今作から登場するキャラクター
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「Fate/hollow ataraxia」の記事における「今作から登場するキャラクター」の解説
カレン・オルテンシア(Caren Hortensia) 声 - 小清水亜美 身長:156cm 体重:40kg スリーサイズ:B75/W54/H77(cm) 今作のヒロイン。四日目の夜になると、魔獣たちを従えるように現れる謎の少女。 寡黙で毒舌。士郎に対して意味深な言葉を残していく。再現された聖杯戦争の鍵を握る人物。 前作で黒幕として死亡した言峰綺礼の代わりに「教会」から監督者として派遣され、現在は彼に代わってランサーとギルガメッシュを従えている。「男性を拘束する」という特性を持つ礼装「マグダラの聖骸布」を持つ。 性格の悪さは札付きでサディストの一面がある一方、わが身を顧みず人を救おうとする聖女めいた部分もあるが、これは二面性というよりは性格が不安定であるため。 繰り返しの4日間の中に存在し得ない言峰綺礼(どの平行世界でも『hollow』の時点で彼が生き残っている世界はないため)の位置に自分の存在を滑り込ませた。故に依り代としてランサーとギルガメッシュのマスターを演じているに過ぎないため令呪は授かっていない。また本編の彼女は本体ではなく、カレン・オルテンシアという「情報」にすぎない。彼女とのあるべき場所での出会いがこの物語の本当の始まりだといえる。 「被虐霊媒体質」といわれる、周囲の霊障をその身で体現するという先天的な能力を持ち、教会の悪魔祓いが悪魔を探知する時に使われていた。しかし人の心には魔が差すものであり、他者のそれを絶えず体に投影する彼女は常に生傷が絶えず、片目はほとんど見えず、走ることもできず、味覚も利かなくなっている(極端な味を好むのはそうでないと感じとれないため)。しかし、それら全てをあるがままに受け入れている。物語の終盤、「天の逆月」に向かう衛宮士郎(アヴェンジャー)に付き添う。 戦闘時の衣装は下半身を晒したようなデザインがスカートを穿いていないと(作中でも指摘されている)話題になり、以降関連作品でも「はいてない」が度々ネタにしている。衣装自体に肉欲に憑かれた男性に自身を供する意味を含んでおり、また彼女は多くの男性に犯された経験がある(そもそも「被虐霊媒体質」により、行為がなくても他者の性欲が体に影響を及ぼすため、近づくだけで犯されるとも述べている)。 作中直接は語られないが『Fate/stay night』に登場する言峰綺礼の実の娘で、イタリアで生まれて母・クラウディアの自殺後にすぐ父が日本に向かったため施設に預けられた。姓の「オルテンシア」は紫陽花の意味で、名は日本語(ゲーム中、「父の国の言葉」との記述がある)。 もともとは『月姫2』に登場する予定のキャラクター。その際は体質が悪化しているらしく、魔が傍に居なくても人間離れした姿になっている。また「カプセルさーばんと」でもカプさばマスターの一人として登場するが、赤ん坊の姿をしている。 なおキャラクターのモデルは『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイであり、イラスト担当である武内崇が綾波レイに対する自分のイメージだと述べている。また衣装もプラグスーツ(ほかに王子様のスタイルを参考にとも述べている)を元にしている。 バゼット・フラガ・マクレミッツ(Bazett Fraga McRemitz) 声 - 生天目仁美 身長:172cm 体重:58kg スリーサイズ:B87/W55/H83(cm) 今作における本編「夜」の主人公にしてヒロイン。