吉田・都とは? わかりやすく解説

吉田 都


吉田都

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/16 10:27 UTC 版)

よしだ みやこ
吉田 都
くるみ割り人形』 で金平糖の精を踊った吉田都 (2009年)
生誕 (1965-10-28) 1965年10月28日(59歳)
日本東京都国立市
教育 松山バレエ学校英国ロイヤル・バレエ学校
職業 バレリーナ、舞踊芸術監督
身長 163 cm (5 ft 4 in)[1]
配偶者 遠藤貴
公式サイト 公式ウェブサイト
現所属 新国立劇場バレエ団2020年~)
過去所属 サドラーズウェルズ・ロイヤル・バレエ団(現バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)(1984年1995年
ロイヤル・バレエ団1995年2010年

吉田 都(よしだ みやこ、1965年10月28日 - )は、日本バレリーナ

東京都国立市出身。1988年より2010年まで22年間にわたって英国の2つのロイヤル・バレエ団プリンシパルを務めた。2020年9月より、新国立劇場の舞踊芸術監督を務めている。

経歴

東京都国立市に生まれる。父親は地方公務員、母親は専業主婦で、二人姉妹の二女だった[2]

1974年、9歳で石沢秀子にバレエを習い始める。1981年に全国舞踊コンクール・ジュニア部門で第1位[3]。その後石沢の勧めで松山バレエ学校に移籍した。松山在籍中の2年間にはコール・ド・バレエとして松山バレエ団の公演にも出演した[4]

都立北多摩高等学校2年在学中[5]1983年ローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップ賞を受賞し、英国ロイヤル・バレエ学校に入学。当初は上級学校の1年生のクラスだったが間もなく最終学年に移され[6]、1年後の1984年にサドラーズウェルズ・ロイヤル・バレエ団 (現バーミンガム・ロイヤル・バレエ団) に入団した。ピーター・ライト卿に認められ、4年後の1988年には最高位プリンシパルに昇格した。

ロンドンを本拠地とする姉妹カンパニーのロイヤル・バレエ団にはプリンシパルとして度々客演していた。吉田は1995年以前に、家族的な雰囲気のバーミンガムに居続けることで成長が止まってしまうことを恐れ米国のバレエ団への移籍を考えていたが[7]、バーミンガムの監督だったP・ライトに吉田が英国から離れるのを惜しまれ、一定の競争がある本家ロイヤルへの移動を勧められて、1995年にバーミンガムから正式に移籍した[8]

イギリスでは 『眠れる森の美女』、『白鳥の湖』、『くるみ割り人形』、『ジゼル』、『ドン・キホーテ』 といった代表的な古典の主役のほか、アシュトン振付 『シンデレラ』、ニネット・ド・ヴァロア振付『コッペリア』、マクミラン振付『ロミオとジュリエット』などの少女役・妖精役を得意とした。

2009年11月、ロイヤル・バレエ団からの引退公演が発表された[9]。2010年4月にロンドンのオペラ・ハウスにてさよなら公演として『シンデレラ』を踊った。2010年6月29日、東京文化会館で同バレエ団の来日公演 『ロミオとジュリエット』 のジュリエット役を踊り、26年間に及んだイギリスでのキャリアを終えた。

ロイヤル退団後は日本を拠点にフリーランスとして活動している。2011年3月11日の東日本大震災の直後には、ロンドンにてJapan Tsunami Appeal Concertというチャリティー公演を企画し、支援活動を行った。2011年5月には東京で、古巣バーミンガム・ロイヤル・バレエ団と『真夏の夜の夢』を踊った[10]

2018年6月28日に行われた新国立劇場運営財団理事会審議にて、同年9月から新国立劇場舞踊部門次期芸術監督予定者として芸術参与に就任することが決定した[11]

2019年8月7日・8日に引退公演「Last Dance」を上演し、ダンサーを引退[12]。2020年9月1日、新国立劇場の舞踊芸術監督に就任し、新国立劇場バレエ団を率いることとなった[13]

