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レッド・カンパニー 第1シリーズの「DUTY2:目撃者」に登場した反資本主義テログループ。トレードマークは「血まみれのドクロ」。人目を引く事件を起こし、その隙にターゲットを誘拐するのが常套手段。6年前、アメリカで中国の大物政治家の息子を誘拐しアメリカを脅迫して中国の軍事情報を要求、犬猿の仲の米ソが決裂して戦争が勃発することも狙いの一つ。しかし、誘拐した人質を密かに篠塚が救出して入れ替わっていたため、内部から壊滅させられてしまう。FBIは加賀がやったと思い込むも残党は信じず、真の仇(篠塚)を排除して組織の再起を図り、手がかりとして加賀と従妹を襲うも残務処理として篠塚に処刑された。 シールド計画 第1シリーズの「DUTY3:シールド」で、ソローミン博士の研究の1つである超電磁波発生装置を悪用した計画。飛んできたミサイルの計器を電磁波で狂わせ機能停止に追い込み、敵の脅威を意に介さず一方的に攻撃することが可能になる筈だった。独裁政権の息の根を止めるまでには至らなかったものの「UB」の介入によりソローミン父子の捕縛を諦め、計画は白紙に戻さざるを得なくなった。 FF 第1シリーズの「DUTY5:No.4」で日本政府を脅迫したテログループ。ファシズム崇拝主義の武装テロ集団。日本でCIAに捕縛された幹部の釈放を要求し、24時間以内に釈放しないとミサイルを発射すると政府を脅迫した。 城南一高 橘慎悟の母校。東京都内某所にある男子校で、正式には「私立城南第一高等学校」である。第1シリーズの「DUTY7:メッセージ」から「DUTY12:果てなき日々への追憶」までの舞台である。 タイガース・アイ 竜童が所属する暗殺組織。武器の密売買を根絶しようとした国会議員を暗殺した事件で証拠写真を撮られてしまった竜童がその隠滅に失敗したばかりか「UB」に捕縛され、組織もまた叩き潰されてしまう。 白龍(パイロン) 誕生して100年の歴史を持ち、香港に本拠地を構えるチャイニーズ・マフィア。銃の密輸組織。慎悟を狙った竜童が消息を絶ち依頼が最多数ゆえに「UB」に捕縛された者達の二の舞になるのを恐れ、ルーキーゆえに失敗しても後腐れの無いメル他2名を送り込んだ。しかし、ローを除いて罠に嵌まって捕縛され、また各支部を次々と潰され本部も「UB」に踏み込まれ組織は壊滅に追い込まれてしまう。竜童の自白でいつ自分たちが潰されるかと戦々恐々の他の組織に対する見せしめだった。 殺人ウイルス パンデミック騒動のエピソードで、元凶として登場するBSL-4の病原体。(1) ヨーロッパ発 旅行者が持ち込んだ植物に寄生していたウイルスが原因で、スペインの小さな村に突如発生し、空気感染で爆発的に被害が拡大した。10日ほどでヨーロッパを壊滅しかけた所で、抗体を有する人間が発見され抗血清を作ることに成功した。中国の山奥に滅多に花をつけないある植物の花の中にあるウイルスが犯人だった。 (2) ロシア発 毒素が格段に強く感染した瞬間から身体が麻痺し、早ければ数十分で発症して内臓をやられたら咳と吐血が始まり、血を吹き出して息絶える代物である。感染すれば2週間程で絶命し、他への感染を防ぐにはホストを殺す以外に術はない。表沙汰になる前に慎悟の献身で処分できた。 (3) 台湾発 / A国発症 毒性が強く感染力は尋常ではない。台湾で発見された時は篠塚らが被害を未然に防いだが、東南アジアのA国の小さな村で発症し、治療法も発見できなかった。しかし、ワクチン接種により抗体を宿すホスト確保により抗ウイルス薬は完成しパンデミックは阻止された。 化学兵器 (1) コールド・ブラッド 第1シリーズの「DUTY15:寒冷前線」で、某国の情報部がアメリカのある研究所から盗んだ化学兵器。ごく少量で東京都民の半分を殺すことが出来る。全身が凍傷のようになって死ぬことから「コールド・ブラッド」と呼ばれる。 (2) レッド&ブルー 第1シリーズの「DUTY26:青い日々の追憶」に登場した東西冷戦時代の負の遺産。