している。 連載長期わたった際のストーリー設定整合性については、あまりこだわりなかったらしく、「(引用注:『アトミックのおぼん』について)私自身いい加減な性格手伝ってか、途中から登場人物ストーリー脈略なくなってしまいました」「私の漫画例によって登場する人物役割とか立場はっきりしないし、ほとんどが名無しの権兵衛」などと語っている。

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ピーテル・パウル・ルーベンス」の記事における「作風と評価」の解説

ルーベンス多作芸術家だった。顧客からの依頼描いた作品多く宗教的題材の「歴史画」であり、神話狩猟場面描かれているものもあった。また、自身近親者などの肖像画、さらに晩年には風景画描いている。その他には、タペストリ版画デザイン式典装飾など手掛けている。 現存するルーベンス下絵極めて力強い筆致描かれているが、それほど精密なものではなく下絵を描く際にインクパステルではなく油彩使用することが多かったまた、絵画作品支持体に板を使用し続けた最後著名な画家ひとりで、とくに遠距離運搬する必要がある作品であれば大規模な作品であっても板を支持体として使う場合多かった祭壇画であれば経年変化などの問題最小限にするために、支持体石板採用することもあった。 ルーベンス肉感的ふくよか女性作品に描くことを好んだ後世になってルーベンス描いたような肢体女性を「ルーベンス風」あるいは「ルーベンスの絵のようにふくよかな (Rubenesque )」と呼ぶことがあり、現代オランダ語ではこのような女性意味する「Rubensiaans」という言葉日常的に使用されている。 『西洋美術歴史』においてジャンソンは、ルーベンスデューラー100年前着手した南北ヨーロッパの美術上の障壁取り除くことに成功した同時にフランドルにおける美術ルーベンス圧倒的な存在感の影に隠れてしまうこととなった評している。 『フランダースの犬』において、主人公ネロ見たがっていたアントウェルペン大聖堂絵画である『キリスト昇架』と『キリスト降架』の作者ルーベンスで、ネロ祈り捧げていたアントウェルペン大聖堂マリアも、ルーベンス描いた聖母被昇天』である。 2002年7月10日サザビーズ開催されオークションで、新たにルーベンス真作であると鑑定された『幼児虐殺』が、4,950ポンド落札された。落札したのはカナダ第2代トムソンオブフリート男爵ケネス・ロイ・トムソンで、オールド・マスター作品についた値段としては当時最高額であった

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 00:45 UTC 版)

古塔つみ」の記事における「作風と評価」の解説

あっ、女子しか描けません。すてきな人しか描けません。をキャッチコピーとし、男性描いてほしいという依頼断っている。絵柄色使い描かれる女子表情カラフルポップなものから静謐写実的なものまで多様性に富む。その背景には、スタイルを売るよりも大きめ出力装置として様々な人の雰囲気描き分けたいとの思いがあり、そのためどの絵も古塔さんっぽいですねといった感想に対しては、自身劣化しているのだと悔しく感じるという。女子だけに描く対象限定することで表現の幅が狭まる感じないかとの問いに対しても、『女子だけ』を描くことでむしろ、多様性表していきたい答えいろんな女の子がいるという多様性目を向けたいと述べている。 描かれる女子〉の特徴としては、眼差し怒ったような表情印象的であるとの指摘なされている。目については古塔自身も、信念宿りやすく1番力を入れている箇所であると答えており、まず最初に描くことが多くミリ単位ニュアンスが変わるため修正重ねることも多いパーツであるとも述べている。またモデルについては、強い意思感じる子にを頼むことが多いと語っている。ファン層10代後半から20代前半女性中心であるが、それは『自立した強い女の子』『信念を持つ女の子』というイメージが今の時代ムード合っているからではないかと、自ら分析している。また中国における個展キュレートした米原 (2021) は、同時代における『前衛デジタル・アート』の代表格一人古塔紹介している。 影響受けた作家としては、江口寿史大友克洋鳥山明あだち充らを挙げている。年齢・性別・顔を非公開としている理由については、純粋に絵を見てもらうためには、余計な情報ないほういいからであるとしている。個展については、2021年初頭インタビューにおいて見てくれている層が違い[……]作品見え方往々にして変わるとしている一方同年中旬インタビューおいてはデジタル作成した絵をフィジカルアウトプットすることは基本的に劣化であるとの考えや、デジタル作品アウトプットする手法インクジェットシルクスクリーン)のアレンジメントはすでに一通り試したという思いのもと、フィジカル媒体での作品発表をしばらく控えたい語っており、同年末から開催されるEnlightenment for easy printing』展以降自身中核とする個展では単純なジクレープリント(英語版)はもうやらないとしている。

