シソ科とは? わかりやすく解説

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シソ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/27 22:09 UTC 版)

シソ科
ホトケノザ(Lamium amplexicaule
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
学名
Lamiaceae Martynov
タイプ属
Lamium L.
  • 本文参照
シソ(Perilla frutescens
レモンバーム(Melissa officinalis
ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum

シソ科(シソか、Lamiaceae)はシソ目に属する植物のの一つ。

シソのほか、バジルミントローズマリーラベンダーセージマジョラムオレガノタイムレモンバームなど多くのハーブを含むほか、サルビアムラサキシキブアジュガなど非芳香性の品種も園芸品種として栽培される。

一般にシソ科植物は茎は四角く葉が対生で特有の香気を有する[1]。多くは草本であるが低木高木の種もある。

は対生で、精油を含むため香気に富むものが多い。の断面は正方形のものが多い。は合弁でふつう左右相称、花冠は唇形となる。普通、両性花をつける。果実は4個に分かれ種子を1個ずつ含む。

ヒトに与える影響

芳香成分として、セスキテルペンパチョロール(patchouli alcohol)を主成分として含む事が多い[2]、これらの成分はストレス軽減などの作用を示す。また、抗変異原性があるものが多いと報告されている[3]。 シソ科であるバジルハッカオレガノタイムローズマリーセージが、デザイナーフーズ計画でがん予防に有効性があると考えられる第3類に分類されている[4][5][6]。 シソ科を中心としたいくつかの植物の抽出物を動物にあたえることで大腸粘膜を傷害するおそれのある有害な物質である硫化水素メタンチオールの発生を抑制することが報告されている[7][リンク切れ]

保留名について

シソ科は大きく重要な科であるため、その特徴として花冠の形が唇状であることから、新エングラー体系までは学名としてLabiataeが用いられ、昭和中期までその訳語として唇形科(しんけいか)または「くちびるばな科」がもちいられていた。APG植物分類体系では、すべての植物の科名が、典型属に由来するものに改められ、シソ科もオドリコソウ属Lamiumに由来するLamiaceaeに改められた。

しかし長年使われてきたLabiataeを廃止すると混乱が起きるため、保留名として旧名が認められており、最新の書籍でも保留名と新名が併記されていることが多い。

下位分類

約250属7000種を含む。7つの亜科と、それに含まれない幾つかのクレードから構成される[8]

系統

次のような系統樹が得られている[8]

シソ目

ムラサキシキブ属

Prostantheroideae

Symphorematoideae

ハマゴウ亜科

Tectona clade

キランソウ亜科

イヌハッカ亜科

Garrettia

タツナミソウ亜科

オドリコソウ亜科

脚注

  1. ^ 植物 鹿児島県、2020年1月28日閲覧。
  2. ^ 伊藤謙『シソ科植物由来芳香成分の鎮静活性に関する研究』京都大学〈博士(薬学) 甲第18220号〉、2014年。doi:10.14989/doctor.k18220hdl:2433/188735NAID 500001074992https://doi.org/10.14989/doctor.k18220 
  3. ^ 上田成子, 桑原祥浩, 平位信子 ほか、「野菜類およびキノコ類の抗変異原性について」『日本食品工業学会誌』 1991年 38巻 6号 p.507-514, doi:10.3136/nskkk1962.38.507, 日本食品科学工学会
  4. ^ 矢野友啓「食品成分による癌予防」『日本未病システム学会雑誌』第12巻第1号、日本未病システム学会、2006年、56-58頁、doi:10.11288/mibyou1998.12.56ISSN 13475541 
  5. ^ CARAGAY A. B. (1992). “Cancer preventive foods and ingredients”. Food Technol. 4: 65-68. https://www.scirp.org/reference/referencespapers?referenceid=582881. 
  6. ^ 大澤俊彦「がん予防と食品:デザイナーフーズからファンクショナルフーズへ」『日本食生活学会誌』第20巻第1号、日本食生活学会、2009年、11-16頁、doi:10.2740/jisdh.20.11ISSN 1346-9770 
  7. ^ (Not Found.)大腸機能と大腸細菌の話
  8. ^ a b Jan Thomas Johansson. “Lamiaceae”. The Phylogeny of Angiosperms. 2024年7月18日閲覧。

関連項目

外部リンク


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