一見して赤と青の液体だが、コーヒーカップ1杯の量で日本の首都を全滅させることが可能である。無味無臭で空気に溶け込む。空気に触れると1週間ほどで効果は切れるが、その間に吸い込んだ者はおよそ5分で死に至る。開発した研究者たちは扱いの難しさを考慮し、2つに分け1つでは使えないようにした。どちらかが空気中に散布されると斑点が浮かび上がり体内の毒素が消えることはないため、もう片方が散布されれば体内で2つが混ざり合い死に至る。開発したのが旧ソ連というだけでなく「R&B」は高熱に弱いため、極東ロシアの寒村の夏でも溶けない氷穴の奥深くに隠された。 Ω(オメガ) UB外部組織。元は「K大付属第一高等学校」の頭脳集団(シンクタンク)で、頭は良いが性格が超悪いと評判の男子生徒5名により構成される。表向きは「歴史研究部」。他の生徒を見下し選民思想に囚われ壁を作ってはみ出しており、当初はアウトサイダー的存在のグループだった。「DUTY21:迷路の出口」でイックに協力を請われ、慎悟と篠塚の和解に一役買ったことを機に外部組織として活動することになる。第1シリーズの「DUTY18:幻想の森」から「DUTY24:1時間37分」まで登場。 横田基地 沖縄基地に次いで日本国内第2の規模を持つ米軍基地。何度か「UB」は組織の専用機の発着に利用しており、篠塚が現地に急行すべく戦闘機や輸送機を借用及び便乗することもある。 作中では米軍基地とだけで基地名が呼ばれることはないが、基地の各所に英語で「UNITED STATES AIR FORCE Yokota Aire Base」と表記されている様が第1シリーズの「DUTY19:Ω‐オメガ‐II」と第3シリーズの「Mission8:episode5」で描かれた。 黒い蛇 第1シリーズの「DUTY21:迷路の出口 (1)(2)」で登場した立憲君主制国家「ブロジニア王国」のテログループ。長年犬猿の仲だった隣国ジージニアとの和平交渉により調印式を間近に控えた故国の和平政策を疎み、国王の次男である駐日ブロジニア大使を人質に戦争突入と投獄された仲間の釈放を要求した。失敗して捕縛される間際、篠塚を道連れに自爆しようと手榴弾を投げつけるが、彼女を救おうとした慎悟に阻まれて結局は捕縛された。 スタークロス 「DUTY28:ヒーロー」でオタク少年・良太の大好きな1970年代の勧善懲悪SF映画。宇宙を舞台に愛馬であるペガサス「ドゥーイ」を駆り、悪の軍団サタールに囚われたサーシャ姫を救う主人公グレン・クロスロードが活躍する。内容が斬新すぎて人気が出なかった。 アンドロ・メディリアン 篠塚がテログループ捕縛のために山に入った際、良太に「王女のお付きの人で護衛兼身の回りのお世話をしている」とストーリーを作られて命名された。 赤い狼 国際指名手配されていた武装テロ組織。警察に追われて外国人レストランに立て籠もった5名が、人質の中にいた篠塚とNo.7に瞬殺され警察に逮捕されてしまう。本隊と他の武装テロ組織が結託してアメリカ転覆を阻止しうるハッカーを抹殺すべく動き出すが、彼らもまた篠塚ら「UB」に捕縛された。 煌龍(ホアンロン) 世界最古の暗殺組織。初登場は第1シリーズ最終章「DUTY32:標的」。紋章は「尾が刃となった龍」。秦王朝の初代皇帝により皇帝直属の組織として結成され、中国の歴代王朝に仕え王朝に都合の悪い存在の暗殺に携わってきたが、英国との講和締結に際して「血塗られた過去」の発覚を怖れた清王朝の高官たちにより滅ぼされた。165年ほど後、復活の下地を整えて結城(張)の総帥就任を機に完全復活した。それ以来、相次ぐ犯人不明の要人や大物の怪死事件の元凶として暗躍する。組織内部で「皇帝=総帥」と定められており、亡き長老・王老により「DUTY32:標的 (4)」の冒頭で組織の歴史・為すべきこと・最強の組織を作ることと共に「統治者の責務」を学んで貰わねばならぬこととして語られた。表向きは「UB」と同様に恒久和平の実現を目的とする悪人退治だと主張するが、真の目的は世界を支配して自分たちの思い通りにコントロールすることである。