南方新社とは? わかりやすく解説

南方新社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/28 08:35 UTC 版)

株式会社南方新社
正式名称 株式会社南方新社
現況 事業継続中(2023年4月時点)
種類 株式会社
出版者記号 931376, 86124
取次会社 地方・小出版流通センター
取次コード 4699
法人番号 1340001003173
設立日 1994年平成6年)4月27日
創業:1993年(平成5年)12月27日
代表者 向原祥隆代表取締役
本社郵便番号 892-0873
本社所在地 鹿児島県鹿児島市下田町292-1
資本金 2,000万円(2015年増資)[1]
従業員数 7名[1]
出版以外の事業 農林水産物の生産及び販売
外部リンク http://www.nanpou.com/
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南方新社(なんぽうしんしゃ)は、鹿児島市に本拠を置く日本出版社[2]。おもに鹿児島県奄美群島に関する書籍を出版している。自然、環境問題、歴史・文化などを中心に「生きるうえで必要な知識を」という原点を忘れず本作りを続ける。また、奄美群島に関する書籍を専門的に扱う国内唯一の出版社である。

2024年には設立30周年を迎え、向原社長は「普通の企業は事業の拡大を考えると思うけれど、物事を大きくすることそのものが世の中を破綻に導く。大きくならず、小さくなるように暮らしていくのが一番いい」と発言している[3]

沿革

1993年東京から鹿児島へUターン移住した向原祥隆社長が編集事務所として創業し、翌年市泉町に出版社を設立。1995年、第一作として(佐藤正典ほか)『滅びゆく鹿児島:地域の人々が自ら未来を切り拓く』を刊行する。現在は年間25冊から30冊の書籍を手がけ、これまでに約650冊を世に送り出してきた。

重要な歴史史料の復元も手がけ、『玉里島津家文書上下巻』(河内和夫)、『奄美史料集成』(松下志朗)、『南西諸島史料集 第1巻』(松下志朗)、「新版 シマ ヌ ジュウリ」、また奄美の重要史料「道之島代官記集成」などを復刻[4]

「東京で出版した図鑑には鹿児島の動植物は載っていない」と鹿児島で見かける動植物を網羅した図鑑も数多く出しロングヒットとなっている。原発の危険性を指摘した「原発から風が吹く」(橋爪健郎編著)なども出している[5]

2005年、本社を鹿児島市下田町292-1に移転。段ボール箱830個総重量20トンを自力で敢行。2007年に鹿児島市川上町の荒地60m2に南方農園を開園。自然農の実践を開始。2008年には本社敷地内にトリ小屋を建設、自然卵養鶏を開始した[6]

『かごしま検定』(鹿児島商工会議所編, 2005)は爆発的なヒットとなり、部数は現在までに2万部を突破している[7]

2009年、『鹿児島環境学(1)』(鹿児島大学、鹿児島環境学研究会編)を鹿児島環境学シリーズとして刊行。南日本の民俗文化誌1『鹿児島昔話集』(下野敏見)を刊行[8]

受賞歴

  • 1996年刊行の『たけのはし:甲突川五石橋』(こばやしたかこ:文・ふじひろし:絵)にて、第10回地方出版文化功労賞次席を受賞[9]ISBN 978-4-931376-02-1
  • 1996年刊行の詩集(茂山忠茂)『不安定な車輪』が、南日本文学賞、及び第25回壷井繁治賞を受賞。ISBN 978-4-931376-05-2
  • 1998年、『榕樹の歌人たち』(義原ミヤ子)刊行。南日本出版文化賞を受賞。
  • 1999年、『聖堂の日の丸』(宮下正昭)刊行。地方出版文化功労賞を受賞。
  • 2004年、『地域と出版』(向原祥隆編著)刊行。地方出版文化功労賞奨励賞を受賞。
  • 2007年、『「大石兵六夢物語」のすべて』(伊牟田經久)刊行。南日本出版文化賞を受賞。
  • 2008年、『南九州の地名』(青屋正興)刊行。南日本出版文化賞を受賞。
  • 2008年、『干潟の生きもの図鑑』(三浦知之)刊行。宮日出版文化賞を受賞。
  • 2011年、『奄美民謡総覧』(セントラル楽器編)刊行。南日本出版文化賞を受賞。
  • 2011年、『奄美沖縄環境史資料集成』(安渓遊地・当山昌直編)刊行。 沖縄タイムス出版文化賞、地方出版文化功労賞特別賞受賞。
  • 2011年、『鹿児島環境学(3)』(鹿児島大学、鹿児島環境学研究会編)刊行。 南日本出版文化賞を受賞。
  • 2015年、『ライフ・トーク』(ジェフリー・S・アイリッシュ、橋口博幸)刊行。南日本出版文化賞を受賞。
  • 2017年、南方新社が第68回南日本文化賞受賞。

主な出版物

書籍

関連項目

出典

  1. ^ a b "会社概要・沿革."公式サイト. 2024年5月4日閲覧。
  2. ^ 鹿児島)「行動する出版人」南方新社社長 向原祥隆さん:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2020年10月4日閲覧。
  3. ^ この人に聞く 南方新社・向原祥隆社長「大きくならず小さくなるよう暮らす」 | TBS NEWS DIG (1ページ)”. TBS NEWS DIG (2024年8月1日). 2025年4月5日閲覧。
  4. ^ 南方新社とは”. 鹿児島・奄美の本 図書出版 南方新社. 2025年4月5日閲覧。
  5. ^ 原発、奄美の歴史…民家で出版続け30年「生きるのに必要な知識を」:朝日新聞”. 朝日新聞 (2024年9月25日). 2025年4月6日閲覧。
  6. ^ 南方新社とは”. 鹿児島・奄美の本 図書出版 南方新社. 2025年4月5日閲覧。
  7. ^ 南方新社とは”. 鹿児島・奄美の本 図書出版 南方新社. 2025年4月5日閲覧。
  8. ^ 南方新社とは”. 鹿児島・奄美の本 図書出版 南方新社. 2025年4月5日閲覧。
  9. ^ "過去の受賞作."ブックインとっとり(地方出版文化功労賞)HP. 2024年5月4日閲覧。

外部リンク





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