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The BERICH」の記事における「作風と評価」の解説

まるで海外アニメ見ているような色彩造形センス日本独自泥臭いユーモアが、高い次元融合する独自の作風これまでのアニメフェアのイメージ打破する映像持っているとして東京国際アニメフェア公式CM制作担当している。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/29 09:13 UTC 版)

ソフィア・ココサラキ」の記事における「作風と評価」の解説

ココサラキのデザインは、古代ギリシャからインスピレーション受けている。優美なドレープ巧みにあしらって着用者の女性美を引き出したドレスは、ハリウッドセレブリティトップ女優たちから支持受けた。 彼女が使用する素材は、柔らかなシルクシフォンからシルクジャージー、硬質レザーに至るまでヴァリエーションに富む。それらの素材を、アップリケピンタックコーディングプリーツパッチワークなどハンドクラフトを含む多種多様な技巧駆使してドレス作り上げる作品色濃くみられるハンドクラフトへの傾倒は、経歴の節で触れたとおり、マクラメ編み名手だった祖母存在影響を受けたものという。 ココサラキはルッフォ リサーチデザイナー務めていた時期に、レザーを普通の布地同様に自在に扱う技術体得した。レザー編み上げたり切り裂いたり、ときにはシワ加工施したりしてその質感変容させ、新たな表情与えるのも得意であった多くデザイナーが布とレザー別物として扱う中で、ココサラキは敢えて両者組み合わせて使いファブリック多彩な表現生み出した繊細流麗なドレーププリーツなどをふんだんに使ったドレスは、美しさ着心地のよさを両立させたことで評価された。クロエ・セヴィニーキルスティン・ダンストケイト・ハドソンクリスティーナ・リッチティルダ・スウィントンジェニファー・コネリーヘレン・ミレンキーラ・ナイトレイダイアン・クルーガーなどが彼女の顧客であった。ただし、ココサラキは自らのブランドについてプレミア上映会チャリティイベントのための服じゃない」と述べている。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/28 00:00 UTC 版)

アーダルベルト・シュティフター」の記事における「作風と評価」の解説

ごく初期の作品にはジャン・パウルや、E.T.A.ホフマンなどのロマン主義からの影響濃く現れているが、やがて客観的文体によるリアリズム移行し精緻な自然描写のなかで人間静かな営み描きだすようになった画家でもあったシュティフター文学作品なかでも故郷繰り返し描いており、その大自然描写美しさとともに人間よせつけない厳しさ表現されている。シュティフターささやかありふれた日常的なものにこそ偉大なものがあらわれると考えており、そのため英雄超人的な行為よりも、ありふれた人々日常的な行為あらわれた質素節度克己小説題材として選んだ当時政治的な激動直接向かわずに、古典的素養をもとに調和的人間像追及したシュティフター作品一面では反時代的なものでもあり 、同時代ヘッベルは彼を瑣末主義呼んで批判し代表作晩夏に対しては「通読した者にはポーランド王冠進呈しよう」と酷評した。 しかし一方で哲学者ニーチェは、『晩夏』を「繰り返し読まれる」に値するドイツ19世紀後半優れた散文であると絶賛しハイデッガーもまた学生時代からシュティフター親しんでいたことはよく知られており、一例に『ニーチェ講義』のなかでは、ニーチェワーグナー的なものの対極位置づけるべく、シュティフター言及している。トーマス・マンは、『「ファウストゥス博士」の成立』のなかで、「シュティフター世界文学の最も注目すべき、最も奥深い、最も内密な大胆さを持つ、最も不思議な感動与え小説家一人である」(佐藤晃一訳)と賞賛し、『習作集』『石さまざま』『晩夏』『ヴィティコー』などの諸作品を生涯渡って愛読するなど、その作品後世著作家からしばしば畏敬持って語られている。ヴィルヘルム・フルトヴェングラーは、「ベートーヴェンの『田園』を振るためには、シュティフター読んでおかねばならない信じているよ」と録音技師のフリードリヒ・シュナップに語ったという。 日本におけるシュティフター作品受容歴史大正時代遡り堀辰雄は、旧制高校時代授業で『喬木』(Der Hochwald)を講読したと述べている。以後日本ではほぼすべての小説翻訳されている。現代文学作家では、ドイツ文学者でもある作家古井由吉シュティフターを「長年愛好する作家」と呼び小説エッセイでしばしばその作品言及している。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 10:06 UTC 版)