そのため、「UB」とは不倶戴天の敵である。痕跡も残さず影の如く犯行を重ね、その名は中国の裏社会では恐怖の代名詞となっている。初めて「UB」と対決した「DUTY32:標的」で最強は自分たちだけで「UB」など敵ではない、世界を変えることが出来るのは自分たちだけであり、「UB」も自分たちに従うべきだと幹部の劉は勝ち誇るが、最終的には逃亡するも「UB」に敗北して捕縛された。 ある時、当時の皇帝より一族の印となる紋章を送られて以来、力と結束の強さの証としてメンバー全員が身体の何処かに紋章の刺青を彫るようになった。元々は一つの血族から成り立っていた。自分たちが「悪」と定めた対象の抹殺、世界を変えるには破壊と殺戮が一番だという基本姿勢は変わらないが、外部から総帥の教育係を兼ねた新幹部を迎え、関係者すら一人残らず皆殺しすることから根本の原因を探り排除するピンポイントの処理にと少しずつ路線変更が行われている。個人で「UB」に挑んで敗れるも竜童とローにより弟である教育係の劉を介して篠塚と慎悟の情報を得、当初から「UB」と対峙して存続し続けており、「UB」の力をもってしても全貌を捉えることが出来ない。 第2シリーズ最終章「MISSION5〜試練の冬〜」で殺人ウィルスを狙う「ENU」の首魁ゲオルグを殺害した。メンバー全員を殺害する予定だったが、篠塚に阻止されてしまう。 第4シリーズの「Mission2:episode14」でのオークション会場で「煌龍」の総帥出現により招待客は沈黙し、壊滅した「赤い馬」など格下とする歴史と技術を有しており、世界に恐怖を齎す存在として知れ渡っている様子が描かれた。 鳳凰楼 第1シリーズの「DUTY32:標的」で慎悟がバイトしていたチャイニーズレストラン。実は篠塚を操るための餌として慎悟を捕縛するべくチェーン店を展開した「煌龍」の罠であり、企業を立ち上げて慎悟の住む地域にチェーン店を建て、そうして彼が来るのを待って5つ目がこの「鳳凰楼」である。 カシャサ 第2シリーズの「MISSION1」で、武器専門の闇ブローカーで南米を拠点に暗躍する武器密輸組織。トップはブラジル人のカルロス・ローシャ。傭兵で構成される特殊作戦部隊「SOF」を抱えており、いざとなれば武力行使も厭わない。しかし、敵の正体が「UB」だと知り、軍に所属していたころに教官から「UB」のことを聞いていた幹部の内部告発により壊滅した。「MISSINO1〜Episode5〜」以降から組織名の誤植が起きて「ナシャサ」とされ、最後まで訂正されることはなかった。 サンティアゴ国際空港 チリ共和国の国際空港。イックと「UB」の力を人づてに聞いて引退を決意したカシャサ幹部が対面した。 ナミリア共和国 第2シリーズの「MISSION2」に登場した中央アフリカの独裁国家。首都はボンゴロ。暗殺請負政権の将軍が牛耳っているせいで、難民は隣接するバナンダ共和国の難民キャンプに流れ込んでいた。 ブラック・ドラゴン (1) 第2シリーズの「MISSION3」に登場した、ダージェ王国の皇太子アラムの暗殺を企てた暗殺組織。王位を狙う国王の弟でアラムの叔父サジの依頼だった。 (2) 第3シリーズの「Mission7:episode5」に登場したNYマフィア。台湾マフィアを引退したとはいえ大きな影響力を持つ蔡社長に組織を渡すよう脅迫し、その息子を誘拐してホテル扱いで利用する刑務所に監禁。篠塚が脱獄に尻込みする彼の不安材料を消すため、部下に命じて壊滅させた。 ENU(ヨーロッパ貴族連合) 欧州を陰から支配する犯罪組織。総じて傲慢で尊大、人を人とも思わず、マフィアも真っ青になる手口だが、自身の手は決して汚さない。表向きは合法的な組織であり、思い通りに事が運んでいる内は金と権力は使っても正当な手段でウスチノフ博士の孫娘を取り込もうとハンスが派遣される。貴族にとっての黄金時代を復興しようと殺人ウイルスを狙うが、「煌龍」によりボスのゲオルグは殺害され、慎悟に手を出したことで篠塚の怒りを買ったため、彼女が個人で動いた後に「UB」の組織的な行動により壊滅した。