コンポーネントステレオとは? わかりやすく解説

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コンポーネント‐ステレオ

《(和)componentstereo》アンプ・チューナー・プレーヤー・スピーカーなどがそれぞれ独立した単体で、それらを組み合わせて使うオーディオシステム。レイアウトが自由で、各部分を買い替えグレードアップもできる。コンポステレオコンポコンポステレオ。→ミニコンポ

[補説] 英語ではstereo component system


コンポーネントステレオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/06 06:00 UTC 版)

コンポーネントステレオの一例。最初からワンセットになっている例。
画像はTechnicsブランドのSC-HD51。松下電器産業(現・パナソニック)製で、世界市場向け(日本は対象外)。この写真では最上段がCDプレーヤー、2段目が「カセットデッキ」と呼ばれるカセットテープのプレーヤー兼レコーダー、3段目がFMAMチューナー、4段目がアンプ。積む順番はユーザの好みで変更できる。
別の例。「フルサイズ」と呼ばれるサイズのユニット群。左側はチューナー(左上)、アンプ(左中)、カセットデッキ(左下)。右側はレコードプレーヤー。これはHITACHI製の例。(この写真ではスピーカーは写っていない)
さらに別の例(ドイツ)。東ドイツ側のRFTという製造業者協会の(集団的な)ブランド。
「ミニコンポ」と呼ばれるサイズの例。横幅が小さい。
置き方の一例。棚の各段にバラバラに置いた例。特にオープンリールはその上に他のコンポーネントを積み重ねない(られない)のが一般的。(スピーカーユニットは離れた場所に置いてあるので写っていない)この写真はRevoxブランドのコンポーネント群(スイスStuder社製)
置き方の一例。これはおそらくDIYの棚。レコードプレーヤーの置き方の工夫例。この写真のコンポーネント群は、複数のメーカーのものを組み合わせた例。全てフルサイズを選び、しかも筺体色を意図的に黒色で揃えることで見た目の統一感も実現した例。なお最初からワンセット販売のシステムコンポーネントでは、もっと美麗な棚がメーカー側で用意され別売り方式で販売されることも多々ある(あった)。「今購入すれば(立派な)棚もおつけします」などと、販売推進の材料としても使われた。

コンポーネントステレオ和製英語: component stereo, 英語: stereo component system)は、スピーカーアンププレーヤーなどがそれぞれ独立し単体化された形態のステレオ[1]。(「複数のコンポーネントで構成されたステレオ方式の音響再生装置」という意味の用語[2]) 略して「コンポ」と呼ばれることもある。

各部分(各コンポーネント)ごとに買い替えて、部分ごとにグレード‐アップが可能である[1]

コンポーネントステレオの入手方法はいくつかあり、あらかじめメーカー側がコンポーネント群をひと組、ワンセットにして販売している状態のものを入手する方法もあるし、ユーザが各コンポーネントを別々のメーカーから個別に購入して自力で組み合わせて構成する方法もある。なお、コンポーネントステレオのコンポーネントうち、特にアンプ(のコンポーネント)やスピーカーユニットは、自作が可能であり、熱心なオーディアマニアの間では古くから自作が行われており、現在でも行われ続けている。

各コンポーネントは、例えば(基本となる)アンプおよびスピーカー、それに加えて、(各時代ごとの一般的な音響技術(録音媒体)に基づいたメーカー側の判断や、各ユーザの好みなどに応じて)レコードプレーヤー、録音された磁気テープの再生装置、CDプレーヤー、またラジオチューナーなど。

大きさ(サイズ)に関しては、(スピーカーを除いた部分のサイズに関して)業界で「フルサイズ」と習慣的に呼ばれるサイズは、 19インチラック収容の業務用機器に範をとった幅 19 インチ (482.6 mm)、またはここからマウント用の耳の分を除いた幅 17 インチ (431.8 mm) 程度の大きさが一般的(ただし操作部が上面にあるなどの理由で積み重ねられることのない機器はこれに当てはまらない)。それに対して、幅を 35 cm 程度以下とした小型のものは「ミニコンポ」と呼ばれる。コンポーネントステレオの中でも、いわゆるオーディオマニアが購入する高級オーディオ機器の場合は通常、「フルサイズ」である。スペースを余計にとり部屋が狭くなってしまうことを避けることのほうが重要だと判断するユーザは「ミニコンポ」を選ぶ、ということになる。

