ヘビ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 08:18 UTC 版)
文化の中のヘビ
現代では一般的にヘビの容姿は、外見上四肢がなく、ニョロニョロと動いたりトグロを巻いている様子が恐怖の対象としてみられることがある。また毒蛇やニシキヘビ科、ボア科の数種に関しては場合によっては人命を奪うこともあり畏怖の対象ともなっている。反面そういった理由から、場合によっては人間に対して無害な種であっても駆除されることもある。しかし、それとは逆にペットとして飼育されることも増えていて、色彩変化の改良品種なども作出されているほどである。
信仰
四肢を持たない長い体や毒をもつこと、脱皮をすることから「死と再生」を連想させること、長い間餌を食べなくても生きている生命力、四肢のない体型と頭部の形状が陰茎を連想させる事などにより、古より「生と死の象徴」「豊穣の象徴」「神の使い」などとして各地でヘビを崇める風習が発生した。最近でもヘビの抜け殻(脱皮したあとの殻)を「お金が貯まる」として財布に入れるなどの風習がある。また、漢方医学や民間療法の薬としてもよく使われる。日本でも白ヘビは幸運の象徴とされ特に岩国のシロヘビは有名である。また、赤城山の赤城大明神も大蛇神であり有名であるといえる。
民俗学者の吉野裕子によれば、日本の古語ではヘビのことを、カガチ、ハハ、あるいはカ(ハ)等と呼んだ。また、これらを語源とする語は多く、鏡(ヘビの目)、鏡餅(ヘビの身=とぐろを巻いた姿の餅)、ウワバミ(ヘビの身、大蛇を指す)、かかし(カガシ)、カガチ(ホオズキの別名、蔓草、実の三角形に近い形状からヘビの体や頭部を連想)などがあり、神(カミ=カ「蛇」ミ「身」)もヘビを元にするという[41]。ただし、カガチはホオズキの古語、鏡の語源は「かが(影)+み(見)」、カカシはカガシが古形であり、獣の肉や毛髪を焼いて田畑に掛け、鳥や獣に匂いをカガシて脅しとしたのが始まりであって、それぞれヘビとは直接の関係はないというのが日本語学界での通説である。
ヘビは古来、世界的に信仰の対象であった。各地の原始信仰では、ヘビは大地母神の象徴として多く結びつけられた。山野に棲み、ネズミなどの害獣を獲物とし、また脱皮を行うヘビは、豊穣と多産と永遠の生命力の象徴でもあった。また古代から中世にかけては、尾をくわえたヘビ(ウロボロス)の意匠を西洋など各地の出土品に見ることができ、「終わりがない」ことの概念を象徴的に表す図象としても用いられていた。ユダヤ教やキリスト教、イスラム教(アブラハムの宗教)では聖書の創世記から、ヘビは悪魔の化身あるいは悪魔そのものとされてきた。
ギリシャ神話においてもヘビは生命力の象徴である。杖に1匹のヘビ(クスシヘビ 薬師蛇、Zamenis longissimus とされる)が巻きついたモチーフは「アスクレピオスの杖」と呼ばれ、欧米では医療・医学を象徴し、世界保健機関のマークにもなっている。また、このモチーフは世界各国で救急車の車体に描かれていたり、軍隊等で軍医や衛生兵などの兵科記章に用いられていることもある。また、杯に1匹のヘビの巻きついたモチーフは「ヒュギエイアの杯」と呼ばれ薬学の象徴とされる。ヘルメス(ローマ神話ではメルクリウス)が持つ2匹のヘビが巻きついた杖「ケリュケイオン」(ラテン語ではカドゥケウス)は交通などの象徴とされる。「アスクレピオスの杖」と「ヘルメスの杖(ケリュケイオン)」は別のものであるが、この二つが混同されている例もみられる。
古代エジプトの歴代ファラオは、主権、王権、神性の象徴として蛇形記章を王冠に戴いた。
