アダムとイブ
英語:Adam and Eve
「アダムとイブ」は、「旧約聖書」の創造神話(天地創造)において「神に似せた人」として創造された、最初の人間の男女の名前である。男性がアダム(Adam)であり、女性がイブ(Eve)である。エデンの園に住まい、禁断の果実を食し、それによって原罪を負い、楽園を追放された、とされる。
アダムとイブの子が、カインとアベルである。カインとアベルは最初の殺人(しかも兄弟殺し)の加害者と被害者として語られている。
天地創造の概要
神は宇宙を創造し、6日にわたってあらゆるものを創造した。6日目には獣、家畜、人が作られた、そして7日目は休息をとった。人類は最後の被造物としてつくられたのである。そして、その者こそがアダムである。アダムは大地の塵から作られたという。神はアダムを楽園(エデン)に住まわせた。そして、人間がひとりでいるのは良くないからといって、伴侶としてイブがつくられた。イブはアダムの肋骨からつくられたとされる。
楽園には数多くの樹があり、アダムとイブは樹の実を食べて暮らしていた。その樹の中には、実を食べると永遠の命を得られる生命の樹と、善悪の知識が得られる知恵の樹があった。神は、知恵の樹の実を禁断の果実とし、アダムとイブが食べることを禁止した。しかし、蛇が2人をそそのかした結果、アダムとイブは禁断の果実を食べてしまう。
楽園では、アダムとイブは常に裸で過ごしていた。禁断の果実を食べて知恵を持った結果、自分たちが裸であることに羞恥を抱くようになり、イチジクの葉っぱで腰を覆ったとされる。
アダムとイブが禁断の果実を食べたことは神に知られ、2人は神に問い詰められた。その際、アダムはイブのせいにし、イブは蛇のせいにしたとされる。そのように、神の言いつけを守らずに禁断の果実を食べたことと、その責任転嫁をしたことが、人類で初めての罪だとされている。そして、アダムとイブは、楽園から追放されることとなった。これが楽園追放(失楽園)である。楽園追放は、人類が初めて受けた罰ともいわれる。
楽園から追放されたことで、アダムは労働をしなければ食料を得られなくなり、イブは出産の苦しみを味わわなければならなくなった。また、2人をそそのかした蛇は、罰として、地面を這いずり回って生きなければならない姿になったとされる。
楽園追放のきっかけとなった「禁断の果実」は、西欧ではリンゴであると解釈されることが一般的である。東欧ではブドウやその他の果物と解釈されることもある。なお、旧約聖書には、禁断の果実が具体的に何であったかは明記されていない。また、「創世記」が成立した当時の当地では、リンゴは食用の果実でなかった。
禁断の果実がリンゴと解釈される主な理由としては、聖典をラテン語に訳する際の誤読・誤訳に起因するという説が定着している。
「アダム」と「イブ」の語源・由来
「アダム」という名は、「大地」を意味するヘブライ語「adamah(アダマー)」に由来するとされる。創造主たる神が名付けた。「イブ」は、「生命」という意味のヘブライ語「eve(イヴ)」に基づく名とされる。すべての生きた者の母である、という意味で、アダムが名付けた。
「アダムとイヴ(go!go!vanillasの曲)」とは
go!go!vanillasの楽曲である「アダムとイヴ」は、男女の関係が一線を超えるまでの様子を女性の視点で歌った曲である。曲の締めくくり部分の「2人の影は大きく伸びて / アダムとイヴになる」という比喩的・暗示的な叙述が印象深い。アダムとエバ
《原題、(ドイツ)Adam und Eva》⇒アダムとイブ
アダムとエバ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 08:05 UTC 版)
アダムとエバは、旧約聖書『創世記』に記された、最初の人間である。天地創造の終わりにヤハウェによって創造されたとされる[1]。
注釈
- ^ 妻が神に作られたこと自体は『クルアーン』第4章「婦人」1節、第30章「ビザンチン」21節等に記述がある。
出典
- ^ 『創世記』1:26-27
- ^ 『創世記』 2:15-3:7
- ^ 『創世記』3:14-19
- ^ 『創世記』3:20-24
- ^ 『創世記』5:5
- ^ 『テモテへの手紙一』2:14、『コリントの信徒への手紙一』15:45
- ^ 『ヨハネの黙示録』12:9
- ^ アウグスティヌス『神の国』岩波文庫
- ^ マーティン・ロイドジョンズ『結婚することの意味』
- ^ “The Book of Adam and Eve, also called the conflict of Adam and Eve with Satan, a book of the early Eastern Church, translated from the Ethiopic, with notes from the Kufale, Talmud, Midrashim, and other Eastern works”. インターネットアーカイブ. アダムとイヴとサタンの対立. p. 92. 2020年7月25日閲覧。
- ^ Malan, Solomon Caesar (1882). The Book of Adam and Eve, also called the conflict of Adam and Eve with Satan. Williams and Norgate. p. 106
- ^ “原始キリスト教世界 アダムとエバの生涯”. Barbaroi!. 2010年7月25日閲覧。
- ^ 大貫隆「アルコーンの本質 : ナグ・ハマディ 写本II, 4」『東京大学宗教学年報』第14巻、1997年、148-149頁、doi:10.15083/00030616、ISSN 02896400。
- ^ 『クルアーン』第2章「牝牛」30-34節
- ^ 『クルアーン』第7章「高壁」
- 1 アダムとエバとは
- 2 アダムとエバの概要
- 3 外典他
- 4 イスラム教
- 5 脚注
- 6 関連項目
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