ヌナブト準州
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- ヌナブト準州
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Nunavut
-
(準州旗) (準州章) -
モットー: イヌクティトゥット語: ᓄᓇᕗᑦ ᓴᙱᓂᕗᑦ
"Nunavut Sannginivut"
英語: Our land, our strength
フランス語: Notre terre, notre force -
-
基本データ 準州の花 パープル・サクシフレイジ
(Purple Saxifrage)準州の木 なし 準州の鳥 ライチョウ 準州都 イカルイト 最大の都市 イカルイト 準州の公用語 イヌイット語(イヌクティトゥット語、イヌイナクトゥン語)、英語、フランス語 面積
- 総計
- 陸地
- 水域(割合)
最高標高(国内第1位)
2,038,722 km²
1,877,787 km²
160,935 km² (7.9%)
2,210 m人口(2021年)
- 総計
- 人口密度(国内第13位)
36,858 人
0.02 人/km²GDP(2011年)
- 州合計
- 1人当たり(国内第13位)
19億6400万[1]カナダドル
5万8452カナダドル連邦政府加入
- 順番
- 加入年月日
13番目
1999年4月1日時間帯 【準州東部】
東部標準時(EST、UTC-5)
東部夏時間(EDT、UTC-4)
夏時間を採用していないエリアもある。
【準州西部】
中部標準時(CST、UTC-6)
中部夏時間(CDT、UTC-5)
【準州北西部】
山岳部標準時(MST、UTC-7)
山岳部夏時間(MDT、UTC-6)郵便コード
郵便番号
ISO 3166-2:CANU(一時的に:NT)
X
CA-NU公式サイト https://www.gov.nu.ca/ 行政 弁務官 エヴァ・アリアック 準州首相 P・J・アキアゴク(無所属) カナダ議会
-下院議席数
-上院議席数
1
1
ヌナブト準州(ヌナブトじゅんしゅう、英語: Nunavut 英語発音: [ˈnuːnəˌvʊt], フランス語: Nunavut、イヌクティトゥット語: ᓄᓇᕗᑦ [ˈnunavut])は、カナダの準州の一つ。1993年に連邦政府とイヌイットの間に締結されたヌナブト協定(en)に基づき、1999年4月1日にイヌイットの自治準州としてノースウェスト準州の一部を分割して設立された。ヌナブト(ヌナヴト)とはイヌクティトゥット語で「我々の土地」を意味する[2]。
西はノースウェスト準州、南はマニトバ州と接している。北東ではデンマークのグリーンランドと国境を接し、ハンス島にはデンマークとの陸上国境がある。カナダ北部にある北極諸島の大部分(バフィン島、エルズミーア島、デヴォン島など)を含む。ハドソン湾、ジェームズ湾に浮かぶすべての島もヌナブト準州に属する。人口は3万6858人(2021年国勢調査)[3]。州都はバフィン島にあるイカルイト。
歴史
現在ヌナブト準州のある地域には、4000年前から人類が居住していた。多くの歴史学者はノース人のサーガに記述されているヘルランドとバフィン島は同一のものと考えており、従ってこの地の住民はノース人と交流があった可能性がある。1576年には、マーティン・フロビッシャーが北西航路の探検中に、現在フロビッシャー湾として知られる地域にたどり着いた。これが、ヨーロッパ人とこの地が接触した最初の記録である。
1950年代の冷戦時代には、コーンウォリス島およびエルズミーア島への関心が高まった。その地政学的な重要性から、政府はケベック州北部のイヌイットをレゾリュートおよびグリスフィヨルドへ移住させた。1976年には連邦政府とイヌイット団体の間でノースウェスト準州の分割についての議論が始まり、1982年には住民投票が行われ、分割賛成が多数を占めた。1993年には関連法案が連邦議会で成立し、1999年正式にヌナブト準州が成立した。
地理


主要都市
人口動勢

2006年の調査によれば、イヌイットが総人口の83.6%を占め、以下ファースト・ネーションが0.34%、メティが0.44%、先住民族以外の人々が15.0%となっている[4]。
政治
準州は州と違って国王の名代である副総督(Lieutenant-Governor)がおらず、その代わり同等の権威を持ち連邦政府から派遣される官僚である弁務官(Commissioner)がいる。一院制の議会は政党制ではなく、個人で選出される議員で構成される。
教育
イカルイトには幼稚園、小学校、中学校と高校を合わせて5校あり、他に2つの大学がある。 一つはヌナブト北極大学で、アルビアトに本部があり、イカルイト、ケンブリッジベイとランキンインレットにキャンパスがある。もう一つはアキツィラク法科大学で、イカルイトにある。すべて公立大学であり、前者はコミュニティカレッジを兼ねている。
脚注
出典
- ^ “Gross domestic product, expenditure-based, by province and territory (2011)”. Statistics Canada (2013年11月19日). 2013年9月26日閲覧。
