他のセレソン
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物部 大樹(もののべ だいじゅ) / No.1 声 - 宮内敦士 30代前半。身長185cm。ATO商会の執行役員。ATO播磨脳科学研究所の責任者でもある。本作の裏の主人公で、滝沢とはコインの表裏の関係にある。キレ者感の漂う知的な顔立ち に、赤いカレッジリングをして赤い車 に乗っている「謎の男」として、第1話より登場しており、滝沢を監視していた。板津いわくオールバックメガネ。大学時代には漕艇部 で体をきたえており、30代になっても筋肉質な肉体を維持している。 かつては将来を嘱望視されていた財務官僚であり、官僚になる前から真剣に日本を憂い、救おうと考え、官僚として政治家たちに日本が抱える多くの問題を追及して、法律を提案したが、自らの保身しか頭にない政治家たちによる永田町の醜態に失望した物部は真っ当な方法では日本を救うことは出来ないとの結論に達していた。 第一次飯沼内閣で財務省の法務担当課長に30代の若さで抜擢された物部は、かねてより考えていた税制法案「相続税100%法案」を提出している。担当次官と連携しながら、局内の調整・与野党の国会担当者たちへの概要の説明・会食を重ねながらの慎重な根回しをおこない、相続税制改正の大綱をまとめて、閣議に法案を提出するまで持ち込んだが、首相である飯沼誠次郎から「待った」をかけられて閣議決定に至らなかった。その後、物部は相続税100%法案を考えた張本人として、事務次官ではないにも関わらず、飯沼の別邸まで呼ばれた。飯沼は物部の憂国の情を理解していたが、「今はまだ早い―国民にそれと知られないように財産を召し上げる―それは最終手段として取っておくべきだ」と語り、法案に反対した。譲らなかった物部は、何度も飯沼邸を訪れて、手練手管を尽くして法案の重要性を説明し、「この国が手遅れになる前に手を打つべきだ」と訴えたが、飯沼は首を縦に振らなかった。結局、第一次飯沼内閣で相続税100%法案は閣議決定されなかったが、代わりに飯沼は、物部に「自分の下で、この国を動かしてみないか」と、自身の秘書にならないかと誘ったが、物部は飯沼への敗北感から彼と距離を置きたいと考えており、申し出を断っている。「自分たち官僚こそが国を動かしている」と考えていた物部は、一人の政治家の反対で法案が通らないことに絶望すら感じていた。 「日本を救うためには金も時間も足りない」と考えていた物部は、個人タクシーで運転手から「100億円を何に使うか」と聞かれ、「この国にとってやるべきことは国家規模の「ダイエット」だ」と答えている。その後、彼の元にノブレス携帯が届けられ、セレソンに任命された。ノブレス携帯の説明を受けた物部はきわめて慎重であり、逐一送られている全セレソンの活動履歴を仔細に観察して、しばらくはセレソン達の動向を見守っていた。セレソンゲームの全容を把握し始めた物部は、自分が知らず知らずのうちにサポーターの役割を果たしていることに気がつき、そもそもサポーターなるものは端から存在せず、「サポーターがいる」というルール説明でセレソン同士を互いに疑心暗鬼にさせて、「いつでも監視されている」という錯覚を起こさせるパノプティコン的思想哲学であることを解明する。 「100億円で日本を救うことは出来ないが、1200億があれば日本を作り替えることが出来る」と考えた物部はMr.OUTSIDEの正体に気付き財務省を退職。その後、ATO商会と取引のある商社に出入りし、太いコネクションを構築。ATO重工業航空事業本部主任としてATOグループと政界官界とのパイプ役を務め、セレソンNo.7の篁カオルによる「ATO自動車恐喝事件」とリコール騒動では、自身の高いポテンシャルと交渉力で事態を収拾して有能性を示し、最終的にはATO商会執行役員に就任し、ATO播磨脳科学研究所の責任者になっている。 