歴史

世界

日本

コンポーネントステレオ自体は古くから存在しており、1958年に日本ビクター(現・JVCケンウッド)から発売された日本最初のステレオレコード再生装置[3] STL-1S (¥77,000-) もレコードプレーヤー・インテグレーテッドアンプ・ 20 cm フルレンジバスレフ型スピーカーシステム 2 台の計 4 点[4]からなるコンポーネントスタイルだった。しかしこれは価格的にもサイズ的にもおいそれと買えるようなものではなかった。

1959年にやはり日本ビクターから「皇太子殿下・美智子妃御成婚記念モデル」と銘打って発売されたアンサンブル型ステレオ STL-3 (¥47,800-) は、大卒初任給が 12,700 円の時代に依然として高価だったにもかかわらず大ヒットとなり、ここにアンサンブル型がステレオの定番として定着した。アンサンブル型とはレコードプレーヤー・ラジオチューナー・アンプ・スピーカーなどがすべて一体化されたタイプである。大形のセットで一体化するとあまりに巨大で重くなってしまうため、必然的に比較的小形のセットに限定される(当時は真空管時代であり、小形といってもそこそこの大きさがあった)。またスピーカーまで一体化されているためレコードプレーヤーに振動が伝わり、音響的には悪条件となる。このため特にレコードの再生で音質が悪く、後に廃れることになるが、ともかく一時代を築いた。 CD ラジカセなどの祖先ともいえる。

1960年には福音電機(現・パイオニア、およびオンキヨーホームエンターテイメント)からセパレート型ステレオ Pioneer PSC-1 が限定発売された(価格不明。 1962年にパイオニアから発売された PSC-5A は¥83,000-)。セパレート型とはアンサンブル型から左右のスピーカーを分離したもので、これによりセットを大形化することが可能となり、またスピーカーの振動が伝わらなくなることで音質が格段に向上する。しかしその分大がかりで高価なものとなってしまい、当初はあまり売れなかった。しかし日本が豊かになるにつれアンサンブル型との違いが知られることとなり、また家具調度としての見栄えも良く、 1960年代後期にはアンサンブル型は廃れ、セパレート型がとって代わった。

アンサンブル型ステレオやセパレート型ステレオはその大きさとデザインから「家具調ステレオ」とも呼ばれるが、その一方で 1960年代後期くらいから「卓上セパレート」「モジュラーステレオ」などと呼ばれる小形のステレオ装置が登場してきた。真空管に代わって新しく使えるようになったトランジスタを用い、セパレート型を卓上サイズにしたもので、それまでの「家具」からの脱却が見られる。後のミニコンポの祖先ともいえる。

コンポーネントステレオは欧米では先行して普及していた。しかし真空管回路では信号系のトランスに使用する日本製のコアが劣悪で、日本製のコンポーネント機器は欧米では全く勝負にならなかった。ところがトランジスタが実用になると信号系のトランスが不要になる。まさに欧米に打って出る千載一遇のチャンスが訪れたのである。 1965年にソニー(初代法人。現・ソニーグループ)が日本初の全シリコントランジスタステレオアンプ TA-1120 で高級コンポーネントステレオ市場に参入するが、同じ頃、日本の多くの企業が高級コンポーネントステレオに舵を切ったのである。

1973年頃からはセパレート型ステレオに代わり日本でもコンポーネントステレオが主流となった。

システムコンポーネント(システムコンポ)

システムコンポーネントは、メーカー側で、あらかじめ組み合わせでうまく動作するよう設計されたコンポーネント群で、ワンセットで販売されたコンポーネント群である。「システムコンポ」と略される。