8年前より魔術協会に所属する、封印指定執行者で、第五回聖杯戦争に際し協会から派遣された参加者。アイルランドの古いルーン魔術の大家「フラガ」の出身だが、一族で『時計塔』の門を叩いたのは彼女が最初であり、権威主義が蔓延る時計塔で彼女が就けたのは態のいい便利屋として利用される道だった。男物のスーツで身を固めている男装の麗人で、繰り返される四日間の中、夜の聖杯戦争を戦い続ける。 生真面目で融通が利かない性格。礼儀正しくクールを装うも実はかなり短気で、少しの我慢が出来ない。人生経験が偏っているためか、惚れっぽい一面も持つ。魔術師としては優秀で敏速な立ち振る舞いをするが、生命活動が維持出来れば生活環境がどれほど悪くても構わないと考えるなど、人間としても女性としても「ダメ」な部分が多々ある。次回、何かの作品で登場するときまでには、「ダメ」な部分を克服して完璧になっているらしい。 「伝承保菌者(ゴッズホルダー)」の異名を持ち、人間でありながら、神代から彼女の家系に代々受け継がれてきた数少ない「現存する宝具」斬り抉る戦神の剣(フラガラック)」を有する。これは迎撃礼装と呼ばれる類の宝具で、二つ名でもある「後より出でて先に断つもの(アンサラー)」の詠唱によって待機状態に入り、相手が切り札として認識する攻撃(宝具の真名解放による一撃など)の発動に反応してこちらも発動する。攻撃自体はランクAでありながら小石程度の大きさの傷しか作らないが、急所を貫通させれば致命傷となり、セイバーも一撃で倒す。相手の発動より明らかに遅れて発動しながらも、絶対に相手の攻撃よりも先にヒットする。そして因果を歪め、「相手よりも後から攻撃、先に命中させた」を「相手より先に攻撃した」という事実に改竄してしまう(「時間を逆行する一撃」だが、実際に過去に跳んでいるのではなく、「後から発動したが相手よりも先に攻撃を当てた」という事実を誇張して、因果を歪ませている)。『相手を倒すことで相手の切り札を途中で終わらせる』切り札殺しである。なお、相手の「切り札以外の攻撃」に対して用いる場合は当然特殊効果は発揮されず、ランクはD~Cである。この宝具の弱点は、一発ずつの使い捨てであるための数の制約である。そしてその特性故に、相手の攻撃が発動しきった後にフラガラックを発動した場合や、相手の攻撃が「発動した時点で命中が確定する」タイプ(ゲイ・ボルク)だった場合、相手の攻撃をキャンセルすることはできない。また、たとえ命中しても致命傷にならない相手(ゴッドハンド)とは相性が悪い。ただし十二の試練は迎撃関係なくかつ何度も通用する有効性もある。 戦闘に特化した武闘派魔術師であり、人間単体としての性能が非常に高い。素手での戦闘を好み、戦闘時には硬化のルーンを刻んだ手袋をはめ、時速80kmのパンチを繰り出す(プロボクサーは時速40km程度)。サーヴァント・アヴェンジャーの能力の低さもあって、本来とは逆にマスターが主に戦い、サーヴァントはサポートをするという戦闘スタイルを採っている。『トラぶる花札道中記EX』ではアームレスリングで600万円稼ぐ豪腕。 ランサーの本来のマスターであり、ケルトの英雄である彼はアイルランド出身である彼女にとって憧れでもあった。正反対ながら性格の相性も良かったが、聖杯戦争開始前に旧知の仲だった言峰による騙し討ちに合い、ランサーと令呪(左腕ごと)を奪われる。 死の寸前でアヴェンジャーと再契約し、彼の力によって仮死状態のまま生かされ続け、さらにその状態をカレンに発見され一命を取り留めていた。 