私生活では2005年に日本人の遠藤貴と結婚した。

バレエ以外の活動と受賞

著書

主なテレビ出演

関連書籍

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ 日本人ではバイオリニストの二村英仁に次いで2人目。

出典

  1. ^ 吉田 都のプロフィール”. 日本タレント名鑑 (2024年5月10日). 2024年5月10日閲覧。
  2. ^ 「こころの玉手箱(2)」 日本経済新聞 2008年2月26日夕刊
  3. ^ 『全国舞踊コンクール50年史』 (東京新聞社、1994年)p.101。同書によると吉田は同コンクールで1979年に入賞(このときの部門名は「バレエ第2部」)、1980年 第2位、1981年 第1位であり、3年目にしての優勝だった(pp.97-101)。
    なお 『MIYAKO 英国ロイヤルバレエ団の至宝・吉田都の軌跡』 (文藝春秋、2006年 ISBN 9784163577203) および 『バレエのプリンセス 吉田都の世界』 (新書館、1997年 ISBN 4-403-32003-1)では誤って「1980年 第1位」と記載されていた。
  4. ^ 前掲 『…吉田都の世界』、p.53。
  5. ^ 「特報 第11回ローザンヌ賞」 The TES Graphic 1983 Vol.7-1 〔通巻42号〕、テス・カルチャーセンター、 ISSN 0387-8368 p.26
  6. ^ 吉田都 『吉田都 一瞬の永遠』 世界文化社、2011年、ISBN 978-4-418-11502-0、p.92
  7. ^ 丸の内キャリア塾 No.76」 日本経済新聞東京版夕刊 特集広告、2008年10月21日(火)
  8. ^ "Miyako Yoshida & Kevin O'Hare", The Ballet Association, 14 April 2004.
  9. ^ "Royal Ballet Guest Principal announces her final performances with the Company", Royal Opera House
  10. ^ 2011年公演ラインナップ」、日本舞台芸術振興会
  11. ^ “会長、理事長、芸術監督および次期芸術監督予定者について” (日本語). 新国立劇場. http://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_012652.html 2018年7月6日閲覧。 
  12. ^ 水沼啓子 (2019年9月25日). “吉田都、バレエ人生の集大成 引退公演 NHK・BS放送”. 産経新聞. 産業経済新聞社. 2021年1月3日閲覧。
  13. ^ 渡辺志帆 (2020年9月2日). “【吉田都】新国立劇場の芸術監督に就任、コロナ禍で自分に言い聞かせた言葉”. 朝日新聞グローブ. 朝日新聞社. 2021年1月3日閲覧。
  14. ^ a b c d e f g 人物 - 吉田都”. バレエアーカイブ - 昭和音楽大学. 2023年7月3日閲覧。
  15. ^ 21 July 2004 : Miyako Yoshida, Japanese Principal Ballerina, named UNESCO Artist for Peace”. UNESCO (2004年6月21日). 2024年5月7日閲覧。
  16. ^ "Richard Sherrington Award for Best Female Dancer for the year 2006", Critics' Circle
  17. ^ バレリーナ吉田都氏特別客員教授就任」、神戸女学院大学
  18. ^ 洋画の奥谷博氏ら5氏に文化勲章 文化功労者にコシノジュンコ氏ら 産経ニュース、2017年10月24日閲覧。
  19. ^ 輝く女 吉田都(2005)”. NHK (2005年5月31日). 2024年5月7日閲覧。
  20. ^ 自分を信じる強さを持て バレリーナ・吉田都”. NHK (2007年4月24日). 2024年5月7日閲覧。
  21. ^ スーパーバレエレッスン ロイヤル・バレエの精華 吉田都(2009)”. NHK (2009年8月24日). 2024年5月7日閲覧。
  22. ^ 英国ロイヤルバレエ 日本公演 ロメオとジュリエット(2010”. NHK (2010年11月19日). 2024年5月7日閲覧。
  23. ^ 世界のプリマ 最後の闘いの日々~バレリーナ・吉田都~”. NHK (2019年10月25日). 2024年5月7日閲覧。
  24. ^ バレリーナ・吉田 都、ラストステージまでの軌跡”. NHK (2020年11月16日). 2021年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月26日閲覧。
  25. ^ 恐れずに、つま先立ちで〜芸術監督・吉田都〜”. NHK (2021年1月5日). 2024年5月7日閲覧。
  26. ^ 吉田都×宇佐見りん”. NHK (2021年6月19日). 2021年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月25日閲覧。
  27. ^ NHKアカデミア 吉田都 "揺るぎない知性"との出会い”. NHK (2022年8月30日). 2022年9月2日閲覧。

外部リンク



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