ネクベトとは? わかりやすく解説

ネクベト 【Nekhbet】

上エジプト女神禿鷹の姿をしていた。下エジプト女神蛇身ウアジェトだった。

ネクベト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/11/12 01:11 UTC 版)

ハゲワシの姿のネクベト。
ファラオに二重冠(プスケント)を授ける、白い王冠(ヘジェト)をかぶったネクベト(右側)と、赤い王冠(デシュレト)を被ったウアジェト(左側)。

ネクベト(Nekhbet)はエジプト神話に登場する女神古代エジプトにおいて崇拝されていた。

上エジプトの守護女神であり、下エジプトを守護するウアジェト女神とともにファラオの守護者とされた。女性の姿、あるいは上エジプトの白い王冠を被ったハゲワシの姿で描かれる[1]。ファラオの守護者として描かれる場合は、翼をファラオの上に広げ、ファラオの環または髪を掴んだ姿でも表現される。

ネクベト崇拝の中心都市はネケブ(現在のエル=カブ英語版)であった[2]。ネケブはホルスの崇拝の中心であったネケン英語版とナイル川を挟んで対岸にあり、エジプト先史時代において2つの都市は上エジプトの首都として機能していた。ネクベトの重要性はホルスの隆盛とともに高まることとなった[2]

太陽神話においては、ネクベトはラーの右眼あるいはラーの娘と呼ばれた。また、ネクベトはアビドスの腹ばいの犬[3]もしくは狼[4]の姿をした神ケンティ・アメンティウの妻ともみなされた[5]。古代エジプトにおいて、貧しい人々の死体は砂漠に投げ入れられハゲワシの餌となっていたことが、ネクベトを葬祭の神であるケンティ・アメンティウに結びつけたと考えられる[5]。ケンティ・アメンティウはオシリスと習合され、ネクベトはオシリスにも結びつくこととなった。オシリス信仰においては、ネクベトはオシリス信仰の豊穣の面と結び付けられ、ナイル川の神ハピの妻とみなされた。このことからネクベトは母なる女神、出産の神と考えられ、ハトホルとも同一視された[1]テーベのハゲワシ姿の女神であるムトと混同されることもあった[6]

脚注

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  1. ^ a b イオンズ, p. 168
  2. ^ a b イオンズ, p. 166
  3. ^ コッテル, p. 41
  4. ^ イオンズ, p. 261
  5. ^ a b イオンズ, p. 167
  6. ^ イオンズ, pp. 189-190

参考文献




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