繰り返しの四日間は、生きて聖杯戦争を継続したいという彼女の願いと、それを聞き届けようにも四日目までしか知らないアヴェンジャーの限界(第三次聖杯戦争において、アヴェンジャーは四日目で敗退しており、五日目以降を知らない)によって発生した無限ループである。当初はランサー及び言峰に関する記憶(自分への騙し討ちを含む)を失っていたが、記憶が戻った後にも、自分がすでに死んでいると思っていたため、死への恐怖とアヴェンジャーへの同情から、繰り返しが終わることを拒んだ。物語最後にアヴェンジャーに説き伏せられ、それによって彼との契約を終わらせる。聖杯の崩れ行く中、自身が生存していることを告げられ、希望を持って五日以降の世界に戻っていく。また「カプセルさーばんと」でもカプさばマスターの一人として登場する。 カレン同様に元は『月姫2』に登場する予定のキャラクターであり、その際は完璧なキャラに成長し、鮮烈な登場シーンを予定しているとのこと。 なおスーツ姿が印象的な萌えキャラとなったことについて武内崇は、川尻善昭監督のアニメ版『妖獣都市』に登場するヒロイン麻紀絵より「スーツでエロス」といった天啓を受けたためと述べている。 アヴェンジャー(Avenger) 声 - 寺島拓篤 第八のクラス「復讐者(アヴェンジャー)」のサーヴァント。バゼットと契約している。真名はアンリマユ。なお、アンリマユ自体は既に前作で違った姿で登場している。今回の事態の「核」に位置する人物。少年の姿で、全身に「この世全ての悪」を表す刻印がなされている。 性格は青臭いものの基本的に凶暴で、殺人衝動を持ち この世全ての悪を肯定する反英雄。他のサーヴァントのように名を馳せた英霊でもなければ、真名通りの神でもない。古代のある村で、人間の身勝手な願いによりその身にあらゆる悪業を背負わされ、人間としての名を呪いによって世界から消され、悪の化身「アンリマユ」として蔑まれ疎まれ続ける中で「そういうもの」になってしまったただの人間である。 そのため、武芸に秀でた訳でも魔術や特殊な能力に優れる訳でもなく、能力はあくまで普通の人間の水準にすぎない。自称するところによれば「世界中の伝承を見渡してもオレより弱い英霊は存在しない」最弱の英霊。しかし、理由や詳細は不明だが、英霊をも凌ぐ超人であろうと「人間が相手なら世界最強」。使用武器はソードブレイカーのような「右歯噛咬(ザリチェ)」と「左歯噛咬(タルウィ)」。 宝具は自身が受けた傷を傷つけた相手の魂に一度だけ写す「偽り写し示す万象(ヴェルグ・アヴェスター)」。使いどころの難しい(軽いダメージの時に発動させても大した効果は望めず、かといって死亡してしまえばそもそも発動自体が不可能なので、瀕死の重傷を受けた状態が最も効果的となる)宝具であるがバゼットの戦闘術並びに彼女の宝具との相性は抜群に良く、無数の繰り返しの中でついにはセイバーをも破る決め手となる。 その正体は前回の聖杯戦争時に破壊された聖杯の中にいたアンリマユが、人々の願いを叶える本物の悪魔と化し、それが衛宮士郎という殻をかぶって実体化した存在。もともとアンリマユは「虚無」であり人格を持たないため、彼の性格は衛宮士郎の暗黒面が現出したもの。彼かバゼットのどちらかが死ぬか、4日目の夜を経過した場合、知性を失ってアヴェンジャーを妨害し永遠に四日間を続けさせようとする「無限の残骸(アンリミテッド・レイズ・デッド)」の一つになる。 「死にたくない」と願う瀕死の状態のバゼットと契約し、彼女を仮死状態にして生かし続け、繰り返しの4日間の聖杯戦争を行うことで彼女の精神を保っていた。夜の聖杯戦争がバゼットの願いなら、昼間の平穏は彼が夢見たものだった。まだ見ぬものに対する好奇心を原動力に繰り返しの4日間をまわし続けたが、バゼットを目覚めさせるためにあらゆる可能性をつぶし、最後は「天の逆月」でバゼットを説き伏せることで繰り返しの世界を終わらせた。