アコースティック・ギター[acoustic guitar]
アコースティックギター
アコースティック・ギター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/08 14:11 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2020年11月)
|

アコースティックギター(英: acoustic guitar)は、ギターのうち、より古典的な、楽器から直接音声を伝えるものを指す。ピックアップを備え電気信号を出力するエレクトリック・ギター(エレキギター)に対して旧来のギターを区別するためのレトロニムである。狭義ではスティール弦アコースティックギター(フォークギター)のことを指し、こちらのほうが一般的な用法である。
標準で6本の弦をもち、指先と爪を使って弾くフィンガー・ピッキング、あるいはピックではじくピック奏法で演奏される。弦の振動および音波は楽器本体および本体内の空洞の共鳴を経て奏者や聴客の耳へ届く。チューニングなどは、ギター#チューニング(調律)を参照。
解説

「アコースティック[注釈 1]」は「生音の」を意味し、信号変換や電気増幅を伴わないことから「生ギター」と呼ばれることがある。「アコギ」という略称で呼ばれることも多い。1980年代後半から(アコースティックピアノや、アコースティックベースなどと同列に)「アンプラグド」(unplugged) という言葉も使われ始めた。
厳密にいえばクラシックギターも生音で演奏するギターなので同じ分類に含まれるが、ほかのギターと同様に「アコースティックギター」として扱われることはごく稀である[1]。
アコースティックギターには、バリトン・ギターやテナーギターといった特殊な音域を持つものや、12弦ギターを始めとする複弦ギターなどのバリエーションがある。
19世紀末には、スチール弦を張ったものが製品化され、ジャズやブルースなどで使用された。しかしながら、音を電気増幅するエレキギターの登場後、これらのジャンルでもエレキギターが使われることが多くなり、エレキギターの登場後に始まったロック・フュージョンなどのジャンルでもエレキギターが使用されることが多い。
しかし、アコースティックギターとエレキギターの音色は全く異なったものであり、20世紀後半以降のロックやブルースでもアコースティックギターが使用される場面はごく普通に見られる。また、アコースティック楽器のサウンドが回帰的な意味で求められ、1960年代のフォークソングブームや90年代のMTVアンプラグドのブームなど、各国で幾度かのブームが到来している。
アコースティックギターの音を増幅する手段として、最初に現れたのは実際の音をマイクで集音し電気増幅する方法である。この方法はギターの音色をそのまま捉えることができるため、レコーディング時には最も一般的に使われるが、ステージ上ではギターの位置をほとんど動かすことができず、ハウリングも起こりやすいという難点がある。後に、エンドピン部分や、サウンドホールに専用ピックアップを取り付け、音を増幅する方法が現れた。特殊ではあるがサウンドホールをゴムなどで完全に塞ぎ、内部にピックアップを取り付けた形態のものも登場した。
エレクトリックアコースティックギター