物部は「上の世代が作ったシステムには乗らないぞ」という考えの人間であり、「昭和の亡霊」である亜東才蔵によるノブレス携帯を使ったゲームを下らないと思っているが、亜東才蔵の権力を内包したセレソンシステムには深い関心を持っており、ジュイスを手に入れて物部自身がMr.OUTSIDEに成り代わり、亜東才蔵の権力を奪い取ろうとしている。 当初は他のセレソンに自分の活動を探られないよう、ジュイスにはほとんど頼らず、自分が持つ人脈と交渉力でゲームを進め、ノブレス携帯はもっぱら通信手段として利用するにとどめていたが、「60発のミサイル」の後は、自らが事態をコントロールして最悪の事態を回避したのだという実績を政府上層部に証明するために、あえて申請を履歴に残して活動するようになる。 自らが表舞台に立つことなく、日本を裏から動かすために、戦前には「官庁の中の官庁」と言われ、絶大な権力を持っていた内務省 の復活を目指しており、国家規模の「ダイエット」を行って、政府主導で有能な人材を再配置して、世界に通用する部門だけを有効に機能させていく「小さくて小回りのきく国」に移行させようとしている。また、相続税100%法案制定を財務省法務担当課長時代から目指しており、Mr.OUTSIDEをはじめとする既得権益にしがみ付く老害と、それを食い潰そうとするニートを締め上げて排除しようとしている。これらは真に日本を憂いた故の決断であった。 このほか、江田総理に対して『戦後65年――意思決定を他国に任せてきた「一億総他人任せ」国家から、かならず脱却してみせますよ』と、アメリカからの自立を目指す旨を語っているほか、No.7の篁カオルに対して、「この国はすでに疲弊しきっている。建て直すとしたら、不用なものを切り捨て、規模を縮小し、得意分野だけを伸ばしていく必要があるんだ。だから、日本の自動車産業にダメージを与えられては困るんだよ」「業績悪化という大義名分によって、これからATO自動車は人員整理がはじめられる」「少数精鋭のテクノクラート集団こそ、この国が目指すべき、唯一の勝機だ」と語る。 滝沢の動向を追ううちに板津の存在を知り、結城に板津を車で轢くように仕向けた。その後滝沢と接触し、滝沢が消した記憶を彼に暴露する。 セレソンの素性を9人まで特定しており、そのうち2人(結城、辻)とは協力関係にあり、黒羽とも接触していた。No.12の申請によりジュイス本体が移送されたことを受け、「60発のミサイル」発射の際にそれまで利用していた結城を切り捨て、単独行動に移る。 滝沢と結城を操って「60発のミサイル」攻撃の演出に成功し、彼らの携帯残高を大きく減らすことに成功した物部は、事件の対応に追われて右往左往していた有力議員に接触を試みており、「60発のミサイル」攻撃後、亜東に嫌気がさして総理を辞任していた江田と神楽坂の日本料理屋の座敷で会見した。江田に対して「一連のミサイル事件を裏でコントロールして、予想されうる最悪の事態を未然に防いだ」と告げた物部は、江田が長年夢見てきた「亜東才蔵に成り代わる」という計画を実現する代わりに、自分に日本を陰で操る権力を与えるよう要求した。その後、独自の調査でジュイスを見つけ出し、No.12・No.2・No.9のジュイスをミサイル攻撃で破壊して、物部の計画遂行の妨げになるセレソンをゲームから排除しようとしたが、黒羽の自らのジュイスを犠牲にする申請により滝沢のジュイスを射止め損ねてしまう。滝沢の帰国後、亜東の権力を無力化したい江田からの「亜東才蔵の最後っ屁を消せ」との圧力を無下にできず、Mr.OUTSIDEの指示で海ほたるに集結していた残りすべてのジュイスを、自分のジュイスだけを移動させてからミサイル攻撃しようとしたが、攻撃対象である滝沢のジュイスも海ほたるから移動したうえに、自分のジュイスを滝沢らに強奪されてしまう。 