コンポーネントのコネクタにはさまざまなものがある。電流の量、最大値などの設定は、機種ごとに設計が異なっていて、組み合わせ方によっては回路が破壊されてしまう場合もあった。バラバラに購入するのが当たり前であった時代、ユーザたちはカタログ(というより、昔はペラとした紙が数枚)などを読み込んだり、店舗に行って実物を確認するなどして、コンポーネントとコンポーネントが組み合わせられるのかそうでないのか、わざわざかなりの時間をかけて確認しなければならなかった。そういう作業をしてもスペックの数値が明記されておらずどうにも判らないものも多かった。製品が店頭に無く「取り寄せ」の場合は、あらかじめ確認することもできなかった。わざわざ貴重な時間をかけて検討してから多額の費用をかけて購入しても、いざ自分の手元に届いてから組み合わせようとした段になって、コネクタが合わず組み合わせられない、と判明したり、たとえばアンプとスピーカのインピーダンスが合わずまともに音が出なかったり繋いだとたんに壊れてしまう、という悲惨なことも起きがちだった。かなり知識や経験を積んだ人でも、組み合わせの失敗は頻発したので、ましてや初心者にとっては、各コンポーネットがうまく組み合わさって、回路が壊れずまともな音量でスピーカーから音楽が放たれるかどうかは、一種の「賭け」のような状態になってしまっていた。初心者~中級者は、いちいち(失敗を多数繰り返した経験のある)上級者や、あるいはたまたま まともな組み合わせ例を見つけた人などに尋ねてからしか安心して各コンポーネントを購入できなかったり、あるいは販売店の店員の「いいなり」状態になって(ありがちなことだが、高額商品に誘導されては)購入するしかない、というきわめて理不尽な状況に置かれた。 あるいは、メーカー側が作成した高額なコンポーネント機器のカタログに「組み合わせ例」として掲載されているとおりの組み合わせで買うしかなかった。それでも失敗は頻発した。いざ接続して音が出なかった場合、いったいどこに問題があるのか原因もわからず、新たに追加したコンポーネントの初期不良なのか、組み合わせが悪くていまのところ鳴らないだけで今後工夫すれば鳴るようになるのか、それとも接続したとたんに回路が壊れてしまって今後絶対に鳴らないのか、ユーザには判断がつかなかった。(月給相当や、月給数カ月分もの)高いお金をかけて各コンポーネントを購入しても無駄になり大損してしまう可能性が高いようでは、ばかばかしくて人々の購入意欲も失せ、市場も育たず、メーカー側としても売上にブレーキがかかったようになり十分に伸びない。ユーザー側・メーカー側双方にとり、よろしくない状況だった。そんな状況を解決するためにメーカー側が登場させたのが「システムコンポーネント(シスコン)」である。

システムコンポーネントには、コネクタや回路の相性の問題を解消できるというメリットだけでなく、外観デザインにも統一性を持たせることができる、という大きなメリットもあった。部屋に置いた時に、統一感があるかないか、ゴチャゴチャした印象をあたえるどうか、ということはとても重要なことである。

メーカー側としては、シスコンを用意した主たる狙いは、(「賭け」になってしまうような)ユーザ側にとって理不尽な状況をとりのぞくことで、購入者が安心して購入でき、市場のすそ野を広げることが主な目的であるので、比較的低価格な価格設定にもなっていて、人々から大歓迎された。

ユーザー側は、まずシスコンを購入することで、ともかくまともに作動し音楽を聞けるセットを入手することができた。メーカーは最初に設置する時のための(コンポーネントをまたいだ、全体として統一的な)「設置ガイド」の類も用意でき、具体的にどのコンポーネントのどのコネクタからどのケーブルでつなげばいいのかも、具体的な図入りで、統一的に、詳細に掲載することができた。その組み合わせの時にぴったりの長さのケーブルも用意できた。設置ガイド通りにケーブルをつないでゆけば音が出るので、各街のメーカー系列の電気店(メーカー傘下の小さな個人経営の電気店。たとえば当時の「ナショナルショップ」、他にも日立系列、東芝系列等々の小売店など)でも、店主が(たとえオーディオに詳しくなくても)その設置ガイドを読みつつ設置すればよいので、街の電気店の商品として売ることができた。かなりの価格になるものなので、メーカーにとっても、またそうした小さな電気店にとっても、売上・収益に貢献するとても良い商材となった。