バゼットに別れを告げた後、衛宮士郎の殻を脱ぎ捨て、新しい何かを見つけるために「終わり」へと走り続けていく。 柳洞 零観(りゅうどう れいかん) 声 - 志村知幸 柳洞一成の兄。一成が葛木とともに尊敬している人物だが、弟と違い豪放磊落な生臭坊主である。音子と顔見知りで、度々酒を買っていたりさらには秘蔵酒をこっそり持ってきたりしている。 「冬木の虎」こと藤村大河に交際を申し込み、藤村組の構成員に病院送りにされたことがある。柔道では全国大会にいったこともあるほどの猛者。多少腕が衰え、さらに手加減しているとはいえ葛木宗一郎の技を紙一重でいなしている。 美綴 実典(みつづり みのり) 声 - 増田俊樹 美綴綾子の弟。穂群原の一年で弓道部の期待の新人。桜に好意を寄せているが、全く気付いて貰えない。 ぶっきらぼうながら基本的には礼儀正しいが、桜が好意をよせている士郎に対しては反抗的な態度をとる。 前作のあるEDでは名前のみちらりと登場している。 三枝 孝太(さえぐさ こうた) 三枝由紀香の弟。ギルガメッシュの取り巻きの子供たちの一人。下にもまだ数人弟がいる。 ゲロス 三枝孝太らの友人である少年。サッカーが趣味で、ポジションはゴールキーパー。もっとも本人はフォワード志望で、トリスタンに憧れている。技術面では他のサッカー仲間にも劣る程度だがガッツは人一倍で、とある事件をきっかけに「ゲロス」という不名誉なあだ名をつけられている。 ミミ / ジロウ / カンタ / イマヒサ 三枝孝太とともに、ギルガメッシュの取り巻きをしている子供たち。ミミは後に、『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』にて、主人公のクラスメイトである桂美々の元となる。 オクタヴィア・レイランド 時計塔のノーリッジ学生寮の受付嬢。凛とルヴィアの喧嘩に巻き込まれ、この二人を同席させてはいけないと警鐘を鳴らす。この騒動は学生寮始まって以来の最悪の事件であったらしい。「〜ですの」が口癖。 山崎(やまざき) / 藤木(ふじき) / 大脇(おおわき) / 佐藤(さとう) 声 - さいとうよしえ(佐藤) 穂群原学園弓道部の部員。美綴や桜の後輩。山崎・藤木は男子、大脇・佐藤は女子部員。 カレイドステッキ 声 - 高野直子 遠坂凛が所持している魔術礼装。遠坂家の大師父にあたるキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグが制作したと言われる礼装で、子供向けの魔法の杖のような形をしている。またの名をマジカルルビー。 人工精霊が内包されており、人間と変わらない人格を持ち、またある程度自由に動くことができる。その性格は『月姫』に登場したキャラクター「琥珀」を彷彿とさせるものであり、人を食ったような態度にすぐおちゃらける明るさを持っている。狡猾な面もあり、隙を見ては少女と契約して自分好みの魔法少女像を植え付けようとしている。契約には「名前の認証」「体液の採取」「直接接触」の条件を満たす必要がある。ふざけたような礼装だがその質はゼルレッチ謹製に相応しいものであり、限定的に並行世界に干渉する能力を持っている。 過去に幼い凛と契約して魔法少女・凛を生み出したことがあったが、その痛々しい言動から友人を失ってしまった凛はステッキの封印を誓っており、ゼルレッチの宝箱に仕舞い込んでいた。なおその当時の記憶は凛には残っていない。 A氏 冬木市新都玄木坂にある蝉菜マンションの11階2号室に住んでいた男性。A氏は美綴による仮名で、本名は不明。美綴の語る怪談に登場する。