キリスト教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 06:13 UTC 版)
キリスト教 | |
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国・地域 | 世界的に信仰される |
信者数 | 23億8200万人 (2020年)[1] |
成立年 | 1世紀[2] |
創始者 | ナザレのイエス[3] |
信仰対象 | 三位一体 |
聖典 |
旧約聖書/ヘブライ語聖書[3] 新約聖書[3] |
母体 | ユダヤ教[2][4] |
宗派 | キリスト教諸教派の一覧 |
主な指導者 | 教皇(カトリック教会) |
聖地 |
エルサレム バチカン |
発祥地 | イスラエル[2] |
教義 |
「教義」も参照 |
備考 | 世界宗教のひとつ |
2020年時点で、世界における信者数(キリスト教徒)は23億8200万人ほどで、世界人口に占める比率は約31%であり全ての宗教の中で最も多い[1]。イスラム教、仏教と並ぶ世界三大宗教の一つである。
概説
キリスト教は、イエス・キリスト[注釈 6]を救い主と信じる宗教であり、自らをキリスト教徒と呼ぶすべての人々を包含するものである[17]。キリスト教には、その歴史的経緯から様々な教派、教団、組織、信条が存在している[17][18]。キリスト教は普遍的な宗教(世界宗教)であり[注釈 7]、特定の民族や人種あるいは限定された身分や社会階層のためのものではなく、すべての人に向けられたものである[17][注釈 8]。実際、キリスト教は、異なる文化・多くの民族の様々な人々に広く受け入れられて、政治構造や社会状況および科学知識や哲学思想、世界観の歴史的な変化や移り変わりがあった各地域で何世紀にもわたって教会・教団や組織を維持してきた[17]。ただし、カトリック教会の場合[注釈 9]、あるいはプロテスタントの宗教改革がドイツやスイスを舞台としていたように、組織はヨーロッパ中心主義であり続けた。また、『聖書』は主に地中海世界から中東を舞台にしたものである。
日本でも多く使用される西暦が、救世主とされるナザレのイエスの生まれたとされた年を元年(紀元)としているように[注釈 10]、キリスト教は中世[注釈 11]ー近代から推移してきた現代文明の根幹の形成に関与している。
中世における国教化されたキリスト教は宗教の自由を認めなかったため、異教(主にイスラム教)との戦いによって支配域を拡大し、土着の宗教に代えてキリスト教を説いた[注釈 12]。異教・異端であるかどうかの判別の基準としては、三位一体の教義が確立していること、イエスの復活信仰が確立していること、ナザレのイエスの死を通しての贖罪信仰が確立していること、主イエスが旧約のキリストであるとの信仰が確立していること等が規定されている[注釈 13]。そうしたキリスト信仰に加え、聖書全体を神よりの霊感を受けて書かれた神の言葉として絶対的に受け止めることもある[注釈 14]。
また、異教との対話時にもキリスト者本人に、聖霊による神の言葉が具体的に顕現することが言われている福音書もある[21][注釈 15]。福音書が作られた当時、聖霊は世の終わりに神から与えられると信じられていた救いの霊とされている。[22]聖霊現象と深いかかわりのあるイエス派運動成立の上で、黙示思想はその重要な背景として存在した[注釈 16]。
キリスト教は、「旧約聖書」[注釈 17]を聖典としていることから、ヤハウェによる天地創造から始まり、原罪とその救済が教義の中心にある。「旧約聖書」という呼び方はキリスト教において「新約聖書」と対応して名づけたもので、ユダヤ教の聖典[注釈 18]の名称を旧(ふる)い約束の意味に変えて用いているものである[24]。