オーディオのことやエレクトロニクスのことはさっぱり分からない人でも購入できるようになった。購入したい人は、自分の街の、メーカー系列の電気店に頼めば、商品を持ってきて店主が設置してくれて実際に音が出るようになるところまで責任を持ってくれた。もし万一 設置時に最初から一度も音が出ない事態になった場合でも、購入者は悪くない、という事実は明らかなので、電気屋の店主に音がでるまで何度か努力させるか、それでも駄目なら、そんな役立たずな製品は突き返して金を払わなければよかった(電気店の店主ですら鳴らせられないような代物の責任を、購入者がとる必要はないからである。)音が鳴らない場合の責任の所在がどこにあるかはっきりするようになり、泣き寝入りする必要がなくなり、確実に音が鳴るセットを入手できるようになったので、購入者側は高額商品にもかかわらず、かなり安心して購入できるようになった。

ユーザは、一旦シスコンを購入したら、そのままずっと使い続けてもよかったし、あとは各人の好みやこだわりや必要性に応じて、各コンポーネントをグレードアップしたり追加してもよかった。たとえばスピーカーユニットだけをさらに高性能のものに変更したり、レコードのターンテーブル(プレーヤー)だけを変更したり、あるいはその時代時代で登場する新たなタイプのプレーヤー(たとえばCDプレーヤーMDプレーヤーなど)を追加することもできた。[5]

ミニコンポ

システムコンポのブームが一段落した後、さらに一回り小さいミニコンポや、もうひと回り小さい「ミニミニコンポ」が現れた。その後に現れた左右のスピーカーと本体という3ピース構成で、ある種のコンポ以前への先祖返りとも言える構成のオーディオシステムまで含め「ミニコンポ」と今日では全てを含めて総称しており、オールインワンタイプの製品に次ぐ普及帯のオーディオ製品となっている。ミニコンポは一般にシスコンである。2010年代には、システムコンポではなく単品コンポ的なスペックとごく小さな筐体サイズ(CDケース数枚分)という新しいコンセプトの製品が、東和電子(Olasonicブランド)からNANOCOMPOという名前で登場した。


脚注

  1. ^ a b 精選版 日本国語大辞典、コンポーネントステレオ
  2. ^ 「ステレオ」はもともと、左・右の音をべつべつに扱う、2ch方式(音響信号のチャネル(通る経路、通る回路)が、左・右別に、2つある方式)の音響方式を指す用語。現在では、「ステレオ」一言でステレオ方式の再生装置を意味する使い方はやや歴史的である。今日ではステレオ方式の音響再生装置は、単に「オーディオ装置」「オーディオセット」や単に「オーディオ」と呼んで済ませてしまうことが多い。というのは、音楽鑑賞の分野で、かつてモノラル方式が主流だった時代にステレオ方式が登場し普及してゆく段階では「ステレオ(方式)」であることを強調することは重要でそちらに比重を置いた(かつ短縮化するために後半の「オーディオ(装置)」を削った)のだが、その後、モノラル方式のオーディオ装置は、ステレオ方式に負けて世の中から消滅してしまったため、モノラル装置の消滅後は、「ステレオ(方式)」ということをわざわざ強調しなくてもそうに決まっている、という判断が働いている。つまり、「ステレオ(方式)オーディオ(装置)」の前半部分は省略して後半部分の「オーディオ」だけを残すなどして用語の短縮化を行っているのが現在の状況なのである。
  3. ^ モノラルレコードの再生装置は以前からあった。ちょうどこの頃レコードがステレオ化されたのである。
  4. ^ 翌 1959年、さらに AM ステレオチューナーが発売された。このように後から追加できるのもコンポーネントステレオの利点である。
  5. ^ シスコンが登場してから、シスコンでないコンポーネントステレオのことをレトロニムで「バラコン」(機器がバラバラという意味)という呼び方をする人も一部で現れたが、でっちあげ気味の言葉であるし、また上品な表現でもないとされている。

「コンポーネントステレオ」の例文・使い方・用例・文例

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