中国神話や、江戸時代の官学であった道学では、蛇神が道祖として信仰されてきた。明治維新後の日本では高島易断で主祭神[42] として信仰が残るのみ。また中国の香港特別行政区では道教寺院を通して一般に信仰され、中国本土では中華民族人文の始祖として尊ばれている。三皇の初代が、魚釣を教え魚網漁鳥網猟や八卦(易)、そして結縄や瑟を発明した蛇身人首の伏羲。その妹にして妻である女媧は、泥と縄で人類を創造し、天を修復し、笙簧を発明した蛇身人首の女神。伏羲と女媧は大洪水に遭い、人類は、瓢箪の中に避難していた二人を残して絶滅してしまったとも伝えられている。なお、漢字文化において古くは無足の動物を蟲と称し、代表的な動物がヘビで、その他、蛭やナメクジやミミズやウミウシも蟲に属した。そのため、足無しと呼ばれた足の不自由な人が知恵者として崇拝されるようになると、ヘビと同一視されるようになったという解釈もある。
また、インド神話においてはシェーシャ、アナンタ、ヴァースキなどナーガと呼ばれる蛇身神が重要な役割を果たしている。宇宙の創世においては、ナーガの一つである千頭の蛇アナンタを寝台として微睡むヴィシュヌ神の夢として宇宙が創造され、宇宙の構成としては大地を支える巨亀を自らの尾をくわえたシェーシャ神が取り囲み、世界を再生させるためには、乳海に浮かぶ世界山に巻き付いたヴァースキ神の頭と尾を神と魔が引き合い、乳海を撹拌することにより再生のための活力がもたらされる。これらの蛇神の形象は中国での竜のモデルの一つとなったとも考えられている。
日本においてもヘビは太古から信仰を集めていた。日本では、縄文時代の遺跡からもヘビをかたどった土偶が出土している[43]。縄文時代中期の遺跡からはヘビをモチーフとする文様の施された土器がしばしば出土し、なかには頭部をマムシに特徴的な三角状に仕立てたものもある[44][45][注釈 1]。ヘビは、日本では古来より、ネズミを捕食するところから穀物神、それが転じて田の神、ヘビと龍との習合から水神、さらに財宝をつかさどる弁財天の表象・化身ないし神使として神聖視されてきた[43]。中国の逸話を集めればヘビは富の象徴にほかならない[46]。これは商業神へとつながる要素である[46]。民俗学のフィールドワークや古代の史書からは地神としての性格も有する[46][注釈 2]。
また、豊穣神として、雨や雷を呼ぶ天候神として、また光を照り返す鱗身や閉じることのない目が鏡を連想させることから太陽信仰における原始的な信仰対象ともなった。もっとも著名な蛇神は、頭が八つあるという八岐大蛇(ヤマタノオロチ)や、三輪山を神体として大神神社に祀られる大物主神(オオモノヌシ)であろう。弁才天でもヘビは神の象徴とされる場合がある。大神神社や弁才天では、神使としてヘビが置かれていることもある。ヘビの姿は、男根、剣、金属(鉄)とも結びつけられることから男性神とされる一方、豊穣神・地母神の性格としては女性と見られることも多く、異類婚姻譚の典型である「蛇女房」などにその影響を見ることができる。この他、ヘビそのものを先祖とする信仰(トーテム)もみられ、『平家物語』の記述として、「緒方維義の祖先は明神の化身たる大蛇という伝説(緒方家における祖神信仰)があり、その話から武士達が集まった」と記される。他に建御名方神、豊玉毘売命、玉依毘売命、阿遅鉏高日子根神なども龍蛇神である。
ヘビと精神分析
精神分析の始祖であるジークムント・フロイトは夢分析において、ヘビを男根の象徴であるとした。これに対してカール・グスタフ・ユングは、男性の夢に登場するヘビは女性であると説いた。また、ユングはフロイトが多くのものを性に結び付けて解釈する傾向に対しては批判的であった。