実在の人物だが、美綴による脚色が含まれているため、正確な所は不明。心中事件の1か月後に失踪した、ということは真実であるらしい。 年齢は20歳。春先に冬木に越してきたばかりの青年。他人からの干渉を嫌うタイプであり、基本的にマンションの自室にひきこもって生活していた。後に起きた隣室の一家心中事件以降、玄関から謎のノック音が聞こえるという怪現象に悩まされ、夜を恐怖するようになった。その後、死んでいるはずの「赤ずきん」と邂逅を果たし、A氏は行方不明になったという。後に彼をモデルとした人物が『Fate/strange Fake』プロト版の主人公、そして正式版の主人公の一つアヤカ・サジョウとして登場している。 赤ずきん 声 - さいとうよしえ 冬木市新都玄木坂にある蝉菜マンションの11階1号室に住んでいた少女。「赤ずきん」はいつも被っている赤いフードを見たA氏が仮につけたもので、美綴の語りでは氏名は××*#と表記されている。実在の人物だが、美綴による脚色が含まれているため、正確な所は不明。心中事件があったということは真実であるらしい。 両親から虐待を受けており、顔には痣、肩の骨は折れて両腕は肩より上には上がらなくなってしまっている。そのためマンションのエレベーターのボタンを一人で押すことができない。後に錯乱した母親によって父親ともども斬殺されてしまう。しかしなぜかその遺体は警察の捜査でも見つかることはなかったという。
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今作から登場するキャラクター
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「歌月十夜」の記事における「今作から登場するキャラクター」の解説
レン(Len) 声:水橋かおり アルクェイドの使い魔にして夢魔。物静かな面持ちの少女で、外見年齢は十歳程度。黒いコートを着て、大きなリボンをしている。言葉を発することは無いが、喋れない訳ではなく「言葉を使用しない」という決まりで活動しているだけ(後の『MELTY BLOOD Re・ACT』では喋る姿を見る事が出来る)。普段は黒猫としてアルクェイドの傍におり、月姫本編でもその存在だけ(アルクェイドが、ネロを倒したお礼に志貴に送った夢魔と)は示唆されている。ケーキが大好き。 交通事故で意識不明となった志貴の命を繋ぎとめるため、アルクェイドの命令により志貴の精神に介入し、本作の世界を創り上げていた。しかしかつての創造者であるマスター亡き後、新たな契約者を得なかったため(アルクェイドは彼女を「預かった」立場であり、契約を結んでいたわけではない)、その力は衰え、死を目前にしていた。彼女の力の衰えは「歌月」の世界に綻びを生じさせ、それに気づいた志貴は解決に乗り出す。最終的にレンは志貴と契約。新たなマスターを得たことで彼女の命は永らえ、志貴もまた現実の世界に目覚めるのだった。 七夜 志貴(ななや しき) 声:野島健児 遠野志貴が持つ「自身の七夜の血から来る反転衝動に飲まれ殺人鬼に成り下がったかもしれない自分」という恐れ・不安が悪夢として現われた「遠野志貴という自己を殺す、殺人鬼としての遠野志貴」。その性質上遠野志貴を殺すだけのモノだが、レンの世界のほころびにより本来持ち得ないはずの自我を持ち、自身の境遇への不満から私怨で遠野志貴に襲い掛かる。 七夜の血筋であり、里で幼い頃に基本的な訓練を受けた遠野志貴は、極限状態では人間離れした「殺すこと」に秀でた動きを見せるが、志貴が七夜で暮らしていた時の記憶から“もし自分が七夜の暗殺者として殺人鬼になっていたら”という不安が生んだ悪夢でもある七夜志貴はそういった時の志貴と同等以上のケモノじみた七夜の体術やナイフ捌きを当然の如く使いこなし、「直死の魔眼」は持っていないが戦闘技術は遠野志貴の上を行く。 