スポーツ スポーツの概要

スポーツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 07:13 UTC 版)

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サッカーは全世界で広く行われており、最も人気のあるスポーツとされる
クリケットは世界の競技人口が3億人を超えており[1]、サッカーに次いで人気の高いスポーツとされる
野球は北アメリカや東アジアで人気のあるスポーツである
剣道の試合

語源

「sports スポーツ」の語源はラテン語の「deportareデポルターレ」にさかのぼるとされ、「ある物を別の場所に運び去る」が転じて「憂いを持ち去る」という意味、あるいはportare「荷を担う」の否定形「荷を担わない、働かない」という語感の語である。これが古フランス語の「desporter」「(仕事や義務でない)気晴らしをする、楽しむ」となり、英語の「sport」になったと考えられている[3]

日本では大正末ころからスポーツという言葉は一般化されたが、当時は欧米から入ってきたもの(例えば野球やテニスなど)だけを指していた。 「スポーツ」という表現で柔道や空手などの武道も含めるようになったのは戦後のことである[4]

20世紀末ころから、エンジンのついた乗り物で競技競走)をすることも身体活動が重要な要素を占めるため、「モータースポーツ」などと呼ぶことがある。

ビデオゲームによる対戦会もコントローラ操作という身体活動で対戦するため、e-Sportsと呼ばれるようになった[5]

「スポーツ」の英語表記には、集合的な意味で用いるsportと、種目別に表現するような場合に用いるa sport / sportsの二種類がある。また、“sports medicine”“sports injury”などのように形容詞的に用いる場合には、sportsという語が用いられることが普通である。特に、アメリカでは、集合的な意味で用いる場合にも“sports”という慣用表現が多用される。しかし、学会の名称や学術書の表題などのように学術的な意味で集合的に用いる場合には、“North American Society for Sport Management”“Journal of Sport History”などのように、語尾に“s”を付けない表記が大多数を占めている。

歴史

スポーツそのものは特に地域的な偏りなく、原始的な文明も含めて古代から全世界において行われており[6]古代エジプト王朝成立以前のエジプトにおいてすでに競走が行われていたことがわかっている[7]。古代文明のうちでスポーツを特に重視したのは古代ギリシアであり、紀元前776年以降[8]オリュンピアで4年に1回行われた古代オリンピックはギリシアの全都市が参加する大規模なもので、大会期間中は戦争が禁じられ、勝者には栄誉が与えられた。なお、ギリシアではこのほかにもネメアー大祭イストミア大祭ピューティア大祭といった大競技大会が開催されていた[9]。古代オリンピックはローマ帝国の統治下でも継続し、おそらく393年に行われた第293回大会まで1000年以上継続したが、394年にキリスト教の支持の元でテオドシウス1世によって禁止令が発出されたことによって終わりを迎えた[10]

スポーツそのものは世界各地で盛んに行われてきたが、19世紀中頃になるとイギリスにおいてルールの整備と組織化が相次いで行われ、近代スポーツが誕生した[11]。近代スポーツの誕生は、スポーツの隆盛と競技種目数の増加を招いた。サッカーとラグビーのように、いくつかの種目はルールの確定と厳格化によって原型から分化し、異なるスポーツとして発展し始めた[12]。いくつかのスポーツは発祥地から遠隔地の諸国へと広がり、世界的な広がりを持つようになったが、特にイギリスの植民地においては、イギリス発祥のスポーツがそのまま伝播し、クリケットやラグビーのように共通のスポーツ文化を保持するようになった[13]。また、野球やアメリカン・フットボールのように、スポーツが伝播した先で現地文化の影響を受けて変化し、新たな競技として分化することも珍しくなかった[14]。フランスのピエール・ド・クーベルタンは古代オリンピックの復興を唱え、1896年には第1回アテネオリンピックギリシアアテネで開催された[15]。このオリンピック大会は徐々に成長していき、やがて世界最大のスポーツイベントとなっていった[16]

スポーツは当初アマチュアリズムに重点が置かれていたが、19世紀後半よりアメリカでスポーツのプロ化がはじまり、やがてヨーロッパにも広がっていった。1970年代に入るとスポーツ・フォー・オール政策が各国で導入されてスポーツの一般市民への普及が図られ、また1980年代に入ると大規模競技大会の商業化が急速に進んで、スポーツ人口および商業規模は大幅に拡大した[17]