滝沢に対して自分の完敗を認めた上で、日本を物部の理想とする「小さくて小回りのきく国」にするには一旦、政府を骨抜きにする必要があり、そのために「60発のミサイル」攻撃を演出したこと、国民は「一億人のエゴイスト集団」であり、無責任で何も自分で決められないくせに、他人の意思で動かされることを嫌う存在であることを語り、物部は日本を小回りのきく国へと変えるために内務省を復活させようとしていることを明かす。彼に《東のエデン》のメンバーにかけられたテロリストとしての嫌疑と、滝沢のノブレス携帯に残された残高と同額の現金を用意する事を条件に、ゲームの辞退を交渉するが、滝沢からは、物部こそ総理大臣になるべきであり、自らは表舞台に立とうとしない(総理大臣になろうとしない)物部の手法には国民への「愛」がないとして断られている。物部自身は滝沢とは最後まで意見が噛み合わなかったと考えているが、対する滝沢は物部の理想とする「適材適所」の国家像には共感しており、「俺には同じ方向を見てるような気がするんだけどな」と答えている。 ゲームが決した後、Mr.OUTSIDEからの「プレゼント」を受け取った物部は自分の名前も思い出せない状態の中、飯沼邸の正門前で偶然再会した結城を邪魔扱いして激昂させてしまい、彼に発砲されるが、同時に彼を車で撥ね飛ばした。 キャラクターとしての物部の名前は、古代の豪族である「物部氏」から採られた。物部氏は大和政権の警察・刑罰・軍事・呪術を司り、兵器の製造・管理を管掌していたが、蘇我氏との権力闘争に敗れて衰退した。ほか、物部氏は播磨国の鍛冶・製鉄の技術者集団を支配していた。 キャラクターデザインのモデルは、『ハチミツとクローバー』の城山。 辻 仁太郎(つじ じんたろう) / No.2 声 - 遊佐浩二 28歳。身長164cm。「2G(ツージー)」と名乗り、今の日本の空気を演出していると自負する、自称 AIR PLANNER(プロデューサー)。AKX20000をプロデュースした張本人。 最初はノリで始めた裏原ブランドショップ《2G》のプロデューサーに過ぎなかったが、サブカルブームに乗って、自らがデザインしたオリジナルTシャツ が絶大な人気を呼んだ。が、辻はいつかは必ず廃れる裏原に満足せず、ネクストレベルに跳ね上がるべく青山、銀座、六本木などの一等地に店舗を拡大して全国区になり、様々な業界関係者と人脈を築いて、アパレル、音楽、映画、雑誌、オフィスデザインなどの多種多様なポップカルチャーとコラボレーションを展開し、多くのプロデュースを手掛けていった。また、辻は進出する地域を縄張りにしている暴力団への「みかじめ料」を観葉植物やプランターのリース料と称してけちらず払っており、暴力団などの裏社会との人脈が辻の全国区進出に大きく貢献していた。 辻は努力を惜しまない働き者の性格であり、メジャーになった後もブランドのプロデューサーであるにも関わらず、仲間が夜遊びしている時間に事務作業を買って出て、伝票を書いたり、銀行の引き落としを計算したり、ネット注文のパッキン詰めをしたりと、地道にコツコツと努力する事を怠らなかった。 セレブな生活や女性アイドルとのスキャンダル、辻の住む六本木の高級マンションが大きな話題となったりしたが、行きつくところまで行き着いてしまった感覚によって先が何も見えなくなり、精神が不安定になった辻は医師から軽度のパニック障害であると診断され、自宅に引きこもってしまう。そんな時に辻にノブレス携帯が届けられた。 既に辻は100億円以上の資産 を持っており、ノブレス携帯を使った「クソゲーム」から抜けたいという理由で物部に協力していたが、物部によるジュイス強奪が失敗したと考えた辻は、結城に対して『11発目のミサイル』「60発のミサイル」で結城が物部の策略に利用されていただけであった事を告げた。その後は滝沢に感化されて、自らの理念で日本をプロデュースしてゲームを上がろうと独自の活動を開始する。 結城によるミサイル事件を、あたかも国外からの攻撃であるかのように演出し、日本が近隣アジア諸国に対して『被害者』として好き勝手なことが言える国にしようと画策した。