小川絵梨子」の記事における「作風と評価」の解説

2012年読売演劇大賞ノミネート時には正統異端双方芝居をこなせる力」、2014年の同賞ノミネート時には微妙に人間関係変化してゆく過程克明に描写する力」、2015年の同賞ノミネート時には感覚雰囲気流されることなく、非常に緻密タフな演出行った」ことが評価された。 上記読売演劇大賞ノミネート選評でも触れられているように演出家として精緻な作風であると言われている。扇田昭彦はその「リアル精緻な舞台作り」を高く評価した。『今は亡きヘンリー・モス』で批評家絶賛を受け、一躍演出家として注目された。多忙になったため、年4本もの芝居演出するスケジュールに「中身がついていってない」と悩むこともあったという。しかしながら多忙になった後も『OPUS (オーパス)』では「繊細感度の高い世界」、『RED』では「丁寧に戯曲行間掘り起こ」していると評された。 テンポ感にも定評があり、『スポケーンの左手』では「原語の上演に近いテンポ」、『クリプトグラム』では難解な戯曲演出するにあたりスピード緩急力点置いた手法評価された。 本人俳優とよく話し合う舞台づくりを心がけていると述べている。事前に詳しい演出ノート作ることはあまりせず、台本メモをとる程度俳優自由に演技をしてもらいながら芝居作るほうを好んでいるということである。『トップドッグアンダードッグ』では役者から「生々しい演技」を引き出した称賛された。『星ノ数ホド』に主演した浦井健治小川アドバイスにより、事前に準備した演技プランから離れてより即興的かつ自由に演劇ができるようになった述べている。『RED』に主演した小栗旬は、最初小川から「ヘタクソ」などと厳しコメント受けたものの、役者に対して詳細に解釈説明行い理解促してくれる演出家だとしてその助言高く評価している。 2018年より新国立劇場演劇部門の芸術監督就任するが、30代での就任珍しく日本演劇界においては異例抜擢」であると考えられている。新国立劇場には演劇部門の他、オペラ部門舞踊部門があるが、小川絵梨子全部門で史上最年少芸術監督となる。 翻訳ものを得意とする演出家である。本人単なる海外作品紹介とどまらず、「作品表れる普遍性」や「人間物語」を伝えることが目的だと述べている。戯曲翻訳家として評価されており、翻訳のみを担当した『いま、ここにある武器』では「よく咀嚼された翻訳」を称賛された。「原文リズム」を生かした翻訳心がけているという。日本戯曲とりあげていないわけではなく劇団イキウメに初の外部演出家として招聘された際には『ミッション』及び『暗いところからやってくる』を演出した。新国立劇場30代演出家日本戯曲をまかせるシリーズ企画「かさなる視点――日本戯曲の力――」では田中千禾夫マリアの首――幻に長崎想う曲――』を演出する

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作風と評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 22:46 UTC 版)