歴史
古代
キリスト教はユダヤ教の預言と律法を引き継ぐ[4]。イエスの死後、弟子たちはイエスの教えを当時のローマ世界へと広めていった[25]。
- 紀元前6年ないし紀元前4年ごろナザレのイエスがベツレヘムに生まれる。
- ナザレのイエスが刑死する3年ほど前、ナザレのイエスはガリラヤで宣教を開始する。山上の垂訓の中核に位置するものとして、主の祈りがある[26]。
- 紀元後30年ごろ[27]ナザレのイエスが刑死した。
イエスの復活信仰の確立
- 50年ころパウロはテサロニケ人への第一の手紙を記し[28]、生ける真の神によって、死んだはずのナザレのイエスが死者たちの中から起こされたことを表明した[29]。テサロニケの信者はイエスは死んでから蘇ったという復活信仰を始めた。
- 54年ころパウロはコリント人への第一の手紙を記し[30]、神によって、死者たちの中から三日目にナザレのイエスが復活したことを表明した[31][注釈 19]。コリントの信者はイエスは死んでから蘇ったという復活信仰を始めた。
- 70年ころ無名の著者はマルコによる福音書を記し[33]、ナザレのイエスの死後女性信者たちに何らかの事象が起きたことを表明する[34]。空になった墓を見たという記述以降は、後代の加筆であるとされている[35]。南シリアの信者はこれより、イエスの生涯を福音的視座をもって眺めることとなる[注釈 20]。
- 80年代、無名の著者はマタイ福音書を記し[37]、死人の中からナザレのイエスが起こされたことを表明した[38]。西シリアの信者は、死人の中からナザレのイエスが起こされたという信仰を始めた。
- 80年代、無名の著者はルカ福音書を記す[39]。イエスの復活信仰が確立した。
ナザレのイエスの死を通しての贖罪信仰の確立
- 50年ころパウロはテサロニケ人への第一の手紙を記し、来たらんとしている神の怒りからイエスが救い出してくれることを表明した[40]。テサロニケの信者は神の怒りからイエスが救い出してくれるという信仰を始めた。
- 54年ころパウロはコリント人への第一の手紙を記し、イエスは神の御子であり、イエスは私たちの罪のために死んだということを表明した[41]。コリントの信者はイエスは神の御子であり、イエスは私たちの罪のために死んだという贖罪信仰を始めた。また、パウロはコリント人への第一の手紙を記し、アダムにおいてすべての者が死ぬように、そのようにキリストにおいてもまた、すべての者が生きるようにさせられるということを表明した。コリントの信者はイエスによってアダムの罪による自分たちの死が神の御子により蘇りに転換したという信仰を始めた[42]。
- 80年代、無名の著者はマタイ福音書を記し[37]、イエスはヨセフの子ではなく、聖霊によって身ごもった神の御子であることを表明した[43]。そしてかれの民をもろもろの罪から救うことを表明した[44]。西シリアの信者は イエスはヨセフの子ではなく、聖霊によって身ごもった神の御子であるという信仰を始めた。そしてかれの民をもろもろの罪から救うという信仰を始めた。また、マタイ福音書の記者は、山上の垂訓の中に主の祈りを記した[26]。これにより西シリアの信者は 信仰の行としての毎日の祈りの中で怒りの神とは異なる父なる神の信仰を始めることとなる。信者は個人として主なるイエス・キリストとの関係を深めることとなり、イエスの死を通しての贖罪信仰を深めることとなる。
- 80年代、無名の著者はルカ福音書を記す[注釈 21]。イエスの死を通しての贖罪信仰が確立した。
主イエス・キリスト信仰の確立
- 50年ころパウロはテサロニケ人への第一の手紙を記し、イエスは主としてすぐに来臨してくることを表明した[46]。テサロニケの信者はナザレのイエスは主イエス・キリストであるという信仰を始めた。