前作の『月姫』では『プロローグ』で七夜の里で暮らしていた頃の「七夜志貴」と呼ばれていた頃の遠野志貴や、瀕死の遠野志貴が見た幻の中に和服を着た子供の姿の「七夜志貴」が登場したり、ある展開では遠野志貴が怒りにより魔を狩る「七夜志貴」として覚醒するが、いずれもこの「七夜志貴」とは別物である。 『MELTY BLOOD』でも「七夜志貴」が登場するが、あちらは自分が殺人衝動に溺れることを恐れた遠野志貴の不安や、遠野志貴の普段使われていない「殺人鬼」としての部分が“タタリ”として具現化した存在なので、厳密には殺人衝動に陥った遠野志貴(本人に言わせれば、「志貴の使われない行動原理」)と言う方が当てはまり、今作の「七夜志貴」とは共通する部分はあるものの若干異なった存在。 後に(『月姫2』の時期)有間都古の師匠となるパンダのきぐるみを着た謎の人物パンダ師匠の中の人である可能性もある(背中に「七つ夜」と書かれている事、七夜の決め台詞を喋っているイラストがある事、奈須きのこ曰く「(パンダ師匠の中身は)幻であり、存在しないハズのもの」との事等から)。きぐるみなのでナイフは持てない(本人に言わせれば、「灯油の入っていないストーブ」)。なお、奈須きのこ曰く、遠野志貴が帰還した時、喜ぶ都古の後ろにいたのは古ぼけたパンダのきぐるみだけで、パンダ師匠の中にいた人物は当然のように消えていた…との事。なお、漫画版『MELTY BLOOD』の番外編ではレンの前に姿を現すがその時の言動は七夜そのものだった。 軋間 紅摩(きしま こうま) 声:小杉十郎太 遠野の分家「軋間」の混血。軋間家の長男。独眼の大柄な青年。軋間家が彼を除いて断絶している為、正式な当主ではないのだが当主として扱われている。遠野槙久と共に七夜家を滅ぼした張本人であり、幼い頃にその姿を見た志貴にとっての「超えがたい死のイメージ」であり、レンの作り出した世界の「死」が彼の姿・能力を纏って現われる。 特に戦闘訓練は積んでいないので戦い方は素人だが、肉体を硬化する力と大木を握りつぶす握力と天性の敏捷性を持っており、その強さは鬼神とも例えられる。紅赤朱とよばれる人外(現段階では完璧には紅赤朱になっていないが、それに近づいている)。 「軋間」は分家にも関わらず最も混血としての人外の血が濃く、紅摩はその中でも最も純度が高かったため、産まれた時から幽閉され、さらに彼を恐れた一族の者に拳銃で頭部を撃たれたショックで(無傷ではあったが)自制を失くし、自身の一族を滅ぼした。その後ある混血の血筋の屋敷に監禁されていたが、十歳くらいの時にその屋敷を襲撃した七夜黄理に右目を潰される。 彼自身は物静かで生の実感を持てず、森で人知れず消え去るのをよしとしたが、遠野槙久によって七夜襲撃の切り札として呼び出され、七夜を滅ぼす。その際の七夜黄理との戦いでそれまで人間としての感情がなかった彼は“生の実感”を得、使われていなかった最後のスイッチが入って「灼熱」の能力が覚醒した。 『月姫』においても名前や姿こそ未登場であるものの、遠野志貴の回想や、志貴が遠野邸に呼び戻されるまで遠野邸に逗留していた軋間の長男として存在がほのめかされている。 時南 朱鷺恵(じなん ときえ) 琥珀の姉弟子で、鍼治療の達人。過去に志貴の身体を診察することもあった。ほんわかした雰囲気ながらも色っぽい、年下殺しのおねーさん。男をダメにする魔性の女(彼女と一緒になった男は人生勝ち組街道をまっしぐらに突き進むのだが、人間的に彼女に依存しきってしまうとのこと)。