イヌイットとは? わかりやすく解説

イヌイット【(エスキモー)Innuit】

読み方:いぬいっと

人間の意》カナダ居住するエスキモー自称。→エスキモー


イヌイット Inuit

かつてエスキモーよばれていた人びとをさす。エスキモーは「生肉食べる人」の意味で、差別的であるとされ、かわってイヌイットが公式の表現されました。1991/11、カナダ政府イヌイット語で、「人びと土地」を意味するヌナブットという名の準州設立することで、イヌイットとの合意達しました。この合意によると、イヌイットはノースウエスト・テリトリーズの東半分(約190万平キロメートル)での狩猟漁業権利および一部土地所有権獲得し、その西半分への所有権主張放棄する代償として5億8000カナダドル支払われました。この合意は、92/11の住民投票69%の賛成承認され、さらに93/5、マルルーニ首相とイヌイットの代表とが合意文書に正式調印しました。
ヌナブット準州は、99/4/1に正式に発足しました。州人口は約2万5000人で、うち85%がイヌイット、約15%が白人です。

イヌイット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/21 14:33 UTC 版)

イヌイット
Inuit
イヌイット先住民の女性と子ども (1995年)
総人口
15万人[1]
居住地域
カナダ 北部一帯
アメリカ合衆国 アラスカ州
グリーンランド
言語
イヌクティトゥット語
宗教
キリスト教
シャーマニズム
アニミズム

イヌイット (Inuit) は、カナダ北部のラブラドルケベック北部のヌナビクヌナブト準州ノースウエスト準州、(伝統的には)ユーコンアメリカ合衆国アラスカや、グリーンランドロシアチュクチ自治管区チュコツキー地区ロシア語版を含む、北アメリカおよびロシア北極圏および亜北極圏の氷雪地帯に伝統的に居住してきた、文化的・歴史的に類似した先住民族の集団である。イヌイット諸語エスカレウト語族の一部であり、これはイヌイット=ユピック=ウナンガン語族、あるいはエスキモー=アレウト語族としても知られている[2]

カナダにおいてはファースト・ネーションメティと並んで、カナダ1982年憲法法第35項において先住民としての権利が確認されている3つの主要な先住民族グループの一つである[3]

「イヌイット」と「エスキモー」

もともとの「エスキモー」という呼び名は隣接してカナダなどに先住していたインディアンの一派アルゴンキン族による呼び名である。語源は「かんじきを編む者」という意味であったが、後に「生肉を食らう野蛮人」という侮蔑の意を帯びるようになった。この為、カナダに住むエスキモー民族は「エスキモー」という呼び名を拒否している。彼らはイヌクティトゥット語で「人」を意味する Inuk の複数形、すなわち「人々」という意味の民族名「イヌイット」を自称しており、一般的に「イヌイット」と呼ばれる。

一方、アラスカからロシア極東最東部のチュクチ自治管区にかけては「ユピク」と「イヌピアット」というエスキモー民族の一派が先住していた。彼らのうち、「イヌピアット」は比較的「イヌイット」に近い文化を持つが、いずれも「イヌイット」ではないとして、「イヌイット」と呼ばれることを拒否している。この為、彼らは「エスキモー」または「ユピク」「イヌピアット」と呼ばれる。

また、グリーンランドのイヌイットは、しばしばカラーリットと呼ばれる。

居住地域

カナダのイヌイットは、カナダ北部の大部分、すなわちヌナブト準州ケベック州北部3分の1にあたるヌナビクラブラドルヌナツィアブト、そしてノースウエスト準州およびユーコン(伝統的居住地として)のさまざまな地域、特に北極海沿岸のイヌヴィアルイト居住地区に居住している。これらの地域は、イヌイット・タピリート・カナタミおよびカナダ政府によって、イヌイット・ヌナンガットとして知られている[4][5]。カナダでは、カナダ1982年憲法法第35項および第25条において、イヌイットはカナダ先住民の中の独自の集団として分類されており、ファースト・ネーションにもメティにも含まれない[6][7]

グリーンランドのイヌイットは、カラーリットとしても知られ、西暦1100年までにカナダから移動してきたトゥーレ人の子孫である[8]。グリーンランドは1985年に欧州共同体から離脱したが、グリーンランドのイヌイットはデンマーク市民であり、そのため欧州連合市民でもあり続けている[9][10][11]

