シンコペーションとは? わかりやすく解説

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シンコペーション【syncopation】

読み方:しんこぺーしょん

音楽で、強拍と弱拍位置を本来の場所からずらしてリズム変化与えること。切分法。切分音


シンコペーション[syncopation]

弱拍ウラ)と強拍オモテ)のリズムタイ結ばれてアクセントの位置移動したリズム。syncopte-切分(移動)する、の意。

シンコペーション

読み方しんこぺーしょん
【英】:Syncopation

音楽用語通常の等間隔リズム中に入れられる変則的なリズムの事。ただし全体的なリズムを壊す事はない。

ジャグリング通常等間隔リズムの中で行われるもので音楽多く共通点持っているように思われるジャグリング中でもこの等間隔リズムをすこし変えるような変則的な投げ方多数存在するこのような投げ方をシンコペーションと呼ぶこともある。

例えパッシング4カウントリズム中に挿入されるアーリーダブルアーリートリプルといった技は代表的なシンコペーションであろう

シンコペーションは音楽の中で聞く人をはっとさせる効果的なスパイスであるが、これはジャグリングでも全く同じである。


シンコペーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/16 16:29 UTC 版)


    \relative c''' {
        \clef treble
        \time 2/4
        \key d \major
        e16 cis\sfz a e\sfz d b\sfz gis e\sfz
        b'4\p( a8)
    }
ベートーヴェン弦楽四重奏曲第5番 イ長調 作品18-5の第3楽章に見られるシンコペーション(スフォルツァンド)、24~25小節

シンコペーション英語: syncopation切分法)とは、西洋音楽において、拍節の強拍と弱拍のパターンを変えて独特の効果をもたらすことを言う[1]

簡単に言えば、シンコペーションとは「リズムの規則的な流れを変えたり、中断したりすること」、つまり「通常は発生しない場所にリズムの重心やアクセントを配置すること」である[2]

アクセントを前にずらすシンコペーションの場合には、俗語として「食う」と表現する場合もある[3]

シンコペーションの種類

技術的な観点から見ると、シンコペーションは、規則的なアクセントに一時的なズレが生じさせ、フレーズの中心が強いアクセントから弱いアクセントへ移ったときに発生する[4]。2拍または3拍の強勢パターンを意図的に中断することであり、ほとんどの場合、前後の拍、または拍にない音符を強調することによって行われる[5]

たとえば、4/4拍子における4拍目から、次の小節の1拍目に置かれる音までタイによりひとつの音としてつながっていれば、それはシンコペーションのリズムである。このとき、小節の1拍目に置かれる強勢が、前の小節の4拍目までさかのぼって移動したと考えられることがある。

同じように、4/4拍子の2拍目から3拍目にひとつの音としてつながっていれば、これもシンコペーションのリズムである。このとき、3拍目の強勢が2拍目にさかのぼって移動すると考えられることがある。

オフビートシンコペーション

強勢は1拍未満で入れ換わる場合もあるため、次の例のように細分化された音符(4分音符のビートに対する8分音符)のシンコペーションが発生し、最初の小節の強勢が8分音符だけ後ろに移動する。

オフビートシンコペーションが発生する場合、ピアノの音は一定のリズムを保つドラムビートと同時に鳴っていない。一方、標準的なリズムの楽曲では、音符はビートに合わせて鳴っている。

拍のほんの少し前または後に音符を演奏することもシンコペーションの別の形であり、予期しないアクセントが生まれる。

シンコペーションによる音の移動については、このように

  • 拍節を中心とした「前後の拍への置き換え」により楽曲の一部、または全体をオフビートにすること[6]バックビートを参照)
  • フレーズの開始点や強勢を拍の前後へ置き換えることで、楽曲の一部に新たなオフビートを形成すること

と考えるのが妥当である[7]

"サティスファクション" の例

ローリング・ストーンズの楽曲「サティスファクション」のフレーズはシンコペーションの良い例である[8]

ここでは、理論的に作られた非シンコペーションの形をもとにシンコペーションが形成される過程を示す。「I」と「can't」にはバックビート変換が適用され、「can't」と「no」には拍の前へ置き換えるオフビート変換が適用されている[9]

このデモ演奏は、各シンコペーションの形を、非シンコペーションの形と照らし合わせることで、それらが再入力されたものとして聞こえることを示している。[9]

シンコペーションの効果について、音楽プロデューサーの亀田誠治は自身がホストを務めた亀田音楽専門学校NHK Eテレ)にて「メロディーが前の小節に『食い』込むことで躍動感が生まれ、ウキウキとかワクワクといった気持ちにさせる効果がある」と説明している[3]

シンコペーションの例

脚注

  1. ^ シンコペーション」『日本大百科全書 ニッポニカ』https://kotobank.jp/word/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29コトバンクより2014年11月6日閲覧 
  2. ^ Hoffman, Miles (1997年). “Syncopation”. National Symphony Orchestra. NPR. 2009年7月13日閲覧。
  3. ^ a b シンコペーションで“祭囃子”が聴こえる? 槇原敬之の名曲『世界に一つだけの花』が大ヒットしたワケ”. RealSound. blueprint (2013年11月23日). 2014年10月8日閲覧。
  4. ^ Reed, Ted (1997). Progressive Steps to Syncopation for the Modern Drummer. Alfred. p. 33. ISBN 0-88284-795-3 
  5. ^ Day, Holly; Pilhofer, Michael (2007). Music Theory For Dummies. Wiley. pp. 58–60. ISBN 978-0-7645-7838-0 .
  6. ^ WRITING RHYTHMS, BACKBEAT AND STOMP TIME
  7. ^ Hendrik Vincent Koops; Anja Volk; W. Bas de Haas (2015), “Corpus-Based Rhythmic Pattern Analysis of Ragtime Syncopation”, 16th International Society for Music Information Retrieval Conference, hdl:1874/32659, https://archives.ismir.net/ismir2015/paper/000241.pdf 
  8. ^ Day, Holly; Pilhofer, Michael (2007). Music Theory For Dummies. Wiley. pp. 58–60. ISBN 978-0-7645-7838-0 .
  9. ^ a b Middleton, Richard (2002). Studying Popular Music. Philadelphia: Open University Press. pp. 212–213. ISBN 0-335-15275-9 .

関連項目


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