1960年代に5歳から12歳の子どもを対象として行われた「怖いと思うもの」を尋ねる調査では、467人のうち約50パーセントの子どもが動物を上げ、その中で最も多かった回答はヘビ類だった[47]。このように、多くの人に見られるヘビ類への恐れは本能であるという説と、学習の結果であるという二つの説がある[47]。本能由来説の裏付けとして、マーモセットやチャクマヒヒなどの観察研究により霊長類全般にヘビへの忌避行動が見られる事が挙げられている。一方でマカクやキツネザルを対象とした学習由来説を裏付ける研究もあり、結論には至っていない。1928年に心理学者メアリー・カバー・ジョーンズ夫妻が提出した論文『成熟と感情:ヘビに対する恐れ』によれば、2歳までの子供は長さ1.8メートルのヘビやボアコンストリクターを恐れなかったが、3歳児は警戒を見せるようになり、4歳児以上では恐怖を示したという[47]。
ヘビの鱗と社会・文化
ヘビは様々な文化と宗教において題材として取り上げられ、世界中で畏怖と魅惑の対象となってきた。ガボンアダーなどの鱗に見られる鮮やかな模様は、人に嫌悪感をもよおさせることもあれば、人の心を魅了することもある。人類は先史時代からこうした模様に畏敬の念を抱き、さまざまな絵画や造形物に蛇鱗の模様を採り入れてきた。恐怖や興奮に関する心理学研究では、鱗がヘビのイメージの重要な要素であることが示されている。
蛇革は、その網目状や格子状の精巧な繰り返し模様が愛され、財布やバッグ、アクセサリーなどの多くの革製品の製造に用いられてきた[48]。琉球王国発祥の伝統的な弦楽器三線や、ウイグル自治区周辺に見られる弦楽器ラワープ[49]、中国の二胡などに蛇皮が使われる。
しかし、蛇革の頻用は乱獲をともない、ヘビの個体数は危機的状況にある[50]。現在、一部のヘビの取引については、1973年成立のワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)によって国際的な規制がかかっている[51]。多くの国の動物愛好家は人工蛇革による代用を促進しており、これはエンボス加工された皮革、模様入りの布地、プラスチック、その他の素材から容易に製造できる[48]。
ヘビの鱗はアクションゲームにおいてしばしばとりあげられる[52][53][54][55]。1982年のSF映画『ブレードランナー』では、ヘビの鱗が謎解きの手がかりとして描かれた[56]。また、大衆小説や若者向け小説にも登場し、J・K・ローリング「ハリー・ポッターシリーズ」では、ポリジュース薬を調合するための材料としてブームスラングの乾燥した皮が使用される[57][注釈 3]。
政治シンボル
アメリカ合衆国では「大きな者が侵入してきても敢然と威嚇し、踏みつけられれば反撃する」としてガラガラヘビが"Don't tread on me."(私を踏むな)の標語とともに独立自衛のシンボルとされる。これらの意匠はガズデン旗や海軍国籍旗にも用いられる。
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ガズデン旗
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米海軍国籍旗
古代エジプトの主権を示す王冠として、ファラオは蛇形記章を戴いた。
伝説・神話中のヘビ型生物など
- ケツァルコアトル(アステカ神話の文化神・農耕神)
- 玄武(頭と胴体が亀で、尾の部分がヘビになっている伝説上の生き物)
- ヤマタノオロチ
- シーサーペント(大海蛇)
- ツチノコ(ヘビの仲間と推測される未確認動物)
- 巳(十二支)
- ヘビと鐘(鐘が竜蛇に変じる伝説):長野県上田市の須川湖には、鐘がヘビに変じた伝説が残る。昔、盗人が国分寺から鐘を盗み出し、ようようのことで須川湖畔までやって来て、暫し休息していた。すると、鐘が「国分寺恋しや」とひとりでに鳴りだし、みずから池へ転がり落ちた。その途端、鐘は水中で大蛇と化して、池の主となった。大蛇は、人間があやまってこの池へ落ちることがあると、どこからともなく現れて助けてくれた。また、この大蛇が棲むお蔭で、須川湖はどんな日照りのときでも干上がったことがないという[58]。ヘビを竜とする話もある[59]。
