トウモロコシ トウモロコシの概要

トウモロコシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/14 14:59 UTC 版)

トウモロコシ
トウモロコシ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: イネ目 Poales
: イネ科 Poaceae
: トウモロコシ属 Zea
: トウモロコシ Zea mays
学名
Zea mays L. subsp. mays (1753)[1]
英名
: corn: maize

小麦と伴に、トウモロコシは主食として食べられる世界三大穀物の一つ[3][2]。日当たりのよい畑地で栽培されている。アメリカ大陸の原産で、15世紀末に新大陸を発見したコロンブスヨーロッパに持ち帰って広まり、日本へは16世紀終わりごろに伝来し全国に広まった。

コーン (corn) とも言い、穀物全般を指し、イギリスでは現在もトウモロコシを主にタイノ語語源のスペイン語マイース (maíz) に由来する メイズ (maize) と呼ぶが、現在の北米オーストラリアなど多くの地域では特に断らなければコーンで主にトウモロコシを指す。

日本語では、地方により様々な呼び名(地方名)があり[4]トウキビまたはトーキビ(唐黍)[5]ナンバ、モロコシ[5]トウモロ、モロキビ、などと呼ぶ地域もある(詳しくは後述)。

リンネの『植物の種』(1753年)で記載された植物の一つである[6]

名称

日本語で標準的に用いられている呼称の「トウモロコシ」という名称は、トウは中国の国家[注釈 1]、モロコシは、唐土(もろこし)から伝来した植物のモロコシ(タカキビ)に由来する[7]。日本に渡来した当時、最も似ている植物がキビであったため、北海道から北関東までの地域では「とうきび」、西日本では「なんばんきび」ともよばれる[7]関西などの方言でいう「なんば」は南蛮黍(なんばんきび)の略称であり、高麗(こうらい)または高麗黍と呼ぶ地域もあるが、これらはいずれも外来植物であることを言い表している。これはヨーロッパにおいても同じ状況であり、フランスでは別名として「トルコ小麦」(blé de Turquie, カナダでは「インド小麦」(blé d'Inde))、トスカーナでは「シチリア穀類」 (grano siciliano) 、シチリアでは「インド穀類」 (grano d'India) と呼ばれるなど、主に「インド(アメリカ)の穀物」あるいは大まかに「外国の穀物」という意味の各種名称で呼ばれていた[8]

中国植物名は「玉米」(ぎょくべい)である[5]

『日本方言大辞典』[要文献特定詳細情報][要ページ番号]には267種もの呼び方が載っており、主な呼び方には下記のものがある。

植物の特徴

雄花はの先端にススキ状に生じる
雌花()は茎の中ほどにたくさんつく

中南米の原産で、高温で、日照の多い条件下でよく育つ[10]。数多くの品種があり、食用や飼料用の作物として畑で広く栽培されている[11]。多くは性であるが、ごく少数ながら性のものもある[12]。大型のイネ科一年草で、は単一で直立し、高さ2メートル近くに生長する[13]互生して下部はとなって茎を包む[11]。イネ科としては幅の広い葉をつける。一生のうちに付く葉の数や背丈は品種によってほぼ決まっており、早生品種ほど背丈は低く葉の数も少ない[14]

熱帯起源のため、薄い二酸化炭素を濃縮する為のC4回路を持つC4型光合成植物である。多日照でやや高温の環境を好む。大型の作物であるため、育成期間中を通して10アールあたり350 - 500トンの水を必要とする[14]

雌雄同株[13]風媒花で他家受粉する[15]。発芽から3か月程度で雄花(雄小穂)と雌花(雌小穂)が別々に生じる。雄小穂は茎の先端から葉より高く伸び出した円錐花序で、雄花だけがついた小穂を密につけ、ススキの穂のような姿になる[11]。雌小穂は茎の下方の節あたりにある葉腋に出た円柱状の穂状花序で、雌花は全体的に包葉()に包まれていて、上端から絹糸と呼ばれる長い雌しべ花柱だけが、ひげ状に長く束になって外に伸びだして顔を出す[11][13]。トウモロコシのひげはこの雌しべにあたる[2]

花粉風媒され、下の雌花からひげのように出ている雌しべに受粉すると、雌花の付け根が膨らみ種子(可食部)が形成される[13][2]。完熟するころにはひげのような雌しべが茶色に変色して枯れる[2]。イネ科では珍しく、種子が熟すと穎の中から顔を出す。種子の色は黄・白・赤茶・紫・青・濃青など。トウモロコシの可食部となる実は果実でなく種子そのものであるため、実の形質形成には花粉DNAの力が優勢に働くキセニアの影響を強く受ける[15]

栽培・繁殖は、日当たりがよい畑地で[13]、種子を春から夏に蒔いて行われる[11]。作物としての旬は夏で、日本では6 - 9月頃に出荷され、特に7月頃に多く出回る。日本でのトウモロコシの代表的な害虫は、幼虫「アワノメイガ」で、雄花に集まりやすいので人工授粉で雄花を切ってしまうと、食害が少なくなる[16]


注釈

  1. ^ 「舶来の」という程度の意味[7]
  2. ^ ただし、キャッサバを主食としたアマゾンを除く。
  3. ^ 公的数字。世界総計は公的、半公的、推計データを含む。
  4. ^ 日本における旬といわれる時期。

出典

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