仕上げに、総理の私生児が外国人に襲撃されるというシナリオを描き、辻を頼って訪ねて来た結城を「滝沢朗を暗殺した外国人」に仕立て上げて利用する事を画策する。物部を出し抜こうとしたが、「無責任な大多数である国民を全て『被害者』にする」という辻の思想や策略は物部に疎まれ、ジュイスを破壊された上に、更には国税局の査察まで差し向けられてしまった。 Mr.OUTSIDEからの「プレゼント」を受け取った後は記憶喪失になり、セレソンとして自身がプロデュースしたAKX20000のポスターを見て「裸の男たちが写った悪趣味なポスター」扱いしている。 モデルは、日本のファッションデザイナー、クリエイティブディレクター、および音楽プロデューサーのNIGO。 北林 とし子(きたばやし としこ) / No.3 声 - 瀬能礼子 福岡在住の老婦人。 亜東才蔵とは古い知り合いで、終戦時、ATOタクシーの前身ともいえる個人タクシー業を営んでいた 当時30歳の亜東によって、焼け野原で助けられた少女が当時10歳のとし子であった。とし子にとって亜東は兄のような存在であり、その後も亜東と連絡をずっと取り合っていたが、いろいろと不憫な思いをしているとし子を案じた亜東は彼女にノブレス携帯を渡し、セレソンに任命する。 とし子は既に認知症であったが、一日一善を心がけ、夏バテで入院していた病院の病室から見える範囲から、小さなことからコツコツと、日本を地道に変えていこうとした。病院前の公園清掃ボランティア活動にも資金を投じているほか、事故や渋滞の原因になっていた病院近くの「魔の踏切」の改修工事や、病院に入院している子供たちにジュースパックを届ける事を依頼していた。 とし子は亜東と初めて出会った日に、100歳になっても日本をよくしようと活動する亜東に甘味を差し入れるようジュイスに依頼したことが原因で、亜東の居場所がバレてしまうこととなった。 近藤 勇誠(こんどう ゆうせい) / No.4 声 - 白熊寛嗣 35歳。身長176cm。所轄の生活安全課刑事(警部補)。 交番勤務の巡査から26歳で新宿警察署の刑事(巡査部長)となり、極端すぎるとも評される程の強い正義感でめざましい功績を上げ、ノンキャリアでありながら30歳の若さで捜査一課に配属されて警部補にまで昇進した。その後、全国の警察機構を統治する警察庁の警備局長直々の命令で、警察OB議員への極秘内偵捜査を担当するが、永田町で行われる警察官僚と政治家による不正経理、裏金、接待、贈賄罪と、その事に目を瞑る「事なかれ主義」、それに加えて近藤の捜査により、巨額の不正が明らかになったにも関わらず、突然捜査を打ち切った警備局長に近藤は失望する。その後、近藤が内偵を進めていた警察OB議員がホテルで首つり自殺をし、近藤の捜査方法に問題があったとして本庁内部で責任追及され、左遷されてしまう。 理不尽な懲罰人事に「自分に力があれば、正しいことが出来る」と心の底から願っていた近藤の元にノブレス携帯が届けられ、セレソンに任命された。その後、近藤はノブレス携帯の力で警察機構を「正しいことをする人間が正しく評価される体制」に構造改革しようとしたが、ジュイスはその金を賄賂に使い、不正を肯定・助長することになってしまい、近藤の警察改革は挫折してしまう。 真面目な人間が馬鹿を見る現実に絶望した近藤は、 ギャンブルや女にノブレス携帯の電子マネーを浪費し、100億円をほぼ使い果たしてしまった。金銭感覚が麻痺し、闇金融からも2000万円借りるまでに落ちぶれた近藤は、ジュイスに命じて目撃者共々取立人の殺害までするようになる。 アメリカから帰国した滝沢を追跡し、豊洲のシネコンで襲撃してノブレス携帯を奪うが、指紋認証により本人以外には電子マネーの使用が不可能であることを知り、己の迂闊ぶりに落胆する。更に滝沢からノブレス携帯を奪った際に、迂闊にも自分の警察手帳を奪われていた事を滝沢から電話されるまで気が付かず、それを取り返すべく歌舞伎町で滝沢と待ち合わせしていたが、愛人宛のメールを迂闊にも妻のミサエに誤送信したせいで、近藤との結婚生活に疲れ切ったミサエによって包丁で脇腹を刺されてしまう。