ヘヴィー・ローテーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/30 01:41 UTC 版)
ヘヴィー・ローテーション(英語:heavy rotation)は、短い期間に何度も同じものを繰り返すこと[1]。特に、ラジオ局などが、推薦曲を繰り返し放送すること[1]。
なお、楽曲以外についても使う用語であり、「気に入った服は、普段着にも、パーティードレスにも、(中略)...にもなり、ヘビーローテーションでフル稼動。[2]」などと使う。
基本的には、激しい(頻度の高い)ローテーション(回転)、という意味。短縮形はヘビロテ[1]。
概要
歴史
1950年代に、アメリカ合衆国ネブラスカ州オマハのラジオ局KOWHにいたトッド・ストーツが、ジュークボックスでは繰り返し同じ曲がかけられることから着想して、トップ40という形式を着想。商業的に成功し、ストーツは父ロバートとともにストーツ・ブロードキャスティング・カンパニー (the Storz Broadcasting Company) 名義で、他の放送局を次々と取得して、トップ40形式を広めた。こうして、まずTop 40の楽曲が複数のラジオ局で繰り返し放送されることが広まっていった。
なお、楽曲をカテゴリー分けして楽曲のプレイリストを作成し楽曲を繰り返し放送する作業や技法を、ラジオ局の現場では「rotations」と呼んだようである。
1960年代半ばには、ビル・ドレイク(Bill Drake)とジーン・シェノールト(Gene Chenault)によって導入されたBoss Radio(ボス・ラジオ)フォーマットにおいて、ローテーションの楽曲数の絞り込み(30曲や20曲への絞り込み)と厳格化が行われた。この変化は1960年代半ばに起こり、1965年のロサンゼルスのKHJから始まった[3]。
心理的効果
アーカンソー大学のMusic Cognition Lab(音楽認知研究室)の長をつとめるElizabeth Hellmuth Margulis[注 1]が著したOn Repeat: How Music Plays the Mind[5]では、次のように解説されている。
単純接触効果(the mere exposure effect)は、刺激への繰り返しの接触がその刺激に対する好意(liking)を増大させることを示唆している。音楽の文脈では、ラジオのローテーションで何度も曲を聴いた後、リスナーはその曲に対してより高い選好(greater preference)を示すと報告することが多い。しかし、この効果は無限ではない。リスナーが同じ曲に接触し続けると、最終的には飽和点(satiation)に達し、ポジティブな情動反応は減少し、退屈(boredom)や苛立ち(irritation)が支配するようになる。
日本国内
日本で最初に明示して導入したのは1989年に開局したFM802。日本のラジオ局にはそれまでも「今週の歌」「今月の歌」のような企画は存在していたが、FM802はアメリカのFM局で採用されていた制度を採り入れ、ヘビーローテーションとして開始した[6]。FM802発のヒットであることが明確にわかるような、新人アーティストの曲やテレビドラマ・CMのタイアップがないような曲を選曲することがこの企画の方針であり、選ばれた曲は全ての番組で一日に何度も放送された。もともと開局前から業界内で注目を集めていたFM802は後発FM局でありながら商業的にも成功を収めたため、後にこの手法が一気に国内FM局に拡がる結果となる。なお、音楽をさほど重視しないコミュニティFM局やAM局では特に設けない場合もある。
種類
音楽の選曲委員(主にラジオ局のスタッフ、パーソナリティ)などが選曲するタイプと、レコード会社が宣伝の一環としてラジオ局に宣伝料を支払い演奏させるタイプに分かれる。JFN各局の場合、ミニ番組(5分間)として放送するほか、自社番組内で放送する場合が多い。JFL局や独立局の場合もコーナーを設けることがある。
また独立コーナーばかりでなく、下記のようなパターンでも放送される。
- 帯ワイドにおける番組と番組の繋ぎの中で流される(首都圏などでは顕著で、「それでは一曲お聴きください」と前置きを置いて流したり、文化放送のA&Gのように、SE(効果音)を挟んで流すことも)
- アーティストがゲストとして呼ばれた番組の中
- DJやパーソナリティが「今話題になっている曲」として(はっきりヘビーローテーションとは銘打たずにそれとなく)流す
一方で、FM AICHIのように一楽曲ではなくアルバムごとで指定する局も存在する。
特殊なケースとして宇多田ヒカルのアルバム『Fantôme』収録曲『道』が2016年9月14日より当時存在した民放ラジオ全101局でヘビーローテーションされた[7][8]。
脚注
- 注
- 出典
- 1 2 3 “ヘビーローテーション”. コトバンク. 2025年2月23日閲覧。
- ↑ 石田純子『捨てられない服』主婦の友社、2019年、13頁。
- ↑ Ben Fong-Torres (1998). The Hits Just Keep On Coming: The History of Top 40 Radio. Backbeat Books. p. 84. ISBN 978-0879306649
- ↑ [名無しリンク]
- ↑ Elizabeth Hellmuth Margulis (2014). On Repeat: How Music Plays the Mind. Oxford University Press. ISBN 978-0199990856
- ↑ 第159回 (株)ソニー・ミュージックエンタテインメント 役員室エグゼクティブルーム スーパーバイザー 清水 浩氏【前半】 musicman.co.jp 2019年2月14日
- ↑ “宇多田ヒカル、新曲「道」が全国ラジオ 101局パワープレイに。ルミネマン渋谷全館ジャックも”. BARKS. 2016年9月14日. 2021年5月4日閲覧.
- ↑ “宇多田ヒカル、アルバム『Fantôme』リード楽曲「道」が全国ラジオ101局パワープレイ決定”. OKMusic. 2016年4月14日. 2021年5月4日閲覧.
関連項目
ヘヴィー・ローテーション
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「鹿児島シティエフエム」の記事における「ヘヴィー・ローテーション」の解説
ヘヴィー・ローテーションのことをフレンズFMではFセレクションと呼称している。毎月邦楽・洋楽からそれぞれ1曲選出される。
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