イヌイットの音楽
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イヌイットはアラスカ州やグリーンランドだけでなく、カナダ北部、とりわけヌナブト準州やヌナビク、ヌナツィアブトそしてノースウエスト準州にかけて住んでいる。伝統的なイヌイットの音楽は、知られている限りでは最古である舞曲に使うドラム、そしてカナダや外国で注目されたカタジュジャク (katajjaq) [1]とよばれる歌唱スタイル (喉歌) が基礎となった。
イヌクティトゥット語には、西洋的概念に影響された聴衆や民族音楽学者の想定する音楽という言葉が伝統的に存在しない。民族学的調査では、音楽の概念自体が彼らの文化に無いことを示唆している (Nattiez 1990:56) 。一番近い語であるnipi[2]は、音楽や演説の声、雑音という概念を含んでいる。
商業的録音技術が確立される以前は、イヌイットの音楽は単純に子守唄として用いられたばかりでなく、狩猟やギャンブルの成功を精霊に祈願する霊的儀式に一般に使われていた。イヌイットの音楽は、労働歌や愛を歌った音楽の冷徹的不足が長い間有名であった。これらの初期の音楽的特徴はヨーロッパの水夫、特にスコットランドやアイルランドからきたものの影響で変化していった。アコーディオンのような楽器が普及し、ジグやリールのようなダンスが一般的となった。20世紀にはアルスター=スコットから派生したアメリカのカントリー・ミュージックがイヌイットの間で特に人気となった。
Nettl (1956, p.107) はイヌイットの音楽における以下の特徴を載せている。
- 叙唱のような歌い方
- 複雑なリズム編成
- およそ6度間が平均の比較的狭い旋律的音域
- 旋律における長3度と短2度の傑出
- 起伏のある旋律線
カナダ放送協会は1961年にノースウエスト準州のフロビッシャーベイ (現称イカルイト) にてAMラジオ局「CFFB」イヌイット地域における音楽を放送してきた。Charlie Panigoniakは初期のレコード界のスターであるイヌイットとして有名であり、今もなおギタリストとして活躍している。しかしもっとも有名なイヌイットの演奏家はSusan AglukarkとTanya Tagaq Gillisである。グリーンランドではイヌイットのヒップホップクルー、Nuuk Posseが1985年に結成され、カラーリット語によるラップで活躍している。
脚注
- ^ Interviewing Inuit Elders - Glossary from Nunavut Arctic College
- ^ “nipi”. Asuilaak Living Dictionary. 2007年11月17日閲覧。
イヌイットの音楽
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「グリーンランドの音楽」の記事における「イヌイットの音楽」の解説
詳細については、イヌイットの音楽(Inuit music) を参照。 グリーンランドのイヌイットは、カナダ領であるユーコン、ヌナブト、そしてノースウェスト準州にまたがって居住している連累の人々と音楽伝統を共有している。加えて、アメリカ合衆国のアラスカ州及び東部ロシアの一部の人々とも伝統を共有している。グリーンランドのイヌイットは、東部北極圏イヌイット・グループに属する。カナダとアラスカの東部北極圏イヌイットは、中部北極圏イヌイットと同様の「音楽文化圏」に属し、西部イヌイットの独特なスタイルとは対照的である。 グリーンランド・イヌイットの音楽は、歌唱とドラム演奏に大きく依拠しており、後者は一般に大きな儀式の挙行やその他の集会専門に使用される。ボーカルによるフォーク音楽が多数存在するにもかかわらず、歌唱や踊りを伴わない、純粋に楽器だけの音楽の伝統はイヌイットには存在しない。グリーンランドのドラムは、大部分が、木製の枠の上に獣皮を張って造り、ドラマーごとに独自の装飾的・象徴的モチーフで飾り付けを行った枠形ドラムである。ドラムに加えて、ホイッスル(笛)、うなり板、そしてブザーが広く流布しており、また、恐らく近年の輸入品である、びやぼん(口琴)とフィドル(フォーク音楽用のバイオリン)の二つの楽器の使用も見られる。
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