フルフラールとは? わかりやすく解説

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フルフラール

分子式C5H4O2
その他の名称フロール、フルフラール、フルフロール、α-フルアルデヒド、フルフルアルデヒド、ピロムクアルデヒド、Furol、Furfural、Furfurol、α-Furaldehyde、Furfuraldehyde、Pyromucic aldehyde、2-Furancarbaldehyde、2-Furaldehyde、Furfral、2-Furfuraldehyde、2-Furancarboxaldehyde、2-Formylfuran、Furan-2-carbaldehyde
体系名:フラン-2-カルボアルデヒド、2-フルアルデヒド、2-フランカルボアルデヒド、2-フランカルボキサルデヒド、2-ホルミルフラン


フルフラール(ふるふらーる)

焼酎など蒸留酒蒸留過程で、発酵醪(もろみ)に存在する糖類五炭糖)が酸性下で熱分解して生成する環状カルボニル化合物蒸留後期の特に多く生成されるので「末垂(すえだ)れ」成分といわれ、焼酎風味上あまり好ましい成分ではない。フルフラールが極端に多い焼酎焦げ臭を伴うが、熟成過程酸化されてにおいがほとんどなくなるし、精製することにより除くこともできる

フルフラール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/09 22:55 UTC 版)

フルフラール
識別情報
CAS登録番号 98-01-1
PubChem 7362
KEGG C14279
特性
化学式 C5H4O2
モル質量 96.09 g/mol
示性式 (C4H3O)CHO
外観 無色の油状
密度 1.16 g/mL 液体
融点

-36.5 °C

沸点

161.7 °C

危険性
引火点 62 °C
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

フルフラール: furfural)は芳香族アルデヒドの一種で、右図のような構造を持つ有機化合物IUPAC命名法では 2-フランカルボキシアルデヒド (2-furancarboxaldehyde) などと表される。2位がホルミル基一つで置換されたフランに相当する。純粋なものは無色油状の液体で、アーモンドに似た香気を持つが、空気に触れると急激に黄色く変色する。

トウモロコシの穂軸、燕麦などの籾殻サトウキビの絞りかす、ふすまなどの農産物の副産物やおがくずなどを原料にして製造される。英語名はラテン語でふすまを意味する furfur を語源としている。

歴史

フルフラールは1832年にドイツの化学者ヨハン・オルフガング・デーベライナー(Johann Döbereiner)によって、ギ酸の副産物として初めて分離された。1901年にはドイツの化学者カール・ハリエス(Carl Harries)によって分子構造が明らかにされた。

香水添加用を除いて使われる事はまれであったが、1922年にオートミールメーカーであるクエーカーオーツカンパニーが燕麦の籾殻を原料にして大量生産を始め応用されるようになった。今日でも、各種農産物、木工品の副産物として製造が続いている。

工業生産

全世界の総生産能力は年産 50万トン弱。内、中国が 20万トン強で、残りはヨーロッパが 8万トン、ドミニカ共和国を含む北米が 8万トン、その他の地域が 10万トン程度と見られる。欧米の生産量は減っており、実際の生産量は能力の半分程度。日本は需要のほとんどを中国から輸入している。日本の輸入量は 約2000トン(2000年)。

中国最大の生産メーカーは遼寧省鉄嶺北方フルフラール集団有限責任公司で 5万トンの能力を持つ。しかし、中国には年産 1000トン未満の小規模工場が多数存在し、廃水など、環境汚染の原因となっているため、大規模な工場に集約を進めている。

特性

フルフラールは、アルコールエーテルなど、ほとんどの有機溶剤には易溶であるが、水やアルカン類には微溶である。自動酸化を起こして赤褐色に変色する。

化学的には他のアルデヒド類や芳香族化合物と同様の反応を示す。フルフラールの安定性はベンゼンほどではなく、他の芳香族化合物よりも化学反応を起こしやすい。250 ℃ 以上に加熱すると、フルフラールはフラン一酸化炭素に分解する。また、酸の存在下で加熱すると熱硬化性樹脂となって固まる。

強い塩基と反応して火災や爆発のおそれがある。

製法

多くの植物は多糖類ヘミセルロースを含んでいるが、希硫酸と共に加熱すると、ヘミセルロースが加水分解し、主にキシロースなどの糖類に変わる。同じ条件下でキシロースなどの C5糖類は脱水して、水分子 3つを出してフルフラールとなる。




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