歌舞伎町の路上で瀕死の状態で倒れていた近藤は、駆け付けた滝沢の助けを拒否し、自身のノブレス携帯を滝沢に託してゲームに関して知りえる情報を伝えた後に意識を失った。 火浦 元(ひうら はじめ) / No.5 声 - 小川真司 52歳。身長166cm。火浦総合病院の院長で元敏腕脳神経外科医。事故で手が不自由になり、精度の求められるオペができなくなった。 「一人の医師が助けられる患者の数は限られているが、優秀な医師を雇い、医療設備を充実させた病院を経営することで、一人の医師が救う何倍もの命を救うことが出来る」「自分たち高齢者の後始末は、自分たちの責任で背負って死んでいくべきである」と考えていた火浦の元にノブレス携帯が届けられ、セレソンに任命された。 「100億円で日本人全員を救うことは出来ないが、老人だけならばなんとか救うことが出来るかもしれない」と考え、100億円を高齢者医療改善とその身内の雇用促進という地域医療の発展と、自身の理想である「高齢者同士が相互に介護し合うことで、若者に迷惑をかけず、疎まれることもなく、静かに死を待つ自己完結した理想的な医療都市建設」のために使ったが、一瞬にして詳細不明の資金を手に入れ、その使用用途には賄賂も含まれていたため、マスコミからはバッシングの対象になっているが、病院の患者や職員からは「救世主」と崇められている。 ゲームを上がる気はなく、自らの活動がMr.OUTSIDEの言う「日本を正しい方向に導く」ことではないとも認識しており、サポーターによりもたらされる「死」も覚悟していた。自分の死後も病院が自治体で運営出来るように取り計らい、100億円を使い果たす。 残金が無くなったことで、サポーターの介入によって死んだと思われていたが、劇場版において、記憶喪失という形で生存していたことが板津の報告から判明した。この時の火浦は、自身が火浦総合病院を設立し経営していたことすら忘れていたが、記憶を無くす前の信念を変わらず持ち続けていた。 直元 大志(じきもと たいし) / No.6 声 - 吉野裕行 映画制作マン。自分の理想とする「しょっぱい男」の映画を撮ることで、日本を救おうと考えたが、滝沢が王様になってゲームを上がってしまうことを危惧して、滝沢の居場所を突き止めるために咲をストーキングしたり、盗み撮りした映像から映画を制作するというアイデアをジュイスに実現させようと、ニューヨークでは度々彼らを危機に陥れる。遊園地では咲と一緒にメリーゴーランドに乗る滝沢に嫉妬して火炎放射器を使い、自らが「主役」になるべく実力行使に出るが、黒羽により阻止され、居合わせた公安に身柄を拘束される。直元自身に応対するジュイスからはバカにされており、申請の度に口論になっていた。 ゲーム終了時には、公安からニューヨーク市警に身柄を移されて拘束されたまま、Mr.OUTSIDEからの「プレゼント」を受け取るハメになってしまった。 篁 カオル(たかむら かおる) / No.7 声 - 神谷浩史 年齢不詳の詐欺師。アニメには登場しない。ドラマCD『No.7』で詳細が語られている。 活動履歴を利用した株のカラ売りと企業恐喝によって利ざやを稼ぐ。AIであるジュイスさえも騙し、口説いていた。 ものづくりを蔑ろにして、利息で食い繋いでいるだけの日本の自動車産業の現状に失望し、ATO自動車を企業恐喝することで、自分からは何も生み出さない「オッサン達」を排除することを企てるが、物部の介入により「休戦宣言」を出すことを強いられ、屈辱を味わう。No.9の活動履歴に関心を抱き、ワシントンへ旅立とうとする彼を捜しに空港に駆け付け、滝沢に遭遇する。彼がこれからやろうとすることの真意を聞き、介入してくるであろう物部から滝沢を守るために、滝沢の真横の席を予約していた物部の座席予約をキャンセルするなどした。 