- 54年ころパウロはコリント人への第一の手紙を記し、イエスは私たちの主なるキリストであるということを表明した[47]。コリントの信者はイエスは私たちの主なるイエス・キリストであるというキリスト信仰を始めた。
- 80年代、無名の著者はマタイ福音書を記し[37]、ナザレのイエスの父ヨセフは、アブラハム、ダビデの子孫であり、ヨセフの子であるナザレのイエスは予言されていたキリストであることを表明した[48][注釈 22]。西シリアの信者は、イエスはヨセフの子であり、予言されていたキリストであるという信仰を始めた。
- 80年代、無名の著者はルカ福音書を記す[45]。
- 90年代、無名の著者は使徒行伝を記し[50]、ステファノが死の直前に聖霊に満たされてイエスが神の右に立っているのを見たことを表明する[51]。信者は神の右にイエスが立っているという信仰を始めた。ユダヤ教に伝承されてきたキリストが主イエスであるという信仰が確立した。
終末信仰の確立
- 50年ころパウロはテサロニケ人への第一の手紙を記し、自らの終末観を表明した[注釈 23]。この終末観は初期キリスト教の預言者の言葉である可能性大であるとされている[52]。テサロニケの信者は下記の予測についての終末信仰を始めた。
- パウロが生きているうちに主の来臨がおきる。
- パウロが生きているうちに合図の声とともに主が天から下ってくる。
- パウロが生きているうちにキリストにあって死んだ人々が、まず最初によみがえる。
- パウロが生きているうちによみがえった死人や眠っていた人たちが天に上げられる。
- パウロは生きたままで空中で主に会うことになり、そののちはいつも主と共にいることになる[53]。
- 54年ころパウロはコリント人への第一の手紙を記し、自らの終末観を表明した[30]。コリントの信者は再臨の時までパウロが生き残ることと、不死なる体に変化する世の終わりが近づいてきているという終末信仰を始めた[注釈 24]。
- 95年から96年ごろ、著者は不明であるが、ヨハネの黙示録が著され[55]、天にてキリストの支配がはじまったという終末観が表明される[56]。パウロの死んだ年は60年ころとされるので、それから30年くらい経過した時点での新たな予測の表明が為された[注釈 25]。小アジアの信者は天にてキリストの支配がはじまったという終末信仰を始めた。キリスト教的な終末信仰が確立した。
ユダヤ教からのキリスト教の自立
- 60年代、ヤコブ、ペトロ、パウロが死ぬ。
- 66年から70年、第一次ユダヤ戦争の結果としてエルサレム神殿が崩壊したころ、ユダヤ教からキリスト教が自立した。
- 4世紀以降神学論争が激しくなり、教会が分裂をするようになる。暴力を用いる過激な教派が生まれてくる。
- 301年、アルメニア王国が初めてキリスト教を国教化。
- 325年、キリスト教徒の暴力抗争を解決するため、ローマ皇帝コンスタンティヌスはニカイア公会議を開いた。それとともに、キリスト教の勢力を利用してローマ帝国の求心力低下の課題解決に図ることもコンスタンティヌスは意図していた。
- 325年、キリスト教徒の暴力抗争を解決するため、アリウス派は異端の教派とされ追放された。
- 380年、テオドシウス帝はキリスト教をローマ帝国の国教と宣言した。
- 381年、コンスタンティノープルで第1コンスタンティノポリス公会議がニカイア・コンスタンティノポリス信条を採択した。
- 392年、国教となったキリスト教以外の宗教、およびキリスト教の異端教派の信仰活動が帝国内において禁止される[57]。
- 405年頃、ヒエロニムスが聖書のラテン語訳である『ウルガタ』を完成させる。
- 5世紀前半、アウグスティヌスが『神の国』を著述。