篠塚がいたことでハンス以下の部下たちは「UB」に捕縛され、命は無事だった。 ケーブルカー ハンスが慎悟と麻亜矢を監禁する山城と麓の別荘を繋ぐ移動手段。真冬の吹雪の中でも往復可能であり、普段は下の別荘の地下に設置されている。単線。 R・R 第3シリーズの「Mission1」の残虐非道な武装テロ組織。国際指名手配を受けるボスは通称「ネロ」。アジアの小国「N国」で長く続いた内戦の混乱の中で結成され、世界各地の主義主張の異なるテロ組織・武装集団を吸収しながら世界最大のテロ組織となった。アジトは「N国」と「S国」の国境沿いにある。目的は東西冷戦の復活、西側諸国および東の先進国を押さえる力を得ることである。N国に人道支援のために訪れたボランティア団体を拉致した直後、フリー・ジャーナリストのアンジー・バートンを単独インタビューにネロが直々に指名して組織の拡大と活動のために利用しようと企むが、「R・R」壊滅任務に臨み現地のガイドを装って潜入した篠塚により殲滅された。 その後、「Mission6」で語られるのみだった組織が残党という形で登場し、囮となったアンジーに近づくたびに次々に「UB」に捕縛され、最後の一群が「UB」を追う日野倉を拉致するも篠塚に奪還され、誘導されたレインボーブリッジで篠塚が呼び寄せた日本の警察により最後の残党も逮捕されて完全に壊滅した。 ホープヒル刑務所 第3シリーズの「Mission7」第2部の舞台。所長はNYマフィアのワンと州議員をバックにやりたい放題の独裁体制が敷かれていた。砂漠のど真ん中にある陸の孤島であるため、NYマフィアのワンは所長と癒着し、同刑務所は彼に好都合のホテルと化していた。奥から順にAからGまでのユニットが立ち並び、AからCは比較的刑の軽い受刑者、篠塚のいるEを含めたDからGは重犯罪者が収監されている。ユニットFは懲役200年や終身刑に処せられた受刑者の入る房で、ユニットGにはバルドリーニ・ファミリーの部下達のサロンがあった。諸々の悪事が露見して所長が捕縛され、同刑務所は閉鎖された。 フェイズ5 パンデミック・アラート期の最終段階。被害が拡大してゆき世界的大流行(パンデミック)の一歩手前という極めて危険な状況で、複数の国家間で患者数が膨れ上がり、いつパンデミック(世界的大流行 / 警報レベルフェイズ6)に移行してもおかしくない。それゆえに世界保健機構(WHO)は世界に対し、警告を発した。 特別房 収容された人間は受刑者ではなく、建明と同様にミスター・ワンに誘拐された人質であり、彼の依頼で所長が「特別囚人」と称して預かり管理している。そのため、自殺や病気で死亡者が出ると「作業中の事故」で処理できない。架空の事件を捏造して片づけられていた。 ディエス空軍基地 アメリカ合衆国テキサス州アビリーンにある基地。部下に任せようとしない篠塚が刑務所に潜入しようとする直前、真っ向から反対するイックに一切知らせていなかったため、駆けつけた彼と口論を繰り広げた。 山の里(やまのさと) 第3シリーズの「Mission8」で、DIVに拉致されるまで慎悟が篠塚を出迎えに通い続けた無人駅。毎日午後4時、1日に1本しか列車が来ない。DIVがDナンバー全員をおびき寄せて爆殺したため、彼らの体内の爆弾により駅と周辺の森は吹き飛んでしまう。「UB」により不発弾の爆発ということで処理され、廃線になった。 第4シリーズで駅のホームの下に廃村と同じシェルターの一つがあり、篠塚にDIVを救うためにシェルターのことを教えられた「異端のD」がそこからDIVを連れて退避した後、事前に設置した爆弾で殺到したDナンバーを爆殺したことが明らかになった。 赤い馬 暗殺組織。メンバーは各国各民族で構成されていて歴史は古く、トップは「ドン」という敬称で呼ばれる。依頼を受ければ、善悪・老若男女を問わず殺すのが組織の方針である。世界的組織ではあるが、規模はそれほど大きくはなく依頼も個人的なものに限定されていることで「UB」の警戒対象からは外れていた。