その後、フェラーリで空港のエントランスに乗り付けてきたATO自動車社長を騙してフェラーリを盗み、その足で東京まで帰ろうとしたが、運転中にノブレス携帯でジュイスに電話をかけていたところを白バイ警官に見つかり逮捕されてしまう。 同じく神山による『Xi AVANT』では、外務省のノンキャリア官僚になっており、上層部から「ある男」の捜索を命じられる。 立原 憲男(たちはら のりお) / No.8 50代。身長190cm。元はサッカー好きのしがないサラリーマンでしかなかったが、ある日、個人タクシーに乗った際に、運転手から「100億円やるからこの国をよくしろと言われたら、その金をどう使いますか」と聞かれた立原は酔いも手伝って「そうだな。サッカー日本代表監督になるね。それで日本を元気にする。俺が監督になったらワールドカップ優勝は固いよ」と答え、その翌日にノブレス携帯が届けられ、セレソンに任命された。 立原は「俺をサッカー日本代表監督にしてくれ!」と申請し、ジュイスはサッカーの戦術論文を立原名義で発表させて、更にはベンゲルに推薦させて、日本サッカー協会にただのサラリーマンだった立原をサッカー日本代表監督に成り上がらせた。外国人を帰化させてサッカー代表チームを結成するのではなく、純粋な日本人のみによるサッカー代表チームを結成して、優勝する事を目指し、マスコミから「サラリーマン期待の星」と持ち上げられたりもしたが、彼なりに戦術を考えたり、日本人チームの戦力強化合宿をジュイスに申請するなどしても、決定力不足で戦績は芳しくなく、国際試合の予選通過すら果たせなかった。マスコミからバッシングされ、辞任の声が内外で高まり、2012年のオリンピックで結果を出さなければいけない状況に追い詰められた末に立原は「日本代表に金メダルを」という申請を出した結果、自身が監督から更迭されてしまった。 失意のまま国立競技場前をうろついていた立原は、Mr.OUTSIDEからの「プレゼント」を受け取り記憶喪失になるも、どこか安堵していた。 結城 亮(ゆうき りょう) / No.10 声 - 森田成一 京都在住。30代前半。身長185cm。いつでも就職活動の面接に行けるよう常にスーツを身に着けている。 過労で亡くなった両親の葬式会場から自宅に帰るためにタクシーに乗った後に、ノブレス携帯を手に入れた。ワーキングプアで派遣社員として薄給でこき使われ、借金をして資格を取っても状況は改善せず、そのことを告発するもニートにまで馬鹿にされたことで、不公正な社会にすっかり絶望し、何でも「自己責任」の言葉で完結し、搾取を続けている世間に憤りを感じて、自分を馬鹿にした存在に復讐するために「迂闊な月曜日」を演出した。 『11発目のミサイル』で旅客機を撃墜して、奇跡的に生き残った子供2人を除く乗客乗員236名を死に至らしめた大量殺人犯であるが、物部に自分の車で板津を轢くよう仕向けられた際には「僕が人殺しになってしまうじゃないですか」と真顔で動揺をみせるなど、自らが「加害者」である自覚や、人を殺すという想像力がまったく無く、「あくまで自分は被害者である」「自分をバカにした連中に同じ境遇を味わわせたい」という幼稚で短絡的な意識しか持ち合わせていない。 「60発のミサイル」で再び復讐を果たそうとするが、またしても滝沢に阻止され、No.12によってジュイス本体が移送された後に、端から日本にミサイルを落とすつもりが無かった物部から「自己責任」として切り捨てられる。 ミサイルを撃墜するよう申請した滝沢を逆恨みし、ジュイスに彼の殺害を繰り返し申請するが、いずれも滝沢の王様申請や、物部の申請に邪魔をされて却下される。その後、滝沢への復讐だけのために東京に着の身着のまま上京し、ミサイルで住居を失った豊洲の難民に紛れてニート達相手に駅のゴミ箱などから手に入れた週刊マンガ雑誌を安値で売って生計を立てる「業者」として路上生活をしながら、滝沢への復讐の機会を窺っていたが、ジュイスから残りの残高を使って日本を救うための活動をするべきではないかと諭されると、ジュイスに対して逆切れをして自ら残高が残ったままのノブレス携帯を破壊し、セレソンとしての義務を途中放棄してしまう。