- 431年、エフェソス公会議において、ネストリウス派が異端の教派とされて追放された。
- 451年、カルケドン公会議においてカルケドン信条が採択された。また、単性論が異端の教義とされたが、エジプト、シリアやアルメニアを中心に合性論(正統派とされた側からは単性論の一種と見なされたが、合性論派はその見解を否定した)を支持する教会が多くあったため、各教会で対立主教が立つほどの分裂が生じた(非カルケドン派正教会の分立)。
このように国教となったキリスト教は、キリスト教以外の宗教、およびキリスト教の異端教派の説を切り捨てることにより、キリスト教における一神教的世界観での正統派信仰を確立した。
中世
- 6世紀前半、ユスティニアヌス1世が『ローマ法大全』を編纂させた。
- 800年、カール大帝はローマ教皇のレオ3世から戴冠され、以てキリスト教の守護者を自認した。
- 927年、ブルガリア正教会に五大総主教庁以外で初めて総主教位が認められた。
- 1054年の東西教会の分裂により、カトリック教会と正教会の分断が決定的となった。
- 13世紀後半、トマス・アクィナスが『神学大全』を著述。
- 1415年、コンスタンツでコンスタンツ公会議がジョン・ウィクリフを異端宣告し、またヤン・フスが火刑に処された。
- 1448年、ロシア正教会がコンスタンティノープル総主教庁から事実上独立。
- 1453年、コンスタンティノープルの陥落により、東ローマ帝国が名実ともに消滅した。
近世
- 16世紀初頭、マルティン・ルターによるカトリック教会批判により、宗教改革の時代が始まった。
- 1519年、チューリッヒでフルドリッヒ・ツヴィングリが説教の活動を開始。
- 1521年、セブ島にフェルディナンド・マゼランが上陸し、ラジャ・フマボン(Rajah Humabon)が洗礼を受けた。
- 1534年、イングランド国教会がカトリック教会から分離。
- 1536年、バーゼルでジャン・カルヴァンが『キリスト教綱要』を出版。
- 1545年〜1563年、トリエント公会議が開催され、対抗宗教改革が始まった。
- 1565年、ポーランドでポーランド兄弟団(Polish Brethren)が分派した。
- 1618年〜1619年、ドルトレヒトで『建白書』(Five Articles of Remonstrance)などを議題にドルト会議が開催された。
- 1620年、メイフラワー号が現マサチューセッツ州プリマスに到着し、「ピルグリム・ファーザーズ」が入植を開始した。現在ではピューリタンによる信教の自由のためのプリマス植民地建設開始に位置付けられる。
- 1646年、ロンドンでウェストミンスター会議が『ウェストミンスター信仰告白』を作成。
- 1738年、ロンドンでジョン・ウェスレーが救いの確信を得た。
- 1741年、13植民地でジョナサン・エドワーズが『怒れる神の御手の中にある罪人』を出版。
- 1791年、アメリカ合衆国憲法修正第1条で信教の自由が明記された。
近代
- 1830年、ニューヨーク州でジョセフ・スミス・ジュニアが『モルモン書』を出版。
- 1833年、ギリシア正教会がギリシャ独立戦争を経てコンスタンティノープル総主教庁から事実上独立。
- 1843年、ウィリアム・ミラー(William Miller)が予告した再臨の時を迎えた。(再臨待望運動)
- 1905年、フランスで政教分離法成立。
- 1906年、ロサンゼルスでアズサ・ストリート・リバイバル(伝道集会)が開始された。
- 1917年、ロシア革命によりロシアで宗教、特にロシア正教会に対する大弾圧が開始された。
注釈
- ^ Χριστιανισμόςはギリシア文字表記。仮にこれをローマ字で表記すればChristianismos.