- ^ Maxine Snowden『北極・南極探検の歴史 極限の世界を体感する19のアクティビティ』丸善出版、2016年、78頁。ISBN 978-4-621-30068-8。
- ^ “Population and dwelling counts: Canada, provinces and territories”. カナダ統計局. 2024年5月13日閲覧。
- ^ Statistics Canada. “Aboriginal Population Profiles”. Census 2006. 2009年2月1日閲覧。
関連項目
外部リンク
- ヌナブト準州政府公式サイト (イヌクティトゥット語、イヌイナクトゥン語、英語、仏語)
- ヌナブト準州政府観光局公式サイト
ヌナブト準州
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/14 17:09 UTC 版)
「イヌクティトゥット語」の記事における「ヌナブト準州」の解説
ヌナブト準州は、地理的にカナダ最大のイヌイット生活圏である(グリーンランドの居住に適さないアイス・シールド地域を除外)。大陸部に加え、大河あるいはハドソン海峡など海峡に隔てられた島々、年の一部は凍結する海洋地域も含まれるため、居住者の方言に見られる大きな多様性は、驚くに値しない。 ヌナブト準州の基本法では、公用語は英語、フランス語、イヌクティトゥット語、イヌイナクトゥン語の4つと定めている。しかし、イヌクティトゥット語とイヌイナクトゥン語を別の言語として規定しながら、州の方針はこの二つを明確に区別していない。Inuktitut という単語は、しばしば両方を表すものとして使われる。 イヌクティトゥット語話者の人口分析は、ヌナブト準州において特に多数を占め、2万4,000人のイヌイット居住者がおり、彼らのほとんど、2001年統計によれば80%がイヌクティトゥット語話者である。この人数には3,500人の単一言語使用者を含む。同統計データによれば、高齢者にくらべ若者のイヌクティトゥット語使用率は低いが、カナダ全体で見るとイヌクティトゥット語話者の減少傾向が停止しており、ヌナブト準州においては増加をみせている。 イヌイナクトゥン語 ヌナブト準州の キティクメオト地域地域西部と、ノースウエスト準州のホールマンで話されている。イヌクティトゥット語の特定の方言として特徴が多く、最も特筆すべきは伝統的なイヌクティトゥット語音節の欠乏である。ヌナブト準州当局が公用語の一つとしているのに対し、世間の人々はイヌクティトゥット語の単なるローマ字表記と考えている。しかしながらヌナブト準州の西部では、独得のイヌイナクトゥン語のローマ字記法を使う。 ナツィリング語 ナツィリクと呼ばれキティクメオト地域東部の一部に暮らす人々が使う。研究者によっては、Utkuhiksalingmiutut 方言(ナツィリ語 Natsilingmiutut の派生)とみる。これは現在ではキングウィリアム島のジョアヘブンで話されるが、過去はフランクリン湖及び Chantrey Inlet 地域で話されていた方言で、別のものである。 Kivallir語 キヴァリク地域からマニトバ州境までの地域で話される。 Aivilim語 もとアイリク語 (Aivilik) と呼ばれ、キヴァリックのサウサンプトン島とレパルスベイおよびキキクタールク地域のメルヴィル半島にかけて話される。この地域には、もともとサドラ族の人々が暮らしたが、19世紀後期から20世紀初頭の間に消滅し、その後にイヌイットが移住した。何人かの言語学者は、個別の方言として分けるには North Baffin にあまりにも近いと指摘している。 北バフィン方言 (Qikiqtaaluk uannangani) バフィン島の北部の一部、イグルーリク(英語版)、メルヴィル半島の近くの一部地域、ヌナブト準州北部のイヌイット・コミュニティー(レゾリュートやグリスフィヨルドなど)の一部で話されている。この方言は、映画 "Atanarjuat: the Fast Runner"(邦題:「氷海の伝説」)で聞くことができる。 南バフィン方言 (Qikiqtaaluk nigiani ᕿᑭᖅᑖᓗᒃ ᓂᒋᐊᓂ) 準州都イカリウト (en) を含むバフィン島の南部一帯で話す言葉である。近年、イヌクティトゥット語の放送媒体の多くがこの都市に本拠地を置くことから、この言葉を各地で耳にすることが増えた。言語学者にはバフィン方言を南北に加え「東バフィン方言」つまりイヌヴィアルク方言に区別する説もある。 2000年代初頭、ヌナブトでは幼児期から小学校、中学校レベルの教育に徐々に母語教育を実施し、イヌクティット語をさらに保護し、普及させた。2012年現在[update]、「イカリウトに『プルルビク』というイヌクティトゥット語訓練センターを置き、指導者研修の新規目標を設定した。イヌクティトゥット語の各種の教授法は、ヌナブトの各コミュニティの指導者にそれぞれ母語で研修し、地元に戻って教育に活用してもらう」としている。
※この「ヌナブト準州」の解説は、「イヌクティトゥット語」の解説の一部です。
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