ギター 種類

ギター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 06:37 UTC 版)

種類

ネック折畳式Travel guitar

音の増幅方式による分類

大分類としては、弦の振動およびその音を空洞のある(箱状)ボディー(一種のヘルムホルツ共鳴器)で増幅させる「アコースティック・ギター」と、弦の振動をピックアップで微弱な電気信号として取り出し、それを増幅回路(アンプ)で電気的に増幅させる「エレクトリック・ギター」の2種に分類される[12]

アコースティック・ギター

アコースティック・ギターは、音楽ジャンルごとにいくつかのタイプがあり、クラシックを中心にさまざまな音楽に使用されるクラシック・ギター、フラメンコの使用に特化したフラメンコギター、フォークソング・ロック・ポップスなどポピュラー音楽の演奏に主に用いられるスティール弦アコースティックギター(フォークギター)などに分類される。このほか、ボディに金属の共鳴器を取り付けたリゾネーター・ギターや、アコースティック・ギターにピックアップを追加して電気信号を取り出せるようにしたエレクトリックアコースティックギターなどもある。

アコースティック・ギターは略称で俗に「アコギ」とも呼ばれる[15]

アコースティック・ギターという言葉は、エレクトリック・ギターの登場後に、電気的な増幅ではなくボディの共鳴によって音を増幅するギターを音響学的な(acoustic アコースティック/アクースティック)ギターと呼んで区別した言葉(レトロニム)である。語義的には上記の通りクラシック・ギターなども含まれるが、日本においてはアコースティック・ギター/アコギと言った場合はスティール弦アコースティックギターを指すことが多い。

エレクトリック・ギター

エレクトリック・ギターは、その構造によって、ボディ内部が完全に中空となっているフルアコースティックギター、フルアコースティックギターに比べるとボディが薄く空洞も小さくなっているセミアコースティックギター、ボディ内部に空洞がないソリッドギターの3種類に分類される。ソリッドギターの一部がセミソリッドギターに分類されることもある。

エレクトリック・ギターは「エレキギター」、さらにその略称として「エレキ」とも呼ばれる[16][17]

弦の本数による分類

一般的なギターは6本の弦を持つが、以下のような弦の数を増やしたギターもある。

ナルシソ・イエペスとギター製作者ホセ・ラミレス3世により開発された。通常の6弦に加えて低音側に4本の弦が追加されており、共鳴により豊かな響きを生み出す。
通常のギターの各弦をユニゾンまたはオクターブで調弦された2本の弦のペア(複弦)に置き換えて、よりきらびやかで豊かな響きを狙ったものである。

音域による分類

一般的なギターより音域を高く、あるいは低くチューニングするギターもある。

ネックの本数による分類


注釈

  1. ^ 周波数はA=440Hz平均律の場合の物であり、あくまで一例である。
  2. ^ ただし一音半以上のチューニングは、デスメタルやブルータル系ブラックメタルなど、一部のジャンルに使用されることがほとんどである。
  3. ^ 近年のクラシックギター以外のギターでは、くぼみのないデザインのものもある。
  4. ^ a b 基本的にクラシック音楽以外では普通、足台は使わない。
  5. ^ 右手で行うミュートもあるが、目的は別のものであることが多い。

