中国の音楽
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当記事では中国の音楽について総合的に解説する。
歴史
中国考古学においては、新石器時代の骨笛[1]や塤が発見されている。また、唐代の胡琴から近代の蕭友梅・賀緑汀らの西洋音楽まで、中国音楽は外来音楽の影響も受けて発展してきた。
儒家の礼楽制度において、秩序ある音楽は社会秩序をもたらすとされ、音楽と人の心・情緒との関係が重視された。儒家書の『詩経』大序、『礼記』楽記篇、『荀子』楽論篇、『史記』楽書などには、音楽に人間性を教化・啓発させる作用があるという思想が記述されている。儒家経典には『楽経』もあったが現存しない。
古代中国に詩と歌の区別はなく、文学と音楽は互いに密接に結び付いていた。中国現存最古の詩歌集『詩経』は、かつては全ての詩に歌の節が付けられ、口頭で歌い継がれており、その伝統はずっと継続していた。漢代の公式詩歌集である「漢楽府」、唐詩、宋詞も、当時は全て歌うことが出来た。現代でも、蘇軾が中秋節を描写した「水調歌頭」などの古詩に曲を付けて歌う音楽家がいる。

歴代の王朝政府には皆、祭祀や宴席などで用いられる音楽に専従する部門があった。貴族を愉しませた楽人(伶人)の名は記載されないことが多く、唐代の著名な歌手である李亀年も唐詩の中にしか出て来ない。中国古代の士大夫がする琴棋書画の「琴」は、古琴を指す。古琴音楽はよく士大夫の間で嗜まれ、その研究は琴学を形成した。明清の両代には多くの琴譜と琴書が出版され、文献資料が非常に豊富となり、また多くの琴の流派が形成された。
音階(律呂)の研究も中国数学の影響のもと古くからあり、例えば『史記』律書、蔡元定『律呂新書』、朱載堉『楽律全書』などで扱われた。中国の伝統音楽は五音音階の体系に属し、五つの階名は「五声」、それぞれ宮、商、 角、 徴、 羽と呼ばれる。
地域ごとの音楽
中国は広く、地域ごとに個性豊かな音楽がある。
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現代の中国の音楽
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国楽
現代中国のオーケストラ音楽
中国のポップミュージック
ヒップホップとラップ
ロック、ヘビメタ
関連項目
関連書籍
- 川原秀城編『中国の音楽文化 三千年の歴史と理論』勉誠出版、2016年。ISBN 978-4585226673
脚注
- ^ China, Record. “河南省で出土した8000年前の「奇跡の笛」―所蔵する博物館の専門家が説明”. Record China. 2024年11月28日閲覧。
外部リンク
- 中国近现代音乐史教案アーカイブ 2011年9月2日 - ウェイバックマシン
中国の音楽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 21:05 UTC 版)
詳細は「中国の音楽」を参照 中国は、古くより「楽」という概念があった。これは今日の「音楽」が有する娯楽・芸術的要素よりも政治・道徳・倫理的観点が重要視された。儒家・道家・法家など諸子百家によってそれぞれの楽論があったが、後世に最も影響を与えたのは儒家(儒教)の楽論である。 『礼記』や『孝経』によれば、「楽」とは本来人の心から発した精誠を込めた真心の表現手段であり、王者は「楽」を“治情の具”(『旧唐書』音楽志(一))として人民の内的心情に訴えることで精神を統制・改造して王者の教化に従わせるためのものであり、外的規制である「礼」と組み合わせられて「礼楽」とも呼ばれた。孔子は礼楽を重要視して『楽経』を編纂したが、『楽経』のみが早くに散逸して伝われなかったために、6つあったとされる儒教の経典は今日の五経になってしまったという。 従って、前漢までは「楽」を論じるということは、音楽そのもの(楽理・楽技)ではなく、音楽による社会秩序の維持方法に関するものであった。だが、そうした中でも正しい楽器・楽曲の使い方が出来なければ、“治情の具”としての効果を発揮できないという観点から専門的な楽書・楽誌が出現するようになった。唐の時代に則天武后が元万頃らに命じて編纂された勅撰楽誌『楽書要録』10巻は、735年に吉備真備によって日本に持ち帰られ、743年(天平15年5月5日)には、皇太子阿倍内親王(後の孝謙・称徳天皇)が父・聖武天皇の後見人である元正上皇の前で五節舞を奉納している。これは日本の歴史上唯一の女性皇太子であった阿倍内親王が自ら礼楽の主導者すなわち次の王者であることを内外に明らかにする儀式であった。このように中国の礼楽は周辺諸国でも“治情の具”として採用され、雅楽 (中国)などの形でそれぞれの国の音楽に取り入れられることになった。 日本の雅楽も、この「正しい行いと正しい音楽は相応する」という儒教の礼楽思想(正しい音楽は平和を維持し、乱れた音楽は乱世を招き国が滅びるとされ、正しい音律や音楽の維持管理が皇帝の重要な任務の一つとされた)に基づくと言われる。
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