アオダイショウとは? わかりやすく解説

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あお‐だいしょう〔あをダイシヤウ〕【青大将】


アオダイショウ

アオダイショウ Elaphe climacophora

アオダイショウ

この害虫属する群
ヘビ(1) アオダイショウ
害虫カテゴリ
有害鳥獣類 その他
形態
 アオダイショウは本土で最も大きくなるヘビで、過去には体長2mにも達したものが採集されことがある体色個体により多少変化しおおむね黄緑色から青緑色時として青灰色のものも見られる腹面白く背面に4本の縦縞があるが、縞のはっきりしない個体も多い。幼体のときは背面銭形紋とも呼ばれる円形連続した模様があり、この模様マムシ類似するために、マムシ間違えることもある。
被害
 日本本土では、人家周辺見かけることによる嫌悪感最大被害といってよいであろう。特にアオダイショウは登攀する能力高く、庭の樹木や家の壁を登る姿をしばしば見かけ小鳥鶏卵襲われる被害がある。また、交通機関電気室侵入し短絡事故起こすケースもある。しかし人家周辺生息地として最も好むこのヘビは、もともと人家生息するネズミ類を食べてくれる保護すべき動物でもある。
生態
 アオダイショウの場合関東地方では4月末頃に冬眠から目覚め春に日向体を温めるためにとぐろを巻いてじっと動かない個体をよく見かける逆に冬眠にはいるのは11月ごろである。5月6月交尾し石の下倒木の下で一度に8~20個の卵を産む。卵は5060日で孵化し生まれたて幼体でも体長が50cm弱ある。
 主な餌はネズミ類で、150cmの個体なら4月から11月までの活動期間内にハツカネズミハタネズミ100頭以上食べるという。ネズミの他にはカエル大きな鶏卵等も食べる。また、木登りを得意とし、小鳥を狙うことも多い。
 

アオダイショウ

ヘビ(1) アオダイショウ
この群のグループ
この群に属す害虫
特徴
 南西諸島を除く日本ではいわゆる毒ヘビを見ることは少なく一般家屋周辺現れるヘビ類は無毒の種類が多い。アオダイショウ、ヒバカリシマヘビなど数種類おり、そのなかで天井裏床下住み着くケースはアオダイショウが最も多いです。これらのヘビネズミカエル主食とし、冬眠からさめた直後4月から5月建物その周辺への侵入多発します。近づかない限りヘビの方から襲ってくることはないため、見かけたら不用意に近寄らないほうがよいでしょう


青大将

読み方:アオダイショウ(aodaishou)

ナミヘビ科ヘビ

学名 Elaphe climacophora


青大将

読み方:アオダイショウ(aodaishou)

ヘビ一種

季節

分類 動物


アオダイショウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/31 09:41 UTC 版)

アオダイショウ
Elaphe climacophora
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: ナミヘビ科 Colubridae
亜科 : ナミヘビ亜科 Colubrinae
: ナメラ属 Elaphe
: アオダイショウ E. climacophora
学名
Elaphe climacophora
(Boie1826)
シノニム
本文を参照
和名
アオダイショウ
英名
Japanese rat snake

アオダイショウ(青大将、黄頷蛇[2]学名: Elaphe climacophora)は、ナミヘビ科 ナメラ属に分類されるヘビサトメグリ(里回り、サトマワリ)[3]ネズミトリ(鼠取り、鼠捕り)[4]などの別名がある。

分布

日本北海道本州四国九州国後島奥尻島佐渡島口之島(南限)、伊豆諸島壱岐隠岐対馬五島列島大隅諸島固有種[5][6][7][8]

形態

全長100 - 200 cm[5]直径は5 cmほどになる。全長の平均はオスの方が大きいが、一方で大型の個体はオスよりもメスのほうが多い[8]。日本本土では最大のヘビで、南西諸島のサキシマスジオシュウダハブに次ぐ大きさとなる。頭部は角張り、端は幅広い[6][7]。斜めに列になった胴体背面の数(体列鱗数)は23列、もしくは25列[7][8]面を被う鱗(腹板)は221 - 245枚。腹板の両端に隆起(側稜)があり、これにより木に登ることができる[6]

アオダイショウの幼蛇

体色は主に暗黄褐色からくすんだ緑色であるが、個体差が大きい[6][8]。また、北海道には青みの強い個体が多い[8]脱皮前の個体は色みが濃く、逆に脱皮直後の個体は青みが強い[6][8]。背面に4本の不明瞭な黒褐色の縦縞が入る個体が多いが、縦縞がない個体もある[5][8]。脱皮前の個体では縦縞が明瞭になる[6]虹彩は褐色みのあるオリーブ色で、瞳孔は丸く、黒褐色[8]

幼蛇(幼体)の体色は灰色で、梯子状に褐色の斑紋が入る[5][6]滋賀県には幼蛇から斑紋が縦縞で、成蛇も明瞭な地域変異個体がいる[5][6]。縦縞褐色がかっているので、ニホンマムシと間違われることも多い[9]。これは、ニホンマムシへの擬態であると考えられている[8]

毒は持たない。

生態

平地から山地にかけての森林堤防農地などに生息する[5][7]。樹上性の傾向が強いが、地表での活動も多い。生息域は高いの上から地表、そして地中下水道まで、幅広い範囲で活動している。餌であるネズミの生息環境に対応し人家周辺でよく見られ、深山などで見かけることは稀である[8]。ネズミを追って家屋内に侵入することもある。昼行性で、夜間は岩の隙間や地面に空いた穴の中などで休む[6]。危険を感じると総排出口から臭いを出す[6]