出典

  1. ^ Oxford Dictionary "guitar"
  2. ^ 「見て読む本 世界なるほど楽器百科」p30 株式会社ヤマハミュージックメディア編 ヤマハミュージックメディア 2008年11月10日初版発行
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n Britannica "guitar".
  4. ^ a b c 「図説 50の名器とアイテムで知る楽器の歴史」p22 フィリップ・ウィルキンソン 大江聡子訳 原書房 2015年2月15日第1刷
  5. ^ 「写真で分かる! 楽器の歴史 楽器学入門」p83 守重信郎 時事通信出版局 2015年9月30日発行 ISBN 978-4788714175
  6. ^ 「世界の楽器百科図鑑」p119 マックス・ウェイド=マシューズ 別宮貞徳監訳 東洋書林 2002年11月12日発行
  7. ^ 「図説 50の名器とアイテムで知る楽器の歴史」p22-23 フィリップ・ウィルキンソン 大江聡子訳 原書房 2015年2月15日第1刷
  8. ^ 「知ってるようで知らない ギターおもしろ雑学事典」p18-19 湯浅ジョウイチ ヤマハミュージックメディア 2007年11月20日初版発行
  9. ^ 「日用品の文化誌」p179-180 柏木博 岩波書店 1999年6月21日第1刷
  10. ^ 「日用品の文化誌」p180 柏木博 岩波書店 1999年6月21日第1刷
  11. ^ 「知ってるようで知らない ギターおもしろ雑学事典」p20 湯浅ジョウイチ ヤマハミュージックメディア 2007年11月20日初版発行
  12. ^ a b 「図説 50の名器とアイテムで知る楽器の歴史」p21 フィリップ・ウィルキンソン 大江聡子訳 原書房 2015年2月15日第1刷
  13. ^ 「知ってるようで知らない ギターおもしろ雑学事典」p22 湯浅ジョウイチ ヤマハミュージックメディア 2007年11月20日初版発行
  14. ^ 「知ってるようで知らない ギターおもしろ雑学事典」p26-27 湯浅ジョウイチ ヤマハミュージックメディア 2007年11月20日初版発行
  15. ^ アコギとは”. コトバンク. デジタル大辞泉. 2021年9月26日閲覧。
  16. ^ エレキギターとは”. コトバンク. 精選版 日本国語大辞典. 2021年9月26日閲覧。
  17. ^ エレキとは”. コトバンク. 精選版 日本国語大辞典. 2021年9月26日閲覧。
  18. ^ 「知ってるようで知らない ギターおもしろ雑学事典」p217 湯浅ジョウイチ ヤマハミュージックメディア 2007年11月20日初版発行
  19. ^ クラシックギターのしくみ:クラシックギターにはこんな特徴が - 楽器解体全書”. ヤマハ株式会社. 2021年11月5日閲覧。
  20. ^ Wire World ~知る・楽しむ~”. 日鉄SGワイヤ株式会社. 2021年9月19日閲覧。
  21. ^ 次世代のギター弦 NYXL について”. D'Addario. 2021年9月19日閲覧。
  22. ^ 「知ってるようで知らない ギターおもしろ雑学事典」p217-218 湯浅ジョウイチ ヤマハミュージックメディア 2007年11月20日初版発行
  23. ^ 「知ってるようで知らない ギターおもしろ雑学事典」p219 湯浅ジョウイチ ヤマハミュージックメディア 2007年11月20日初版発行
  24. ^ a b 「知ってるようで知らない ギターおもしろ雑学事典」p212 湯浅ジョウイチ ヤマハミュージックメディア 2007年11月20日初版発行
  25. ^ オープン・チューニング[open tuning]”. 音楽用語ダス. ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス. 2021年10月9日閲覧。
  26. ^ 11 ноября 2015: OKER (Норвегия) Kei Nakano (Япония) ТОПОТ аркестра (Россия)”. dom.com.ru. 2018年12月8日閲覧。
  27. ^ 日本特許第6709929号 【発明の名称】弦楽器 【特許権者】中野 圭”. patents.google.com. 2023年6月30日閲覧。
  28. ^ a b Martin, Jennifer (2022年11月16日). “29 Lefties that'll make you wish you were a member of the southpaw club”. CBS. 2023年1月29日閲覧。
  29. ^ a b UG Team (2015年7月31日). “10 Famous Left-Handed Guitarists Who Play Right-Handed”. Ultimate Guitar. 2023年1月29日閲覧。
  30. ^ Bacon, Tony (2021年8月13日). “Musical Implications of Being a Left-Hander”. Reverb.com. 2023年1月29日閲覧。
  31. ^ Starkey, Arun (2022年8月31日). “How Tony Iommi got his first left-handed guitar”. Far Out. 2023年1月29日閲覧。
  32. ^ 【アコースティックギター全般】左利きなのですが、弦を左右反対に張り替えれば「左利き用」として使えますか?”. ヤマハ. 2022年12月24日閲覧。
  33. ^ Hodgson, Peter (2022年11月27日). “The secrets of Jimi Hendrix's guitar setup: Roger Mayer reveals what made the guitar hero's Strat tone sing”. Guitar World. 2023年1月29日閲覧。
  34. ^ Thompson, Art (2022年7月1日). “Here’s How to Replicate the Magic of the Blues Greats”. Guitar Player. 2023年1月29日閲覧。
  35. ^ a b c YAMAHA、クラシックギターの弾き方
  36. ^ a b c [1]






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