- 蛟
- メドゥーサ(頭髪がヘビになっている怪物。ゴルゴンも参照)
- へび座、へびつかい座、うみへび座、みずへび座
- 老神温泉(大蛇神を氏神とする温泉。八岐大蛇との関係や神話、諸説有り)
- ヨルムンガンド(北欧神話)
- ラミアー(下半身がヘビになっている怪物)
- 真蛇(顔面がほとんどヘビと化した女鬼)
- 蛇の精
- 三輪明神 - 長尾神社(ヘビの頭が大神神社でヘビの尾が長尾神社との伝説)
- 伏羲(道祖として江戸時代の官学で尊ばれ、現在は中華民族人文の祖とされる蛇身人首で縄を発明した葛天氏の氏族)
- 女媧(伏羲の妻であり妹であり、人類を泥と縄で創造した蛇身人首の女神)
- 蛇(システィーナ礼拝堂天井画に描かれた創世記3章の神話を表した図には、女媧のような蛇身人首が神に呪われることになるヘビとして描かれている)
- デンゲイ - フィジーの創造神。
- ウロボロス
- ヒュドラー
- ザッハーク - ペルシャ神話に登場する暴君。両肩からヘビが生えていて、切り落としても再生する。
ことわざ・慣用句
ヘビに関連することわざ、慣用句、熟語も多く存在する。以下、五十音順。
- 蜿蜒長蛇(えんえんちょうだ)
- ヘビのようにうねうねと動くようす。「蜿蜿長蛇」「蜒蜒長蛇」とも書く。
- 草を打って蛇を驚かす
- 何気なくしたことが思いがけない結果を招くこと。また、ある人を懲らしめることで関係者を戒めること。(出典:書言故事)
- 蛇(じゃ)の道は蛇(へび)
- 専門家の間でその専門について暗黙の了解ができること。あるいは専門のことはその専門家が詳しいこと。類似句は「餅は餅屋」。
- 蛇の目模様
- 同心円の模様。
- 蛇(じゃ)は寸にして人を呑む
- 英雄や偉人は小さいときから人を圧倒する品位・風格を持つこと。小さなヘビでも威嚇する姿に圧倒されることがあることから。
- 蛇腹(じゃばら)
- 山折りと谷折りを繰り返して伸び縮み自由にした構造。ヘビの腹に似ていることから。
- 常山の蛇勢(じょうざんのだせい)
- 軍隊の配置や文章の構成などが、前後左右どこにも隙や欠点のないこと。常山のヘビは、頭を叩こうとすれば尾が、尾を叩こうとすれば頭が反撃するとされる。(出典:『孫子』九地篇)
- 蛇足
- 余計なこと。(出典:『戦国策』斉上)
- 蛇蝎のように恐れる
- 対象を、ヘビやサソリのように恐れ嫌う。
- 毒蛇は急がない
- 待ち伏せしていて、通りかかった獲物をひと噛みした毒蛇は臭跡をたよりに逃げた獲物のあとを追うが、急ぐことはない。遠くないところで、毒がまわった獲物が倒れていることを知っているからである。そこから「自信がある者は、焦らず落ち着いている。そして最後には必ず目的を達成する」という意味。タイの諺。
- 苦手(ニガテ)
- 力量と関係なく、何故か特定の物や人との優劣が決まってしまう状況や心理を指す言葉。手を出すだけでマムシを硬直させ、素手で容易に捕まえる稀な才能を持つ手を「ニガテ」と呼んでいたことからくる[60]。
- 杯中の蛇影
- 疑いすぎて自分で苦しんでしまうこと。(出典:『晋書』)
- 蛇が蚊をのんだよう
- 少量で足しにならないことの喩え。
- 蛇形記章
- 古代エジプトの主権、王権、神性の象徴だった。
- 蛇稽古
- 長続きしない稽古事の喩え。
- 蛇に足無し魚に耳無し
- 蛇は足がなくても這って進めて、魚は耳がなくても感じることができる。動物の特徴を表す言葉。「蛇は足無くして歩き、蝉は口無くして鳴き、魚は耳無くして聞く」とも。
- 蛇に咬まれて朽ち縄に怖じる
- 過去の体験から些細なことにおびえること。単に「朽ち縄に怖じる」ともいう。類似句は「羹に懲りて膾を吹く」「熱湯で火傷した猫は冷水を恐れる」「黒犬に咬まれて赤犬に怖じる」。
- 蛇ににらまれた蛙