近年[いつ?]は、エレクトリックアコースティックギター、略称で「エレアコ(ギター)」と呼ばれるギターがユーザーを増やしている。マイクに近い専用ピックアップと簡単な回路(スイッチや小型のプリアンプ)をアコースティックギターの内部に内蔵するもので、各種のアンプや拡声装置 (PA) に接続でき大音量が得られる。また電気増幅の手段を利用しない場合、通常のアコースティックギターとして使用できる。エレクトリック・ギターと違い、アコースティックギターの音色がそのまま出力される、「電気増幅機能付のアコースティックギター」である。
大きな会場でコンサートを行うミュージシャン、ロックバンドなどに重用されている。純粋なエレキギター(ソリッドギター)に比べて構造上ハウリングが起こりやすいため、状況により、ギターの共鳴振動をある程度抑制して(アコースティックギターとしては品質を損なわれた状態で)製作あるいは使用される場合がある。
なお、エレキギターにも「フルアコースティックギター(フルアコ)」、「セミアコースティックギター(セミアコ)」と呼ばれる種類が存在するが、これらは「エレアコ」とは別のものである。詳細はエレクトリック・ギター#種類を参照。
その他
エレキギターの形態で、内部のスプリングや鉄線などの振動音を拾ったり、ギターシンセサイザーやエレキギター用のエフェクターでアコースティックギターを再現する技術も増え続けている。ハウリングなどに悩まされない一方、シミュレータの域を出ないという意見も多い[誰?]。
主な日本国内の製造元
主な製造元
- ヤマハ (Yamaha)
- モーリス (Morris)
- ヤイリギター (K.Yairi)
- 高峰楽器製作所 (Takamine)
- アストリアスギター製造 (Asturias)
- ディバイザー (Headway)
- 星野楽器 (Ibanez)
- 荒井貿易 (Aria)
元々日本の会社が展開していたブランド
主な個人工房
- 辻四郎ギター工房[3] (S.Tsuji)
- 京都の茶木弦楽器製作所でジャズギター製作に従事していた辻四郎が、1974年に富山の自宅に構えた工房。オリジナルのギターを製作している。
- Yokoyama Guitars[4] (Yokoyama)
- 1975年モーリス楽器製造株式会社に入社し、ギターを始め様々な楽器を製作してきた横山正が2005年にモーリスを退社し、2006年に設立したギター工房。
- 早瀬ギター工房[5]
- エム・シオザキ弦楽器工房[6] (Fly Robin)
- Keystone Stringed Instruments[7] (Wedge)
脚注
注釈
- ^ 原語(英語)でのacousticの標準的な発音は [əkúːstɪk] であり、「アクースティック」に近い。
出典
- ^ “【入門者必見】アコースティックギターとクラシックギターの違いは?どっちを買えばいいの?”. クロサワ楽器店公式ブログ (2023年5月27日). 2025年1月7日閲覧。
- ^ “S.yairi 公式サイト|キョーリツコーポレーション”. kcmusic.jp. 2025年1月2日閲覧。
- ^ “辻四郎ギター工房”. tsuji-shiroh.com. 2025年1月2日閲覧。
- ^ “Yokoyama Guitars Official Website”. 2025年1月2日閲覧。
- ^ “早瀬ギター工房 | オーダーメイドギター | 大分県 竹田市”. 早瀬ギター工房. 2025年2月8日閲覧。
- ^ “Fly Robin :: ブランド :: (株)エースケー/ace-K corp. Official WebSite.”. 2025年1月2日閲覧。
- ^ “アート | Keystone Stringed Instruments キーストーン ストリングド インストゥルメンツ | 日本”. Keystone. 2025年1月2日閲覧。
参考文献
![]() |
この節の加筆が望まれています。
|
関連項目
アコースティック・ギター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 09:08 UTC 版)
「ポール・マッカートニー」の記事における「アコースティック・ギター」の解説
ゼニス・モデル17(Zenith Model17) ポールが最初に手にしたギター。誕生日プレゼントとして父から贈られたトランペットを楽器屋に持ち込み、そのままこのギターと交換してもらったという。ドイツの楽器メーカーであるフラマス社が製造し、イギリスの音楽出版社ブージー&ホークス社が流通させていたギターで、メイプルの合板を使用したノンカッタウェイのアーチトップ・アコースティックギターである。クオリーメンに加入した当初から使用しており、後にアーチトップ用の金属のバーに固定するタイプのフローティング式ピックアップを後付けしてエレキ化されるが、その後機材面の限界を感じたポールがロゼッティ・ソリッド7を入手したことで、ギグで使われる事はなくなった。ポールは現在もこのモデル17を所有しており、『ザ・ビートルズ・アンソロジー』の映像の中で、このギターで「トウェンティ・フライト・ロック」を演奏している姿を確認できる。現在は塗装をリフィニッシュされ、ピックガードも外されたままの状態となっている。 エピフォン・テキサン(Epiphone Texan) 1964年製で、当初は自身の作曲用としてエピフォン・カジノと同時に購入した。右利き用。購入直後にまだ右利きの弦が張られた状態で、ジョージ・ハリスンにどのようにこのギターを左用に改良したらよいかアドバイスを求めている写真が残されている。全音下げチューニングで「イエスタディ」のレコーディング時に使用されている。当初はレコーディングやテレビ出演用のギターとして使用されていた。現在は全音下げチューニングに固定された状態で、コンサートツアーでは専ら「イエスタデイ」の演奏で使用される他、2005年のアルバム『ケイオス・アンド・クリエイション・イン・ザ・バックヤード』収録の「ジェニー・レン」でも使用された。ステッカーが表面に2枚貼られている。 マーティン D-28(Martin D-28) 1967年より使用開始。ビートルズ時代からウイングス時代まで使用したモデルは1967年製の右利き用。ウイングス解散後には左利き用のモデルを使用。2002年以降のツアーやライブでも頻繁に使用している。 マーティン・OOO-18(Martin OOO-18) マーティン・J-18(Martin J-18) 1993年のワールド・ツアーで使用。左利き用。サウンドホールに後付式のピックアップをガムテープで固定して使用された。J-18は、マーチンのMサイズボディと同じながら厚みはDサイズの深いもの、ボディ下部の広がりでooo-18と見分けが可能。 マーティン12弦ギター(モデル名不明) ギブソン・J-180(Gibson J-180) 通称エヴァリー・ブラザーズモデル。ムスターシュ (髭形) ・ピックガードがサウンドホールの左右に貼られ、外見上は利き腕による区別がない。1960年代後半製の仕様だが、近年はブリッジが改造され、オリジナルの仕様とは異なりブリッジピンで弦を留める仕様となっていることが確認されている。ウイングス時代から1993年のツアーまで、レコーディングやライヴで使用されている。 ギブソン・J-185 2013年のOut Thereツアーの頃から使用している12弦。サンバースト。 ギブソン・J-160E ビートルズ時代にジョン・レノンとジョージ・ハリスンが使用したことで有名なモデルだが、ポールはビートルズ解散以降に手にしている。ボディシェイプが変更された1969年以降の仕様で、右利き用のサンバーストカラー。 タカミネ・NPT-010(Takamine NPT-010) アルヴァレズ・ヤイリ・YD-88BK(Alvarez Yairi YD-88BK) 日本のK・ヤイリの米国輸出モデル。黒色・左用で、サウンドホールが無いのが特徴。現在も市販されている(オーダーでのカスタマイズも可能で、日本でもアルヴァレズ・ヤイリ仕様で作ることができる)。1989-1990年のツアーで使用。 オベーション・カスタム・レジェンド1619 1975年〜1976年のウィングスのワールドツアー、および1979年の英国ツアーで使用された6弦のオベーション。市販モデルとは仕様が若干異なる。 オベーション・ペースメーカー1615 1975年〜1976年のウィングスのワールドツアーで使用された12弦。 オベーション・カスタム・レジェンド1658 1975〜1976年のウィングスのワールドツアーで使用された、もう1本の12弦。
※この「アコースティック・ギター」の解説は、「ポール・マッカートニー」の解説の一部です。
「アコースティック・ギター」を含む「ポール・マッカートニー」の記事については、「ポール・マッカートニー」の概要を参照ください。
「アコースティックギター」の例文・使い方・用例・文例
Weblioカテゴリー/辞書と一致するものが見つかりました。
- アコースティックギター用語集 - 楽器探そう!デジマート
アコースティック・ギターと同じ種類の言葉
- アコースティック・ギターのページへのリンク