そのため、板津達からは「セレソンとして不適格と判断されて消された」と考えられ、ゲームから脱落したと認識されていた。 半年振りに再会した辻に言われるがまま利用されて、裏社会の人間からトカレフと外国籍の偽造パスポートを手渡され、「外国人として」滝沢を襲うよう仕向けられる。その後、ノブレス携帯を自ら破壊していた結城は、ゲームの終了も、Mr.OUTSIDEの「プレゼント」のことも全く知らず、飯沼邸の正門で記憶を消された物部と偶然再会するも、シラを切られたと勘違いをして激昂、彼にトカレフで数発発砲するが、車で撥ね飛ばされた。 キャラクターデザインのモデルは、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』の函南優一。 白鳥・D・黒羽(しらとり・ダイアナ・くろは) / No.11 声 - 五十嵐麗 30代後半。身長173cm。水色の髪と紫の唇を持つ妖艶な美女。西欧系の父親と日本人の母親の間に生まれた。外国人モデル事務所《モノロム》の敏腕社長で、海外から外国人男性を「モデル」として輸入している。 『ジョニー狩り事件』の犯人で連続殺人鬼。ジョニーをシガーカッターで切り取って放置するという残忍な手口で、殺害を繰り返していた。しかし都市伝説にあるようないたいけな童貞ではなく、実際には性犯罪者のみを対象としていた。ゲームを上がる気はなく、ノブレス携帯を取得する前から「女性の敵である性犯罪者=生産性のない男を間引いて、代わりに優秀な外国人を日本に輸入する」という信念に基づき『ジョニー狩り』を行い、ノブレス携帯はもっぱら情報収集と死体処理のために使用していた。実母への義父(養父)の暴力を見かねて、義父を刺殺し鳥葬に付した過去を持つ。 滝沢をサポーターと疑いタンクローリーの横転事故に巻き込ませ怪我を負わせるが、滝沢との会話の最中彼が倒れるや介抱した。滝沢を心配して駆け付けた咲と出会い、咲に滝沢を大切にするよう言い残した後、背中から真っ黒な翼を生やし、大杉と間違えられていた強姦魔を抱えて夜空に飛び去った。その後モデル事務所を畳み、情報調査会社《モノクローム・エージェンシー》を立ち上げる。滝沢の「あんたも助けるよ」という言葉を信じて、彼と再会する機会を待っていた。後に飯沼千草から『飯沼朗』の調査を依頼される。 物部が滝沢のジュイスをミサイル攻撃した時には、自分のジュイスが積まれたトレーラーを身代わりにして守った。その際ジュイスを「私に付いた部下の中で最高に優秀だった」と評した。 滝沢に会う前に物部とも接触しており、物部と滝沢を「リアリストとロマンチスト」に例えているが、どちらがリアリストで、どちらがロマンチストかまでは明らかにしていない。 もともと黒羽はノブレス携帯の力には興味がないようで、男性という存在そのものも信用していなかった。特に日本の在来種男子を見限っており、日本男子を駆逐して、外来種の素敵な男子を輸入することでしか、日本を救うことはできないと考えていた。その黒羽も、滝沢と会ったことで大きく変わり、ジョニー狩りもやらなくなっていた。 基本的な考え方が官僚的で、旧来のシステムの中で思うようにいかなかったことをノブレス携帯を手に入れたことで一気に変革してしまおうと動き始めた物部と、人助けが好きな王様である滝沢を比較して、黒羽は日本の空気を変えてくれるのは物部ではなく滝沢に違いないと考えて、彼に賭けたという。 No.12 正体不明のセレソン。ジュイスを播磨脳科学研究所からどこかに移動させた。ジュイス移送 以外にノブレス携帯を使用した形跡は、それまでにはなかった。物部はサポーターもしくはMr.OUTSIDEではないかと推測していた。劇場版でその正体が明かされる。
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