  1. ^ First global market research project unveils more than one billion cricket fans 国際クリケット評議会 2019年7月6日閲覧。
  2. ^ 大辞泉小学館
  3. ^ ブリタニカ国際大百科事典「スポーツ」
  4. ^ スポーツ - 語源由来辞典”. gogen-allguide.com. 2020年8月10日閲覧。
  5. ^ 知られざるeSports ~eSportsはスポーツか? | InfoComニューズレター” (日本語). InfoComニューズレター(株式会社情報通信総合研究所). 2021年7月31日閲覧。
  6. ^ べーリンガー 2019, pp. 422-432.
  7. ^ べーリンガー 2019, p. 35.
  8. ^ べーリンガー 2019, p. 29.
  9. ^ べーリンガー 2019, pp. 41–42.
  10. ^ べーリンガー 2019, pp. 87–88.
  11. ^ 4. 近代スポーツを生んだ英国の階級文化 スポーツの始まり”. 笹川スポーツ財団. 2021年10月1日閲覧。
  12. ^ べーリンガー 2019, pp. 359–360.
  13. ^ べーリンガー 2019, pp. 361–362.
  14. ^ a b 『文化人類学キーワード』山下晋司・船曳建夫編、有斐閣、1997年、194頁。ISBN 4-641-05863-6
  15. ^ べーリンガー 2019, pp. 373–376.
  16. ^ べーリンガー 2019, pp. 381–382.
  17. ^ 井上俊・菊幸一編著 2020, p. 28-29.
  18. ^ a b c 生涯スポーツとは | 健康長寿ネット” (日本語). www.tyojyu.or.jp. 2018年7月15日閲覧。
  19. ^ 「よくわかるスポーツ人類学」p110 寒川恒夫編著 ミネルヴァ書房 2017年3月31日初版第1刷発行
  20. ^ 【フィギュア】真央、3回転半2度跳ぶ!ソチへ「自身最高難度」解禁:スポーツ報知
  21. ^ オリンピック憲章 - JOC
  22. ^ The Most Popular Sports in the World”. World Atlas (2018年). 2018年8月17日閲覧。
  23. ^ Tomlinson 2012, p. 18.
  24. ^ べーリンガー 2019, pp. 513–517.
  25. ^ べーリンガー 2019, p. 397.
  26. ^ 佐野慎輔 (2019年8月21日). “エイベリー・ブランデージ 神になった「Mr.アマチュア」”. 笹川スポーツ財団. 2021年6月29日閲覧。
  27. ^ オリンピズムって何だろう 第5回 時代とともに変わるオリンピック憲章”. 公益財団法人日本オリンピック委員会. 2021年6月29日閲覧。
  28. ^ Tomlinson 2012, pp. 96-97.
  29. ^ べーリンガー 2019, pp. 497–498.
  30. ^ べーリンガー 2019, pp. 499–501.
  31. ^ Tomlinson 2012, p. 102.
  32. ^ Tomlinson 2012, pp. 98-99.
  33. ^ 井上俊・菊幸一編著 2020, p. 22-25.
  34. ^ 呉羽正昭「グローバル時代のツーリズム」『グローバリゼーション 縮小する世界』矢ヶ﨑典隆・山下清海・加賀美雅弘編、朝倉書店、2018年、96-97頁。ISBN 978-4254168815
  35. ^ 井上俊・菊幸一編著 2020, p. 36-37.
  36. ^ Tomlinson 2012, pp. 106-107.
  37. ^ Tomlinson 2012, pp. 104-105.
  38. ^ 佐々木 1999, pp. 12–13.
  39. ^ 佐々木 1999, p. 21.
  40. ^ 佐々木 1999, p. 28.
  41. ^ 佐々木 1999, p. 34.
  42. ^ 矢ヶ﨑典隆「スポーツで結びつく世界の人々と地域」『グローバリゼーション 縮小する世界』矢ヶ﨑典隆・山下清海・加賀美雅弘編、朝倉書店、2018年、123-125頁。ISBN 978-4254168815
  43. ^ Tomlinson 2012, pp. 12-13.
  44. ^ オリヴァー・ジマー著、福井憲彦訳『ナショナリズム 1890-1940』岩波書店、2009年、66-69頁。ISBN 978-4000272063
  45. ^ 桜井三枝子・中原篤史編著『ホンジュラスを知るための60章』明石書店、2014年、155-157頁。ISBN 978-4750339825
  46. ^ a b べーリンガー 2019, pp. 179–183.
  47. ^ 井上俊・菊幸一編著 2020, p. 88-89.
  48. ^ 井上俊・菊幸一編著 2020, p. 62-63.
  49. ^ 「よくわかるスポーツ人類学」p2-3 寒川恒夫編著 ミネルヴァ書房 2017年3月31日初版第1刷発行
  50. ^ 井上俊・菊幸一編著 2020, p. 70-71.
  51. ^ 井上俊・菊幸一編著 2020, p. 62.
  52. ^ 井上俊・菊幸一編著 2020, p. 74-75.
  53. ^ 井上俊・菊幸一編著 2020, p. 48-49.
  54. ^ 井上俊・菊幸一編著 2020, p. 106-107.
  55. ^ 井上俊・菊幸一編著 2020, p. 134-139.
  56. ^ a b c d Aesthetics”. Internet Encyclopedia of Philosophy. 2021年9月30日閲覧。
  57. ^ a b 佐々木健一 2004, p. 106.






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