志貴の「初めて」の人らしい。 時南 宗玄(じなん そうげん) 遠野家の専属医にして遠野志貴の主治医で薬学における琥珀の師匠。だが遠野家寄りという訳ではなく、元は退魔組織の闇医だったのだが、遠野槙久が退魔組織と協定を結んだ時点で監視役も兼ねて遠野家の専属医になった。七夜が滅ぼされるまでは七夜の主治医もしていた。 昔は混血を監視する組織の一員であり、元々は七夜黄理と同じ職種の人間だったが、命を削りあうのは性に合わんと医者に転職した。現在は隠居し、闇医まがいの生活をしている。結婚しているが、平然と何人もの妾を囲っている。 志貴曰く、暴力医師、マッドがつく方の医者、妖怪ハッスルじじい、と呼ばれており、七夜黄理も親子揃って「ヤブ」呼ばわりにされている。また志貴のことを気に入っており、会うたびに骨接ぎや鍼を打つ。志貴の貧血がどのようなものかを理解しており、東洋的な医学で志貴の健康を維持しているが、あくまで維持であり、治療ではない。そもそも、志貴の貧血は治せるものではない。 口汚いが義理堅い。志貴が有間家にいたころに何度か志貴について時南医院に行ったためか、有間都古とも面識がある。 一人娘の朱鷺恵を溺愛するあまり、朱鷺恵と付き合う男どもをボコボコにしている。 乾 一子(いぬい いちこ) 有彦の姉。愛称・いちごさん。毎年職種の変わる謎の人物。自堕落だが立派に自立している大人。契約しているわけでもないのにななこが見えるほど霊感が強い。中学時代、乾家に入り浸っていた志貴を可愛がっており、現在も彼を以前の姓である「有間」と呼ぶ。月姫唯一の喫煙者。 月姫 蒼香(つきひめ そうか) 秋葉の通う学院の僚友。男前な性格で、秋葉の相談役で面倒見がよい。小柄でセミロングだが髪を上げると男性のような外見になる(志貴は最後まで男だと思っていた)。無類のロック好きで週に一度ライブハウスに通うほど。名字がゲームタイトルと同じ月姫だが、そのことに特に意味はないらしい。寺の住職の娘。 三澤 羽居(みさわ はねい) 秋葉の通う学院の僚友。通称・羽ピン。おっとりとして天然の入った性格。妙に器用で、年中「内職」と称しては小遣いを稼いでいる。特に小物作りが得意。一方で整理整頓が苦手で、机の上はいつもごちゃごちゃしている。蒼香とは最高のデコボココンビとして(あるいは秋葉を加えてトリオで)周りに見られている。女性キャラ中最も胸が大きい。 ななこ / セブン(Seven) 声:戸松遥 第七聖典に宿っている精霊。見た目は金髪に青いボディスーツを着た14歳ほどの少女。「ななこ」は有彦が名付けた。シエルの改造好きにほとほと呆れ、人使いの荒さも相俟ってシエルの元から家出してきた。でもシエルにべったりという不思議な性格。度重なる改造のためか性格が変な方に歪んでおり、「ルックスだけなら人気投票上位を狙えるのに」とはTYPE-MOONスタッフの言。手足の先が蹄状になっており、ドラえもんと同じく持ちたいものがくっつくらしい。馬っぽい外見ゆえに人参が好物。 元は人間の少女だったのだが、家が貧しかったために一角獣の人身供養に捧げられて精霊になった。本人は微塵も後悔はしていないが、後悔のあまり衰弱死してしまった母にショックを受けて1000年ほど現界した事は無かった。現界させることが出来たのは膨大な魔力量を誇るシエルが初めてらしい。 七夜 黄理(ななや きり) 志貴の本当の父親である、退魔の一族「七夜」の最後の当主。『歌月十夜』ではグラフィックがないが『月姫読本 Plus Period』の用語辞典でモノクロではあるが顔が公開されている。なお、それ以前同人誌にて没デザインが載せられていた(『月姫読本 Plus Period』に再録)が、そのデザインは後の『Fate/stay night』のアーチャーに引き継がれたとのこと。 