- 恐ろしいものに直面して身動きができない状態。「蛇に見込まれた蛙」「蛇に蛙」とも。
- 蛇の生殺し
- 「生殺し」と同じ。生きも死にもしない状態。中途半端な状態で放置しておくこと。
- 蛇の生殺しは人を咬む
- さんざんひどい目にあわせ、とどめを刺さずに放っておくと、後で仕返しを受けることになるということ。
- 蛇は竹の筒に入れても真っすぐにならぬ
- 生まれ持った根性はどうやっても直らないということ。類似句は「蛇の曲がり根性」。
- 封豕長蛇(ほうしちょうだ)
- 大きなイノシシと長いヘビ。欲が深く残酷な人の喩え。(出典:『春秋左氏伝』)
- 盲蛇に怖じず(めくら、へびにおじず)
- 知識がなかったり状況が判らないと無謀なことをする喩え。差別用語に当たるとして、使われなくなっている。
- 薮を突付いて蛇を出す
- 略して「藪蛇(やぶへび)」ともいう。わざわざ余計なことをした結果、そうしなかった場合より悪い状況になってしまうこと。
- 竜頭蛇尾(りゅうとうだび)
- 「虎頭蛇尾」とも。最初は立派でも、尻すぼみに終わってしまうこと。(出典:『五灯会元』)
その他
- 中国拳法の象形拳のなかの「蛇拳」「蛇形拳」は、ヘビをモデルにして作った拳法である。
- 虫拳では伸ばした人差し指がヘビを表し、ヘビは蛙(親指)に勝つがナメクジ(小指)に負ける。
- Category:ヘビを題材とした作品
注釈
- ^ とりわけ関東地方西部から中部地方にかけての勝坂式土器様式には、写実性に富むものから抽象的なものまで様々な造型がみられる[45]。こうした蛇体文の成立過程をみていくと、土器文様の立体化ならびに加飾性の進展という2つの法則性がみられ、ことに立体化の最終段階に火焔土器が位置づけられる[44]。ただし、縄文人の意識におけるヘビの存在は、能登健(考古学)によれば、ヘビが最初にあってそれが文様にとけ込んだというよりは、むしろヘビをモチーフにしなかったにもかかわらず結果としてヘビに見えたため頭がつけられてヘビになったというプロセスを経ての装飾化であるという[44]。
- ^ 日本の伝統的な焼畑農業に際しては、焼畑開始にあたってヘビに一時退散の唱文が述べられるが、これは地神に許しを請う行為と理解されている[46]。また、『常陸国風土記』には継体天皇の時代のこととして新たな水田を開発しようとしたが夜刀(ヤト=谷戸、すなわち荒蕪地)の神であるヘビに妨げられたとの説話が収載されており、『古事記』や『日本書紀』にはスサノオノミコトの八岐大蛇退治の伝説がある[46]。いずれも地神であるヘビの排斥に関連する伝承である[46]。
- ^ ブームスラングは、ナミヘビ科の毒蛇。日本語版のハリー・ポッター作品では「毒ツルヘビの」と訳されている。詳細はハリー・ポッターシリーズの魔法薬一覧を参照。
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- ^ 常光徹『しぐさの民俗学』ミネルヴァ書房 2006年、ISBN 4623046095 pp.170-171.
- ^ 弱っていた毒蛇を助けた農夫が、元気になった毒蛇に殺されてしまう話(恩を仇で返す)
- ^ 蛇が不慮の事故で農夫の息子を噛み殺し、農夫の不注意で蛇の尾を切ってしまったことで友情が終わる話(壊れた友情を直すことはできないということ)
- ^ 信濃生薬研究会 1971, p. 23.
- ^ 信濃生薬研究会 1971, p. 90.
- ^ 佐久市志編纂委員会編纂『佐久市志 民俗編 下』佐久市志刊行会、1990年、1385ページ。
- ^ “serpentariumの意味・使い方・読み方”. eow.alc.co.jp. 2022年8月31日閲覧。
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