- ^ カトリック教会[8]、聖公会[9]、プロテスタント[10][11][12][13]、ビザンティウム正教会[14]、東方諸教会[15]など。
- ^ 「御父」(おんちち〈新共同訳聖書『ヨハネによる福音書』3:35〉)。
- ^ 「御子」(みこ〈新共同訳聖書『ヨハネによる福音書』3:35〉)、「子なる神」。
- ^ 日本ハリストス正教会では「三位一体」ではなく「至聖三者」と呼ぶ。
- ^ 「イエス」(ヘブライ語: יְהוֹשֻׁעַ, Yehoshúa/ギリシア語: Ιησούς, Iēsoûs)は「ヤハウェは救い」という意味のヘブライ語人名、「キリスト」(ギリシア語: Χριστός, Khrīstós)=「メシア」(ヘブライ語: משיח, mašīaḥ)は「油注がれた者」という意味。
- ^ 「カトリック (概念)」を参照。ただし、異論はある。異論は小田垣雅也『現代のキリスト教』講談社学術文庫、1996年、ISBN 4061592548、166頁を参照。
- ^ 新約聖書は神を固有名詞では呼ばず、単に「主」や「神」、「父」というように普通名詞で呼んでいる。固有名詞は特殊性を表現するが、普通名詞は普遍性を表現するということも、世界宗教として広がっていくうえで有利に働いた要素の一つである。(山我哲雄「神名」『岩波キリスト教辞典』2002年、608頁)
- ^ カトリック教会は、2013年に就任した教皇フランシスコが8世紀のグレゴリウス3世以来のヨーロッパ外出身者であるが、その間1000年以上にわたってヨーロッパ出身者が教皇を務めていた。
- ^ イエスは紀元元年には生まれていないと推定されている。
- ^ キリスト教の全盛時代でもあり、暗黒の中世とも言われる。ルネサンス#中世=暗黒時代観参照
- ^ アステカ帝国等、いくつかの帝国とその文明ならびに土着の宗教は滅んでいった。アステカ#植民地時代の人口減少参照
- ^ 1-4世紀の古代教会の内外に発生した「キリスト教グノーシス派」は、個々の人間のうちに宿る神的本質・心魂・肉体の三元を用いて啓示を解釈し、異端とされた。(岩波キリスト教辞典P332 グノーシスの項目 大貫隆)
- ^ プロテスタントの三大原理の中には、 聖書は神の言葉であり、信仰生活は聖書の啓示をよりどころとする「聖書のみ」がある[19][20]
- ^ 聖霊現象がいくつか記されている福音書等(使徒行伝2章)を含む新約聖書が神の言葉と考えられ、そこから神話・伝説の多い旧約もそのまま神の言葉と信じられていった。そのため現代においても天地創造の時期等で科学的見解と大きく異なる見解に導かれやすい部分がある。
- ^ 神の王国、メシア、最後のさばき、蘇り・復活などの観念は黙示的とされる[23]。
- ^ 将来にユダヤを復興するメシア王を約束する『旧約聖書』を、キリスト教徒はイエス・キリストの出現を約束する救済史として読む。
- ^ ユダヤ教にとっては、旧約とは容認できない『聖書』は唯一の正典であり、現在も行動を律する文字通りの法である。民族の歴史を伝え、イスラエルの地を民族の故地とする精神的な基盤を与え、行為と歴史の両面において文化的な一体性を与える書でもある。旧約聖書#ユダヤ教を参照
- ^ パウロは、コリント第一の手紙15:5において弟子12人に、死んだはずのイエスが現れたことを記しているが、ルカはこの時点の「12人」を常に「11人」に修正している。その修正のないことは、イエス顕現の伝承が早い時期に成立したことを示唆している[32]。
- ^ マルコ福音書の作者は、物語形式を用いることによって、イエス伝承を生々しい社会的現実の舞台に戻すことが出来たとされる[36]。
- ^ ルカ福音書は、2-4世紀の「初期カトリシズム」の形成に大きく関与しているとされる。対内的には、伝統的な終末論的時間感覚をもはや共有しない異邦人キリスト教界に、新たな自己理解と歴史展開、そして教会理解を与えようとしたとされる[45]。
- ^ イエスの系図は、イエスがヨセフの子であることを前提にしていて、マタイ1:18節以下の処女降誕伝承の意図と齟齬をきたしている。しかし、マタイ福音書の記者がその点を気にとめている様子はないとされている[49]。
- ^ 執筆の主な目的は、再臨の時まで生き残るパウロたちに比較して、再臨前に死亡した信徒たちは何らかの不利益を蒙るのではないかというテサロニケの信徒たちからの問いに答えるためであった[28]。
- ^ この手紙においてもテサロニケの手紙と同様に、再臨の時まで生き残るというパウロの確信が依然として表明されている[54]。
- ^ この黙示録は、旧約預言に関連するイメージや文体によって、新しい神支配の経綸を象徴的に解釈開示している[55]。