使用武器は鉄の撥。殴打器でありながら黄理の卓越した殺人技術により人体を刃物で切り裂いた様に解体する。また気配を消す術に長け、優れた隠密行動が可能。空間を立体的に使う様は、さながら巣を張った蜘蛛とも言われる。 また七夜の一族に伝わる「ありえざるモノを視る」眼という超能力を備え、七夜黄理は「人の思念」が靄のように視え、いかに達人でも気配は消せても思念は消せないので暗殺者の黄理に相応しいモノだったが、時南宗玄によるとそれは志貴の物と違って淨眼と呼べないほど弱いものであったらしい。 鬼神といわれた殺人鬼だが殺人行為に酔うことなく、幼い頃から「いかに巧く人体を停止させるか」という殺戮技巧をひたすらに磨き続けた。そのため他にも当主候補が居たが彼の兄は殺人を愉しみ、妹は魔に過剰反応して怯えるという理由で一つの事に打ち込む性質の彼が当主に選ばれた。 一生殺し屋として生きていくと確信していたが、跡継ぎ問題のためだけに儲けた息子である志貴の誕生で憑き物が落ちて「人間」らしい心を得てしまい、いつか今までのツケとしての破滅が来ることを覚悟で一族ごと退魔組織を抜けた。その後彼に殺されかけたことがある遠野槙久が黄理への恐れから六年後に七夜を襲撃、その際に軋間紅摩と交戦する。壮絶な戦いの末彼を追い詰め“生の実感”を刻んだが、敗死した。 久我峰 斗波(くがみね となみ) 遠野の分家、久我峰の家の長男。かつては秋葉と婚約しており、遠野家滞在中に秋葉や翡翠に色目を使っていた。見た目は暑苦しいおっさんで、変態を自認する外道。実際に犯罪に手を染めているわけではないが、趣味は盗撮。秋葉との婚約解消後はある程度改心したらしい。志貴には苦手意識を持たれているが、自身は好感を持っている。 四条 つかさ(しじょう つかさ) 秋葉の同級生。何事もそつなくこなす優等生だが、さらに上を行く秋葉には劣等感を抱いている。愛称はイカ。 山瀬 舞子(やませ まいこ) 志貴の学校の生徒だった少女。一人称は「僕」。昨年の吸血鬼騒動の際に、公園でネロに取り込まれて殺された。その後、ネロの体を使って治療された志貴の体を媒介に意識を覚醒させる事になり、その衝動でもって殺人を犯した。その後志貴を分離し、これ以上被害を出さないために半ば自殺する形で志貴に殺された。 山瀬 明美(やませ あけみ) 志貴の学校の生徒。舞子の妹。母子家庭という事もあって舞子にいつもくっついていた。舞子に止められてからは「姉さん」と呼んでいるが、元は「お姉ちゃん」と呼んでいた。 吉良 義信(きら よしのぶ) 志貴のクラスメート。柔道部員で、がっしりした体格の持ち主。 舞士間 祥子(まいしま しょうこ) 志貴のクラスメート。志貴の班の紅一点で、男勝りな性格。 常磐(ときわ) 志貴のクラスメートの少年。義信と同じく柔道部員で、独特の口調で話す。 環(たまき) 浅上女学院の生徒。秋葉の友人で、寄宿舎自治会のトップ。浅上女学院では生徒会と自治会の仲は悪いらしいが、環と秋葉はそれを改善しようと結託している。 斎木(さいき) 斎木グループと呼ばれる財団のトップに君臨する混血の老人。遠野槙久が若い頃仕えていたが、その実、槙久は退魔の組織と繋がっており、槙久は斎木の監視役だった。槙久の密告により七夜黄理の急襲を受け、抵抗する間もなく殺害された。 安藤(あんどう) 四条つかさの僚友。安藤の部屋は二人部屋なので、つかさの他に同室はいない。つかさが情緒不安定になった際に、部屋を追い出されてしまった。
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