樹上に上るときには枝や幹に巻きついて登っていくのではなく、腹板の両端には強い側稜(キール)があり、これを幹や枝に引っかけることでそのまま垂直に登ることができ、樹上を移動する[8]。壁をよじ登ることもできるその習性は、他のヘビが棲みにくくなった都市部でも本種が生息できる原動力となっている[注釈 1]

天敵はイヌワシタヌキキツネイノシシなどで、幼蛇はノネコカラスシマヘビなども天敵となる。天敵に襲われた場合、川底に潜って隠れることもできる。

食性は肉食で、主に鳥類やその卵、哺乳類を食べる[5]。幼蛇はトカゲやカエルを食べる傾向が強く、成体になるにつれ鳥類や哺乳類を捕食するようになる[5][8]。噛み付いて捕らえた獲物に身体を巻き付けて、ゆっくり締め付ける。ほかのヘビ類、小魚も捕食することもある。

飲み込んだ卵は食道で脊椎下部の突起を押し当てて割る[5][7]。また卵を丸呑みした場合、卵の殻を割るために高い所から落ちると言われるが、これを意図して落ちるのではなく、誤って落ちることが理由である[8]。木登りが得意なので、鳥類の繁殖期には樹上の鳥の巣を襲い卵やひな鳥を食べることもある。

繁殖形態は卵生。5-6月に交尾を行い、7-8月に7cm弱の卵を、4-17個を産む[5][7][8]。卵は47-63日で孵化する[6]。飼育下では17年7か月の飼育記録がある[6]

シノニム

人間との関係

人家や倉庫で生活することもあり、ネズミを捕食することから益獣と扱われることもあった[6][7]。一方で飼い鳥やその卵を食べることから敬遠されることもある[7]

本種はと共に暮らすヘビといわれ、人のいない深山などでこのヘビが観察されることは少ない[8]。人との関わりが深く、都市部でも緑の多い公園河川敷などに生息している。民家の庭先に現れることも多い。

本種は昼行性で、活動する時間帯が一般的な人間の活動時間帯と重なることが多いため生息場所では見かけることも多く、人を恐れることはあまりないといわれる。性格には個体差があり、人にいじめられた経験のある個体などはかえって攻撃的になることもある。これはアオダイショウに限らず、すべてのヘビについていえる。[要出典]

本種は温帯域に生息して冬は3か月から4か月冬眠するため、冬眠しない熱帯性のヘビとは違って飼育に関して暖房などの特別な設備を必要とせず飼育しやすい。日本在来種であることから日本でのペットとしての人気はそれほど高くないが、海外では北海道・国後島産のものは特に青みが強いことから「クナシリラットスネーク」と呼ばれている。また、飼育下で環境に慣れた個体は総排出口から臭いを出すことはなくなる。肉には臭みとアクがあり、食用としては適さない。[要出典]

都会への順応性もあり身体能力も高い本種ではあるが、近年は餌のネズミが薬剤による駆除対象になったことと、コンクリート上では青緑の体色はかえって目立ちやすいため、都市部では減少傾向にある。[要出典]

本種の白化型は「神の遣い」として、信仰の対象とされることもある[6][8][10]。山口県岩国市周辺に白化型が多く、信仰の対象として駆除されずに残されている[8]。この地域のシロヘビの個体群は、1924年に国の天然記念物に指定(1972年に「岩国のシロヘビ」に変更)されている[6]。保護の対象とされていて、飼育・繁殖のための施設があるが野生個体の生息地は減少している[5][6]

画像

脚注

注釈

  1. ^ したがって、建物の壁にヘビが張り付いていればほぼ間違いなく本種である。

出典

  1. ^ Kidera, N.; Ota, H. (2017). Elaphe climacophora. IUCN Red List of Threatened Species 2017: e.T47755764A47755773. doi:10.2305/IUCN.UK.2017-3.RLTS.T47755764A47755773.en. https://www.iucnredlist.org/species/47755764/47755773 19 November 2021閲覧。. 
  2. ^ 三省堂百科辞書編輯部 編「あおだいしょう」『新修百科辞典』三省堂、1934年、10頁。 
  3. ^ 「里回り」の解説”. デジタル大辞泉コトバンク). 2021年9月14日閲覧。
  4. ^ 「鼠取り」の解説”. デジタル大辞泉コトバンク). 2021年9月14日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k 千石正一監修 長坂拓也編 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、322頁。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 小林章 「日本のヘビを楽しむ 第2回 ヒバカリ(Amphiesma vibakari vibakari)」『クリーパー』第23号、クリーパー社、2004年、24-28頁。
  7. ^ a b c d e f g h 深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編 『動物大百科12 両生・爬虫類』、平凡社1986年、162頁。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 富田京一『山渓ハンディ図鑑10 日本のカメ・トカゲ・ヘビ』、山と渓谷社、2007年7月15日初版、pp. 154 - 159、ISBN 978-4-635-07010-2
  9. ^ アオダイショウ”. CHUNICHI Web. アニマルあいズ いしかわ動物園. 中日新聞 (2018年4月21日). 2019年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月9日閲覧。
  10. ^ “白ヘビは神の使い? 南魚沼で突然変異種を発見”. 新潟日報モア (新潟日報社). (2018年9月15日). オリジナルの2018年9月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180916134717/https://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20180915419559.html 2021年7月9日閲覧。 

関連項目


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