オタール・イオセリアーニ」の記事における「作風と評価」の解説

緻密に計算されカメラワークによるワンシーン・ワンショット、やや毒の効いた社会風刺と独自のユーモア織り交ぜた作風特徴である。ソ連出身映画監督アンドレイ・タルコフスキーも「現代ソ連で一番尊敬する映画作家は?」という質問対し、イオセリアーニの名を出している。日本においても『素敵な歌と舟はゆく』(1999)、『月曜日に乾杯!』(2002)のヒットにより、次第に名を広めている。トビリシ高等音楽学院作曲科音楽学んだこともあってか、楽器演奏したり、歌を歌うシーンもイオセリアーニ作品には欠かせない。ただしBGMはほとんど使用せずセリフも非常に少なめである。そのため退屈さを指摘されることも少なくないが、映像構成力と音を中心とした映画本来の醍醐味最大限活かし、ゆったりと演出している点においては現存する映画作家中でも少ない方であろう部類酒好きとして有名であり、彼の作中でも必ずと言っていいほど酒を酌み交わすシーン存在する中期以降作品からイオセリアーニ自身出演するようになり、製作スタッフ数人キャスト取り入れている。美術担当のマニュ・ド・ショヴィニがその例で、イオセリアーニ作品では常連となっているほどである。カンヌ国際映画祭始め数々映画祭多くの賞を受賞し、『月曜日に乾杯!』は2002年度ベルリン国際映画祭銀熊賞国際批評家連盟賞をダブル受賞している。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:52 UTC 版)

杉浦茂」の記事における「作風と評価」の解説

杉浦作品は、その独自色の強い強烈な作風から漫画歴史では語りづらく異端である。同時代活躍した手塚治虫も、戦前から杉浦のことをユニークな作品を描く漫画家として注目していたが「田河水泡門下とはつゆ知らず倉金良行(章介)さんとは一線を劃した独立独歩作家だと思っていた」と語っている。呉智英は、杉浦作品を「戦後復興期から高度成長開始期という現代マンガ成立期でも特筆すべき存在」とし、全盛期1950年代でさえ、様式的でないギャグ超現実的な物が横溢する作風異質であり、時代先取りするものであった評する米沢嘉博は、杉浦茂世界を「メタモルフォセス奇人変人食い物にあふれかえったマンガ故のでたらめで自由な世界」と表現した杉浦作品大胆な筋運びは、杉浦漫画対す独特な姿勢大きく影響している。普通は、構想をまとめた後にネーム下書きなどを経てペン入れに至るが、杉浦は頭の中で、大体の構想をまとめた後、下書きをせずに一発ペン入れ執筆途中でも「こちらの方が面白い」と思い至ったら話の筋を曲げるようなことを頻繁に行っていた。弟子斉藤によれば杉浦は「ぼくはね、話が前とつながってなくてもいいんだよ」と語っていたという。こうした奔放さは、杉浦作品の大ゴマでよく見る、物語の筋関係ない群衆が、主要登場人物埋没させるほどにてんでバラバラ行動しおしゃべりした歌ったりするお祭り騒ぎのような賑やかさにも表れている。また、画家時代の腕を活かしたリアル調の絵でギャグをしたり、デフォルメの絵とリアルの絵を交互に挟んだりする奇抜なセンス見られるまた、杉浦作品欠かせないものの一つに、気味の悪い怪物がある。カンブリア紀生き物さながらのものや、文化時代性捕らわれないぶっ飛んだデザイン数々怪物現れ忍術物では登場人物忍者たちそういったものに変化(へんげ)している。 杉浦登場人物名づけ方も独特である。代表作の『猿飛佐助』を例にとると、食べ物由来したうどんこプップのすけ」や「コロッケ五えんのすけ」、「おおそうじでんじろう」(大河内傳次郎)や「たんげ五ぜん」(丹下左膳)などのダジャレ、「おもしろかおざえもん」といった何とも言えないものなど、独自の言語センス発揮した斉藤は、杉浦読者の子供の覚えやすさと親しみやすさを重視してのことだという。こうした言語センス登場人物台詞回しにも表れている。例えば、杉浦のプロレスマニアぶりが発揮された『拳斗けん太』や『プロレスの助』では、「えーい」と兇器辞さない激し挌闘暴力倒され相手が、「ぱ」や「パ」、「て」などの一言悲鳴あげたり、「ふわ」、「ホワッ」、「ふういてえ」などと笑顔断末魔あげたりするところ読者牧歌的な印象与え効果出ている。歌を歌う群衆について前述したが、主要人物もよく歌を歌っている。『猿飛佐助』では真田十勇士一人三好青海入道が、「しらないまーに食べちゃった♪」と他人食べ物テンポよく歌って歌詞状況説明してつまみ食いをするギャグ披露している。

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