- ^ 聖伝(伝統)を認めないプロテスタント(この出典は改革派教会のもの)の例。“What is Reformed?”. 2021年7月31日閲覧。より、"The Bible alone is the authoritative Word of God for our lives—not church tradition or what church leaders say." 「教会の伝統や教会の指導者が言う事ではなく、聖書だけが私たちの人生において権威ある神の言葉である。」
- ^ 聖伝(伝統)を認めるプロテスタント(この出典はメソジストのもの)の例。“Theological Guidelines: Scripture”. 2021年7月31日閲覧。より、"The story of the church reflects the most basic sense of tradition, the continuing activity of God’s Spirit transforming human life." 「教会の来歴は、伝統の最も基本的な意義、すなわち神の霊が人間の生活を変える継続的な活動を反映している。」
- ^ a b プロテスタントは、ルター派(ルーテル教会)、改革派教会、バプテスト、メソジスト、ホーリネス等の様々な派の総称であり、プロテスタントの一例が示されていても、それが全てのプロテスタントに当てはまる・適用される・使用されているとは限らない。
- ^ 「聖書と聖伝」という言い方も全くされないわけではない。
- ^ 例えば、南部バプテスト連盟の公式サイト内で「ニカイア信条」(Nicene Creed)を検索しても(“検索結果”. 2016年3月13日閲覧。)、2016年3月13日現在、ヒットするコンテンツが無い。
- ^ 中黒・句読点はウェブ上の コンスタンティノポリ第二全地公会百五十人の諸聖父の信経 に従った。漢字とルビ、および改行は時課経記載の通りであるが、一部旧字体を新字体に変えている。
- ^ a b c 信条文が作成された際は1人称複数現在形(ギリシア語: Πιστεύομεν)であったが、現代のギリシャ正教会で使われている版においてはこのように1人称単数現在形(ギリシア語: Πιστεύω)である(Nicene-Constantinopolitan Creed - OrthodoxWiki)。カトリック教会におけるラテン語訳版でも1人称単数現在形(ラテン語: Credo)となっており1人称複数現在形(ラテン語: Credimus)ではない(SYMBOLUM FIDEI Nicaenum-Constantinopolitanum)。現代の日本におけるカトリック教会、および正教会(日本正教会)では、1人称単数現在形の日本語訳となっている。一方で、上記における日本聖公会、および日本基督教団改革長老教会協議会教会研究所訳においては、公会議の際の1人称複数現在形を反映した日本語訳となっている。
- ^ 三位一体については、各教派ごとに様々な記述があり、それらはそれぞれ、背景にある様々な考え方を反映している。
- ^ 2022年刊の『The Oxford Dictionary of the Christian Church』第4版では「今日の」日本のキリスト教徒の数を約200万、総人口の1 %(Derek Massarella, "Japan, Christianity in", The Oxford Dictionary of the Christian Church, OUP, Oxford, p. 4186. Kindle版)としている。
- ^ ただし、ルターはうち4つ(ヤコ、ユダ、ヘブ、黙)に疑問符をつけた。シリア正教会では古くは2ヨハ、3ヨハ、2ペト、ユダ、黙を除いていたが、現在ではこれらも正典に入れている。また非カルケドン派のTewahedo正教会(英語版)は通常の27書の他にさらに8書を「border cannon」として含める(英語版))。
- ^ ただし、文書の区切り方が違うので、タナハでは全24書となっている。
- ^ 例えば『日本聖公会祈祷書』の「聖婚式」の章には接吻についての記述は一度も出てこない。
- ^ ガリレオは、ニコラウス・コペルニクス、ヨハネス・ケプラー、アイザック・ニュートンと並び、科学革命の中心人物とされている。
- ^ 異端排斥は天体科学への障害ともなっていた。異端尋問は、中世=暗黒時代観やジャンヌダルクの刑死とも関連が深い。
出典
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