実行メンバーと呼ぶ暗殺者には2つの系統があり、BEVIIのような外部からの加入者とDIVのように組織内で育成された者とがいる。暗殺者全員が体内に爆弾を埋め込まれている。自爆してでも標的の殺害と失敗時は情報漏洩の防止に捕縛されないよう自殺を厳命されており、他人を信じない暗殺者の性もあって損耗は激しく、他のセクションのメンバーよりも確実に短命に終わる。内部分裂と「UB」により長い歴史を閉じた。組織壊滅後、離散した構成員で生き残った者は僅かであり、ほとんどが「赤い馬」に恨みを抱く敵対組織の手にかかり命を落とした。 第4シリーズでは、どうして滅んだのかと不思議がられながらも「いい組織だった」とイタリアの大物に惜しまれていた。しかし、「煌龍」よりは格下であることがオークションに結城が現われたことで明白になる。 KK解放軍 テロ組織。ある組織からプルトニウムの取引を持ちかけられるも取引前にプルトニウムを奪われ、暗殺組織「赤い馬」に泣きつき元凶のアジア人(篠塚)の殺害を依頼した。しかし、間に合わずに取引相手共々に滅ぼされてしまう。 T・E・E ドイツのテロ組織。ベレー帽と固有のマークの入ったジャンパーが特徴。数年前に篠塚により壊滅させられたものの残党は慎悟を足掛かりに復讐を果たそうとするが、同じ目的で慎悟に接近したDIVにより全員が殺害後の解体ではなく殺害の手段として五体をバラバラに切り刻まれ惨殺された。 Dナンバー 「赤い馬」で育成された暗殺者。実行メンバーのエリートである。作中で確認されているのはDIVと「氷の兄弟」の計3名、他には養成所の見張りを務める者とDコールに従った53名、組織を出奔した「異端のD」である。世界各地の紛争地帯の孤児、捨て子、人身売買、誘拐被害者等を手に入れては組織の育成機関で仕事のために感情を失わせる教育等を施され、組織の命令を機械のように遂行する道具に仕立て上げられた。共通の特徴としては感情が無く、それゆえに周囲の色彩を認識できない。本部からの命令は誰であろうと絶対服従である。また、ターゲットに接近する手段の一つとして変装が得意である。DIVの自爆で組織に忠実な最後のDナンバーは一人残らず爆殺されたと表面上は知られているが、実はDIVを救ったディエスたちの仕掛けた別の爆弾で処刑された。彼らの遺体で五体がまともに残っている者は皆無だった。Dナンバーの生存者はDIVと「異端のD」、捕縛された養成所の見張りのみとなった。 異端のD 壊滅した「赤い馬」の中で他の構成員により「死神」と呼ばれ、感情の無い機械の如く暗殺任務を遂行する殺人機械(キラーマシン)「Dナンバー」として育成されたが、感情を持ち続けていて「Dの定義」から外れた異端の存在。組織は滅んだが、不可能な脱走を成功させた「Dの中のD」として恐れられている。Dの養成所で訓練中から脱走者は続出したもののD候補と正式なDとでは力の差がありすぎて次々と処刑されており、ディエスたちもまた生涯追われるのは同じでも切り抜けられるだけの力量を得てからと考え、卒業後に互角のDとなってから暗殺任務で出向いた先でDIVの実習に利用される形で逃亡した。長い歴史の中で脱走して命を脅かされながらも自由を手にした者は少数ながら存在し、当人が死亡しても子々孫々まで「赤い馬」はDナンバーを差し向けて処刑しようとするため、お互いに助け合って独自のネットワーク「異端ネットワーク」を構築して「赤い馬」を振り切り、脱走したDナンバーとその家族は世界各地に散らばり隠れ住んでいる。「JBF」と同様に「赤い馬」の壊滅で安泰となった。戦闘に参加できる人員は30名ほど。「JBF」壊滅後、篠塚の直属の部下となる。 同じ元「赤い馬」ということもあり「JBF」について詳しい。慶太に話した「腰の左側に自分たちのナンバーをローマ数字の刺青で刻まれている」というのは真っ赤な嘘であり、シールを貼り付けていただけだと大介(DXVI)は語った。Dナンバーのマークを付けていたらアサシンは無理だとのこと。 Dコール 攻防の任の別なくDナンバー全員を一つの任務に就かせる命令。