アメリカ合衆国では、アラスカイヌピアットは伝統的にノースウエスト・アークティック郡ノーススロープ郡ベーリング海峡リトルダイオミード島に居住している。

ロシアでは、住民がロシア本土へ移住させられたラトマノフ島出身のロシア系イヌピアット離散コミュニティが、チュクチ自治管区ベーリング海峡沿岸、特にウエレンラヴレンティヤロリノにわずかに残っている。

生活態様

地球上で最も寒冷な地域に太古の昔より居住、生活し続けて来た稀有な民族である。

古来からの伝統的な食生活は主に肉食で、地域にもよるが、主にオットセイセイウチ、クジラ等を捕まえて食べるのが一般的である。また、トナカイを狩る事もある。ワシントン条約などで狩猟が規制されているイッカクなどの動物についても、イヌイットは狩猟が認められている。

近年は都市化が進み、スーパーマーケット等で食品を購入して食べる等、イヌイット以外の人々と大差の無い生活を送っている。

また、衣服や靴は古くは獣の皮を剥いで作った毛皮製の物だったが、現在は洋服店や靴屋、ネット通販等で購入した市販の洋服や靴が一般的である(「アノラック#イヌイットの衣装」を参照)。

言語

イヌクティトゥット語(イヌイットの言語)の分布。ほぼイヌイットの分布と考えてよい。方言で色分けしてある。

固有の言語イヌクティトゥット語で、エスキモー・アレウト語族に属する。グリーンランドで話される方言はグリーンランド語とも呼ばれる。

各国の公用語の英語フランス語デンマーク語も広まりつつある。

イヌクティトゥット語の表記には文字は全域でラテン文字が使われるが、カナダではカナダ先住民文字も併用される。

脚注

  1. Hessell, Ingo. (2006). Arctic Spirit: The Albrecht Collection of Inuit Art at the Heard Museum. Vancouver: Douglas & McIntyre. ISBN 1-55365-189-8.
  2. Overview of Comparative Inuit-Yupik-Unangan”. Alaska Native Language Archive. University of Alaska, Fairbanks. 2021年5月13日閲覧。
  3. Government of Canada, Statistics Canada (2019年2月19日). Statistics on Indigenous peoples”. www.statcan.gc.ca. 2025年2月27日閲覧。
  4. Inuit Nunangat Policy”. www.rcaanc-cirnac.gc.ca. Crown–Indigenous Relations and Northern Affairs Canada (2025年5月26日). 2025年6月12日閲覧。
  5. Maps of Inuit Nunangat (Inuit Regions of Canada)”. Inuit Tapiriit Kanatami (2008年9月5日). 2021年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年4月19日閲覧。
  6. Aboriginal rights and freedoms not affected by Charter”. Constitution Act, 1982. Department of Justice (Canada) (2021年6月30日). 2026年4月19日閲覧。 “[T]his Charter of certain rights and freedoms shall not be construed so as to abrogate or derogate from any aboriginal, treaty or other rights or freedoms that pertain to the aboriginal peoples of Canada.”
  7. Rights of the Aboriginal Peoples of Canada”. Constitution Act, 1982. Department of Justice (Canada) (2021年6月30日). 2026年4月19日閲覧。 “In this Act, aboriginal peoples of Canada includes the Indian, Inuit and Métis peoples of Canada.”
  8. Park, Robert W. (April 1993). “The Dorset-Thule Succession in Arctic North America: Assessing Claims for Culture Contact” (英語). American Antiquity 58 (2): 203–234. Bibcode:1993AmAnt..58..203P. doi:10.2307/281966. ISSN 0002-7316. JSTOR 281966.
  9. The Greenland Treaty of 1985”. 2014年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月24日閲覧。
  10. The Greenland Treaty of 1985”. 2016年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月20日閲覧。
  11. Overseas Countries and Territories (OCTs)”. 2015年12月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月20日閲覧。

関連項目

外部リンク


イヌイット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 14:31 UTC 版)

血液の食用利用」の記事における「イヌイット」の解説

イヌイットの間では、アザラシ生血を飲むと健康的な利益もたらす信じられている。

※この「イヌイット」の解説は、「血液の食用利用」の解説の一部です。
「イヌイット」を含む「血液の食用利用」の記事については、「血液の食用利用」の概要を参照ください。

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