組織の防衛を務めるメンバーまで投入するため、事実上の組織の崩壊を意味する諸刃の剣である。 清王医科大学病院 第4シリーズで、信号無視のロスの車にはねられ意識不明に陥った和樹が入院している病院。 リド王国 アフリカにある立憲君主国家。国王はかなりの権力を持っているが、敢えて行使しようとは考えていない。天然ガス輸出を主な産業にしているため、裕福。騒乱の多いアフリカで平和を保っているが、その富を妬む隣国カダターンを含めて利権を狙う周辺諸国に狙われており、武器密輸とクーデターを企む反逆者が外敵と手を結んでいた。 JBF 無国籍の暗殺集団。正式名称は「Jet-black frog(漆黒の蛙)」。コードネームは「色」であり、任務を遂行する手段は異なるも全員が「毒」に精通している。元「赤い馬」の一般メンバーであり「第2の赤い馬」を目指すが、裏社会での知名度と評価は低い。オークションを開催した際、滅んだ「赤い馬」を惜しむ大物は組織名を聞いても「知らんなあ」と反応せず、部下に元「赤い馬」と聞かされて「あれか、あの「第二の赤い馬」を目指しているという奴らか?」という言葉が関心の薄さを物語っている。また、「UB」と「煌龍」の因縁を知らず篠塚に話しかけた結城に驚くが、篠塚が捕まえたことがあっただけだろうとメンバーの認識が甘い。 本部は元々はカリブ海の孤島にあった。暗殺だけでなく報酬次第で何でも実行し、手段を選ばないことで有名。規律の厳しい「赤い馬」の中で抑えの効かない若者の中でも上層部の命令を無視して独自の殺人スタイルを貫き、追放された「赤い馬」の反乱分子で構成されている。実力が高く評価される一方で、手口が非道すぎて「赤い馬」を追放されたという噂も囁かれている。任務で暗殺を実行する他のメンバーとは異なり、加入して来た目的が快楽のために殺人を行う輩であるため、厳しい規律も平然と破って好き放題で組織を放逐された。処刑されることなく放り出されたのは、重要な情報を持たない一般の実行メンバーの処刑に手間暇かける必要はないと判断しての処置だった。「JBF」に君臨するレイヴンだけは唯一の例外である。本部は堅固なセキュリティと特殊部隊出身の警備とで外部からの侵入を許さず、島全体が一つの要塞になっている。 かつて「D対策」のために莫大な資金を投じて建造した新しいアジトを所有しており、本来のカリブ海の本拠地と同様、島全体が難攻不落の要塞と化している。「赤い馬」とDナンバーが全滅して用済みとなり廃棄される予定だったが、不測の事態に備えて組織ごと引っ越したことで篠塚奪還のために「UB」が踏み込んだカリブ海の元の本拠地はもぬけの殻であり、対「UB」に活用されている。慶太の目測では東京ドーム数個分の大きな島に、中央にヨーロッパ貴族の館のような本館と少し小ぶりの別館、近代的なビルの研究棟とヘリポート、それらを頑丈な壁が囲っている。外部との連絡手段はなく、端末や追跡装置は埋め込まれたモノまで徹底的に調べられる。「JBF」のメンバーも端末の一つすら所持していない。外敵に対する用心のため、島の見取り図は機密事項となっている。 ドランの内戦 三年前、ドラン共和国内部で終結した紛争。政府軍と反政府軍とに分かれて激突を繰り返したが、ジャングルにある政府軍の要塞を襲撃した反政府軍の一個小隊を政府側に雇われたセレストが全滅させたことで反政府軍は敗北を喫した。 オークション 「JBF」のレイヴンによる人身売買も同然の競売。「伝説」と謳われる秘密組織「UB」のエージェントである篠塚を利用して組織の宣伝を図り、「シノヅカの一晩」を売るべく篠塚を着飾らせて出品した。価値は無限大である「伝説」の組織の一員ゆえに篠塚を「女」として欲しがる人間は皆無であり、彼女の一晩を買うことで「ステイタスと情報」を手に入れることが招待客全員の目的だった。それを見越してレイヴンは晩餐会を兼ねて開催したが、買収が不可能な暗殺組織「煌龍」の恐怖により一転する。
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